『情況』2024年秋号に編集長塩野谷恭輔氏が載せている、『声明』への「ささやかな応答」文に出てくる「B氏」とは私である。また同誌前編集長横山茂彦氏が同号に寄せた「批判にかえて」で言及されている、「事前に」同号への「問いかけ」をした人物も私である。「事前」とは正確には同号の発売前、『声明』の発表前の両方であり、私はたしかに塩野谷氏と横山氏の二人に同号への私の感想を伝えたのち(後述するように三人で会う機会があった)、『声明』起草者の一人となり、署名者のうち何人かへの呼びかけは私が行った。横山氏が名前を挙げずに言及している雑誌『デルクイ』関係者である絓秀実氏に『声明』文案を送り、署名していただいたのも私である。ここでは私がそのような役目を果たすことにいたった経緯と動機を説明しておきたい。 この「お返事」を書く理由も、その動機の部分にかかわっている。塩野谷氏と横山氏には、いわば分かっていながら二人