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第67期A級順位戦8回戦 鈴木大介八段VS藤井猛九段戦 普通の人は「ありえない」と驚くだろう。初手から、▲7六歩△3四歩▲7五歩。ここまでは近年頻発の、石田流を目指す手順だ。ここで4手目△3二飛(第1図)! 普通はこの手は指せない。当然のごとく、角交換から▲6五角と両取りに打たれる手が見えるからだ。この4手目△3二飛がなんと▲鈴木八段VS△藤井九段戦で現れた。 ここで、別の話に移ろう。実はこの4手目△3二飛は、2手目△3二飛戦法と少なからず関連がある。 2手目△3二飛戦法 3手目▲7五歩 以前、2008/03/12のエントリー「続・いきなり三間」にて、「2手目△3二飛戦法」(初手から▲7六歩△3二飛!)に対し、「3手目▲7五歩(第2図)とされたらどうすれば良いかわからない」と述べた。 そして例の1つとして、第2図以下4手目△3四歩(第1図と同じ局面になる!)と突く場合について以下のように述
決勝戦を見に行ってきた 既報の通り、「第21回世界コンピュータ将棋選手権」は「ボンクラーズ」の初優勝で幕を閉じた。 第21回世界コンピュータ将棋選手権 コンピュータ将棋選手権ネット中継 A級リーグ指し手1号(ボンクラーズ開発者様のブログ) 「ボンクラーズ」という名称には、2つの意味がかかっていたようだ。 @mtmt81: ボンクラーズ、破竹の7連勝。命名の由来は「ボナンザ・クラスタ」だそうです。 #csalive 2010-05-03 17:07:36 via Tween 今回、選手権で大活躍したボンクラーズは、ボナンザクラスターあたりの略だろうと思っていたのですが、実は、あずまんが大王のボンクラーズが元ネタだったらしいです これは伊藤さん本人から聞きましたので間違いありませんw 絶妙なネーミングセンスw 早稲田大学・国際会議場で行われた決勝戦を見に行ってきた。会場が広く、同じ人の入りでも
「対局会場アーカイブス」 タイトル戦の対局会場情報をまとめたAndroidアプリ「対局会場アーカイブス」を作成しました。 将棋連盟様を含め、誰も注目していないようでしたので、まとめてみました。これまで、対局会場を体系的にまとめたWebサービスやアプリ、または将棋本もなかったと思うので、史上初(?)ではないかと思います(何かあったら教えてください)。アプリにしなくてもWebサービスでいいじゃないか、という意見もあると思いますが、まずはアプリにしてみました(今後の展開は未定)。 対局会場アーカイブス | Android(アンドロイド) Appinfo 現時点で、2008年〜2010年の3年間、計66会場の情報をまとめています。今後2015年の情報までサポート予定です(2015年以降は、またその時点で考えます)。また、さかのぼって2001年の情報まで順次追加予定です。 探し方 都道府県からさがす
最新Android端末でフラ盤を再生できるか?・・・結論 フラ盤 まず結論から書いておくと、以下の通り。なお「再生」とは、一手進める/戻す、最終/開始局面へ、などの操作のことを指す。(12/03誤記訂正) Softbank Desire HD(Android OS 2.2)・・・再生可能。想定通り。(docomo Galaxy Sは未調査) au IS03、docomo LYNX 3D(いずれもAndroid OS 2.1)・・・再生可能!再生できるとは想定していなかった。 Desire HDは動作速い。IS03、LYNX 3Dはスローな印象。 操作ボタン類のタッチにくせがある。Desire HDでは、描画されているボタンのやや下の方をタップすると反応する、など。 IS03、LYNX 3Dでは、ピンチアウトではアンチエイリアス処理がうまく働かないようで、駒のふちの線がややガタガタになる。
「Game Time LITE」 2010/03/10のエントリー『対局時計「ザ・名人戦 DIT-40」の基本的な使い方』で、「ザ・名人戦 DIT-40」で選べる持ち時間ルールを紹介した。 ボードゲームの持ち時間には他にどんなルールがあるのだろうと思い、少し調べてみたところ、「Game Time LITE」というiPhoneアプリを見つけ、ザ・名人戦とはまた異なるいくつかの持ち時間ルールがあることを知った。 詳細 Game Time is a digital game timer. The visual design has been made by a tournament chess player to ensure maximum efficiency and minimal distraction. (注:このページを開くと、iTunes立ち上げ要求ダイアログが開くことがあります。
「この局面は以下の棋書に載っています」 長くなってしまいそうなので、先に案を書いておく。 局面を入力すると、その局面が載っている棋書を紹介してくれる棋書検索サービスまたはAPIがあってほしい。局面の入力方法には、以下のような方法が考えられるだろう。 棋譜と、その棋譜の何手目の局面かを入力。 CSA形式やKIF形式棋譜ファイルにおける局面指定テキスト部(Kifu for Windowsなどで生成可能)を入力。 Kifu for Windowsや棋泉などで作成した画像ファイル(GIF、PNG形式など)をポスト。棋書検索システム側で画像処理を行い局面を特定し、検索。*1 局面を手動で作成できるUIを検索システムに備えておく。 この検索システムを構築するには、棋書内で取り上げられている手順と局面をすべてデータベース化しておく必要がある。これができるのは、DTP*2段階のデータを持ち、そしてもちろん
週刊将棋「段・級位認定次の一手」 先月末、私は「週刊将棋」1月27日号を読んでいた。 目にとまったのは、「段・級位認定次の一手」解答のページ・四、五段クラスの正解図。その部分図が下の第1図だ。 後手玉には必死がかかっていると考えていただければよい。また、ななめのラインが空いており、▲6八角や▲7九角で逆王手がかかる形でもある。 正解図の作意は、以下△7九銀不成ときても▲9七玉△7五角▲8六角△8五桂▲9八玉で、以下△6八飛成には▲同角が逆王手となるので先手勝ち、というものだ(逆王手にならないと△9七歩で詰んでしまう)。 △6八飛成の代わりに△9七歩でも、▲同桂△同桂成▲同玉△8五桂▲9八玉で同様に詰まない。 私は困っていた。最初の△7九銀不成のところ、△7九角と重く打てば詰んでしまうのではないか?すなわち、△7九角▲9八玉(▲7八玉には△7七銀成)△9七歩▲同桂△8八角成!▲同玉△7七銀成
「Apple iPad」登場 2009/07/05のエントリー「大画面タッチパネル液晶ガジェットを床に敷いて将棋を指したい」を書いてから、半年以上が経過した。 私の開発意欲は、夏の暑さが落ち着いていくのと同じくして冷めていった(苦笑)。秋には、期待していた「CrunchPad」がボツになり残念な思いをし、新年早々International CESでマイクロソフトがスレートPCを発表しても、特に期待は沸かなかった。 しかし、AppleがタブレットPCを出すとなると話は別だ。私自身これまで長い間iPodやiPhoneを使ってきており*1、実績と信頼(?というより愛着か)が違う。 参考URL Apple - iPad - The best way to experience the web, email, and photos 悲しいお知らせ:CrunchPadは始まる前に終わってしまった… [
Kifu for iPhone 2009/08/15のエントリー『「柿木将棋 for iPhone」動画レビュー』にて、iPhone向けコンピュータ将棋対局ソフト「柿木将棋 for iPhone」のレビューをさせていただいた*1。 柿木将棋 for iPhone 今回紹介するのは、対人戦専用の将棋アプリ、「Kifu for iPhone」だ。 Kifu for iPhone 一見、対人戦専用ではあまり価値がないのではないか、と思われるかもしれない。だが、この「Kifu for iPhone」には対人戦以外に、いやむしろそちらがメインといえる、すばらしい機能が付いている。それが「棋譜再生」機能だ。 インターネット上で無料で入手できるKIF形式の棋譜ファイルを、このアプリで再生することができる*2。また、クリップボードの棋譜を読み込んで再生することもできる。 さらに、無料中継かつKIF形式の棋
おことわり 本エントリーのタイトルは、あえてセンセーショナルなものとしています。 実際には、会場はずっと和やかでしたし、関係者の方々も和気あいあいとしていました。 解説の勝又清和六段は、コンピュータ将棋のあまりの強さに「いや〜、開発者の方々は大変なものを作っちゃったね〜」と苦笑いしていました(会場爆笑)が、この言葉が全体の雰囲気を代弁していたといえるでしょう。悲壮感のようなものは特に漂ってはいませんでした。私自身も、勝又先生のご意見に同感です。また、いい意味で帰りの車中ではなんだか呆然としてしまいました。 以上で、閑話休題。 「将棋と科学」に行ってきた 2009/11/04のエントリー「コンピュータ将棋関連の講演会を2つご紹介」で述べた通り、コンピュータ将棋に関連したイベント「将棋と科学」に行ってきた。 午前の部 午前の部では、「将棋と脳」と題し、認知心理学と脳科学の切り口から将棋の熟練度
形勢判断ボード 「形勢判断ボード」とは、第22期竜王戦の中継ブログ「竜王戦中継plus」の中に掲載されていたグラフ(下図)のことだ。 竜王戦中継plus: 78手目△4四銀上の局面 自宅解説棋士の見解 via kwout 中継スタッフの方々の、中継をより良くしていこうという姿勢が感じられて、素晴らしい。 ここで、形勢判断ボードを見ていて、こうした方がもっと良くなるんじゃないだろうか、という改案があるので、紹介してみたい。 ポイント1:「攻撃力」「守備力」「駒の損得」の3要素とする 形勢判断ボードでは、はじめの図に示したとおり、形勢の判断を「駒の損得」「駒の働き」「玉の堅さ」の3要素に集約し、さらにそれらをまとめて「総合」として表記している。 だが、例えば69手目(第1図)の形勢判断ボードは下記のように表記されている。 竜王戦中継plus: 69手目▲1五歩の局面 自宅解説棋士の見解 via
大槻将棋 GPS将棋ボット、ボナンザボットに続き、Twitterに「大槻将棋 (otsuki_shogi)」ボットが登場した。「大槻将棋」は、今年行われた第19回世界コンピュータ将棋選手権において、GPS将棋(優勝)に次ぐ準優勝を果たしたコンピュータ将棋だ。 参考URL 大槻将棋のページ 第19回世界コンピュータ将棋選手権: 詰将棋メモ TwitterにGPS将棋ボット登場 Twitterにボナンザボット登場 これでTwitter上に、GPS将棋(優勝)、大槻将棋(準優勝)、Bonanza(5位)の3つのコンピュータ将棋(ちなみに3位は後述、4位はKCC将棋)のボットが登場したことになる*1。 これは結構重要な意味を持つ。そう、「3人寄れば文殊の知恵」である。 3ボット寄れば文殊ボットの登場 「文殊」とは、上述の選手権で3位に入ったコンピュータ将棋だ。そのシステムはユニークで、「複数の異な
LEGOマインドストームで数独を解く LEGOマインドストームで作ったロボットが数独を解く動画がこちら。 わざわざ1マスずつスキャンしていく細かい動きがすごい。性能の良いカメラで、引きの映像を撮影して一発でスキャンする方法のほうが断然速いだろうが、LEGOマインドストームにそういうカメラは用意されていない、ということなのだろうか。 解答を自力で書き込んでいく様も見事。 詰将棋や詰め碁も実現させたい 当然、詰将棋や詰め碁でも可能だろう。詰め碁の場合は、盤面上に丸+数字で解答手順通りに書き込んでいくことにすれば、数独以上に見栄えする映像となりそうだ。詰将棋の場合は、盤面の外に解答手順を書き込む感じだろうか。・・・あまり面白くない。 タイトルの通り、願望を示したまでで、実現できたわけではありません。何よりLEGOマインドストームを触ったことがない。ただしもちろん、代替のシステムを用いることも可能
読書の秋、食欲の秋、将棋鑑賞の秋 最近、梅田望夫氏の著書「シリコンバレーから将棋を観る -羽生善治と現代」の効果か、将棋に(再び)興味を持った社会人の方々が増えているのかもしれない。それは氏のブログ「My Life Between Silicon Valley and Japan」の5月頃のエントリーを見ても感じられる。シリコンバレーから将棋を観る -羽生善治と現代梅田望夫 中央公論新社 2009-04-24 売り上げランキング : 52286 おすすめ平均 昔、将棋が好きだった人に読んでほしい1冊 ビジョナリー「ハブ」の時代 興味深いが。。 Amazonで詳しく見る by G-Tools今更将棋を強くなろうとしてもなかなか難しいので、その興味はまずは総じてタイトル戦などの観戦に向かうだろう。そのため、将棋を観戦するための優れた鑑賞の手引きが必要となってくる。 将棋界もそれを十分察している
NHK杯・佐藤天彦五段VS久保利明棋王戦 8月30日に放送された、NHK杯将棋トーナメント・佐藤天彦五段VS久保利明棋王戦。 先手・佐藤五段の3手目▲6八玉(久保棋王のゴキゲン中飛車封じ)にも少し驚いたが、なによりその後に後手・久保棋王の見せた構想がかなり衝撃的だった。それが第1図。 そう、居玉のまま堂々と△7四歩〜△6四歩と突いていったのだ。左銀は△4三銀型であり、△5三銀型をとる「中田功XP」(「島ノート 振り飛車編」参照)のような対居飛車穴熊強襲構想とも異なる。 四間飛車ならば、いわゆる「藤井システム」的な布陣であり見慣れているのだが、三間飛車でこの6・7筋の突っ張りは相当珍しい。四間飛車ならば、△4五歩から△4六歩を見せて揺さぶりをかけることができるが、三間飛車にはそれがない。(居飛車から見て)左辺から反発されたら、もろにその左辺で戦うしかない。 もちろんそれに見合うメリットがない
「iPhone 3GS」を購入 私事だが、先月iPhoneを購入した。 あれ?と思われた方がもしかしたらいらっしゃるかもしれない。そう、2009/07/05のエントリー「大画面タッチパネル液晶ガジェットを床に敷いて将棋を指したい」などで、「Android*1アプリ開発中」と私は述べている。そこで、一応AndroidでなくiPhoneを購入した理由について本エントリーの最後に書いておくことにする。 「柿木将棋 for iPhone」を購入 iPhoneを購入後、早速「柿木将棋 for iPhone(Kakinoki Shogi for iPhone)」を購入した。 まず、対コンピュータ戦におけるコンピュータの棋力について簡単に解説しておこう。 基本的に人間らしい自然な手を指してくる。敗勢になるとたまに水平線効果*2による手が現れるが、十分許容範囲内といえる。将棋倶楽部24における私のレーティ
第57期王座戦挑戦者決定戦にて中川七段に勝利 本当に長かった。山崎隆之七段が、ついに7大タイトル戦の舞台に登場する。 2009/07/27に行われた中川大輔七段との挑戦者決定戦に勝利し、王座戦挑戦者となったのだ。 棋譜と詳しい解説は、王座戦のサイトを参照あれ。 「将棋王座戦中継サイト」 「西の王子」 山崎七段は数多くの奔放で面白いエピソードを持った、花のある棋士だ。下記のWikipediaを読めば、そんなエピソードを垣間見ることができる。 渡辺明とはライバルとされ、東の渡辺、西の山崎と言われたこともあった(東の魔王、西の王子とも)。 上記ページで取り上げられていないエピソードで、私の印象に未だに強く残っているのは、2003年8月に行われた第16期竜王戦決勝トーナメントでの谷川浩司王位(当時)との一戦だ(第3図)。 山崎五段(当時)は、直前の22連勝とあわせ23勝1敗という絶好調の状態で谷川
「Twitter」とは? まず、「Twitter」について簡単に紹介しておこう。 Twitterはブログとチャットを足して2で割ったようなシステムを持つ。 各ユーザーは自分専用のサイト(ホーム)を持ち、「What are you doing?(いまなにしてる?)」の質問に対して140文字以内でつぶやきを投稿する。つぶやき一つ一つはブログのエントリに相当し、つぶやきごとに固有のURLが割り当てられる。 ホームには自分のつぶやき以外に、あらかじめ登録した知人など他者のつぶやきもほぼリアルタイムに表示される。このつぶやきの一覧を「タイムライン」と呼ぶ。 実際には、「いまなにしてる」かをそのまま書くユーザーは減ってきており(多分)、現在起きている(生じている、行われている)イベントやニュース記事について、紹介をしたり感想を述べたり、さらには他者のエントリーを再紹介して感想を述べたり、といった使われ
サイン会に参加してきた さる5月13日に八重洲ブックセンターで行われた、梅田望夫氏(id:umedamochio)の著書「シリコンバレーから将棋を観る -羽生善治と現代」のサイン会に参加してきた。 シリコンバレーから将棋を観る -羽生善治と現代 中央公論新社 2009-04-24 売り上げランキング : 52511 おすすめ平均 ビジョナリー「ハブ」の時代 興味深いが。。 知のオープン化 Amazonで詳しく見る by G-Tools 私は列の前から10番目位に並んでおり、また、サインを頂いた後すぐに帰ってしまったので、後ろの方に並んでいる方々は見ていないのだが、私が周りを眺めた限りでは、スーツを着た40歳代くらいの方々が大半を占めていたように思う。氏の著書「ウェブ進化論」(ちくま新書)などに感銘・影響を受けたビジネスマンが多かった、ということなのだろうか。私服の若いエンジニアっぽい方々が
昨日のエントリー「サインを求める記者に対する羽生名人の対応」に追記する。 サインをお願いしていたのが、観戦記者の東公平氏であることを知った。 朝、観戦記担当の東公平さんが、扇子に関係者の寄せ書きを集めているという話を聞いた。東さんは名人戦をはじめ多くの観戦記や著作があり、将棋界に多くの足跡と業績を残してきた功労者。年齢や状況を考えると、もしかしたら今回が最後の観戦記になるのではという噂もあっただけに、扇子はいい記念になるだろうなと微笑ましく思った。 私的名人戦第1局 - お仕事ブログ 昔から新聞の将棋欄や将棋雑誌をご覧になっている方なら、東公平氏の名前を見たことがないはずがないだろう。これだけ将棋界に精通した方が・・・と、この事実を知ってとても驚いた。 私自身は氏の観戦記に特別な思い入れがあるわけではないが、ファンの方も多いに違いない。 将棋の観戦記者というのは、独特な仕事である。まず、あ
2008年1月に行なわれた順位戦A級、▲木村一基八段VS△久保利明八段戦にて、初手▲7六歩に対して2手目△3二飛が飛び出した(第1図)。 筆者ホームページ「三間飛車のひとくちメモ」内の「猫だまし戦法(初手▲7八飛戦法)講座 -第5章 第1節-」にて、「おまけ・後手番猫だましの是非」と題し、初手▲7六歩に対する△3二飛は成立しない、と述べてしまっていただけに、個人的にその衝撃は非常に大きかった。 実戦は、△3二飛以下▲6八玉△6二玉▲7八玉△7二玉▲4八銀△3四歩▲2六歩△3五歩(図省略)と進み、普通の先手居飛車VS後手升田式石田流の戦いとなった(結果は後手久保八段の勝ち!)。△3二飛以下直ちに▲2六歩〜▲2五歩と進めても先手は思うような戦果を挙げられないそうで、木村八段の受けてたつ棋風も合わせ、無難な序盤戦に落ち着いたようだ。 さて、では実際に△3二飛以下▲2六歩〜▲2五歩と進めた場合、ど
第34期 棋王戦五番勝負 第2局 本日行われた棋王戦第2局。先手・久保利明八段は、石田流からの新趣向で魅せた。 「北國新聞社 - 第34期 棋王戦五番勝負 第2局」 初手から、▲7六歩△3四歩▲7五歩△8四歩▲7八飛△8五歩▲4八玉(第1図)と進行。 7手目に▲7四歩と突く「新・石田流」(本戦型の簡単な説明については『「新・石田流(7手目▲7四歩)」まとめ (特許明細書風)』参照)を見送り、▲4八玉と上がった格好だ。 漫画(ドラマ)「ハチワンダイバー」の中で、「7手目▲7四歩で将棋は終わり(先手良し)」と語られていたわけだが、どうやら最近の研究ではそうではないようだ。このように見解が変化する可能性については、当ブログの2008/06/05のエントリー『ハチワンダイバーの新石田流にみる「終わり」の定義とは』で述べた通りで、想定内だ。 最新の研究動向を私は知らないが、最近の実戦譜から察するに、
「AR」とは 「AR」(Augmented Reality)をご存知だろうか。最近各所で結構話題になっている気がする。 拡張現実(かくちょうげんじつ)とは現実環境にコンピュータを用いて情報を付加提示する技術、および情報を付加提示された環境そのものを示す。英語表記はAugmented Reality 、省略形はAR。 仮想と現実を重ね合わせる「Augmented Reality」 2009キーワード ビジネス-最新ニュース:IT-PLUS この技術を将棋に適用して面白いことができないかと考えたとき、真っ先に思い浮かんだのがこれだ。 なるぞうくんを盤上に再現してみる 「なるぞうくん」は、将棋漫画「ハチワンダイバー - Wikipedia」の登場人物・文字山ジローの代表作で、またその漫画に登場する「歩」のキャラクターの名前だ。ハチワンダイバー 3 (ヤングジャンプコミックス) 集英社 2007-
このエントリーは、いち将棋ファンである私の見解だが、おそらく囲碁やチェスなど他のボードゲームのファンの方々にも当てはまるし、同様の思いなのではないかと信じている。 提言 将棋連盟様およびシチズン様、対局時計(チェスクロック)をもっとお求め安い価格にして下さい。 対局時計とは? 学校の将棋クラブ、町の道場や大会に参加したことのある方ならば、一度はご覧になったことがあるだろう。 対局時計(たいきょくどけい)は、ボードゲームの対局で用いる特別な時計。「チェス・クロック」または「ゲーム・クロック」とも呼ばれている。対局の際に定められた制限時間を計り、時間切れを知らせるための機器(計器)である。 対局時計 - Wikipedia CITIZEN ( シチズン ) 対局時計 ザ・ 名人戦 ( 囲碁 ・ 将棋 ・ チェス ) 日本語 ・ 英語 ・ 中国語 ・ 韓国語 対応 DIT-40posted wi
羽生名人、穴熊攻略 第21期竜王戦第1局は、後手・羽生善治名人が先手・渡辺明竜王の穴熊を見事攻略し勝利。 「-第21期竜王戦中継/七番勝負-」 渡辺竜王が投了する前の数手、「△6七銀で勝利を確信した」と対局後に語った羽生名人のそれから三手の指し手は、最後までふるえることはなかった。 第1図は、その△6七銀の局面。 先手が放っておけば△8九金▲同玉△7八銀成▲同玉△7七金以下簡単に詰むのはもちろん、▲6七同金と取っても△8八銀▲同玉△7八金▲同玉△6七歩成▲同玉△6八金、以下馬がうまく効いて詰んでいる。 本譜は▲7三桂成△同金を入れてから▲6七金(後手玉は詰まない)だが、これも上記手順と同様に進んで▲6七同玉のところで、馬を取られた代わりに手に入れた桂を5五に打って綺麗に詰んでいる。何ともよくできているものだ。いや、「(客観的にたまたま)よくできていた」のではなく、厳密には羽生先生が「よくで
「群衆の叡知」 梅田望夫さんのブログのエントリーに、興味深いエピソードが載っていた。 控え室でも「パリでスパゲティ・ナポリタンかあ」と少し話題になったが、ほどなく「2ch」でも「なんで、パリでナポリタン食ってんの」という書き込みがあって軽く盛り上がっていたらしい。控え室では、常に「2ch」をチェックし、指し手や解説棋譜の入力ミスなどの指摘を注視し、中継の質の向上につとめているのだ。「群衆の叡智」の活用だ。 スパゲティの話に特別興味を持ったわけではない(基本的に、私は食事のエピソードに興味は無い。ただし加藤一二三九段のうな重を除く)。中継の際に「2ch」をスタッフが閲覧するのも、過去にそんなエピソードを見たことがあったので特に目新しさを感じたわけでもない。 では何かというと、わざわざ「指し手や解説棋譜の入力ミスなどの指摘」に対して「群衆の叡智」(Wisdom of Crowds)という荘厳な
局面を見なくてもわかる、指し手を追うだけで、心に響く将棋の手筋。さらに手筋から、その対局風景や両対局者の心情を想像することすらできたならば、それだけであなたは立派な「妄想初段」。*1 こうした手筋は「将棋の宝石」、暗誦することによってその宝石を「身体に埋め込む」ことができると著者は言う。 声に出し、身体で美しい手筋を覚えれば、意味はわからずとも潜在的な将棋の力を身につけることができる。 第1問 ▲2四歩 △同 歩 ▲同 銀 △同 銀 ▲同 角 △同 角 ▲同 飛 △1五角 ノーヒント。 第2問 ▲4三歩成 △同金右 ▲4四歩 △5三金 ▲5四歩 △5二金 ▲4三歩成 △同金左 ▲4四歩 △3三金 ▲3四歩 △3二金 ▲4三歩成 △同金右 ▲4四歩 ノーヒント。 解答は、「続きを読む」からどうぞ。 元ネタ たいていの方はお気付きになるだろう。声に出して読みたい日本語 草思社
最近の音楽業界 近年音楽業界が様変わりしていることは、消費者の立場としておおいに実感するところであろう。 CDが売れなくなった。 オンライン有料配信(「iTunes」や各種着うたサイト)の売り上げ規模が大きくなった(参考:『米アップル「iTunes」、音楽販売でウォルマート抜き全米首位に | Reuters』)。 違法P2Pネットワーク(「WinMX」、「Winny」など)の規模は小さくなった(「Napster」は合法サイトとして復活)ものの、無料動画サイトに新曲やPV(プロモーションビデオ)などが氾濫。むしろ違法P2P時代より悪化? これから先の方向性として、音楽業界がオンライン有料配信事業を強化し、また、音楽著作権者と動画サイトとの間で著作権問題をクリアにする契約が進んでいくのは間違いない。 New York Times紙の報道によると、着信音など「iPhone」の音楽コンテンツを増や
ここでいう「角交換振り飛車」とは、角交換四間飛車だけでなく、ゴキゲン中飛車からの丸山ワクチンや、升田式石田流などすべてを含む。前回と同じく、ゲームを「展開形」(指し手の流れとともに行動決定が行なわれていく)ではなく「標準形」(主体が静的に同時に行動決定を行なう。戦法事前入札制みたいなもの)として扱えるよう、極限までシンプルにしている。 角交換振り飛車流行中。なぜ? 最近、角交換振り飛車が流行している。勝又清和六段は、「将棋世界」2008年4月号の「これならわかる!最新戦法講義スペシャル」の中で下記のように述べている。 「振り飛車は角道を止めることから始まる」という「常識中の常識」「最初に覚えるべき常識」すら、いまではかなり疑わしいといわざるをえない状況を迎えているのです。将棋に詳しく無い方はご存じないだろうが、上記の通り「振り飛車は角道を止めることから始まる」のが常識だ。「振り飛車には角交
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