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CES 2025
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いま『Mouthwashing』など、ローポリゴン風のタイトルがかなり目につくようになった。過去10年の間でも目立ってはいたが、近年のそれはまた意味が違うように映る。 itch.ioに溢れる古いビデオショップのワゴンで投げ売りされているようなホラーにインスパイアされたゲームから、Steamにて特殊な視座を持ったナラティブゲームに至るまで、低頂点数のポリゴンモデルによるキャラクターが登場するタイトルがずいぶんと増えてきている。 この流れを「90年代のプレイステーションやセガサターンの頃に見られたホラーゲームのアートスタイルへリバイバルしたいんだ」と解釈するのはたやすい。だが、個々のタイトルをいくつもプレイしてみると、どうも懐古という言葉では説明がつかない。 それはかつてのピクセルアートが、古いゲームの時代を懐古するプロセスを経て、デジタル表現のひとつとして独立したのに近いかもしれない。しかし
SIMOGOによる『Lorelei and the Laser Eyes』は2024年を代表する、とびぬけた完成度を持つアドベンチャーゲーム(以下、ADV)といっていい。近年で比較するなら、ジャンルは違ってもダニエル・モリンズの『Inscryption』に匹敵する衝撃がある。その衝撃を紐解いたものを書いておこうと思う。 本作は映画『去年マリエンバートで』を題材にしているのもあってか、過去の映画や文学が行った既存の手法や文体を疑う方法を、ビデオゲーム自体に向けている。それは、開発のSIMOGOが『YEAR WARK』や『DEVICE 6』など過去10年に行ってきた、ゲームに対する文体への疑いを総決算するかのようでもあった。 ある女が幻想的なホテルを巡り、館内に張り巡らされたパズルを解く過程で女の過去と現在が交錯する。それ自体はありふれているが、『Lorelei and the Laser E
ひとりの開発者が、大不況下のゲーム産業の絶望に晒され、アートハウスゲームの祭典で希望を探す——「A MAZE」ドキュメンタリー『Weired Games Manifesto』紹介【アートハウス・ゲームシーン】 いま、ビデオゲーム大手の産業、そして大手の企業は個人にとってどれだけ信用が置けるものなのか? このメディアはアートハウス・ゲームを扱うことに特化しているので、通常のゲーム産業について言及することを度外視しているようなところはある。だけど、実際には両者は繋がっていて無関係ではない。 インディーが活況となるずっと以前からアートハウスゲームは存在している。ゲーム産業がなんらかのビジネスとしての傾向を強める一方で、産業としての方法から目を背け、ゲームが持つ特異な可能性を追求したり、もしくはゲーム産業の手法に批評性を持たせたゲーム開発を行ったクリエイターたちはいた。 アートハウスゲームの存在と
【NEWS】路上販売でわずかな金を稼ぎ、生き、人生を知るシミュレーション『Cart life』が完全版の開発に向け、itch.ioにて資金援助を募集。2012年のインディーで最大の評価を得た路上の伝説が、再生に向かう。 2012年は『Hotline miami』や『Gone Home』など、インディーゲームのクラシックとなるタイトルが多数リリースされた歴史的な1年だった。 その年にて、数あるクラシックを押しのけ、インディーゲームイベントの老舗であるIndependent Games Festivalにて最高賞を得たタイトルがあった。そのゲームは、誰も殺したりしないし、家族がすべて消えた家で謎を解いたりもしない世界——ドラマチックで、刺激的なことは起きない、我々がよく知る日常そのものを、新鮮に体験させる路上販売を題材にしたものだった。 それが『Cart life』である。IGFで栄冠に輝いて
「A MAZE.」とは、アートハウス系ビデオゲームを特集する、ドイツ・ベルリンで開催されるイベントである。 まずアートハウスとは、既存のビデオゲーム産業で評価されるタイトルとは距離を置き、作家性や新しい表現手法のほか、より現実的・社会的なテーマを押し出したタイトルを意味している。それらを特集するA MAZE.とは、平たく言ってしまえば映画におけるカンヌ映画祭やベルリン映画祭みたいなものと考えてもらってもいいかもしれない(とはいえ映画におけるカンヌやベルリンは、国際的な映画販売の見本市でもあるためビジネスの意味も強い。その背景もそんなにないA MAZE.はより先鋭的なイベントかもしれない) Good morning! Feel more comfortable with a 😷? The A MAZE. EXHIBITION: MASK ON EDITION begins soon at
シーズンテーマ『日常』で特集しているテキストです bitsyとは、ミニマルなゲームエンジンです。ブラウザ上で動作し、プログラミングの知識もいらず、シンプルな操作でゲームを作れることを特徴としています。bitsyは開発の手軽さから、このエンジンのコミュニティが築かれていることも大きな特徴ですし、決められた期間にゲームを作って持ち寄るゲームジャムにおいてもしばしば利用されています。この記事では、bitsyを使って作られたゲームを「日常」というテーマからいくつか紹介します。 執筆 / 鳥の王国 編集・ヘッダー・タイトル提案 / 葛西祝 本記事は無料で最後までお読みいただけます。購入後には感謝の言葉が記されています。 bitsyは2016年、開発者のAdam Le Douxが公開したゲームエンジンです。Adamいわく、当時は『Kentucky Route Zero』に触発されて大型のナラティブ作品
▼日常▼ 謎の痛みの原因をいくら医者に聞いても診てもらえない……クリエイター・npckc氏の実話からゲームデザインされた難病診断ライフシム『気のせいだ』 シーズンテーマ『日常』で特集しているテキストです『気のせいだ(原題:you're just imagining it)』は心をかき乱される一作である。というのも、僕自身が昨年2023年に、本作のクリエイターであるnpckcさんとゲームイベントなどでお話させていただくことが多かったからだ。 npckcさんはさまざまなジェンダーアイデンティティを持つ主人公を描いた『A YEAR OF SPRINGS』や、特殊な開放で切り抜けるホラーの『a pet shop after dark』を代表作に持っている。特に『A YEAR OF SPRINGS』の一編、『one night, hot springs』は、近年のクィア・ゲームへの関心が高くなってい
ヤンキーには2種類いる。根明なヤンキーと根暗なヤンキーのふたつだ。 『The friends of Ringo Ishikawa』と福井の中学生 初めて煙草を吸ったのは13歳の春。中学に上がったころだ。時間は夜の23時ごろだったと記憶している。家には先に寝た弟しかおらず、母はスナックの仕事で夜は不在、父は博打を打ちにいくのでこれまた不在という、典型的なネグレクト家庭で育った。1994年、福井県でのことだ。 煙草を吸ってみようと思ったのは確固たる意思があってしたことじゃない。ただ、なんとはなしに吸ってみたのだ。結果的には大いにむせ返り、弟を起こしてしまった。それだけのことだったが、この日が「不良少年・池田伸次」の誕生だったのだろう。 40代になり「不良少年」の日々ははるかに遠ざかった。いま現在精神を病み、双極性障害を患って長い。日々精神安定剤と抗鬱剤、それに加え睡眠障害なので睡眠薬も飲んで生
みんな知ってて評価してるゲームを 再確認するアワードやって一体何の意味がある? 未踏の傑作に光を当てろ! 『令ビゼロゲームアワード』とは、ゲームライター・翻訳者・批評家のコミュニティ「令和ビデオゲームグラウンドゼロ」(以下、令ビゼロ)が主催するアワードです。本アワードはThe Game Awerdあたりが業界の中心に位置する傑作を評価していく方向に対し、周縁に屹立している傑作群に注目していくことを目的としています。 現在、AAAやインディーなどを合わせれば、年間で1万本を越えるビデオゲームがリリースされている状況です。itch.ioからふりーむに公開されるフリーゲームも含めれば、もっと数は増えるでしょうか? それほどたくさんのタイトルが存在するわけですから、ビデオゲームには数多くの表現の可能性が開かれております。しかし、世界の代表的なほとんどのアワードがそんな多くの可能性をフォローできてい
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