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イ ット・フォローズ IT FOLLOWS 2016(2014)/アメリカ/R15+ 監督/デヴィッド・ロバート・ミッチェル 出演/マイカ・モンロー/キーア・ギルクリスト/ダニエル・ゾヴァット/ジェイク・ウィアリー/オリヴィア・ルッカルディ/リリー・セーペ/他 “それ”は ずっとずっと憑いてくる セックスすると感染し、IT(それ)に襲われるようになる。というワンアイデアはベタなようでベタではなく、性行為に無縁なティーンズの溜飲を下げつつも、性行為基準でしか異性を見る事ができない猿にも警鐘を鳴らすというメタとネタをも内包しており、たいへん感銘を受けました。セックスとタナトスを露骨に弄ると何やっても寒くなるのはインターネットのお約束ですが、こと映画に関しては露骨であればあるほど良くなる 可能性もある わけで、性愛とそれが転じた死の匂いを主軸に据え、かつサバービアンの少年少女の文脈にも絡めた
ス ーサイド・スクワッド SUICIDE SQUAD 2016(2016)/アメリカ/G 監督/デヴィッド・エアー 出演/ウィル・スミス/ジャレッド・レトー/マーゴット・ロビー/ジョエル・キナマン/ヴィオラ・デイヴィス/ジェイ・コートニー/ジェイ・ヘルナンデス/アドウェール・アキノエ=アグバエ/カーラ・デルヴィーニュ/福原かれん/アダム・ビーチ/他 世界はこいつらに 託されてしまった! 本作のセックスシンボルことハーレイ・クインのビジュアルが公開された時からずっと首と ディ ク を長くして待っていた再殺部隊、じゃなかった、自殺部隊こと『スーサイド・スクワッド』をぼらぼらと観てきました。首と デ ック を長くして待っていたとか言っている割には、「あ、もう今週から上映開始なんだ」とトボけた事を抜かす程度には最近各種のアンテナ感度が低いのですが、感度と言えば 以下とんでもない事をワールドワイ
葛 城事件 2016(2016)/日本/PG12 監督/赤堀雅秋 出演/三浦友和/南果歩/新井浩文/若葉竜也/田中麗奈/他 俺が一体、何をした。 場内が明るくなると同時に大喝采、「葛城!」「事件!」と観客同士のハイタッチが起きるなど、したら面白かったのだが、そんな事もなくズドーンとした余韻を引きずりつつハコから出て行く人が多数観測(当者比)された『葛城事件』。ようやく岡山でも上映開始と相成ったので観て参りました。赤堀雅秋監督の『 その夜の侍 』( 感想 )に続く舞台原作映画であり、個人的な今年の目玉映画三作の内の二作目。ちなみに一作目は『 サウルの息子 』( 感想 )で三作目はミシェル・ゴンドリーの『グッバイ、サマー』。ぜんぶ岡山映画界の生命線ことシネマ・クレール案件なので、岡山県は『 ひるね姫 』などという事実誤認アニメ映画に注力するよりもシネマ・クレール自体を映画化する事を打診して
ゴ ーストバスターズ GHOSTBUSTERS 2016(2016)/アメリカ/G 監督/ポール・フェイグ 出演/メリッサ・マッカーシー/クリステン・ウィグ/ケイト・マッキノン/レスリー・ジョーンズ/チャールズ・ダンス/マイケル・ケネス・ウィリアムズ/クリス・ヘムズワース/他 あー、これを観てクスリとも笑えなかった感性? 笑いの閾値? そういうのって、客観的に見てどのくらい社会性に欠けているものなのかに今すごく興味があるんですよね。 自分のために。 箸が転んでもおかしいトシゴロ、てな言い草もありますが、箸が転がろうが踏み絵を踏むのが嫌で信仰が転ぼうが(スコセッシ『沈黙/Silence』のステマ)笑い転げているひと、にんげんというものが一番人生を楽しんでるって考え方もわかりたくないけどわからない事も無い上、無印『 ゴーストバスターズ 』のレイ・パーカー・ジュニアの主題歌は子供のころよく口
シ ン・ゴジラ SHIN GODZLLA 2016/日本 総監督/庵野秀明 監督/樋口真嗣 出演/長谷川博己/竹野内豊/石原さとみ/高良健吾/松尾諭/市川実日子/余貴美子/國村隼/平泉成/柄本明/大杉漣/他 現実(ニッポン)対虚構(ゴジラ)。 毎日々々よくもまあ飽きもせずに暑いのと、各位のポジショントークが面白すぎた所為で観てから一週間以上経ってようやく『シン・ゴジラ』について何らかをば書く次第です。シン・ゴジラ。個人的には総監督が庵野秀明であるとかそういう事はどうでもよくて、と書くと少し語弊があるので補筆させていただきますと、少年エースでエヴァンゲリオンが始まった当時にアッ何かこれ面白そうと読み始めて(ついでにアニメも観始めて)、社会現象だセカイ系だと祭り上げられるにつれ段々とシラケていった程度の人間が言う「どうでもよくて」だと認識していただけると幸いです。滝本竜彦先生がああなられた
帰 ってきたヒトラー ER IST WIEDER DA/LOOK WHO'S BACK 2016/ドイツ/G 監督/ダーヴィト・ヴネント 出演/オリヴァー・マスッチ/ファビアン・ブッシュ/クリストフ・マリア・ヘルプスト/カッチャ・リーマン/他 原作/ティムール・ヴェルメシュ/『帰ってきたヒトラー』 21世紀の諸君、お待たせしました。 もうじきお盆なのでご先祖さまの霊が帰ってくるとか。この前 くたばった お爺ちゃんの 悪霊 が帰ってくると嫌なので塩撒いとこ。 シッシッ。 てなツカミからさりげなく且つ大胆に、改行を再開した事をアピールしてみたわけですが、「おまえのくそぶろぐ、かいぎょうしてないからよみづらい、すまほからもよみやすくしろ。いきろ。」というたいへん有難いメールを PCから 送って下さった埼玉在住の匿名希望さんこれでよろしかったでしょうか。OKサインの代わりに文末の「いきろ。
独 裁者と小さな孫 THE PRESIDENT 2015(2014)/ジョージア/フランス/イギリス/ドイツ/PG12 監督/モフセン・マフマルバフ 出演/ミシャ・ゴミアシュヴィリ/ダチ・オルウェラシュヴィリ/他 逃亡の果てに、 希望はあるのか 地球上のどこにあるかも定かではない虚構の国家で、独裁者とその孫がたわむれに街の電気を点けたり消したりする。という秀逸な冒頭が、自分の中にほんの少しだけ、でも中枢的な部分に喰らいついて残っている、寓意とか浪漫を栄養素とする細胞を活性化させたような気がする。そして破綻に至る独裁体制。作中人物にとっては永遠に思える時間であっても、作外人物にとっては刹那の説明にしか過ぎない独裁国家の崩壊。OKマフマルバフ。独裁者とその小さな孫の逃避行に悲劇の影を見遣る、或いは喜劇の予感に胸を躍らせる、もしくは主眼は悲喜交々を超越したところにある、そんな陳腐な三択しか思
ク リーピー 偽りの隣人 CREEPY 2016/日本/G 監督/黒沢清 出演/西島秀俊/竹内結子/川口春奈/東出昌大/香川照之/他 原作/前川裕/『クリーピー』 あの人、 お父さんじゃありません。 全然知らない人です。 ※微妙にネタバレしています。 今月は比較的生活に余裕がある(予定)なので、たくさん映画を観て、たくさん本を読んで、たくさんブログを更新して、仏(ほとけ)を高めるつもりでいたのですが、気が付けばトネガワを何度も読み返してその後インターネットしてたり、出先でTwitterアカウントがバレそうになって冷や汗かいた後インターネットしてたり、インターネットしてたらたくさん映画を観て本を読む事も覚束ないなぁなんて思いながらやっぱりインターネットしてたり、割とハイサイド気味だっというか、もう今月もぼちぼち終わりそうなんですが。いったい 何が悪かったのか 教えてくれませんか? ほらJI
グ ッドナイト・マミー ICH SEH ICH SHE/GOODNIGHT MOMMY 2016(2014)/オーストリア 監督/ヴェロニカ・フランツ 出演/ズザンネ・ヴースト/エリアス・シュヴァルツ/ルーカス・シュヴァルツ/他 僕らのママを返して ※微妙にネタバレしています。 どんでん返しで喜んでいる人って幼稚だよね、という呪いの言葉がどこまでも憑いてきて、ええ幼稚です、敗北者の物語の次くらいにどんでん返しが綺麗に決まる物語が好きですから、ええ。と、皮肉未満の呪い返しを試みたつもりになってセカイに抵抗する。どんでん返しがある物語の脆弱性は熟知している。それは「どんでん返しがある」と書いた時点でネタがバラされてしまう程度の儚さで、故にレビュアーやニュースサイトやROM専は口を濁して「驚きが用意されている」なんてふうに言い換える。それでもまだ配慮が足りないと思う人は、一切の口を噤む。そうし
デ ッドプール DEADPOOL 2016(2016)/アメリカ/R15+ 監督/ティム・ミラー 製作総指揮/スタン・リー/他 出演/ライアン・レイノルズ/モリーナ・バッカリン/エド・スクライン/T・J・ミラー/ジーナ・カラーノ/ブリアナ・ヒルデブランド/レスリー・アガムズ/カラン・ソーニ/スタン・リー/他 「第四の壁」って「だい し の壁」って読むんだな。へー。なんて偏差値の低い会話をしながら同行者と映画のシメのラーメンを啜る。誰か、或いは何かと一緒に映画を観に行って、帰りに寄ったラーメン屋で偏差値の高い会話をした記憶などとんと無い上、気が付けば人生の方向性とか人間としての在り方? みたいな話にどんどん飛んでって、お勘定の頃には同行者ともども池上遼一の劇画みたく顔の陰影が濃くなっているというのが通例なのだけれども、第四の壁、第四の壁を取り除いた『デッドプール』鑑賞後に於いてもそれは例外で
マ ジカル・ガール MAGICAL GIRL 2016(2014)/スペイン/PG12 監督/カルロス・ベルムト 出演/バルバラ・レニー/ルイス・ベルメホ/ホセ・サクリスタン/ルシア・ポリャン/他 魔法少女ユキコは 悲劇のはじまり。 上は大火事、下は大水、これな~んだ?(答え:インターネット) こんな世が世なら死罪に問われるような書き出しでブログを更新している間にも季節は移ろい誰にも止められない時の河は続いてゆくわけですが、紳士淑女オタクサブカルキチガイコジャレ各位が今日もインターネットで貴重な時間をドブに捨てているであろうこの瞬間にもどこかで詩が生まれ、小説が生まれ、音楽が生まれ、映画が生まれ、遠く以西把爾亜では『マジカル・ガール』という秀作ノワールが生まれているわけです。秀作。秀作だなんて臭作みたいな形容で不快になった人が居たらゴメンクサイ。という事でその存在を知った時からツバつけて
グ リーン・インフェルノ THE GREEN INFERNO 2015(2013)/アメリカ/チリ/R18+ 監督/イーライ・ロス 出演/ロレンツァ・イッツォ/アリエル・レビ/ダリル・サバラ/カービー・ブリス・ブラントン/マグダ・アパノヴィッチ/イグナシア・アラマンド/アーロン・バーンズ/ニコラス・マルティネス/スカイ・フェレイラ/他 そこは、人間が喰われる地獄―― ビバ、オモロ日記(特定個人にリスペクトを捧げた挨拶)! ツカミから90年代スメルを隠し切れないくらい脳が弱っています。暑いんで。ところで薄々気付きつつも知らないフリしてたんですが改めてググッてみたところ、「ツカミ」ってお笑い用語らしいっすね。お笑いなんかミジンコほどの興味も無い上、そんなノリで大して親しくもない人間が接してくるとマイナスドライバーで脳味噌のネジを耳から巻き戻してやりたくなるのですが。ほで、マイナスドライバ
レ ヴェナント:蘇えりし者 THE REVENANT 2016(2015)/アメリカ/R15+ 監督/アレハンドロ・G・イニャリトゥ 撮影/エマニュエル・ルベツキ 音楽/坂本龍一/カーステン・ニコライ 出演/レオナルド・ディカプリオ/トム・ハーディ/ドーナル・グリーソン/ウィル・ポールター/フォレスト・グッドラッグ/他 原作/マイケル・パンク 復讐の先に、何があるのか。 『レヴェナント:蘇えりし者』を観てきました。デカプーがやっとこさアカデミー賞主演男優賞を受賞したとかで映画ヲタクがSNS限定で発狂してたあの映画ですね。 怖いですね。 近寄らんとこ。と最初は思っていたのですが、“REVENANT”といえば何かのゲームで(確かサガ2秘宝伝説)高位のアンデッドだったなぁ、ははは。なんてな事を思っているうちに、何故か映画館に向かってピンク色のママチャリを漕いでいる自分が居たのでありました。 怖い
『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』 - ついてこれない奴は置いて行くぞ - 1953ColdSummer バ ットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生 BATMAN v SUPERMAN: DAWN OF JUSTICE 2016(2016)/アメリカ/G 監督/ザック・スナイダー 製作総指揮/クリストファー・ノーラン/他 出演/ベン・アフレック/ヘンリー・カヴィル/エイミー・アダムス/ジェシー・アイゼンバーグ/ガル・ガドット/他 世紀の対決。 バッツとスープスのケンカ を描いた『ジャスティス・リーグ』第一弾(で、いいのかな?)。という事で、あまりアメコミに造詣が深くない私もご多分に漏れず、「人間であるバットマンが如何に赤マントと渡り合うのか?」というところに深い興味を示しながらぼらぼらと映画館に赴いたのですが、ああ、やっぱりそうやってスーパーマンにメンチを
不 屈の男 アンブロークン UNBROKEN 2016(2015)/アメリカ/PG12 監督/アンジェリーナ・ジョリー 脚本/ジョエル・コーエン/イーサン・コーエン/他 出演/ジャック・オコンネル/ドーナル・グリーソン/MIYAVI/ギャレット・ヘドランド/フィン・ウィットロック/他 監督/ローラ・ヒレンブランド/『不屈の男 アンブロークン』 この精神(こころ)は、絶対に折れない。 ※このエントリはネタバレを含み〼 やいジャップ。 物足りん、物足りんわ……まるで……! というのは本作を観た健全な日本人が抱くごく普通の感想ですが、 大ジャップランド帝国のチンピラ による、目を覆いたくなる凄惨なアメリカ人捕虜虐待のシーンがあるとか、 いつも腹を空かせているジャップが外国人を食べる シーンがあるとか、事前に錯綜していた情報に期待に胸膨らませていざ観てみたらば、ジャップの蛮行の10000分
サ ウルの息子 SAUL FIA/SON OF SAUL 2016(2015)/ハンガリー/G 監督/ネメシュ・ラースロー 出演/ルーリグ・ゲーザ/モルナール・レヴェンテ/ユルス・レチン/トッド・シャルモン/ジョーテール・シャーンドル/他 最期まで<人間>であり続けるために― その常軌を逸した長回しの数々により、評論スジのみならず評論メコにまで「なんかすげえ、 なぜかというとカットすうがすくないからだ 」と言わしめたタル・ベーラ監督ですが、そのお弟子さんがこのたび長編劇映画の監督としてデビュー、しかも数々の受賞歴を引っさげて、という事で、本作『サウルの息子』には結構前から目をつけていたことをここに白状いたします。“ゾンダー・コマンド”という、日常生活を送る分にはまず耳にしないであろう役職の説明から入るオープニング。焦点のぼやけた世界が一人の男の顔にピントを絞り焦点を結ぶに至って、後景化
ナ イトクローラー NIGHTCRAWLER 2015(2014)/アメリカ/G 監督/ダン・ギルロイ 出演/ジェイク・ギレンホール/レネ・ルッソ/リズ・アーメッド/ビル・パクストン/他 他人(ヒト)の<破滅>の瞬間に、 カメラを持って現れる―― 「NIGHT CRAWLER」とはアメリカで言うパパラッチの意らしい。なるほど、またひとつ賢くなりました。と、ウンウン頷いている内はまだ可愛げがあろうというもので、本作の主人公でありナイト・クローラーであるルイス・ブルーム(ジェイク・ギレンホール)の言動や哲学、まばたきを一切しない眼力にウンウン頷くようになったら、それは危険な兆候であるし、幸福な兆候であるとも言えるかも知れない。“事件現場の映像は金になる”という事を知った男(それまでコソ泥で糊口を凌いでいた)はさてどういう行動に出るのであろうか、容易に予想がついたあなたは心が汚れ過ぎですし、こ
オ デッセイ THE MARTIAN 2016(2015)/アメリカ/G 監督/リドリー・スコット 出演/マット・デイモン/ジェシカ・チャステイン/クリステン・ウィグ/ジェフ・ダニエルズ/マイケル・ペーニャ/ケイト・マーラ/ショーン・ビーン/セバスチャン・スタン/アクセル・ヘニー/キウェテル・イジョフォー/他 原作/アンディ・ウィアー/『火星の人』 70億人が、彼の還りを待っている。 アクシデントから火星に置き去りにされたマット・デイモンが救援が来るまで がんばる お話。そげな状況にいざ自分が置かれてみたらば もういいから殺せ となってしまいそうなものであるが、マット・デイモン演じる宇宙飛行士ワトニーのバイタリティは凄まじかった。何せじゃがいもの自給自足から居住モジュールのメンテナンス、地球との通信に至るまでがんばってこなすのである。ここらがSFの勘所を押さえていますね。悲劇に見舞われ生
チ ャイルド44 森に消えた子供たち CHILD 44 2015(2014)/アメリカ/PG12 監督/ダニエル・エスピノーサ 製作/リドリー・スコット/他 出演/トム・ハーディ/ゲイリー・オールドマン/ノオミ・ラパス/ジョエル・キナマン/パディ・コンシダイン/ジェイソン・クラーク/ヴァンサン・カッセル/他 原作/トム・ロブ・スミス/『チャイルド44』 大ロシア史を知れ とばかりに50年代のソ連の様子(スターリン政権がどうのとかいう いつものアレ )が冒頭、テロップでちょこちょこと流されるのだが、ピロシキ頬張って身構える間でもなく、大ロシア史あまり関係ないというかテロップで流された程度の前提知識さえあれば大・丈・夫と、子供殺しの捜査に政治的左遷などが繰り広げられる。のだが、全体的に寒色気味な印象を受けた。映像が寒いのはロシアを舞台にしているだけあって仕方がないのだけれども、今ひとつ胃の
残 穢 ‐住んではいけない部屋‐ 2016(2015)/日本 監督/中村義洋 出演/竹内結子/橋本愛/坂口健太郎/ 滝藤賢一/佐々木蔵之介/他 監督/小野不由美/『残穢』 奇妙な「音」の謎は、 その部屋の「過去」につながる――。 呪いは成就するが穢れは飛散する、という事を鹿爪らしく書いた原作の後味の悪さがいかに再現されているのか、或いは中村義洋節で呪いのビデオに再構築されているのか、興味半分怖さ半分で観てきた。ほで、アイドルまがいの女優にキャーキャー絶叫させればいいのだろうという志の低い凡百とは違ってたいへん志の高い、いや「志の高い」というのはちょっと違うか、言わば 粘度の高い 映画であった事は確かなのだけれども、原作には登場しなかった霊体の姿を借りたケガレを登場させた事には賛否が別れるだろうと思う。一般的にホラーとしての訴求力が視覚的に分かりやすい怪異にあるというのは『 パラノーマル・
M r.タスク TUSK 2015(2014)/アメリカ/カナダ/PG12 監督/ケヴィン・スミス 出演/マイケル・パークス/ジャスティン・ロング/ハーレイ・ジョエル・オスメント/ジェネシス・ロドリゲス/ハーリー・クィン・スミス/リリー=ローズ・メロディ・デップ/ジェニファー・シュウォールバック/ジョニー・デップ/他 人間がセイウチになる。 ポン刀を振り回していたら自分の片脚を斬り落としてしまった“キル・ビル少年”を番組で散々笑いものにしていたポッドキャスターが、自分も片脚をもがれた挙句セイウチ人間に改造されてしまう、という因果な話。因果っていうか、やりすぎだろとの謗りも免れまいというものですが、そういう謗りに耳を塞いで結論から言上致しますとたいへん面白かったです。人間がきちがいにセイウチにされる映画が面白くないわけが無いですね、人間が口と肛門を連結されたりフランケンシュタインの末裔が死
白 鯨との闘い IN THE HEART OF THE SEA 2016(2015)/アメリカ/G 監督/ロン・ハワード 出演/クリス・ヘムズワース/ベンジャミン・ウォーカー/キリアン・マーフィ/トム・ホランド/ベン・ウィショー/ブレンダン・グリーソン/他 原案/チャールズ・リーヴィット/リック・ジャッファ/アマンダ・シルヴァー 原作/ナサニエル・フィルブリック/『白鯨との闘い』 伝説の白鯨との死闘。 生き延びる為に、男たちが下した “究極の決断”とは―― 新年初映画館はコ・イ・ツ・ニ・キ・メ・タとえんぴつを転がした結果『白鯨との闘い』を観に行く事になったので、メルヴィル苦手でござるよ~などとこぼしながら観てきた。が、その実、これはメルヴィルの『白鯨』ではなく、『白鯨』の元ネタとなった『エセックス号事件』の映画化との事であったので、「モビー・ディックとは神の暗喩であり……(シブメン)」と
さて今年もこの時期がやって参りました。2015年の映画鑑賞本数は新作旧作初見再見すべて合わせて215本。見えている地雷を避ける能力がより研ぎ澄まされたのと腰痛のため、映画館での鑑賞本数は比較的少なめとなっておりますが、どうにか2015年ベストテンを選出する事ができました。あと、前述の理由とこの1年で映画に対するスタンスが少し変わったため、今年はワースト10の発表はありません。それでは、今年のブログ納めとして2015年ベスト10をご笑読いただければ幸いです。 以下は参考までに。 トップダラー禍津が今年観た映画/2010年ベスト&ワースト10! トップダラー禍津が今年観た映画/2011年ベスト&ワースト+アルファ! トップダラー禍津が今年観た映画/2012年ベスト10&ワースト! トップダラー禍津が今年観た映画/2013年ベスト10&ワーストα トップダラー禍津が今年観た
ク リード チャンプを継ぐ男 CREED 2015(2015)/アメリカ/G 監督/ライアン・クーグラー 出演/シルヴェスター・スタローン/マイケル・B・ジョーダン/テッサ・トンプソン/フィリシア・ラシャド/アンソニー・ベリュー/グレアム・マクタヴィッシュ/他 アドニス・クリード(マイケル・B・ジョーダン)の濡れそぼった子犬のような目がかわいい。 その愛くるしさに萌え狂うあまり忘れがちですが、我々は本作を『 ロッキー 』エピソード7として観るか、スピンオフとして独立したひとつの映画として受容するかの岐路に立たされています。過去に学ぶか未来を見遣るか非常に難しい問題ですね、何で映画を観に行って知恵熱をもらって帰らねばならないのでしょうか。しかし自分なりに結論付けてみた結果、やはり本作は『帰ってきたロッキー』『ロッキー・バルボア・リターンズ』と言わねばならず、それ即ちアポロの息子のボクシン
ス ター・ウォーズ/フォースの覚醒 STAR WARS:THE FORCE AWAKENS 2015(2015)/アメリカ 監督/J・J・エイブラムス 出演/ハリソン・フォード/キャリー・フィッシャー/アダム・ドライバー/デイジー・リドリー/ジョン・ボイエガ/オスカー・アイザック/ルピタ・ニョンゴ/アンディ・サーキス/ドーナル・グリーソン/グウェンドリン・クリスティー/アンソニー・ダニエルズ/ケニー・ベイカー/ピーター・メイヒュー/マーク・ハミル/マックス・フォン・シドー/ダニエル・クレイグ/他 私はシリーズの熱狂的なファンでもないし、事前に情報を遮断していたのも、ネタバレからの自衛と言うよりもものぐさからの横着だったのだが、それでも本作のため、初日に映画館に足を運んでしまう程度には『スター・ウォーズ』というタイトルに重みというか歴史というか、いささか権威主義的でイヤだがとにかくそうした
ザ・トライブ PLEMYA/THE TRIBE 2015(2014)/ウクライナ/R18+ 監督/ミロスラヴ・スラボシュピツキー 出演/ヤナ・ノヴィコヴァ/グリゴリー・フェセンコ/他 少年は愛を欲望した 少女は愛なんか信じていなかった 『SCUM/スカム』の少年院を彷彿とさせる寄宿制聾唖学校の陰惨な描写がマル。マルですマル。天候も悪ければ見通しも悪く、人間のタチも悪いこの学校では教師までもがグルになって管理売春や薬物、窃盗に励んでいるのです。そんな学校に入学してしまった主人公セルゲイ君。武器は手話と機転だ! というのは半分嘘で半分本当なのですが、冒頭で“字幕も吹替も一切用いない”と高らかに宣言する本作に於ける手話は言わばノイズの排除であり、ここで言うノイズとは台詞によるくさいコミュニケーションや葛藤の描写を指します。そしてノイズが排除された結果何が残るのかと言うと、もっと原始的なランゲー
劇場霊 2015(2015)/日本/G 監督/中田秀夫 音楽/川井憲次 出演/島崎遥香/足立梨花/高田里穂/町田啓太/中村育二/小市慢太郎/他 主題歌/Thinking Dogs/『もしもあなたが…』 ぜんぶ、ちょうだい。 最近、Skypeを立ち上げるたびに、どこでIDを嗅ぎつけてくるのか有難い事に外国の方がaddして下さりやがるので、「hey」とか言われたら有難さを込めて「うるせー馬鹿」と返答しているのだけれども、かかる孤独な闘いに身も心も疲れ果てた乃公は映画でも観て滝のように泣きポップコーンを撒き散らして笑い転げて通報され、じゃなかった、癒されようと劇場に向かったのである。目当ては『女優霊』の中田秀夫監督最新作『劇場霊』。ゲキジョウレイ。久方ぶりのJホラーでんな、そうでんな。と、劇場に向かって礼をすると私はハコへと潜り込んだ。 実は島崎遥香とかいう、赤穂浪士四十七士みたいな名前の集
今年もこの時期がやって来たか、年月の経つのは早いものよ、と、何をセンチな事をば抜かしておるのかと言いますと、毎年恒例、男の魂に火をつけろ!管理人ワッシュさんによる映画ベストテン企画に頭を捻る時期がまた訪れたからなのですよ。で、今年もド厚かましく参加させていただこうと思うのですが、今回のテーマは「ワガの音楽映画ベスト10」との事で、ちょっくら考え込む事幾星霜、ぼちぼちランキングが固まってきたので発表させていただく次第。 音楽映画ベストテン - 男の魂に火をつけろ! <音楽映画ベストテン受付中> http://d.hatena.ne.jp/washburn1975/20151031 ※こちらの追記も読む事。 「第4の壁」の向こうから - 男の魂に火をつけろ! <音楽映画ベストテン受付中> http://d.hatena.ne.jp/washburn1975/20151101
ジョン・ウィック JOHN WICK 2015(2014)/アメリカ/カナダ/中国/R15+ 監督/チャド・スタエルスキ 共同監督/デヴィッド・リーチ 出演/キアヌ・リーヴス/ミカエル・ニクヴィスト/アルフィー・アレン/エイドリアンヌ・パリッキ/ブリジット・モイナハン/ディーン・ウィンタース/イアン・マクシェーン/ジョン・レグイザモ/ウィレム・デフォー/他 見惚れるほどの、復讐。 誰がそう呼んだか銃(ガン)と功夫(カンフー)を組み合わせた「ガン・フー」というのが本作で用いられるコロシのワザ。ジョン・ウーの2丁拳銃の頃からすでに「Gun fu」という呼び名は英語圏ではポピュラーだったとの説もあるのだが、白鳩も飛ぶ横っ飛びの立ち回りから、カンフー・空手・柔(やわら)など合理的に人体を破壊する手段を盛り込んだ殺人技への今日的なアップデートに、私は深く賛同するものである。 「深く賛同するものであ
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