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Switch 2
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PCゲームにおけるワイド化の目的と意義をめぐる小考。 【 はじめに 】 ワイド化を機縁として演出強化がもたらされた(あるいは補填的な演出的加工が強いられるようになった)という説明がなされることがある(――例えば[tw: 326291356060368896 , 326291571467227136 , 326294114570215424 ])。これは筋の通った説明であり、そうした側面もあったのであろうが、しかしおそらくこれはあくまで後発メーカーの視点(あるいはいかにも10年代時点からの回顧的評価)であって、最初期にワイド画面を意識的に導入したパイオニアたちの認識(問題意識と導入意図)はむしろこれと逆の経緯だったと言うべきだろう。具体的にはPurple SW(『秋色謳華』[2005]で初めてワイド化)、age(『オルタ』[2006])、緑茶(『片恋いの月』[2007])のことだが、これらの
宮本直毅著『エロゲー文化研究概論』(総合科学出版、2013年)のタイトル索引。 コンピュータゲーム全般(アーケードを含む)を扱う。ボードゲームやパチンコは除外している。 名前の表記は原則として上記書籍のものに従っているが、副題部分は省略している。 閲覧環境を考慮し、ハートマークなど一部の記号は省略または代置してある。 シリーズものや連作作品は、適宜単一項目にまとめてある。 ブランド及び発売年はweb検索等によって可能なかぎり補ったが、それらの誤りの責は編者にある。 誤植と思われる箇所は修正している(例:「ペロペロCandy」→「ぺろぺろCandy」、「まじかる☆あんてぃーく」→「まじかる☆アンティーク」、「PiaキャロットへようこそG.O.」→「Piaキャロットへようこそ!!G.O.」)。 人名索引、ブランド索引は別ページにて。 Excel等にコピペして使用されると便利かと思います。発売年
AVGの再現(不)可能性について。 SLG作品のみならずAVG作品にも再現不可能な一回性の出来事が時として存在するという話。 アクション要素のあるゲーム(STGであれスポーツゲームであれ)においてはプログラム側の技術的設計(乱数要素)とプレイヤー側の技術的限界(操作スキル)の双方のために状況の完全な再現はしばしば困難であり、また複雑なSLGにおいても、ある特定の状況または状況群の特定の連なりを完全に再現することはしばしば至難なものになる。それに対して大多数のAVGは、プレイヤーの介入手段の固定性――主として選択肢場面における決定のみである――と、それに対するリアクションの固定性――選択肢決定に対応するフラグ変動は通常固定されている――のゆえに、その都度の状況の一回性を手放しており、基本的にはそのあらゆる部分が同一の形で再現できるようになっている。それがただ単に構造上の単純性のゆえに結果的に
PCゲームにおけるラフ画像使用の実例及び効果についてのごく簡素な覚書。 PCゲームの中に単色ラフスケッチ画像をそのままの形で取り込んで使用しているものは稀である。その原因としては、1)解像度の低い時代にはラフスケッチの筆触を表現することが困難であったであろうという歴史的経緯、2)原画をあくまで素材と見做し、斉一なスタイルで隙のないかたちで着彩されたCGこそが完成形態であるとする様式的観点、3)美しく着彩されたCGの価値――いわゆる「美麗イラスト」としての美的価値と、とりわけユーザーに対する褒賞的価値――を重んじるゲーム特有の価値観、などがあると考えられる。しかしながら、そして当然ながら、この禁則は絶対的なものではなく、実際にも原画のままの画像や無彩色画像をそのまま提示する試みは実在する。本稿では、それらのいくつかを概観し、それぞれ簡単に検討を加えていく。 この観点でまず重要な作品は、『白詰
アダルトゲームにおける被服表現についての私見。 現在のアダルトゲームで支配的な着彩スタイルは、1)比較的彩度の高い様々な色彩を画面内に共存させるのに適しており、2)そこに美少女ゲーム特有の要請として華やかな艶(誇張された肌つやや頭髪の「天使の輪」表現)を盛り込みつつ、3)制作過程においてはマスプロを可能にする(つまり個人の特別な資質に依存しないようにノウハウが共有され、かつ、過大な手間が要求されず比較的効率的に制作できる)、という形で合目的的に洗練されてきたものだと思うが、しかし私見では、そこではしばしば服飾表現が――とりわけ生地の質感表現が――後回しにされてきたように見受けられる。制服でもスーツでも和服でもエプロンドレスでも水着でも、どれもべったりとした平板な彩色の上に単純な陰影処理が施されている程度であって、本来(現実であれば)存在する筈の布地の特徴――繊維素材の性質とテキスタイルの個
FAVORITEブランドの着彩流儀や画面構築様式についてのごく簡素な試論。 FAVORITEの特徴的なスクリプトワークについては、先に演出論的覚書:Ⅲ章2節2款で簡単な紹介を試みた。私見では、その最大の特質は、人物立ち絵に具体的な振り付けをさせるよりもむしろ、画面全体の動きの中で登場人物たちをその都度「位置」づけていく空間表現にこそ存する。このFAVORITE流のきびきびとした立ち絵登/退場表現の心地良さとフォーカシング演出の縦横無尽のダイナミズムの併用表現は、立ち絵シーンでも一枚絵シーンでも画面に生き生きとした活力をもたらしている。ただしその二つは単体としての名技披露に留まるものではなく、このブランドの特徴的な画面作りの意識的な設計全体の一部分として把握されるべきであろう。 画像それ自体について見ても、一方で立ち絵は、司田カズヒロのクリアな描線、アニメ塗りに傾斜した着彩、そしてパステルカ
BGMによる場面転換制御をめぐって ――『アトラク=ナクア』のオーディオブリッジ演出を例として―― はじめに 1. PCゲームにおけるBGMの機能 (1). 楽曲の内容による感性基軸の音響的適合 (2). 楽曲の固有性による意味基軸の音響的表示 (3). 楽曲間の切り替えによる構造基軸の音響的制御 小括:シーンの一体性保障としてのBGM 2. 『アトラク=ナクア』におけるオーディオブリッジ (1). 「サチホ」の章における「Running Clouds」 (2). 「タカヒロ」の章における「Red tint」 (3). 「終章」における「Atlach_nacha ~ Going on」 むすびにかえて 《 はじめに 》 現代のAVGは、テキストと画像と音響のシステマティックに制御された複合表現として存在する。そしてその中では、文字表現における様々な挑戦、視覚表現における様々な技術的実験と並
はじめに 第Ⅰ章:現代AVGの包括的演出 第1節:Littlewitch:FFD表現* 第2節:すたじお緑茶:立ち絵演出* 第3節:Purple software:動的演出 第Ⅱ章:中間的展望 第Ⅲ章:現在の主要な諸傾向 第1節:立ち絵演出 1. ういんどみるの立ち絵アクション 2. ぱれっとにおける立ち絵の空間的演出* 3. 立ち絵演出の普及 4. 立ち絵演出の諸相* 第2節:画面効果演出 1. 先駆的ブランド:pajamas soft 2. ApRicoTにおける映像志向の演出 3. カットイン演出* 4. 立ち絵アニメーション* 5. 背景と一枚絵のアニメーション* 6. メッセージウィンドウ* 7. 音響演出(効果音) 8. 画面効果演出の普及 第3節:動画使用演出 1. 先駆的ブランド:Jellyfishとelf 2. DreamSoft/SkyFishの動画演出 3. 動画使用
はじめに 1. テキスト上での(通常の)黙説 2. 音声表現を利用した黙説 3. 視覚表現と連動した黙説 4. AVG作品における構造的分割と黙説 5. SLG作品における構造化された黙説 むすびにかえて 《 はじめに 》 多様かつ複雑に広がっているPCゲーム表現は、様々な表現技巧を独自に発達させ、あるいは他分野における様々な表現技巧を摂取し応用してきている。その中には、修辞学でいう「黙説」に相当する表現技巧もまた様々な形で現れている。ここでは、伝統的な修辞学において――ということは純粋に言語上の表現に関して――展開された「黙説」定義からは自由に、「具体的に描写していない(語らない)にもかかわらず、あるいは描写しないことによって、特定の意味内容を表現する」技法のことを意味しつつ、いくつかの実例を紹介検討していきたい。 もちろん、視聴覚複合メディアであるPCゲームにおいては、それらは「修辞」
総目次(仮設構築中、随時改訂中)。ここから2クリック以内で任意の記事に到達できる筈。 1. PCゲームの演出論的覚書。 2. PCゲームに関する個別的記事(→記事一覧)。 3. コミュニケーション用ページ、当ブログの趣旨説明、自己紹介など。 4. その他の雑記( 1-14 / 15 / 16 )。 サイト内検索(※このブログを対象としたggl検索結果が別窓表示されます。and検索等も可能) ※当サイトの記事には、年齢制限サイトへのリンクが含まれます。ご注意下さい。 ※当サイトの引用画像は、それぞれ表記の制作者に著作権法上の諸権利が帰属します。 また、当サイトのテキストに関する諸権利は、cactus(執筆者/サイト管理者)に帰属します。
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