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今年の「#文学」
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韓国と台湾の独立系書店ブームは、日本よりも5、6年早かった。東京・下北沢に新刊書店「本屋B&B」を開業したブック・コーディネーターの内沼晋太郎さんは、“少規模書店業界”のリーダー的存在の一人。内沼さんは2016年と2018年に韓国と台湾の書店を巡り、それ以降も機会があるたびに訪れている。通ううちに、ハングルや繁体字など、世界の中ではマイナーな文字で出版を行う国(地域)のほうが、書店や出版業に対する危機感が強く、学ぶべきことが多いということに気づいたからだ。内沼さんインタビュー第1回は韓国と台湾の書店事情。 「出版業の課題先進国」としての東アジア 内沼さんは2016年に韓国、2018年に台湾を訪問して書店を回り、それをもとに『本の未来を探す旅 ソウル』『本の未来を探す旅 台北』(ともに内沼晋太郎、綾女欣伸編著/朝日出版社)という本を出版されました。そもそもなぜ韓国・台湾に興味を持たれたのです
今やどの企業も、パーパスや中期経営計画、あるいは何かしらの発表の場で地球環境に触れています。CO₂削減、カーボンニュートラル、ゼロカーボン、グリーンエネルギーなどなどなど…。逆に、こうした地球環境問題にまつわるトピックスに触れないと、「この会社、大丈夫か?」と言われる時代になりました。 ただ、地球環境問題って実際にはめちゃくちゃ難しい問題です。僕は専門家として詳しいわけでも研究者でもない。だから、いち市民として考えてはいるけれど、この問題を考えるには、目には見えない「本質を捉える力」が必要だと思っています。なぜなら、「地球」というのは僕たちにとって見えない、抽象的な概念でもあるからです。 人間は、夏になれば「昔より暑くなっているなぁ」と環境問題を実感することもありますが、夏が過ぎれば忘れてしまうものです。地球環境は急速に変わっているといわれても、その実態はなかなか見えづらいのが現実です。
日経BOOKプラスに掲載されている記事、本、著者を任意のキーワードで検索することができます。 ※ISBNも検索にご利用いただけます。ISBNとは出版物固有の13桁の番号で、裏表紙に記載されています。本サイトでISBNを使って書籍を検索する際は、ハイフン(-)を省略し、13桁の数字のみを半角文字で入力してください。
経営層の割合が高いのは各国共通の傾向である。経営リーダーはビジネス戦略の観点から、生成AIを事業にどう活用できるかを理解するため、ChatGPTなどのツールをいち早く試していたことが関係しているようだ。 生成AIを含めたAIの業務での活用についても意識調査を行った。AIが仕事に与える影響に対する意識として「不安を感じている」をあげたのは日本が最多で28%。一方で「(効果を)確信している」と答えた割合は日本が最も低く、27%にとどまっている。 なぜ日本はAIに対してネガティブなのか。これにはいくつかの理由が考えられる。 まず、AI導入以前のDXが他国に比べて遅れている。DXを進めるにはそれに適した組織運営とインフラの整備が必須だが、その素地がまだ十分にできていない。 それを乗り越えても、業務体制が縦割りであることから投資規模が小さくなり、いまひとつ投資対効果を実感できていない場合が多い。生成
韓国で「こんな先輩がほしかった」と大反響のビジネス書『会社のためではなく、自分のために働く、ということ』(チェ・イナ著、中川里沙訳)。会社への不満を感じるがそれを変える力がないとき、私たちはどう考えればよいのか。書籍から抜粋・再構成してお届けします。 「静かな退職」は賢明な選択だろうか 組織に属して働く人の多くが、次のような不満を吐露する。 「うちの会社は安定しているけど、あらゆる面で遅れています。仕事のやり方や組織文化、意思決定、社内のコミュニケーションとか、とにかく全部です。でも私には会社を変える力がないのでもどかしいです。ほかの会社を調べていますが、最近は転職もラクじゃありません。給料はしっかり出るけど気持ちが乗らないから仕事もつまらないし、与えられた仕事を適当に終わらせて、さっさと家に帰ることばかり考えています。でもこうするのが自分にとってベストなのか、という悩みは常にあります」
2024年に新書大賞を受賞した『言語の本質』(中公新書)をはじめ、『「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか?』(日経BP)、『学力喪失』(岩波新書)など続々と話題作を発表し続けている今井むつみさん。鋭い分析と考察、そしてその背後にある人間、とりわけ子どもたちの学びへの強い視線に、心引かれている人も多いのではないでしょうか。このパートでは、認知科学の中でも今井さんが重視している「学び」、そして「熟達」について理解を深めるための本を取り上げます。1回目は、『プルーストとイカ』『カンマの女王』です。 「文章を読む」は実は簡単にできることではない 「読む」という行為は、単に「文字を解読して意味を取ること」だと思われています。でも実は、「読む」という行為はものすごく複雑な知的行為です。 認知神経科学者メアリアン・ウルフの『 プルーストとイカ 読書は脳をどのように変えるのか? 』(小松淳子訳、イ
2024年8月、日経文庫は創刊70周年を迎えました。その長い歴史の中で、日経文庫は数々のロングセラーや経済・経営・ビジネス実務の名著を生み出しています。そこで、日経文庫の平井修一編集長と編集者が、さまざまなテーマでおすすめの日経文庫を解説。今回は、ビジネスパーソンはもちろん、就活生や大学生におすすめの、初心者でも「経済とお金が分かる」7冊を紹介。一緒に解説するのは、日経BOOKプラス副編集長の小谷雅俊と入社3年目の幸田華子。 日経BOOKプラス編集部 小谷雅俊(以下、小谷) 5回目の今回は初心者でも「経済とお金が分かる」日経文庫7冊ですね。 平井修一編集長(以下、平井) 今回は日経文庫のジャンルでいうと、A「経済・金融」とF「経済学・経営学」の本を紹介します。日経文庫ではこのAとFジャンルのラインアップが充実していて、読むと経済やお金に対して広い視野が持てるようになります。 このジャンルの
普段は会社員として働く覆面作家の麻布競馬場氏は、2021年のコロナ禍、Twitter(現:X)に投稿した小説が「タワマン文学」として旋風を巻き起こした。ミレニアル世代、Z世代の悲哀を描く作家として注目を集める同氏は、「僕らは1億総『圧倒的成長時代』を生きてきた」と語る。平成生まれの麻布競馬場氏に、羅針盤なき時代の幸福論について聞く。 僕らはポスト箕輪厚介時代を生きている 大学生になった僕は、正反対ともいえる2つの方向に動いていました。まずひとつは、すぐには役に立ちそうにないことをとにかく吸収していくこと。例えば、慶応大学のメディアセンターにこもって文学作品を読んだり、DVDを片っ端から借りて映画を見たり、あるいは友人たちと毎晩のように飲み会やクラブに繰り出したり。昔ながらの怠惰で甘美な学生生活を謳歌していました。 それと同時に、すぐにでも役に立ちそうなことも徹底的にやっていました。名門ゼミ
「今まで何度、『ちゃんと見直しなさい』と言ったことか。実は難しいことだったのか」。こんな感想が寄せられているのが、書籍『「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか?』(日経BP)です。本書の背景にあるのは「人は、聞き逃し、都合よく解釈し、誤解し、忘れるもの」という考えであり、これは認知科学における「常識」だと今井むつみさんは指摘します。この常識を知らないばかりに、多くのトラブルや悩みが起こっているというのです。本パートでは引き続き、同書から抜粋して、子育てや教育の現場で起こりがちな「伝わらない」の本質的な原因に迫ります。5回目は、メタ認知について。幼い子どもの中には、時間があっても「テストの見直し」ができない子も少なくないといいます。その理由を見ていきます。 「相手の気持ちになって考える」とはどういうことか 「話せばわかる」「言えば伝わる」というのは、「自分が発言して終わり」ではありませ
「やらなくちゃいけないことに追われて忙しすぎる」「要領が悪くて残業ばかり」「計画性がなく、締め切り前にバタバタ」「人生の時間を浪費している気がする」など、「時間」について悩んでいる方はいませんか? 時間の使い方がうまい人には、実は共通点があると、時間術のベストセラー100冊を精読した藤吉豊さん、小川真理子さんは指摘します。新刊『「時間術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』(日経BP)で紹介している時間を有効活用するコツの中から、多くの時間術の達人がお薦めしている、今すぐ使える「時間管理ツール」を紹介します。今回は、「ToDoリスト」です。 名著が多数推薦! だけど意外にデメリットもたくさんある 時間術の名著の多くが、ToDoリストの活用に触れていました。ToDoリストを使うことで、 やるべきことが明らかになる 頭の中から「やること」を追い出せる(脳の負担が減る) 書き
うまい文章が書けることは、人生を変える可能性を手にすることだと、新刊『みんなが読みたがる文章』(ナムグン・ヨンフン著、松原佳澄訳)では言います。どのようにすればいい文章は書けるのでしょうか? 「まず書き上げることができる人が少ない。仕上げられる人には才能がある」とこの本の著者はいいます。抜粋してご紹介します。 文章を書くことは、基本的に苦痛 アーネスト・ヘミングウェイ、ヴァージニア・ウルフ、芥川龍之介、川端康成、金素月(キム・ソウォル)。彼らの共通点は何でしょうか? 創作の苦痛に身もだえ、みずから命を絶ってしまった作家たちです。 『ウスリオオカミキリ』の李外秀(イ・ウェス)、「鎮魂歌」の金南柱(キム・ナムジュ)、「猫を蒸す」の金文珠(キム・ムンス)。 彼らの共通点は何でしょうか? 創作のためにみずから監獄に入ったり、監獄に囚(とら)われた生活を送ったりした作家たちです。李外秀は自身の部屋に
今、世代を問わず広く読まれているのが、書籍『「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか?』(日経BP)です。本書の背景にあるのは「人は、聞き逃し、都合よく解釈し、誤解し、忘れるもの」という考えであり、これは認知科学における「常識」だと今井むつみさんは指摘します。この常識を知らないばかりに、多くのトラブルや悩みが起こっているというのです。本パートでは引き続き、同書から抜粋して、子育てや教育の現場で起こりがちな「伝わらない」の本質的な原因に迫ります。3回目は、「頭がいい」ということに対する勘違いについて。 「頭がいい子」は、どういう子? 皆さんは、「頭のいい人」というと、どんな人を思い浮かべますか? 鋭い思考をする人、視野の広い人、専門分野に秀でている人、仕事ができる人……人によって、スキーマによって、様々な「頭のいい人」のイメージがあると思います。 では、子どもの頃を思い出してみてください
「『前にやったよね』、確かに使っていました。授業の仕方を反省しています」。こんな感想が寄せられているのが、書籍『「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか?』(日経BP)です。本書の背景にあるのは「人は、聞き逃し、都合よく解釈し、誤解し、忘れるもの」という考えであり、これは認知科学における「常識」だと今井むつみさんは指摘します。この常識を知らないばかりに、多くのトラブルや悩みが起こっているというのです。本パートでは引き続き、同書から抜粋して、子育てや教育の現場で起こりがちな「伝わらない」の本質的な原因に迫ります。2回目は、「丁寧に説明してもわかってもらえない」のはなぜか。 「言えば伝わる」の試練──記憶力の問題 例えば講演会に行き、登壇者の話に大いに感銘を受けることがあるでしょう。あなたはその話の詳細を、1年後はもとより、1カ月後に覚えているでしょうか? きっとかなり難しいと思います。そ
「こうあってほしい」という幻想を捨てよ 講演や執筆活動をしていると、企業関係者、政府官庁の公務員、さらにビジネスエグゼクティブの方から日本の経済安全保障や、中国という国のリスク、そして脱チャイナ、ポストチャイナなどの国家や地域経済圏を前提とした枠組みで話が進むことが多い。しかし、この思考方法がいつまで続くのかと筆者は疑問に思っている。 なぜなら、「こうあってほしい」という願いが透けて見えるからだ。それは、「そんなはずはない」というレンズの曇りと同じ思考だ。こういう時には「実態はどうか?」と考え、シミュレーションをしたり、全く別の意見を求めることが大切である。仲間内で盛り上がり、議論が一方的に先鋭化するようであっては、最後はハシゴをはずされるのがオチである。 では企業がやるべきことは何か。ビジネスの単位、モノづくりの基盤は、国レベルなどより、もっと細かく、中国の例だと省・市レベル以下であるし
「転職しない」ことも一つの戦略だ。企業が終身雇用を守れず、ジョブ型の働き方が推進されるなか、転職によるデメリットは確実に減ってきている。ただ、転職が身近になった今だからこそ、周りに流されず、自分にとって価値のある行動を見極める必要性も高まっている。転職を考えたときにまず知っておいてほしいポイントを、『生きづらい時代のキャリアデザインの教科書』(大垣尚司著、日本経済新聞出版)から抜粋・再構成してお届けする。 長く勤めるにこしたことはない これまでは、企業の側ができるだけ終身雇用を守ろうとしていた。一方で転職市場は流動性を欠くし、転職に伴うデメリットが大きいために、多少のことは我慢して同じ会社でがんばろうということになりがちであった。「石の上にも三年」という格言があるが、まあ、確かにそういうことはあったのである。 これに対し、現在は、長くいれば悪いようにはならないという要素は激減している。 た
2024年発表の『令和元年の人生ゲーム』が第171回直木賞の候補作に選出された麻布競馬場(あざぶけいばじょう)氏は、普段は会社員として働く覆面作家である。2021年のコロナ禍、Twitter(現:X)に投稿した小説が「タワマン文学」として旋風を巻き起こし、ミレニアル世代、Z世代の悲哀を描く作家として注目を集めている。そんな麻布競馬場氏だが、学生時代には世の中の「正しさ」に適応できない自分に不安を抱いていたという。 「正しい人」の呪縛から解き放たれた中学時代 自分で言うのも何ですが、僕は子どもの頃から真面目で、親や先生から見れば「いい子」だったと思います。 いわゆる児童文学のような「親が子どもに読ませたい本」をたくさん読んで育ちました。その一方、小3のときだったか、親が同席した面談で先生から「おたくのお子さんは他人に対する共感性が著しく低いです」と言われたことがあった。親からは「もっと人の気
【発刊に寄せて】 プログラマーの人材不足が叫ばれる中、プログラミング教育と言えば、とかくプログラムが書ける人材を育成する必要性にばかり目を奪われがちです。本書は、著者の岩松洋氏が岡山大学の情報工学科および大学院でプログラミングを学び、会社でプログラマーをしていた経験の中で、プログラムを読むことの重要性に気づき、その視点から書かれた一冊です。 昨今、最終的に作成するシステムを短期間で作成するために、プログラムは使えるものがあればそれを流用し、なるべく自分でプログラムを書き起こさないことが推奨されるようです。Pythonなどは特にその傾向が強く、ライブラリを使いこなすのがプログラミングの主な仕事となっている感があります。会社の中で仕事をしていれば、先輩技術者が作ったプログラムをメンテナンスすることもあるでしょうし、自分が昔作ったプログラムを修正することが必要になることもあるに違いありません。そ
在日中国人はいまや80万人を超え、留学、出稼ぎ、就職に限らず、移住の理由も多様化してきている。2022年以降に移住してきた、新・新華僑ともいうべき人たちは、日本に対する憧れや関心を持っていないことが多い。彼らはなぜ日本に住むことを決めたのだろうか。日経プレミアシリーズ『日本のなかの中国』(中島恵著)から抜粋・再構成してお届けする。 著名人も続々、最近日本に移住した新・新華僑 2023年4月、都内にある高級ホテルの宴会場で開かれたパーティーに参加した中国人男性から聞いた話だ。 「男性はタキシード、女性はロングドレスが多い、非常に豪華なパーティーでした。中国の大物経営者である主催者は、数年前に来日して以来、日本のファンになり、日本に新居を構えることになったそうです。パーティーは彼の引っ越しのお披露目も兼ねていたそうで、日本の大物政治家や高名な学者も参加していましたよ」 中国で厳しいゼロコロナ政
池波正太郎の言葉と二元論の超克 『鬼平犯科帳』の時代小説を創作した池波正太郎は、『その男』という小説の中で、次のような言葉を登場人物につぶやかせている。 「人の世の中というものは、そのように、はっきりと何事も割り切れるものではないのだよ。何千人、何万人もの人びと。みなそれぞれに暮らしもちがい、こころも身体もちがう人びとを、白と黒の、たった二色で割り切ろうとしてはいけない。その間にある、さまざまな色合いによって、暮らしのことも考えねばならぬし、男女の間のことも、親子のことも考えねばならぬ。ましてや天下をおさめる政まつりごと治なら尚さらにそうなのだ」 ものごとを安易に2色で割り切ってはいけない、単純に捉えてはいけない、との怜悧な観察眼を持つことの大切さを教えてくれる言葉だ。 日本人の私たちは慣行的に「白か、黒か」といった二元論的思考に陥りやすいようだ。そして、その伝で「二者択一」的選択へととか
【はじめに】 筆者は35年以上に及ぶIT業界でのキャリアの大半を、外資系企業で過ごしてきました。その中には、マイクロソフトやグーグルのように大成功を収めている企業も含まれます。筆者が外資系企業を選んだことについて、日本を見下している、あるいは見捨てたという印象を持つ方もいらっしゃるかもしれません。しかし、本人の認識は、その逆です。日本企業で勤務している方々と同じくらい、もしかするとそれ以上に、日本の成長を強く願い続けています。 少しだけ昔の話をします。筆者は、マイクロソフトで国際版のウィンドウズの開発に携わっていました。最後に担ったポジションは、日本語版と韓国語版のウィンドウズの開発責任者。同僚は、中国語版の開発責任者、欧州版の開発責任者など、世界各地で筆者と同じように各地域を統括しているメンバーでした。彼らは同志であると同時に、ライバルでもありました。このチームは、米国や英語圏だけでなく
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