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本エントリーは、書籍『ゲームの歴史』(岩崎夏海、稲田豊史 2022年)第一巻について、1977年に発売された最初期のカートリッジ交換型家庭用ゲーム機であるアタリVCS(Video Computer System)に関する記述を批判するものだ。 周知の通り、当該書籍は既に版元の講談社より絶版・回収措置が取られた。しかしながら、古書市場での流通に加えて、公共図書館等でも引き続き利用に供されていることを確認している。すでに『ゲームの歴史』を読んでしまった人に加えて、これから『ゲームの歴史』に目を通す人もゼロではないことから、詳細な批判を公開することは決して無意味ではないと考える。 もう一つ、『ゲームの歴史』は1980年代前半までの海外のビデオゲームについて、主要参考文献に挙げられている『それは「ポン」から始まった』(赤木真澄 2006年)の誤認識に起因する不適切な記述が多く含まれる。故に、本エン
ゲームの歴史 1 出版社/メーカー: 講談社発売日: 2022/11/16メディア: Kindle版 『ゲームの歴史』、2022年11月発刊。著者は岩崎夏海氏と稲田豊史氏の連名。計三巻が出版されているが、以下は第一巻のみを読了した感想である。 書名が示すように、本書はコンピュータゲームの歴史書を標榜している。 この『ゲームの歴史』に関しては、著者の一人である岩崎夏海氏のTwitter上での発言が物議を醸した。曰く、「データを用いると恣意性に際限がなくなる」「ゲームの世界に客観など存在しない」とのことだ。 〇『ゲームの歴史 1〜3』 / 岩崎夏海, 稲田豊史 (残念な本と残念な著者の話)|keigo| この発言を目にした時点での僕はまだ『ゲームの歴史』を入手していなかったのだが、異論や反発を覚える以前にそもそも意味がわからなかった。データを用いず、また客観性を担保しないまま書かれた歴史書とい
2022年12月現在、日本語版Wikipediaにおける「アタリショック」の項には、次のような記述が存在します。 「アタリショック」という言葉そのものは米国最大の玩具小売業者トイザらスの副社長だったハワード・ムーア(Howard Moore、発言時は同社役員)の発言として1990年の『日経エレクトロニクス』に初めて登場した。 〇アタリショック - Wikipedia (更新日:2022年10月8日 (土) 06:44) 文中でも触れられているように、この記述の原典は日経エレクトロニクス。具体的には、1990年9月3日(第508)号に掲載された「任天堂アメリカ、ソフト管理と消費者情報の収集で40億ドルの市場を築く」が該当します。 最初に結論を述べると、この記述はWikipediaのガイドラインに反していることに加えて、事実に反する不適切な内容であり、直ちに修正されるべきであると考えます。理由
アタリショックと任天堂: 「アタリショックは任天堂の捏造」という捏造 作者: 広田哲也出版社/メーカー: 発売日: 2020/08/14メディア: Kindle版 〇「アタリショック」という概念、言葉は任天堂が捏造したものだったのか? 答えはここにある。 (任天堂雑学blog) 〇「アタリショックの嘘と誤解」の嘘と誤解(その2) (同上) 本エントリーは、Webサイト「任天堂雑学」を運営する広田哲也氏が上梓した書籍『アタリショックと任天堂』を批判するものである。 当該書籍は極めて難点が多いが、特に看過できないのが副題にも挙げられている「アタリショックは任天堂の捏造」とのテーマだ。 広田氏は『アタリショックと任天堂』を執筆するに至った動機として、とあるブログの主張に疑問を感じことにあると述べている。本書の中では(何故か)名が明かされていないが、これはゲーム史研究家のhally(田中治久)氏が
〇Dragon Slayer (MSX) (MobyGames) 日本ファルコムが1984年にリリースした『ドラゴンスレイヤー』は、T&Eソフトの『ハイドライド』やコスモスコンピュータの『カレイジアスペルセウス』と並び、最初期に登場した国産アクションRPGとして知られます。 もっとも厳密に言うと、『ドラゴンスレイヤー』はターン制の疑似リアルタイムRPGです。しかしその先駆性と、ゲーム自体の面白さを兼ね揃えた傑作であるとの評価に異論を挟む人は少ないでしょう。僕自身、パソコンでは最後発のリリースとなったMSX-ROM版(1986年)を、時間を忘れるほど夢中になってプレイしたことを覚えています。 そんな『ドラゴンスレイヤー』が生み出される際に、作者の木屋善夫氏が参考にしたApple IIの海外産ゲームが存在するとの話をweb上で目にしました。 〇『Caverns of Freitag』 (Mob
〇“NO MORE映画泥棒”新CM公開。カメラ男が街中の逃走劇で華麗なアクションをくり広げる! (ファミ通.com) 上に挙げた記事の通り、約6年ぶりとなる「NO MORE 映画泥棒」のCMの新作が公開されました。 念のため説明しますと、「NO MORE 映画泥棒」とは劇場映画の盗撮や違法アップロードの防止を呼び掛ける啓発CMです。本編映像が始まる前に流れるため、日本の映画館へ足を運んだ経験がある人なら必ず目にしているでしょう。 さて、レトロゲーム界隈(って何処?)では有名な話ですが、この「NO MORE 映画泥棒」のCMにはAtari 2600(VCS)のゲームの効果音が使用されていることで知られます。 論より証拠。まずは2014年に公開された旧CMをご覧ください。 このCMで、効果音が使用されているAtari 2600のゲームは2作品。 具体的に述べると、0:31で違法DLを行っている
“バンゲリング帝国三部作は、『バンゲリングベイ』『ロードランナー』『チョップリフター』の世界観を共有する3作品を指す。” 〇バンゲリング帝国三部作 - Wikipedia 日本語版Wikipediaに存在する「バンゲリング帝国三部作」との記事については、以前に当blogで批判したことがあります。 〇幻想のバンゲリング帝国 確かに、1980年代前半にブローダーバンドが発売した『チョップリフター』『ロードランナー』および『バンゲリングベイ』には、ストーリー上の共通の敵として「バンゲリング帝国」が登場します。 しかし、当のブローダーバンド自身がこれらを「三部作(Trilogy)」と過去に表明した事実があるとは寡聞にして知りません。そして、これらの作品におけるバンゲリング帝国は名前以外の共通点を見いだすことができず、「世界観を共有する」などと断定することはできません。 端的に言うと、「バンゲリング
6月末に刊行された『日本デジタルゲーム産業史』(初版第1刷)の第2章について、米国家庭用ビデオゲームに関する記載内容を中心に、事実誤認や疑問に感じた箇所を指摘させていただきます。 P.28他 (誤)Magnabox (正)Magnavox p.35 (誤)テレスター(Telester) (正)テルスター(Telstar) p38 (誤)ビデオ・コンピューティング・システム(Video Computing System) (正)ビデオ・コンピュータ・システム(Video Computer System) ・ステラ(アタリVCS)に関して、“コントローラーとしては、家庭用ゲーム機で初めてジョイスティックが採用された”との記述があるが、欧州で1976年に発売された1292 Advanced Programmable Video Systemという名のゲーム機が2軸スティックを採用していたとの記録
いよいよDVDが発売となった、『ATARI GAME OVER』日本版。すでにお手元にある方も多いのではないかと思います。 ○最悪の失敗作『E.T.』めぐる「ATARI GAME OVER」特別上映会レポ―実機解説プレイも! (GameSpark) ○“伝説のクソゲー”「E.T.」の実態とは。DVD「ATARI GAME OVER」特別上映会のトークコーナー「アタリ『E.T.』とその時代」をレポート (4Gamer.net) さて、去る9月5日に秋葉原で行われた『ATARI GAME OVER』の先行上映会において、会場配布用の解説文を提供させていただきました。『E.T.』開発者のハワード・ウォーショウの経歴に加えて、ドキュメンタリー本編では触れられていない小ネタをいくつか盛り込んでおります。 そこで以下、上映会で配布された解説文を公開させていただきます。『ATARI GAME OVER
『E.T.』は、子供向けのゲームとしては良いかもしれないが、大人に薦めることができる点は皆無だ。(中略)映画のネームバリューを利用したアタリの試みは、熱烈なゲームファンに対する侮辱である。 お金と時間を無駄にしてはならない。そして、もしもE.T.が母星に連絡できたときは、どうかこのゲームのことを教えないように。 ―― 『Electronic Games』1983年3月号のレビュー 『E.T.』のデザインは素晴らしくゲーム全体も楽しみを与えてくれるが、ユーザーが慣れ親しんでいた激しいアクション要素がふんだんに盛り込まれている類のゲームではなかった。(中略) 本作に対する最大の苦情は、幾度となく穴に落ちることだ。そのことはハワード(訳注:『E.T.』の開発者)も問題点であると認識していたが、ゲームを完成させるまでの時間的猶予がなかったために改善されなかった。とはいえハワードは、ユーザーが何度か
その1、その2の続きです。 さて、86年以前のキャラゲーでナムコがかかわりがあるタイトルと言えば、答えは一つしかありません。前回のパズルの正解は以下の通り。 遠藤氏 : ガンダムのゲーム作りたかったから 家庭用始めたんだよねぇ・・・(*訂正) インタビュアー : ええっ!!そうなんですか!!! 遠藤氏 : うにゃ。 「マクロス」のゲーム作ったときに色々ゴタゴタがあって それからナムコはよその版権モノは使わない!って方針だったんだよね。 *(2005/6/7)遠藤雅伸氏本人(!)からご指摘を受けました。お詫びの上、訂正させていただきます。 85年に発売されたファミコン版『超時空要塞マクロス』は極めて不自然なゲームでした。 販売はバンダイ、でも開発・製造はナムコ。 実際の商品を見るとよくわかりますが、カートリッジの形状(メーカーにより形が異なっていた)は明らかにナムコのものです。 さらにラベル
●Xbox公式による、アラモゴード発掘の模様を紹介したムービー (前回の記事) ○アラモゴードの『E.T.』発掘ニュースについて 4月26日に行われた、米国ニューメキシコ州アラモゴードの処分場の発掘作業ですが、その後の報告で、「E.T.埋蔵伝説の真相」とでも呼ぶべき決定的な証言が浮かび上がってきました。 ○元Atariの社員で「E.T.」を含むゲームカートリッジを埋めた責任者James Heller氏が当時の状況を説明 (doope!) ○Diggers find Atari's E.T. games in landfill (USA TODAY) 本件のキーパーソンとなるのは、アイダホ州ナンパ市在住の Jim Heller氏。 doope!の記事でも触れられている通り、このHeller氏は元アタリ社の社員であり、1983年にテキサス州のエルパソ工場よりアラモゴード処分場へと運びだされたビ
○Success! Atari E.T. games found in New Mexico dump (CNET) ○Long-Buried E.T. Cartridges Unearthed at New Mexico Landfill (Xbox Wire) ○都市伝説は本当だった、ニューメキシコ州の「Atariの墓」から最悪のクソゲー『E.T.』カートリッジが発掘される (Game*Spark) ○伝説は本当だった!アラモゴード市の埋立地発掘作業からAtari 2600版「E.T.」のカートリッジが出土 (doope!) 既にご存知の方も多いと思いますが、「E.T.の埋葬地」として知られる米国ニューメキシコ州アラモゴードの処分場の発掘作業が、4月26日に行われました。これは、マイクロソフトがXbox向けに制作しているドキュメンタリー番組の一環であり、希望者は誰でも見学可能とあって、
●Pac-Man Fever ジェリー・バックナーとゲイリー・ガルシアのデュオが歌う、1981年12月発売の流行曲。 シングルレコードは100万枚以上を売り上げ、『ビルボード』誌のヒットチャートに最高順位で9位にランクインする快挙を達成した。 ■前回の記事はこちら。 ■アタリショック関連記事のまとめはこちら。 1982年4月3日――VCSの隆盛は最高潮を迎えていた。 アタリ社は、同年3月に発売した『パックマン』のVCS移植版について、大規模なセールスプロモーションを展開。この日を「ナショナル・パックマン・デー」と銘打ち、全米27都市で販売イベントを華々しく挙行した。 『パックマン』は、元々1980年にナムコより発売された業務用ゲームである。アメリカでは10万台以上を出荷し、社会現象と呼べるほどの一大ブームを引き起こしたことで知られる。 しかし、VCSへの移植版は、いわゆる「アタリショック」
今回も、例によって『艦隊これくしょん』の話題です。 遅ればせながら、提督の皆さんは秋イベントおつかれさまでした。そして未プレイの方は、現在でも定期的にサーバー開放抽選が行われていますので、是非とも着任しよう(提案) ■観艦式 ついカッとなって、MMD(MikuMikuDance)に手を出してしまいました。といっても、艦娘のMMDモデルに既成モーションを読み込ませて、遊んでいるだけなのですが。 上の三人は、今回の秋イベントで活躍してくれた我が艦隊のエースたち。鈴谷はE-4、E-5で決戦艦隊の旗艦を努め、霧島はE-4ボスを撃破する大戦果を挙げてくれました。本当は、E-3ボスとE-5ボスにゲージ破壊弾を叩き込んでくれた大井も加えたかったのですが、残念ながら改二バージョンのMMDモデルはまだ未公開のようです。 尚、吹雪は先日にLV80に到達しました。我ながらどうかしていると思います。 ■新艦さんい
Atari Video Computer System(VCS)はアタリ社が1977年に発売した家庭用ゲーム機。そして、1982年にVCSはAtari 2600へと改称された。 しかし、“VCS2600”との表記は一般的ではない。敢えて併記するのであれば、「VCS(Atari 2600)」とするべきであろう。 ファミコンは、1983年、アーケードで高い実績があり、ゲーム&ウオッチにも移植されていた「ドンキーコング」をローンチタイトルの一角に据え、ゲーム&ウオッチ版「ドンキーコング」で採用された「十字ボタン」をコントローラに組み込んで発売された。(中略) もっとも、業界の評判は、それほど芳しいものではなかった。「当初、アタリショックを知る流通には受け入れられず、有力な百貨店などは「委託でなら置いてもいい」ときわめて消極的な姿勢をとったのである」と言われている。 (p.143) この、“当初、
「金のなる木を売り渡そうとしたなんて信じられますか?あのときファミコンをアタリに売っていたら、任天堂の名前が海外で知られることもなかったでしょう」 ―― ニンテンドー・オブ・アメリカ(NOA)の代表を務めた荒川實の回想[1] 1983年、任天堂とアタリ社の間でファミリーコンピュータの海外販売権を巡って許諾交渉が行われました。 これはデヴィッド・シェフ著『ゲーム・オーバー』にて広く知られるようになった事実であり、先日に出版された『ファミコンとその時代』においてもファミコンの海外展開を論じた文章の中で参考文献として提示されています。 ただし『ゲーム・オーバー』の記述は、もっぱら交渉に立ち会った人物の描写(おそらくかなり脚色が加えられている)に重点を置いています。肝心の交渉内容については、アタリ社に“日本以外での販売権を認め”、“極めて低いコストでファミコンを製造させようとしていた”[2]などと
書籍『ファミコンとその時代』より、第一章から第二章にかけてのアタリ社家庭用ビデオゲームに関する記述の中で、特に疑問を感じた箇所への私的見解を取り急ぎ書き留めてみました。 書籍全体の感想は後日、別記事にて公開させていただきます。
国内ではアタリ・ショックとして知られる1980年代初頭のAtariに関する凋落ですが、この事件を象徴する都市伝説として知られるAtari 2600版「E.T.」のカートリッジ埋め立てに関する真偽が発掘調査を伴うドキュメンタリー作品として検証されることが明らかになりました。 ○数百万本が埋められたとされるAtari 2600版「E.T.」の都市伝説を発掘調査するドキュメンタリーの制作が決定 (doope!) (関連記事) ○米アタリ社「ビデオゲームの墓場」の真実は…埋立地の発掘捜査に許可(AP) (エキサイトニュース) ○A film company poised to search for 'worst video game ever' in Alamogordo (Alamogordo Daily News)*1 アタリショック考察を行なっている当blogとしては無視できない海外ニュー
○Princess Rescue - Atari 2600 アタリ家庭用ゲームコミュニティのAtariAgeで、VCS(アタリ2600)対応のHomebrewソフト『Princess Rescue』がリリースされました。 YouTubeのプレビュー画像の時点で、すでに出オチしてるんですが… どこからどう見ても、スーパーマリオじゃないか!(笑) というわけで、1977年に発売された家庭用ゲーム機のアタリVCSに、『スーパーマリオブラザーズ』のエッセンスが見事に移植されています。 元々VCSは、自由にデザインできるオブジェクト(スプライト)が表示可能なのは一画面に2枚まで。さらにオブジェクトのカラーは水平ラインごとに一色しか使えまぜん。厳しい制約の元で、ここまでスーパーマリオを再現できるとは驚きました 画面切り替えではなく、ちゃんとスクロールしているのもポイント高いですね。 とはいえ、くれぐれ
○Super Mario dies on the cover of his first home console game. 一昨日にTwitterで目にした、「スーパーマリオはパッケージで死んでいた」という画像が面白かったのでご紹介。 この画像、向かって左側がNES版『スーパーマリオブラザーズ』のパッケージなんですけど、確かに言われてみれば、マリオが城砦面のマグマに落ちる瞬間としか思えませんね(笑)。 ○Nintendo Entertainment System - Wikipedia ここで、海外仕様ファミコンのNintendo Entertainment System(NES)について簡単に解説。 NESがアメリカに上陸したのは1985年末。ニューヨークでの試験販売を皮切りに、翌86年には全米へ販路を拡大していきます。 そして上に挙げた『スーパーマリオ』のようなドット絵イラストが描か
1979年11月に起きたイランアメリカ大使館人質事件の際、米軍がヘリコプターを使用し特殊部隊デルタフォースを突入させたイーグルクロー作戦に着想を得て制作されたと言われる。 ○チョップリフター - Wikipedia(日本語) カーター大統領の時の、ヘリコプターを使ったイラン人質救出作戦の失敗にヒントを得て作られたゲーム。日本のゲームには見られない社会性・時事性を持ち、アメリカではとても人気があった。 ○『テレビゲーム電視遊戯大全』 UPU(1988年) 最初に答えを書いてしまうと、これは「単なる誤伝」です。 ○Choplifter! screenshots - MobyGames 『チョップリフター(Choplifter!)』は、1982年にブローダーバンド社より発売された任意サイドスクロール・シューティングゲーム。 オリジナル版の対応プラットフォームはApple IIですが、80年代の主
○Gamer hops for almost 85 hours to set new Q*bert world record (Examiner.com) ○30年間破られなかった『Qバート』の世界新記録がついに破られる! (Kotaku JAPAN) アメリカで『Qバート』の世界記録が更新されました。新記録となったスコアは37,163,080点、プレイに要した時間はなんと84時間48分(丸三日以上!)です。 ちなみにこれは、「1クレジットで最も長くアーケードゲームをプレイした記録」を同時に更新したことにもなります。 ○Q*bert (英語版wikipedia) ○Q*bert (KLOV) そもそもこの『Qバート(Q*bert)』というゲーム、我が国ではあまり知名度が高くないように思います。 元々はアメリカのゴットリーブ社が1982年に発売したアーケードゲーム。日本でもコナミより販売され
遅ればせながらアニメ『ガールズ&パンツァー』を見ました。 いきなり、「女性の伝統武芸として戦車道が嗜まれている」との荒唐無稽な設定には大笑いしてしまったものの、見た目に反して話数を進めるごとに熱い展開が繰り広げられており、ついには物語に引き込まれてしまいました。僕は第二次大戦のミリタリー関係の知識はサッパリなのですが、これを機会にちょっと手を広げてみようかなと思案中です。 ところで、個人的に『ガールズ&パンツァー』の劇中で思わず目を惹かれてしまったのが、第二話に登場したビデオゲーム。見る人が見れば一発でわかりますが、この戦車ゲームには元ネタが存在します。 ○Battlezone (1980 video game) (英語版Wikipedia) ○Atari Battlezone Cabaret - 1980's Classic Game Arcade Vector Video Game (
映画『アベンジャーズ』のDVD/Blu-rayが発売されました。 「日本よ、これが映画だ」という挑戦的なキャッチコピーで物議を醸した本作ですが、個人的には非常に楽しめました。もっとも、僕自身は原作のアメコミを全く読んだことが無くて、「アイアンマンはプロトンキャノンを使わないの?」「ビジョンは居ないの?」などといった感じのビデオゲームから仕入れた怪しい知識しか持ってませんが(笑) それはさておき。 映画『アベンジャーズ』の中で、個人的に見過ごせないシーンがありました。 S.H.I.E.L.D.が運用する飛行空母の指令所で、乗組員の1人が『ギャラガ』を遊んでいます。 ○Galaga in The Avengers movie (YouTube) 劇場公開時から気になっていたのですけど、今回改めて見直して確信しました。 ○Galaga (1984) screenshots (MobyGames)
○Pac-Man 4K アタリ家庭用ゲームコミュニティのAtariAgeで、VCS対応ソフト『Pac-Man 4K』の販売が開始されました。 YouTubeに投稿されている動画をご覧の通り、ナムコの名作メイズアクション『パックマン』をアタリVCSに移植したHomebrewソフトです。グラフィック、4種類のゴースト、迷路の形状、サウンドなど、アーケード版に存在した要素が高いレベルで再現されています。 『パックマン』のファンメイド作品は、いままでにも『Pac-Man 8K』や『Pac-Man Arcade』といった先例が存在しました。とはいえ厳密に言うと、これらは製品として発売済みの『パックマン』や『ミズパックマン』を改変したhackバージョンです。 しかし本作は、一からコードを組み上げた完全オリジナル。そしてタイトル名が示すように、プログラムサイズはわずか4キロバイトです。元のアーケード版『
サターンの正式名称はセガサターン 「アース」製薬がサターンの商標まで取っていたための苦肉の策 ○暇なんでゲーム業界ネタ書いてく (ゴールデンタイムズ) 最初に結論から書きますが、アース製薬が「サターン」の商標権を取得していたというのは全くの誤解です。 そもそもの話として、アース製薬が「サターン」を商標登録する必然性がありません。例えば任天堂が「Wii」以外にも「Vii」や「Xii」の商標権を取得しているように、よく似た名称を防護的に登録することはありえます。 しかし、「アース(地球)」と同じく太陽系の惑星だからという理由だけで、似ても似つかない言葉である「サターン(土星)」まで商標登録したとの説明は、明らかに不自然です。 また、商標権の権利範囲は、登録出願されている商品(商標法で「指定商品」と言う)によって決まります。例えば任天堂は、家庭用ゲーム機において「ファミコン」の商標権を現在保有し
2011年12月に発行された本をいまさらご紹介。著者のジェフ・ライアン氏は主にWEBメディアで活動しているゲームジャーナリスト。 今年の頭にかけて、一時amazonでは品切れになっていましたが、現在は在庫が復活しているようです。 原題は『スーパーマリオ いかにして任天堂はアメリカを征服したか』*1。 書名が示すように、ビデオゲーム史上最も有名なゲームキャラとなったマリオの活躍を主軸としながら、1980年代にアメリカへ進出した任天堂が世界的企業へと成長を遂げていく過程が描かれています。 とりわけ、設立当初の米国任天堂を大きく取り扱っている日本の書籍は、今まで『ゲーム・オーバー』(93年)か『新・電子立国』(97年)ぐらいしかありません。本書は、我が国では馴染みが薄い「ファミコン前後」のアメリカの家庭用ビデオゲーム普及史を、最新の知見にアップデートした内容と言えます。 ただし残念なことに本書は
○ファミコン版「スペランカー」制作者による裏話がここに。御年70歳,業界歴37年の現役クリエイター,スコット津村氏が振り返るあの頃 (4Gamer.net) 既にご存知の方も多いかとは思いますが、4Gamer.netにおいてTozai社シニアアドバイザーを務められているスコット津村氏のインタビューが公開されています。 津村氏のお名前は、以前にクソゲー処理概論さんのメールインタビューで目にしたことがあったのですが、これほど波乱万丈な経歴をお持ちの方であったとは驚きました。 十数回もの転職を経験された末に、アイレムの前身となるIPMへと入社。以降、30年以上に渡ってゲーム業界に身を置かれて来たとのこと。 制作に関わられたビデオゲームにまつわる逸話をはじめ、現在のゲーム産業に対する見解、Tozai社が権利を有する「スペランカー」「ロードランナー」の今後の展開など非常に読み応えのある記事です。全ゲ
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