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文●宮沢 和史 texto por Kazufumi Miyazawa 何から書き始めていいか分からない。坂本さんの音楽への思いや、坂本さんとのいくつかの思い出を語れば、与えられた文字数でこの原稿を埋めることはできるだろう。だが、そんなものはどうでもいい気がしてきた。世界中の音楽家、音楽ファンの心に流れていた大きなひとつの水系を我々は失くしてしまったのだ。今はまだその水脈の素晴らしさや、そこからいただいた恵み、そこでの思い出を語る気にはなれない。 世界中の音楽家、音楽ファンと書いたが、その他の芸術家・映画関係者・ファッション界・広告界・芸能界・出版界・執筆家・政治家・教育者・社会活動家・環境活動家・・・・、様々な環境の第一線にいる人間たちに坂本さんは多大なる影響を与え続けてきた。もっと言えば、80年代初頭にYellow Magic Orchestraを熱狂的に支持した人たちの多くは音楽家、
【追悼】[2001.8] -ジョビンへの募る想い……- モレレンバウム夫妻と坂本龍一の友情が構築させた、扉に鍵の無い家、『CASA』 音楽家の坂本龍一さんが2023年3月28日、他界されました(公表されたのは、4月2日の夜でした)。享年、71歳。 YMOや映画音楽で知られる坂本龍一さんは、NY出身で少年期の15年間をブラジル北東部で過ごしたアート・リンゼイを通じ、ブラジル音楽に接近し、00年代前半にはボサノヴァの再解釈に真正面から取り組みました。その時の共作パートナーでもあったブラジル・リオデジャネイロ出身のチェロ奏者、ジャキス・モレレンバウムは、以降、坂本龍一の最高の音楽的パートナーの1人となりました。ジャキスとのストーリーは、以下の記事に詳しいです。 この記事は、月刊ラティーナ2001年8月号に掲載されたものです。筆者の中原 仁さんにご協力いただき、追悼の意を込めここに再掲致します。ご
文●中原 仁 3月末、昨年亡くなった音楽プロデューサー、宮田茂樹さんを偲ぶ会の会場に、新緑の季節を先取りしたと思えるほど鮮やかな緑色の花が飾られていた。それが坂本龍一さんから贈られた花であることを聞いて何人かの出席者と、約2週間前に坂本さんが病床から明治神宮外苑の再開発に反対する手紙を都知事に送ったことなどに触れて、早く元気になって戻ってほしい、と話していたのだが ……。 その数日後に訃報が届き、しかも坂本さんが亡くなれられたのが3月28日で、偲ぶ会の日にはすでに天国に昇られていた事実を知り、愕然とした。 坂本龍一さん(1952年1月17日~2023年3月28日)、教授(ここからは敬意と親しみをこめて “教授” と書かせていただく)と知り合ったのは1975年末、芸大大学院在学中の教授がシュガー・ベイブのコンサートにサポート・ピアニストで参加していた頃だった。教授が現代音楽系のフリー・ミュー
文:中原 仁 7月29日、音楽プロデューサー宮田茂樹さんが、急性心筋梗塞のため72歳で逝去された。宮田さんは長年にわたって病魔と戦ってこられ、4月に緊急入院。ペースメーカーを装着して退院後、SNSを頻繁に更新していたので順調な回復がうかがえ、ひと安心していたのだが……。心よりご冥福をお祈り申し上げたい。 宮田茂樹さんといえば “ジョアン・ジルベルトを日本に呼んだ人物” として知られている。“ジョアンの完璧な信頼を得た人物” でもあるが、それ以前、90年代からさまざまな形でブラジル音楽に関わってきた。さかのぼれば70年代後半からの日本のポップスの発展にも大きく貢献した、キーパーソンとなる音楽制作者だ。その略歴を紹介していこう。 1949年11月4日、東京生まれ。東京大学文学部卒。在学中、男女5人組のヴォーカル・グループ、リバティ・ベルズのメンバーとして活動し、南沙織のバック・コーラスをつ
[2014.5] 新世代ミナス音楽 ⎯ 21世紀のクルビ・ダ・エスキーナ、その現代性と肥沃さを聴く|Nova Geração Mineira, Contemporaneidade e Erudição [月刊ラティーナ2014年5月号掲載記事] 定期購読はこちらから。 1960年代末のミルトン・ナシメントを中心とするクルビ・ダ・エスキーナ(Clube da Esquina)・ムーブメントがロー・ボルジェス、トニーニョ・オルタなどミナス派の巨頭を輩出したように、2000年代初頭には自分たちのミナスの音楽シーンをスタートしようとする若い音楽家が集まり「ヘシクロ・ジェラル(Reciclo Geral)」という第一新世代が生まれた。このヘシクロ・ジェラルとはマケリー・カ(Makely Ka)、クリストフ・シルヴァ(Kristoff Silva)、パブロ・カストロ(Pabro Castro)、レオポ
インタビュー・文●松山晋也 笹久保伸『CHICHIBU』 ギタリスト笹久保伸のニュー・アルバムがリリースされた。タイトルは『CHICHIBU』。生まれ育った秩父の文化や風土に徹底的にこだわってきた笹久保なれば、この正面きってのダイレクトなタイトルには逆に驚かされる。そして今作は、コラボ作なども含めたリーダー作としてはなんと通算30作目。経済的困窮を常日頃公言しつつも、創作意欲はまったく衰えを見せない。泳ぎ続けないと死んでしまうマグロのごとく、作り続けることでしか生きられない業を背負った音楽家なのだろう。今作でもネット等でサポーターを募っており、CDのジャケット裏には彼らの氏名が列記されている。 さて、今作の最大のポイントは、笹久保書き下ろしの全6曲すべてがコラボ・ワークであるということだ。他の音楽家とのコラボイションはこれまでも頻繁におこなってきたし、昨年出た前作『Perspectivis
今回の弊社のe-magazine LATINAの過去記事の掲載について、 改めて皆様に深くお詫び申し上げます。 謝罪文に不足していることがありましたので、ここで加筆させていただきます。 今回のe-magazine Latinaの発進にあたり、本紙の長年の愛読者でもあり、重要なライターでもある宮沢和史氏には特集や連載の企画等で御協力、アドバイスを頂いているものの、e-magazine LATINAの編集・運営・経営に関する事には一切関わって頂いておりません。ですから、今回の問題については宮沢氏は無関係であり、すべて弊社に責任がある事を表明させて頂き、同時にこの場で、宮沢和史氏にも深く謝罪させて頂きます。 また、定期購読者の方には、12月中に読めなくなった記事があり、大変ご迷惑をおかけしております。12月に定期購読されている方で、返金を希望される方に返金をさせていただきます。【latina@l
[2017.04]世界の音楽情報誌「月刊ラティーナ」創刊満65年記念|岸田繁(くるり)が選ぶワールド・ミュージック傑作アルバム65選 世界の音楽情報誌「月刊ラティーナ」は、前身である「中南米音楽」から数えて、本号で 創刊から満65年となりました。 満65年号の特別企画として、結成から20年、日本の音楽シーンの第一線で活動し、主催する京都音楽博覧会でも積極的に世界中の音楽家を紹介されているグループ「くるり」の岸田繁さんに、「ワールド・ミュージック」の中からというリクエストで、オールタイム・フェイバリットを65枚選んでいただき、それぞれのアルバムにコメントをいただきました。更に、それぞれのアルバムに、書き手の方々に解説を加えてもらっています。 月刊ラティーナは、「世界の音楽情報誌」という言葉を冠にしています。ブームの頃に比べて、「ワールド・ミュージック」を聴いている人は随分と減ってしまっていま
広い世界の多様な音楽を紹介してきた世界の音楽情報誌「ラティーナ」がweb版に。あなたの生活を世界中の多様な音楽で彩るために情報を発信します。 月額900円のデジタル定期購読で、新規記事もアーカイブも読み放題! (※アーカイブは増減する場合があります)
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