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inf. はい、では最後に「CC*1などのライセンスは今後普及すると思うか?」 白田 えっとね。あのー「白黒はっきりさせなきゃいけない」っていう風に思っている、法律圏の人々・・・。うーん。アメリカ人がそうだと思えないんだけども、要するにまあ、仮定の話で、白黒をわりとはっきりさせた方が良いっていう法構造を取ってるような、その他法文化があるエリアでは、CCは流行ると思います。 inf. はい。 白田 つまり「勝手に使ってくれ!」っていう意思表明をしないとダメだっていうさー。コンセンサスがまずあれば流行ると思うけど、日本みたいになんか・・・。 inf. うやむやな感じ(笑) 白田 うやむやな感じで「あるから使っていーじゃん!」とか「ちょっと借りてきちゃえ」っていうカルチャーがベースにあると、クリエイティブ・コモンズのメリット自体があまり明確にならない。 inf. あー。 白田 だからそういう意味
共有地としての言葉―仲俣暁生 ※inflorescencia=inf. 仲俣暁生氏=仲俣 ced氏に関しては雑記帳をご覧ください。 仲俣 ただ、大きな出版社は、書籍を作って売るだけではやっていけないんですよ。雑誌の広告でもってるところが多いから、書籍とインターネットだけが残って、真ん中の雑誌が消えていくと、出版社はビジネスモデルを再構築するのが、ものすごく難しい。 inf. Sunsteinの議論をロージナ茶会でしたときに出てきた話題なんですが。 仲俣 ええ。 inf. サイバー・カスケードという問題がありますよね。皆タコツボ化していくと、どんどん自分たちの似たり寄ったりな意見のなかで、その反響だけを、同じ意見を聞いているから、思い込みが激しくなってしまう。それはネットで顕在化しやすい問題なんじゃないかという議論があって。そういう話をしたときに、茶会員の一人の方が「いや、だって皆ネットだ
共有地としての言葉―仲俣暁生 ※inflorescencia=inf. 仲俣暁生氏=仲俣 ced氏に関しては雑記帳をご覧ください。 ced 本以外のところでエディターシップを考えるときは、外山滋比古の『エディターシップ』って本がみすず書房から昔から出ていて、あれが自分の中では念頭にあったのですが。 仲俣 はい。 ced あれはネットがない時代に書かれた本で、今の話を考慮するとほとんどそれが消えてしまうんですね。選択に関しても。だからさっき3つあった……。 仲俣 選択、配列、パッケージ、ですね。 ced まあ彼は、選択して配列してそれをうまくパッケージングできるような人材がこれからのエディターシップとして必要で、人はみな生まれながらにしてエディターであるみたいなことを言ってるんですけど。結果的に幸か不幸かインターネットによってそれが誰しも出来るようになってしまって、そうすると、じゃあ編集者
共有地としての言葉―仲俣暁生 ※inflorescencia=inf. 仲俣暁生氏=仲俣 ced氏に関しては雑記帳をご覧ください。 inf. プロデューサー……フィルターというか権威、オーソリティーみたいな人だけは残るんじゃないかっていうのは? 仲俣 いわゆる「スーパー・エディター」みたいな人のことをイメージしていますか? inf. そうです。これが良いってちゃんと言って、皆が「あー」って言って納得できるような。 仲俣 たとえば「本屋大賞」っていうのは、すでにある意味で権威――「権威じゃないことの権威」になっているかもしれない。一般の書店員が選ぶからといって、それがただちに「俗情との結託」だということにはならないと思うけど、あの賞は本好きの人たちのある種の感覚をすくい取ってることは間違いないでしょう。 inf. 同じ目線に立って、ということでしょうか。 仲俣 「読者と同じ目線に立っている
共有地としての言葉―仲俣暁生 ※inflorescencia=inf. 仲俣暁生氏=仲俣 ced氏に関しては雑記帳をご覧ください。 inf. えー。そうですね……なんか種明かしじゃないんですけど、実はこの質問全体を通してお聞きしたかったのは……私はエディターシップというのは3つの要素があると思っていて。まずはいろんな情報がいっぱいあるなかでどう情報を選ぶのか、抽出するのかという部分。そしてその情報をどんなふうに配列するのかという部分。だから選び出して、その上で配列すなわちアレンジして、さらにそれをどんなふうにパッケージングするのかというのが3つめ。配列をさらに繋げるということですね、全然関係のない配列を。そういう作業があると思っていて。で、エディターシップと言ったときにそれらはごっちゃにされているけれど、じゃあ本として、本とか出版業界が担うエディターシップとネット上で担われるようなエディ
共有地としての言葉―仲俣暁生 ※inflorescencia=inf. 仲俣暁生氏=仲俣 ced氏に関しては雑記帳をご覧ください。 仲俣 質問の四つ目に行きましょうか。えーと、「ネットにおける情報の公知手段として、とりあえずばら撒いておけば、見てくれる人は見てくれるだろう、というモデルが存在する。このモデルは日本で通用するだろうか」。もう少し説明してくれますか? inf. これで想定しているのは、クリエイティブコモンズのレッシグ先生が提唱というか想定している世界観で。とりあえずCCをつけていろんな人に見てもらえるようにすれば、きっと誰かが見てくれるし、きっと「これは良い」と思ったら紹介してくれるだろうと。そうやって広まっていくだろうというのがあって。こういうモデルは……? 仲俣 出版モデルとして、っていうことかな。それとも別に出版に限らず? inf. 出版に限らず、ですね。エディターシッ
共有地としての言葉―仲俣暁生 ※inflorescencia=inf. 仲俣暁生氏=仲俣 ced氏に関しては雑記帳をご覧ください。 仲俣 だけど、そう考えると紙の本だって、昔は似たようなものだったんですよね。まだネットがない時代、とくに書物の黄金時代というか、「消費財」化が進む前の本の方が、いまみたいに消費財化が進んだ後の本よりも、おそらく余白の書き込みっていうのが多かったと思うんですよ。本に線引いたり、何か自分の意見を書いたり。太い傍線を引いて、欄外に「断じて否」とか(笑)。 inf. はははは! 仲俣 あれってブログのコメントと一緒ですよね。「この著者はこう言っているが、俺には許せん」という。いまも古本屋に行くと、たまにありますよね、昔の人がたくさん書き込みをした本が。でも今は、本というのは要らなくなったらブックオフに売るものになっちゃったから、書き込みされない。本というのはそこに書
共有地としての言葉―仲俣暁生 ※inflorescencia=inf. 仲俣暁生氏=仲俣 ced氏に関しては雑記帳をご覧ください。 inf. ……それにmixiっていうのに代表されるような私的空間っていうのは、2番と関わるんですが、同調圧力っていうのがあって、なんかプラスの評価しか出来ない。批判をするとまずいっていうのがあって。でも書籍って批判を許容する空間……もちろんあの、ブログでもモヒカンと呼ばれる人たちは批判を肯定して「いや、何がいけないんだ」と開き直っているんですけど、それはどっちかっていうと少数派で、mixiみたいな馴れ合いでプラスプラスの評価で批判はしないみたいなところがあって。でもそういうのってあんまり健全じゃないような気がするんですよ。で、健全イコール公共じゃないっていうのかもしれませんが、複雑性を担保するという意味では、書籍の方がまだ……まだマシ(笑) 仲俣 それはそう
共有地としての言葉―仲俣暁生 ※inflorescencia=inf. 仲俣暁生氏=仲俣 ced氏に関しては雑記帳をご覧ください。 inf. でも一方でyomoyomoさんのインタビューで印象的だったのは、こう、共時性の文脈を超えた文章を書きたいという欲求があると仰っていて。確かに毎日思っているけれどなかなか……。共時性のある、一週間くらいで消えていく話題を追っかけて行った方がブックマークも取りやすくページビューもすごく伸びると。逆に普遍的な話をしだすと、あまり見てくれない。確かに長い目で見るとたぶん見てくれるんですけど。反応は返ってこないということが感じられて。で、たぶん出版社の方も同じだと思うんですよ。 仲俣 うん、同じですよ。 inf. ですよね。 仲俣 出版社はとくにインターネットのなかの同調圧力は受けていないだろうけど、一般の世の中の同調圧力は感じている。それだから、やっぱり共
共有地としての言葉―仲俣暁生 ※inflorescencia=inf. 仲俣暁生氏=仲俣 ced氏に関しては雑記帳をご覧ください。 仲俣 そのかわりに、今日ちょっと話題にしたいと思ったのは新書のことなんです。いまってすごい新書ブームですよね? inf. はい。 仲俣 去年の6月10日に『季刊・本とコンピュータ』の最終号がでて、その後一年間、一読者として出版界を見ていて思ったのは、ついに出版界は来るところまで来た、と。とくに書籍の方ね、雑誌じゃなくて。 inf. ほう。 仲俣 いわば「新書最終戦争」。新書がここまで増えて……まだ出てくるんですから。朝日新書(朝日新聞社)に幻冬舎新書。マイコム新書も出て、すでにソフトバンク新書も出てて。いまや出版社にとって、新書をやらない理由はない、っていうくらいになっている。ほとんどすべての大手出版社が新書を出てしてきてる。たぶん電子化って問題を脇に置いた
共有地としての言葉―仲俣暁生 ※inflorescencia=inf. 仲俣暁生氏=仲俣 ced氏に関しては雑記帳をご覧ください。 仲俣 じゃあ、事前に質問表をいただいたので、その順に…… inf. 1番……『季刊・本とコンピュータ』終刊から一年、その間long tailなどが話題になったが、本の価値は上がったのか下がったのか?限定的であれば、どのような本の価値は上がり、どのような本の価値は下がったのか?……ですねー。 仲俣 えーっと、まず最初に、なんでこういう話が聞きたいのかっていう、逆にその興味のありかが素朴に知りたいんですけど……。 inf. 一年経って、その間にロング・テールっていう話題が出ていて。 仲俣 『ウェブ進化論』とかのウェブ2.0的な話ですね。 inf. で、要するにアマゾンで、こう……ニッチな市場で売れるんじゃないかっていう話が出ていて。そういう意味では、その『季刊・
ライトアカデミズム
濃い専門知へゆるやかにつながるインタビュー。 共有地としての言葉 (仲俣暁生 NAKAMATA Akio 2006/08/18) 興味の射程距離 (yomoyomo 2006/08/05) 成熟社会の経営について (南方司 MINAKATA Tsukasa 2006/08/04) 著作権表示について (白田秀彰 SHIRATA Hideaki 2006/01/14)
成熟社会の経営について―南方司 ※inflorescencia=inf. 南方司氏=南方 八田真行氏=mhatta 中川譲氏=未識 南方 で、アメリカはそうやって製造業が行き詰って、ふんづまっていった時代と、何が時を同じくしているかって言うと、MBAみたいなのがちやほやされはじめたのが、結構時期が近くて。 inf. ほー。 南方 で、僕はそのー。学校で教えているマネージメント理論とかって実はそんなに仕事に役立つとは、思わないんだけれども。 未識 うん。 南方 結局のところ、OJTでマネジメントを育てることが難しくなった、つまり上が詰まっているので仕事で評価されても部下をつけるのが難しいっていうのが、成熟社会の最も大きな問題で。そうすると何が起こるかって言うと、階層化が起こるんですよ。つまり特定の人々を最初から選別して、マネージメントを知ってるかのように扱う。MBAなりを取ったら。で、
成熟社会の経営について―南方司 ※inflorescencia=inf. 南方司氏=南方 八田真行氏=mhatta 中川譲氏=未識 mhatta 南方さん、成果主義ってどう思いますか? 南方 それは、はっきりしているのは、なぜ成果主義という話が出てきたかというと、従来の賃金カーブを維持できなくなったから、メリハリをつけなきゃいけなくなったっていう。いまアンチ成果主義みたいな議論になっているけれども、成果主義を実際に進めてみるといろいろと問題が出てきたということであって、成果主義に梶を切らざるを得なくなった前提の方は変わってない訳ですね。 inf. うーん。 南方 何かって言うと、そのー。要は問題の根底にあるものは、右肩上がりの成長はなくなりましたっていうのであって。で、その環境の中で二種類の人がいるわけですよ。もうその会社と心中するしかない人と、比較的まだ他に転職できる人と。 mha
inf. その目標と翻訳とはつながっているのでしょうか? yomoyomo 翻訳はその点有利です。 inf. なぜですか? yomoyomoの発言 優れた文章を選んで訳せばよいのですから(笑) inf. あはは!なるほどー。 yomoyomo ただ実際には、読みながら訳す場合も多いのですが。その場合は、あたりをつけるというか嗅覚が必要になりますね。 inf. はー。でも翻訳ってすごく手間がかかりますよね。自分で読むだけでなく、翻訳するというのは広く紹介がしたいからでしょうか? yomoyomo やはり、読者を驚かせたいというか、「こんな面白い文章があるよ」「これ読みたかったんじゃない」と提示できるのは楽しいです。 inf. うんうん。 yomoyomo しかし、何より自分自身が一番得るところが大きいです。勉強になります。 inf. なるほど。yomoyomoさんの実感として日本人が英語のド
inf. まずは質の良い文章をどう定義しているか、という点について、お聞かせください。 yomoyomo まず第一にリーダビリティがあることです。ちゃんと最後まで読ませないことには仕方がありませんから。 inf. なるほど yomoyomo あるミュージシャンが「良い曲」と「素晴らしい曲」を定義していまして。「良い曲」とは、それを聴いてリズムを取りたくなったり、恋人と楽しいことをしたくなるようなもの。一方で、「素晴らしい曲」とは、それを聴いて警官をなぎ倒し、街に火をつけたくなるようなものだそうです(笑) inf. ははは!それは秀逸な定義ですね(笑)yomoyomoさんはどちらを目指しているのですか? yomoyomo まあ、ワタシの場合は「素晴らしい文章」は無理でしょうから、「良い文章」を書きたいですね。 inf. なるほどー。ではYAMDAS Projectもそのような趣旨のもと、
著作権表示について―白田秀彰 ※inflorescencia=inf. 白田秀彰先生=白田 日本のネット上の著作権表示について inf. 今回先生にお伺いしたいことは、日本のネット上の著作権表示についてです。まず第一問目は「著作権表示は法に基づいて正当になされているか?」というもので・・・。 白田 だってベルヌ条約*1で著作権表示はいらないって・・・無表示が原則*2じゃない?で、アメリカもベルヌ条約に入ったから、コピーライト表示は訴訟上の一応の証拠にはなるけど、表示が無いからといってパブリックドメイン*3にはならないというのは、たぶん知ってると思うのよ。 inf. はい。 白田 だから「正当になされているか?」の、正当もへったくれもないの。 inf. あ、そうなんですけど・・・。 白田 だから「書きたきゃ書け!」っていう模様みたいなものだよね。 inf. 模様みたいなものですか(笑)でも
LIGHTWEIGHT ACADEMISM: academia, explained in everyday language index about main link index what's new 2006/10/10 仲俣暁生さんのインタビュー完結編を公開。 2006/10/03 仲俣暁生さんのインタビュー第三部を公開。 2006/09/04 仲俣暁生さんのインタビュー第二部を公開。 enter
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