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■アナザーノート 3月末の卒業式が近づくにつれ、筑波大学4年だった斎藤真緒さん(23)は気が重くなった。 もともと式典には参加せず、後日、卒業証書だけ受け取るつもりでいた。 しかし、同月の上旬、大学の…
経済・軍事的台頭を続ける中国への警戒感が漠然と漂うなか、昨年2月に起きたのが、ロシアによるウクライナ軍事侵攻でした。その光景を、アジアに重ね合わせ、「台湾有事」への懸念も、国内外で加速しているように思います。「インド太平洋で同じことを起こしてはならない」。中国を念頭に、岸田文雄首相がそう語ったように、日本の政府・与党は「危機」を訴え、防衛費を倍増させ、「反撃能力」という名の敵基地攻撃能力保有を宣言しました。ただ、「台湾有事」と聞いて、具体的にどんなことが起き、日本にどのような形で波及するのか、想像できるでしょうか。 2026年を想定 そんな台湾有事の「リアル」を垣間見ることができるのが、米有数の保守系シンクタンク「戦略国際問題研究所(CSIS)」が今月9日に発表した、台湾有事シミュレーションです。165ページに及ぶ報告書を読み込み、そのポイントを共有したいと思います。 「有事」はいつ起きる
東京電力に入社した94年4月、私は福島第一原発に赴任した。新入社員の研修で、二つの注意事項を言われた。 一つは福島県内の大熊町、双葉町などの「町」の呼び方だ。 「マチをチョウと呼ぶと、地元の人たちは気を悪くします。大熊マチ、双葉マチと呼びましょう」 たしかに福島の人と話していて、うっかりチョウと間違えると、どこか白けた空気になる。 今年8月。双葉町役場の新庁舎が完成した。式典に招待された県知事の内堀雅雄氏は長野市出身だ。同僚によると、内堀知事はあいさつで「双葉チョウ」と発言。とっさに「双葉マチ」と言い直した。 「原発」と呼ぶな 東電の研修で受けたもう一つの注意は、原発の呼び方だった。 「原発とは言わず、原子力発電所と省略せずに言いましょう」 理解できなかった。その年の3月まで大阪大学で原子力を専攻していたが、先生も学生もみな「原発」と呼んでいた。 東京地方裁判所は東京地裁だし、通商産業省(
公務員とは、組織で仕事をするもの。だから、あまり個人に注目するのはどうかとも思う。しかしこの人のことはぜひ取り上げたい。ずっとこの部署を見続けてきたが、この人がトップについてからいろんなことが進んだ。というか、波風が立った、というほうが正しいだろうか。 林伴子・前内閣府男女共同参画局長である。 選択的夫婦別姓についての議論再開、男女の賃金格差の是正、女性政治家や候補者に対するハラスメント、家族の形の変遷を「もはや昭和ではない」と指摘した2022年版男女共同参画白書……。彼女がこのポジションについて取り上げた課題だ。歩みを振り返りたい。 辞令を受け決めた三つのこと 1987年に旧経済企画庁に経済職のキャリアとして入省。国際派の官庁エコノミストの道を歩む。英語を駆使して国際会議にも多数出席、パリにある経済協力開発機構(OECD)の日本政府代表部の勤務経験もある。経済政策に関する著作も複数出して
茨城県日立市で開かれた「日本原子力学会」を9月上旬に訪れた。約30年ぶりだった。以前は大阪大学で原子力工学を専攻する学生として。今回は取材だ。 学会は原子力に携わる学者や官民の研究者らが集まる「原子力ムラ」の頭脳集団だ。半年に1度、研究成果が発表される。 会場の茨城大学工学部に、満席で立ち見が出る教室があった。テーマは、原発の「新型炉開発の価値」。 注目度は高かった。その2週間前、岸田文雄首相が政府の「グリーン・トランスフォーメーション(GX)実行会議」で「次世代革新炉の開発・建設」を検討するよう述べたためだ。原発の新増設や建て替え(リプレース)、運転期間の長期延長も検討課題にした。東京電力福島第一原発の事故以降、歴代政権が封印してきた政策だ。 斜陽化する原子力ムラに、11年半ぶりに薄明かりがさしたかに思えた。しかし、専門家の発表には冷静さもあった。 たとえば、東京都市大(旧武蔵工業大)の
原発事故の取材で、「風評加害者」という聞き慣れない言葉を耳にした。魚や野菜が「福島産」というだけで売れなくなる「風評被害」は問題だが、福島産であることを理由に買わないと、いつか「加害者」と呼ばれてしまうのか? いやな空気を感じた。 「安全」への疑い 環境省が5月にオンラインで開催した対話フォーラム「福島、その先の環境へ。」。パソコンの画面には、小泉進次郎環境相やお笑い芸人のカンニング竹山さん、なすびさん、被曝(ひばく)問題の専門家ら登壇者が映し出された。いずれも福島の復興を応援している人たちだった。 テーマは、たまった汚染土をどうするか。福島県双葉、大熊両町の「中間貯蔵施設」には2015年から県内各地の汚染土が運ばれ、今年度内に東京ドーム11杯分(1400万立方メートル)に達する見通しだ。 もともとは宅地や田んぼなどの表土だったが、原発事故で飛び散った放射性物質がこびりつき、放射性物質を表
半導体戦略推進議連、「自由で開かれたインド太平洋」推進議連、新たな資本主義を創る議連……。先の国会では国会議員がテーマ別に集まる議員連盟(議連)が自民党内に次々と出来て、一種のブームのようだった。 「半導体」は3A(安倍晋三前首相、麻生太郎財務相、甘利明・自民党税制調査会長)が主導、「インド太平洋」は二階俊博・自民党幹事長が党所属の全議員を誘い、「新たな資本主義」は岸田文雄・自民党前政調会長が音頭をとり、岸田派が全力で推す。 議連は政策を学び、議論を交わす場ではあるが、党内の勢力争いや綱引きの舞台ともなっている。どの議連に参加した、とりあえず顔だけ出した、はしごした、声はかけられたけど……などという話題が飛び交った。 勢力争いとは対照的 あっちの議連には60人集まった、いやこっちは100人を超えた……という派手に競うこちらとは対照的に、10人も満たない人数でひっそりと始まった自民党の勉強会
国家が危機に見舞われた時、政治指導者はいかに国民の生命・財産を断固守る気構えを示し、国民に協力と団結を促すことができるか、その資質と力量が試される――。世界的に新型コロナウイルス感染症が猛威を振るうなか、世界の指導者はどう振る舞い、国民にどんなメッセージを届け、そして国民はそのリーダーにどのような視線を向けているのでしょうか。感染拡大への不安と、相次ぐ行動制限で、さぞ国民の不満がうっ積しているのかと思いきや、欧州など主要国の指導者の支持率は軒並み上昇しています。ところが、その例外が、日本です。その差はどこから生まれるのでしょうか。主要国の支持率データを調べ、その背景を外国の友人や日本の専門家に聞いてみました。危機下におけるリーダーの資質を見極める四つの教訓も紹介します。 「日本は感染拡大を比較的抑えているのに、なぜ安倍内閣の支持率が下がるのか」。コロナ禍における各国指導者の支持率を調べてみ
こんにちは。浜田陽太郎と申します。ここ20年ほど、社会保障を中心に取材してきました。「大事だけど、よくわからない」と思われがちなテーマかもしれませんが、くらしと政治の距離を縮めて「わかりやすさ」を追求したいと思います。 酷暑の東京の片隅で それにしても、8月は暑かったですよね。エアコンなしの生活はもう考えられなくなったと思いませんか? こんな質問をするのは、最近の経験をご紹介したかったからです。 猛暑日の8月中旬。私は都内のある男性のアパートを訪ねました。仮にAさんとしておきましょう。 マスクをしてその部屋にいるだけで、汗がどんどん出てきました。エアコンが動いていないからです。 70歳代のAさんは独り暮らしで、身寄りはなく、最近、生活保護を受け始めました。 私は、新聞社に勤めるかたわら、地元の社会福祉協議会(社協)に「生活支援員」として登録しています。独り暮らしのお年寄りの金銭管理などをお
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