(ネタバレ有り) 自分のことから書こう。 最近とみに痛感してるのだけど、私は、たぶん、他者に向ける注意力が平均より不足している。そのため、他人の表情やボディ・ランゲージを読むのが苦手だ。 言い換えると、私は他者の「こころ」を読む能力がおそらく平均より低い。いわば「こころ」の視力が弱い感じだ。 一人でいる分にはそれでもかまわないけど、社会的な関係の中に出るとたちまち事故の連続になる。近眼の人が眼鏡をつけずに自動車を運転したらかなりの確率で事故るでしょう。そんな感じ。 そのせいか私は現実世界での人間関係をろくに維持できないでいる。 「こころ」が見えづらい私だが、「こころ」を扱う小説や映画は普通に好んで読む。何故だろう。 推測だけど、小説や映画は現実のミニチュアのようなものだからではないか。視力が弱くても、模型なら目を近づけてよく見ることができる。現実の他人に対して、表情を読もうとして顔に息がか