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kaz-ataka.hatenablog.com
1995年の春、金融領域におけるコンシューマーマーケティング*1の先駆け的なプロジェクト(僕のいた会社の慣習で以下「スタディ」と書く)があり*2、初めて大手銀行のお仕事をした。そこまでに、消費財分野において、次々と現れる強烈な競合ブランドの登場で相当厳しい状況にある歴史あるブランドを劇的にテコ入れする、市場のど真ん中を撃ち抜く商品を生み出す*3、などの取り組みを経て、かなりコテコテのマーケティングストラテジストになっていたため、マーケティング研究グループのリーダーのお一人*4と一緒に異種格闘技戦的に投下されたのだった。 そのスタディのワーキングメンバーには僕以外は金融やオペレーションのプロが入っていた。僕は消費財分野はそれなりに経験してきたが、金融についてはほとんど何もわかっていない状況だった。上記のような効果が期待されていたため、過度のガイダンスは僕にはされなかった。その異質間の化学反応
Parco delle Madonie, Sicily, Italy (September 2023) 1:1.4/35 Summilux ASPH, Leica M10P, RAW 先日書いたエントリで触れた人類がグローバルに抱える大きな2つの課題のうちの一つ、「人口調整局面のしのぎ方」についてもう少し考察してみよう。まずは先般のエントリ*1から一部抜粋する。 この人口調整局面ではかなりの深刻な問題が大量に噴出する。それは例えば、会社がほしいと思った人の数が取れないということから始まり、僕が「風の谷検討」でよく見ている疎空間であれば、郵便局や役所のような基本機能すら人がいなくて維持できなくなるという問題でもある。もっと深刻には、道や橋梁だとか上下水道、食料供給の要である灌漑網、電力網、ゴミ収集と処理のような社会の基盤をなすインフラがこれまでのようには維持できなくなるということであり、あま
連合艦隊旗艦「三笠」の羅針儀@宗像大社 The compass of the flagship Mikasa of the Allied Fleet @ Munakata Taisha Shrine, Munakata, Japan 1.4/50 Summilux ASPH, Leica M10P, RAW 今月の頭、武蔵野台地の南西*1にある東京学芸大学(学芸大)で、『個別最適な学びに関する公開シンポジウム 第二回』に登壇した。学芸大は師範学校を4つ束ねて作られたthe教員育成学校であり、東京高等師範を前身とする東京教育大が筑波大学に改組され、総合大学化したこともあり、今の日本の教育研究のセンター的機関の一つと言える。現在も卒業生1000人の半分以上は教員になられるという。学芸大副学長の佐々木幸寿先生、気鋭の大村龍太郎先生に加え、国の教育(人づくり)に関する議論の中核をなす中教審(中央教
Munakata Taisha Shrine, Munakata, Japan 1.4/40 Summilux ASPH, LEICA M10-P この間、web3の世界的なメディアであるCoinDeskの日本版を運営するb.tokyo (N.Avenue) のYear End eventがあり、成田修造さん、川崎ひでとさんと登壇した*1。 「Year End Party / CoinDesk JAPAN・btokyo」開催しました! Special Sessionでは、貴重なご登壇者の皆様のお話を聞きながら、時には笑いもあふれ、2023年の最後を飾る素晴らしい時間となりました。 セッション後のパーティーでは、btokyo… pic.twitter.com/pEIZbV5Vo7— CoinDesk JAPAN (@CoinDeskjapan) 2023年12月21日 「生成AIとweb3が
出雲・稲佐の浜(令和5年 神在月) Inasa-no Hama (Inasa Beach) in Izumo, Japan during Kami Ari Zuki (The Month of the Gods' Presence) in 2023. 1.4/50 Summilux ASPH, LEICA M (Typ 240) もうかれこれ4~5か月前、旧知である新メディア"Pivot"の佐々木紀彦さんと竹下隆一郎さんから熱烈なご相談があり、9 quesitonsという番組に出たことがあった。70分1本勝負で一気に収録したが、そこで僕が言ったことの一つは「みんなAIの話ばかりをしすぎている。人類にとって大きな2つの課題があり、それをこそ解決すべきであり、AIだとかデータはそのためのツールとして使うべきだ」という話だった*1。 - その二つの課題とは「人類と地球との共存」と「人口調整局面の
Summilux 1.4/50 ASPH, Leica M10P @Chinkokuji Temple, Munakata, Japan 昨日のLLM(large language model 大規模言語モデル)議論の続きをもう少し書いてみようと思う。 kaz-ataka.hatenablog.com DS協会のスキル定義委員会ではIPAと協働し、2年に一度、データサイエンティストのスキル標準を見直し、改訂版を発表している*1。今年は奇しくも改訂年だったのだが、この春、わずか数ヶ月前に華々しく登場したChatGPTを目の前にしつつ、生成AI領域においてデータ×AIプロフェッショナル(データサイエンティスト DS)の場合、求められるスキルはどうかわるのか、という議論を随分とした。 データサイエンティスト協会 10thシンポジウム スキル定義委員会発表資料(2023年10月20日) 生成AIは
Izumo Ooyashiro, Izumo, Japan 1.4/50 Summilux ASPH, LEICA M (Typ 240) 気がついたら年末。半年もブログ更新ができていない*1。その上、最近、色々な場で人に色々聞かれるたびに思うことが随分と多い。澱(おり)のようにためておくのもどうかと思われ、色々書き出すモメンタムになればと少し書けたらと思う。 - 毎週何回か登壇、取材が続いているが、このところ、繰り返し聞かれることがいくつかある。 LLMによって仕事はなくなるんですか? 今後AIでどんな仕事がなくなるんでしょうか? OpenAI & Microsoft、Google/DeepMindのglobal big playersがガンガンとやる中、日本はなにかやれることはあるんですか Pivotなどで言われていた物魂電才について教えてください。 今後の学校教育はどうあるべきですか
Leica M(typ240), 1.5/50 C-Sonnar, RAW 日本人だったら誰でも知っているが、ちゃんと原文で読んだことのある人がもしかしたら専門家ぐらいしかいない本の話をしたい。 『古事記』だ。まだカナやカタカナのない時代の作品であり、この本は元々、漢字だけで書かれている。それも漢文というより、漢文に万葉仮名のような当て字が大量に混ざって使われており、長らく読むこと自体ができなくなっていた。古事記自体の冒頭にも、適切な表現ができず、相当に苦労して書いたと書いてある。 普通の意味の現代語訳されていない「原文」は、この研究で国文学者として名を成した本居宣長(1730-1801)が一生をかけ解読した「読み下し文」と思われる。いま古事記を読む人の大半は現代語版を読んでおり、これが訳者によって相当の解釈と表現の差があるために、その印象と評価は原文とは相当に差があるものになる。 寛永版
1.4/50 Summilux ASPH, Leica M10P, RAW 4年前(2019年)の6月18日、、ちょっとした歴史的なイベントがあった。 Facebook創業者のマーク・ザッカーバーグ氏が国の発行する通貨と並ぶ、デジタル通貨システムの立ち上げを発表したのだ。一企業として立ち上げるというのではなく、VISA, Masterやvodafone, paypal, ebay, spotify, liftなども含む大掛かりなコンソーシアムによって立ち上げるというコンセプトで、世界のどこにもリアルタイムで、これまで銀行口座を持てなかった方々も含めて、低廉に価値を届けるという構想だった。その名はLibra(リブラ)。全世界が騒然となったことはいうまでもない。 これまで通貨の発行権は通常のbindingルールを持つコミュニティの枠組みでは最大の単位である「国家」*1 が握ってきており、国家か
1.4/50 Summilux ASPH, Leica M10P, RAW (@Boston, MA, March 2023) 昨年の秋、現代を代表する評伝作家の北康利先生が、僕のゼミにお越し頂き、様々に熱く、そして味わい深い薫陶を頂く有り難い機会があった。日本人として福澤諭吉先生には多大な感謝をしており、その御恩返しとしてやってきたと、幸せと出会い、福澤先生と現代、など多岐にわたる味わい深いお話を頂いたのだが、その中で『代表的日本人』(内村鑑三著)について触れられることがあった。 代表的日本人 (岩波文庫) 作者:内村 鑑三,鈴木 範久岩波書店Amazon たしか高校時代の乱読の中で読んだことがあり、そのときはかなり滑って僕にはあまり記憶に残らなかった、とお伝えしたところ、これは明治の開国をした日本にこれだけの普通じゃない人たち(現代風に言えばヤバい人たち)がいたということを西欧諸国に示
1.4/50 Summilux ASPH, Leica M10P, RAW 「異次元の少子化対策」について国をあげての検討が行われるという。 本ブログを書き始めた十年あまり前に一度議論を整理したほうがいいのではと思ったのだが、機を逸してしまい、今に至ってしまった。ただ、拙著『シン・ニホン』(NewsPicks 2020) を読まれた方であれば、僕がそこで、相当に踏み込んだ議論を行ったことを覚えている方もいるだろう。 シン・ニホン AI×データ時代における日本の再生と人材育成 (NewsPicksパブリッシング) 作者:安宅和人ニューズピックスAmazon このテーマの議論は次の3段の問について考える必要があると考えられる。 少子化は一体何が問題なのか 仮に何らかの理由で問題だとしたときに、それはどのような構造的な背景があるのか その上で、では一体どのような状況が望ましく、それに向けて、どの
1.4/50 Summilux ASPH, Leica M10P, RAW (これは次のblog postの続編です。) kaz-ataka.hatenablog.com 機械学習ベースのAIの生み出す結果について問題提起的な議論を聞くことが多い。 〇〇についてしらべると 極端に男性に偏っている 極端にヨーロッパ系の人たちに偏っている 極端にリベラル(英語圏の意味の左派)よりである 豊かな人達に向けた議論があまりにも多い 体型や容姿に恵まれた人への極端な偏りを感じる などなどだ。 気持ちは大いにわかるが、機械学習というものの特質を考えると致し方ないところは多い。機械学習ベースのAIは7-8年前にHarvard Business Reviewで整理したとおり、相当の計算環境に、テキスト処理や機械学習を含むアルゴリズムを実装し、大量の経験値を与えて特定の目的に向けて訓練したものだからだ。 安宅
1.4/50 Summilux ASPH, Leica M10P, RAW Midjourney、ChatGPTと立て続けに強烈なアプリケーションが出てきて、Diffusion model(拡散モデル)やtransformer architectureに基づくいわゆるGenerative AI(生成系AI)がそこらで話題だ。ガンガン画像を生み出すことで一気に注目を集めたMidjourneyはクリエーター寄りだけれど、11月末、対話型で答えを返してくれるChatGPT*1が出てきたときに*2、あまりの回答力にDS協会*3のスキル定義委員会でもひとしきり話題になり、僕も自分の研究会の学生たちに「君ら、深く考えずにまずは使い倒したほうがいいよ」と早々にアドバイスした。使わないことには凄さも課題も何もわからないからだ。 すると二週ほど前のゼミで、ある卒業を控えた学生が ChatGPTがないと生きて
Summilux-M 1:1.4/50 ASPH, Leica M10P, RAW @Hakuba, Nagano, Japan 全く終わっている感じがしないので昨日の続きをもう少しつづけられればと思う。 kaz-ataka.hatenablog.com - そうこう彷徨っているうちに、出会ったのが現代生物学だった。40年近い前の当時の僕の理解では、ウイルス、細菌、培養細胞を用いた研究により、セントラルドグマや異端児としての逆転写酵素など分子生物学的な骨格的課題の検討が概ね終わり、人間の生命の理解は大きく次のフェーズに入ろうとしているように思えた。 利根川進先生らによる免疫の多様性の解明、ホメオボックスなどの発見による発生など高次なレベルでの生命の検討が進むようになったこのタイミングであればもしかしたら、精神活動を物理化学的なアプローチでそろそろ迫ることができるのではないかと直感を得、その
Summilux-M 1:1.4/50 ASPH, Leica M10P, RAW @Hakuba, Nagano, Japan 先日、人生に影響を与えたコンテンツ、特に本や映画、について取材を受けた。クローズドな場に向けたものであったため、そこで話した内容を少しご紹介できたらと思う。 - ここまでの半世紀をざっくりと振り返ると、もともとは分子生物学を学び、脳神経科学の分野に進み米国で学位(PhD)をとったが、ポスドクの最中に911があり、断腸の思いで帰国。 また約30年前からストラテジー、マーケティング分野で飲料、小売、商社、ヘルスケア、クルマ、ハイテク機器、ペイメント、半導体、検索、メディア、広告、国の産業戦略、AI戦略、人材育成などなど、B2C/B2B/public、幅広い分野の戦略立案、商品・ブランド開発、立て直し、事業開発に深く関わってきた。 一方、デジタル/データ×AIの世界に
Chinkokuji-temple, Munakata, Fukuoka, Japan Leica M10P, 1.4/50 Summilux, RAW (これは10/30のエントリ「この国ではファクトや論理より空気のほうが重い」からの抜粋です) データや情報はメディアに頼らず自分で元ソースから見て考えることが大切です。それも一つだけではなく、ここで行ったように何重にも複数の情報を横断的に比較しないと意味がわからないことはたくさんあります。これらの読み解きや確認すべきポイントはどこかにまとまっているわけではありません。その領域についてのある程度の基礎知識を持った上で、全体感を把握しつつ、狙いを定めていくのが基本です。ざっくりとした地図を持って入る探検に近い感じです。 感染者数のような同類に見える数字も同じ母数(例えば極端に人口組成が変わらない前提での人口10万人など)同士になるように、ある
Chinkokuji-temple, Munakata, Fukuoka, Japan Leica M10P, 1.4/50 Summilux, RAW 先日、富山県の県立高校の先生、約2,000人の前でお話する機会があった*1。年に一度の合同研修の日ということだった。中高の教育システムとはあまりcompatibleではなかった僕のような人間が、先生方の前で話して欲しい、と頼まれる日が来るとはとかなりオドロキだったが、旧知の教育委員会の先生に1年も前からご依頼され、お受けせざるを得なかった案件でもあった。 自分が高校生だったら、先生方に何をわかっていてほしいだろうかということを考え、世の中について、必ずしも正しく理解されているとは思えない、理解されているなら現在のような教育になっていないだろうと思ういくつかのポイントになると思うことをお話した。 曰く、世界は人口調整局面にあり、人口が減るこ
長らく第三勢力の時代が来ると話をしてきた。 きっかけは2015年、経済産業省(経産省)の産業構造審議会(産構審)新産業構造部会、この今、来ようとしている時代についての意味合いを理解し、国として必要な取り組みや対応を考えるという場に呼ばれたことだった。 審議会の面々はかなり錚錚たるもので、その後、経団連の会長になられる日立中西さん、副会長になられるDeNA南場さん、フューチャー金丸さん、IGPIの冨山和彦さん、みずほFG佐藤さん、DLの驚異をいち早くアラートを出してきた東大 松尾豊さん、日テレ 宮島香澄さん、慶應経済 土居丈朗さん、CANVAS 石戸奈々子さんなどなど。今から考えれば恐ろしく濃い面々の会議だった。座長は東大 伊藤元重さん。ちなみにここにある回、スペシャルゲストとしてお越しいただいたソニーCSL北野宏明さん(現 Sony CTO) の本審議会での投げ込みからムーンショット構想も
@Manazuru, Kanagawa (Leica M10P, 50/1.4 Summilux ASPH, RAW)全然ブログ的ではないのですが、今ほど終わったとある国の教育系会議*1でずいぶん多くのことを投げ込んだので、例外的ではあるのですが、ちょっと備忘録的に残しておこうと思う。以前、中高生にお話した時以来かな。(手を上げるたびに6度も発言の機会を頂いた座長の清家先生に深謝。) 貧困層divide問題、、大学の奨学金もいいが、中高の進学校に入るかどうかの段階で、恵まれない環境にいるだけで多くの才能が実際には弾かれてしまう。都市部であれば中学受験、それ以外であれば高校受験。塾費のサポート、ローカルな面白い人によるメンタリング、outlier的な人材の受け皿になるdual的な場所&学校、、などが必要 貧困層divide問題2、、博士課程については10兆円基金から奨学金が相当量出ることにな
Summilux 1.4/50 ASPH, Leica M10P @Chinkokuji Temple, Munakata 先週末、博多の東、宗像市にて第8回 宗像国際環境会議に参加した。 会場の宗像大社は古事記、日本書紀にも記される日本でも屈指の歴史を誇る特別な神社。全島が神域であり神官以外立ち入りできない沖津宮、大島の中津宮、九州本土の辺津宮という直線上にならぶ三宮が一つの巨大な神の領域である。 なお宗像大社は近代日本の存続をかけた日露戦争の際に、連合艦隊司令長官 東郷平八郎提督が必勝祈願をした場所であり、大同元年(806年)10月、唐より戻った空海(のちの弘法大師)がまず身を寄せた場所でもある。日露海戦の主戦場は対馬海峡、神宿る島、沖ノ島近くの海域だったことを思い起こされる人も多いだろう。 そこでは様々な分野で環境に携わる活動をされている実に幅広い方々が参加されていた。多層的かつ立体
Summilux 1.4/50 ASPH, Leica M10P, RAW @Towada lake, Aomori, Japan 福祉にVRをかけ合わせている登嶋健太さん、多様性視点で様々なファッションの改革を行っている金森香さん、そして落合陽一さんと色々語り合う機会があった。パラリンピックが終わったところでもあり、良いタイミングだったと思う。 そこでの大きな話題は、視覚、聴覚、手や足など多様な障害を抱える方々に向けて行う取り組みはどうやって、一過性の国や自治体などの公的な資金ではなく、ちゃんとビジネスとしてお金が回るようになるのか、という話だった。 そこで僕が思い、発言したのは、 そのニッチと思われている一つ一つの一見レアな多様性は、世界的に見ればそもそもマスであり、大きなセグメントと言える。何らかのdisabilityを持つ人は世界人口の15%にも登る。 www.wethe15.or
Leica M (typ240), 1.4/50 Summilux @Onomichi, Hiroshima (Summer 2020) 昨年3月頭のWeekly Ochiaiにて落合陽一氏と予想したとおり、"Withコロナ"状態が今も国内、国外ともに続いている。 "手なり"で考える限り、来年オリンピックが当初期待していた形でできる可能性は低い。(略)早ければ年始にはなにか(ワクチンが)生まれてくるだろう。ワクチンは当然のことながら社会の免疫獲得*1を劇的に加速する。とは言え、これが10億単位で量産され、世界中の人が打ち終えるのには少くとも数年はかかるだろう。経済的な主要国の50%までをターゲットにしても、現実的な楽観シナリオでも1-2年はかかるというのが普通の見立てではないだろうか。 したがって、我々は当面、(感染爆発を極力抑止し、特効薬、ワクチン開発とその展開に最善を尽くす前提で)この
Leica M10P, 50/1.4 Summilux, RAW @尾道 (これはおそらく時限的なポスティングです。) 昨日、自分の社内対象だが、かなり大きなレクチャーと対話のセッションを行った。少なくとも、3,500名ぐらいは参加申込みがあったらしい。 そこで、僕に与えられたのは「未来がますます不確実になっているなかでどう行動すべきか」「"残すに値する未来"をつくるために何が必要か」という重たい二つのお題だった。 まず、僕が話したのは、手詰まらないことの大切さだった。不確実性の高い状況において、生き延びることが出来る企業やそうじゃない企業の違いは、マッキンゼーで相当に研究され、半ば結論が出ている。目先で確実なことしかやっていないか、中長期もしくは未来の視点でそれなり以上の取り組みを埋め込めているか、だ。 これは囲碁や将棋などのボードゲームで言えば「手詰まらない」こと、ということになる。基
Tokyo from the sky: Covid発生前に東京上空より著者撮影 本日、永田町で行われたとある勉強会に講師として参加した。自分が教員を務める大学*1のある先生からの紹介案件だった。 てっきり"シンニホン"案件だと思って行ったのだが、最初に幹事的な国会議員の先生方との前打ち合わせ的な話し合いがあり、そこでお聞きした問題意識は全くとは言わないが、かなり異なる話だった。 曰く、 政治不信が蔓延し、政治と市民が分断、、、投票率が低い一方でのポピュリズムはその一つ。これに打つ手はあるのか? このまま行けば社会保障費用のために必ずそれほど遠くない将来、財政が破綻するが*2、全く理解が得られず、正しいことをしようとするとその政権はやられ、手を投じることが出来ない。どうしたらいいのか? テクノロジーがこれだけ発展し、テレワークなどが進む中、、民主主義、ガバナンス(統治システム、統治機構)はど
Leica M7, 1.4/20 Summilux, RDPIII, @Tuscany, Italy 昭和3年(1928)創刊という大変長い歴史を持つ博物館学の専門誌「博物館研究(MUSEUM STUDIES)」の今月号は「新型コロナウイルス感染症パンデミック下の博物館」特集。そのKeynoteというべき巻頭エッセイの執筆という貴重な機会をいただきました。 北海道、東北、沖縄でCovidの第三波が始まりつつあると、某有力関係筋からお聞きしています。やはり、本質的にこの機に空間や社会の仕組みを刷新する事が望ましく、その検討の一助になれば幸いです。 記事のオンライン化はされていないということで、転載の許可を頂いた日本博物館協会の皆様に深謝です。 www.j-muse.or.jp - 博物館(museum)というのは不思議な場所だ。静かでありながら、もういないはずの人がそこに立ち上がってくる、そ
Leica M10P, Summilux 1.4/50 ASPH, DNG @Lake Nozori, Gunma 先日、Venture for Japan (VFJ)代表の小松洋介さんに受けたインタビューですが、めったに語らない内容であり、若い人たちに向けて僕もかなり丁寧に手を入れて作った原稿だということもあり、許可を得て転載します。小松さんありがとうございます。 - 読書と研究とアルバイトに明け暮れた学生時代 ――『シン・ニホン』を読んで、安宅さんに憧れる学生や若手社会人は多いと思います。そもそも安宅さんはどんな学生だったのか教えてください。 僕はいわゆるバブル世代ですが、バブルとは全く縁のない学生生活を送っていました。仕送りは要らないと親に言って、基本もらっていなかったので、大学1、2年のときは駿台予備校の寮リーダー(寮監)として住み込みで働き、日本中からやってきたいろんな寮生の相談
Onomichi, Hiroshima, Japan Leica M(typ240), Summilux 1.4/50 ASPH, RAW 先日、国交省/日本みち研究所の松田和香さんに受けたインタビューの後編です。本日 9/15付の「日刊建設工業新聞」(日本中の土木のプロが読まれる専門新聞)での特別提言記事を許諾の上、転載させて頂いています。前編については以下をご参照。 kaz-ataka.hatenablog.com - (松田) 著書『シン・ニホン AI×データ時代における日本の再生と人材育成』では、「風の谷を創る」プロジェクトの話の中で道の話が出てきます。道についてはどのような思いがおありですか。 シン・ニホン AI×データ時代における日本の再生と人材育成 (NewsPicksパブリッシング) 作者:安宅和人発売日: 2020/02/18メディア: Kindle版 (安宅) 道は、前
Shelburne Farm, VT, USA LeicaM(typ240), 1.4/50 Summilux, RAW 先日、国交省/日本みち研究所の松田和香さんに受けたインタビューを、昨日、土木系のプロの方々が読まれる「日刊建設工業新聞」に特別提言記事として載せて頂きました。なんと寛大なことに転載許可をいただきましたので、共有させて頂ければと思います。(松田さん、素敵な記事とご手配ありがとうございました。)来週、後編が出る予定です。 - (松田) 著書「シン・ニホン-AI×データ時代における日本の再生と人材育成」では、様々な観点の分析結果から日本の現状への危機感が述べられています。この本はコロナ前に執筆されたものですが、コロナ禍を踏まえた現状に対してどのような感想をお持ちですか。 シン・ニホン AI×データ時代における日本の再生と人材育成 (NewsPicksパブリッシング) 作者:安
Leica M7, 1.4/50 Summilux, RDPIII, @London, UK とある直接知らない学生さんから「数理な考え方、英語能力、伝える力などが私には備わっておらず、どの程度の基礎力が必要なのかもよく分からない」との質問を受けた。 それは何を目指すかで変わりますよね、、。MD*1/JD*2のような訓練資格、professional degree*3ならともかく、スキルを身に着けたら何かになれるわけではないわけで。*4 - Quick answerとしては、自分がどういうヤバい人間になりたいのかをまず考え、そこから逆算的にスキルを考え、逆算的に経験を積むべき。要は国や組織に頼らずに食っていける人間になれるか。 たとえば、「知的生産で国を超えて飯を食う」なら、英語はNew York Times/The Economist、自分の専門分野の論文(教科書は言うまでもない)が読め
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