先日、高円寺に古着を見に来て、驚いたことがある。 高円寺や下北沢といった古着屋が集まる町は、往々にして、朝が遅い。午前中には歩いている人もまばらだ。とある本で、こういった若者の町は12時を過ぎるまではまるで町が眠っているようだ、こんなことだから今の若者はだめなのだ、という嘆きも読んだことがある。 ところが、その日、全国に次々と店舗を増やしているチェーンの古着屋が、朝の10時から開いていたのである。それらは、大きな資本の入った店で、古着屋のみならず、服を中心としたリサイクルショップチェーンとも言える店だった。 昔、ぼくが高円寺や下北沢で遊んでいたとき、古着屋といったら個人経営の店か、多少チェーン展開していたとしても、そういった古着屋の町に何店舗かあるくらいのものだった。 ぼくは、イオンが全国の商店街をシャッターだらけにしたような巨大な資本が、古着という世界にもなだれこんできたことを感じた。