前回のブログで、戦争を評価するうえでの加害者証言の重要性についてふれました。ただただ文献を読んだだけでそう判断したのではないし、適当に思ったことを場当たり的に書いたわけではありません。一応、農村調査や取材をとおして、そう思うにいたったということを知っていただくために、4年前に私が書いた記事を、2回にわたって転載しておきます。 今回は連載2回のうちの第1回分です。媒体は『週刊金曜日』(308号、2001年3月24日)で、タイトルは「加害者側から見たポル・ポト政権」。まあ、そのものズバリのタイトルです。 この記事から浮かびあがってくる最大のポイントは、被害者は「システム」がわからないまま殺されるが、加害者はみずからが置かれたポジションの範囲で、虐殺の「システム」を知っている、ということです。 このことは、植民地化されたアジア諸国の人びとと、旧日本軍の幹部や兵士の関係性にも、そのまま当てはまるこ