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インタビュー
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2022年10月20日 いつか無くなってしまうかもしれない ―歴史資料に関する知識と経験の共有システム「れきすけ」に思うこと― 誰かの頭の中にだけ残っている知識や経験は、やがてその人がいなくなってしまうとともに無くなってしまう運命にあります。今回のブログは、「知識や経験を“残す”」ことに挑戦しているあるプロジェクトのご紹介です。 「れきすけ」ってなんだ? 紹介するのは「れきすけ」。史料(歴史的な資料、の意)にどんな情報が書いてあるのかという情報を検索できるプラットフォームを目指して作られているサイトです。例えば、「江戸時代後期の○○県の天気について書かれている史料はないかな?」と思ったときに、「〇〇県 天気」「江戸時代 ○○県」などのキーワードで検索することが出来ます。 「れきすけ」はどんなことを行おうとしているのでしょう? 「れきすけ」の考案者、開発者である市野美夏さん、北本朝展さん(と
4月19日(月)、NASA(アメリカ航空宇宙局)の火星探査機パーシビアランスに搭載されていたヘリコプター「インジェニュイティ」が火星の空を舞いました。火星飛行の成功がわかると、NASAのスタッフルームには拍手と共に、大きな歓声が響き渡りました。世界初のその偉業はYouTubeで全世界へと生配信され、スタッフの方々の歓喜する姿に私の胸も熱くなりました…! “創意工夫”という意味の名前をもつ「インジェニュイティ」はその後も幾度と飛行を成功させ、パーシビアランスの探査も順調に進んでいるようです。最近では、中国の探査機も無事火星に着陸したこともあり、世界中から火星への注目が集まっています。 火星と地球の似ているところ、違うところ さまざまな探査機によって調査が行われている火星は、将来有人探査も予定されています。有人火星探査といえば、2016年に公開された映画『オデッセイ』を思い出される方もいるでし
こんにちは!梶井です! すっかり寒くなり、朝起きるのがつらい季節になりましたね。 最近の私のブログは少々マニアックな話が続きましたが、今回は身近な話で季節の変化を科学的に感じてみましょう! 私が選んだ今年の冬の主役はこちら! 踏むと「ザクザクッ!」という音が楽しい、冬の風物詩の「霜柱」です! なぜ、今さら霜柱の話をしようかと思ったか。 それは、先日、雪の研究で有名な 中谷宇吉郎の本の一文で思わず叫びそうになったくらい驚いたからです! 「霜柱は~(中略)~ドイツなどではできないというので(後略)」 梶井「(なんてことだ!!!)」 正確には「ドイツなどでは霜柱はできにくい」だとは思うのですが、自分にとって、冬になればできて当然の存在であった霜柱が「できない」ところがあるなんて! いてもたってもいられず、調べてみたところ、金光達太郎氏による「霜柱の生長に関する研究」(千葉大学園芸学部学術報告(第
「クスっと笑えてタメになる研究」を行う専門家に話を聞く雑誌「ケトル」の連載「NEXTイグノーベル賞を探せ!!」が、日本科学未来館の科学コミュニケーターの協力で2019年10月から始まっています。 今回のブログでは、ケトル VOL.50 (http://www.ohtabooks.com/publish/2019/10/15171619.html )の第一回連載で取り上げた慶応義塾大学の川原繁人先生の研究テーマの一つ、ある種の音が特定のイメージを呼び起こす「音象徴」という現象についてご紹介します。 みなさんこんにちは、日本科学未来館の科学コミュニケ―ターの宮田です。他の科学コミュニケーターのブログ記事には何度か登場したことがありますが、実は自分でのブログ投稿は初めてです。 早速ですが質問です。下の2つの図形にmaluma(マルマ)とtakete(タケテ)という名前を付けてくださいと言われたら
松島 実は私も都会育ちであまり農業には馴染みがありません。ラニさんは農業と関わりはありましたか? ラニさん 私の両親の故郷はバリ島です。バリ島はジャワ島に次いでコメの生産量が多い地域で、私の親戚の中には農家の人もいます。農業には親しみがあり、私たちにとっては近い存在です。 松島 農業の研究に加わることになった経緯を教えてください。 ラニさん ボゴール農科大学の修士課程で、リモートセンシングを使って土壌科学と土地利用の変化について調査をしていたのが、今の農業の研究をするきっかけになっています。インドネシアでの土地利用において優先されるのは農業です。これまで、多くの森林が農地へと変化を遂げてきました。この変化はなぜ起きたのか、どのように農地を管理・活用すれば持続可能な土地開発ができるのか、ということに興味があります。 「衛星画像から、水田一つひとつの被害状況を正確に評価するのはとても難しいチャ
初めは接点なんて何もなかったのに、気づいたら一緒に過ごしている。もう君なしでは生きられない......今回はそんな不思議な運命のお話です。 というわけで、みなさんこんにちは!科学コミュニケーターの田中です。みなさんは、こんな運命的な恋に落ちたことがあるでしょうか?(田中は残念ながらありません......)しかし今回は恋のお話ではなく、みなさんの体の中のお話です。 主役は私たちの体をつくる細胞、そして細胞の中にいるミトコンドリア。前回の田中のブログでは、ミトコンドリアのちょっと意外な見た目についてご紹介しました(「ミトコンドリアのほんとの姿は"あの形"とちょっと違う?!」https://blog.miraikan.jst.go.jp/other/20181109-4-gfprfp-mito-gfpmito-rfp.html)。その続報である今回は、細胞内で働く他の小器官(オルガネラ)とは違っ
2019年10月08日 【速報】2019年のノーベル物理学賞は宇宙の理解に関して、カナダとスイスの3博士 2019年のノーベル物理学賞はカナダのジャームズ・ピーブルス博士(James Peebles)、スイスのミシェル・マイヨール(Michel Mayor)博士、その弟子のディディエ・ケロー(Didier Queloz)博士に贈られました。 ピーブルス博士は宇宙の理論的な研究、マイヨール博士とケロー博士は太陽系の外にある惑星「系外惑星」の発見をした方々です。賞金の半分はピーブルス博士に贈られ、その残りの半分をマイヨール博士とケロー博士が分けます。 ピーブルス博士は初期宇宙がどのようにできていたかを研究していました。宇宙マイクロ波背景放射の観測でも重要な貢献をしています。ビッグバンからどのように宇宙ができていたのか、元素がどのようにできたのかの理解に関する研究などがあります。宇宙背景マイクロ
Tweet こんにちは! 科学コミュニケーターの眞木まどかです。 きょうは現在の科学コミュニケーターの中で唯一文系の私から、いつも取り上げている科学とタイプの少し異なる科学、「社会科学」の研究を紹介します。 みなさん、「社会」を「科学」すると聞いてどんなイメージを持っていますか?ブログを読んで、「社会」を「科学」するってどのようなことなのか、少しでもわかっていただけたら嬉しいです。 このブログは、「定量的研究が明らかにする、新規事業をつくる人ってどんな人?」と「定性的研究が明らかにする 新規事業をつくった経験のある管理職の学習成果?」の2本立てでお送りします。 ▼ 今回とりあげるのは、「民間の大企業で新規事業(ビジネス)をつくる人ってどんな人?を明らかにした研究」です。 大企業というある1つのタイプの社会に的を絞り、新規事業をつくる人に焦点を当てた研究です。 ここでいう新規事業とは、「今ま
皆さんこんにちは!科学コミュニケーターの梶井です! 2018年のノーベル化学賞。来ました。私たちがノーマークだった分野。 早速、受賞者と受賞理由の紹介からいきましょう。 ・フランシス・アーノルド(Frances H. Arnold)博士 受賞理由:「酵素の指向性進化法」 ・ジョージ・スミス (George P. Smith)博士 ・グレゴリー・ウィンター (Sir Gregory P. Winter)博士 受賞理由:「ペプチドと抗体のファージディスプレイ法」 先生方、おめでとうございます! ですが、受賞理由が専門用語ばかりでなんとも難しい...... そして、なぜ受賞理由が2つあるのか...... 今回のキーワードは「進化」! このキーワードで、各先生の業績を順番に見ていきましょう。 ■ アーノルド博士の業績~酵素の指向性進化~ 「酵素」とは化学反応をお手伝いするタンパク質の総称で、手伝う
2018年09月01日 2018年イグノーベル賞を予想する ① 現代版"風が吹いたら桶屋が儲かる?"事例集 9月14日(金)朝7時(日本時間)に迫る、2018年のイグノーベル賞の受賞者発表&授賞式。 「笑い、そして考えさせられる」業績に対して送られる賞ということで(たぶん当たらないだろうと思いつつも)、3人の科学コミュニケーターが該当しそうな面白い研究を1つずつ紹介していきます。 正直なところ、イグノーベル文学賞を(今年の発表を見送ることになった文学的な顛末によって)本家ノーベル文学賞の選考委員会がとったり、経済学賞を(バーチャルと現実の融合世界に働き盛りの人々を没入させている功績で)ポケモンGoがとったりするんじゃないかと睨んでいたりするのですが。 いちおう未来館は科学館なので、科学にまつわる業績に絞って予想を行います。 ■イグノーベル受賞予想 「現代版"風が吹いたら桶屋が儲かる?"事例
こんにちは!科学コミュニケーターの伊達です。未来館に来る前は、メーカーでおむつの研究開発をしていました。ここからは、おむつマイスター伊達としてこのブログをお届けします。 先日、おむつをうっかり洗濯機で洗ってしまっても、塩を入れれば吸水ポリマー(以下、ポリマー)が溶けるので下水に流すことができる、と書かれたものをネットで目にしました。 洗濯機の中がポリマーだらけ...という経験は、子育てや介護をされた方は、一度はあるのではないでしょうか。 洗濯槽にこびりついた細かいポリマーを一つ一つ取り除く...気が滅入ると思います。塩を入れて流せば良いのならば、簡単にできます。 ですが、残念ながら、この方法は排水溝を詰まらせてしまう危険があり、お勧めできません。マンションのような集合住宅であれば、洗濯機からの排水溝が詰まると床に水があふれ出し、下の階にまで被害が及ぶおそれがあります。 面倒ですが、地道にポ
はじめまして、科学コミュニケーターの漆畑文哉(うるしばた ふみや)です。 突然ですが、これはなんでしょう。 そう!アルコールランプです!! 簡単すぎました?未来館のブログを読んでいる方ならばアルコールランプはご存知ですよね。 もし知らなかったとしても、恥ずかしくはありません。タイトルの通り、今、アルコールランプは日本の理科授業から姿を消しつつあるのですから。 なぜアルコールランプが学校の授業で使われなくなってきたのでしょう? この記事では以下の3つについて掘り下げてみます。 アルコールランプの代わりは? アルコールランプはなぜ姿を消しつつあるのか? アルコールランプは必要? アルコールランプの代わりは? 現在の理科の授業で火を扱う実験が本格的に登場するのは小学校4年から。水を温めたり冷やしたりして固体・液体・気体といった「状態変化」や「燃焼」を学びます。これらの実験にはアルコールランプがよ
みなさん、こんにちは!科学コミュニケーターの高知尾です。 やりました!重力波の受賞です! 先ほど、2017年のノーベル物理学賞の発表があり、今年の受賞者が決定いたしました。 ●レイナー・ワイス(Rainer Weiss)博士 1932年生まれ、マサチューセッツ工科大学 名誉教授。 ●バリー・バリッシュ(Barry C. Barish)博士 1936年生まれ、カリフォルニア工科大学 名誉教授。 ●キップ・ソーン(Kip S. Thorne)博士 1940年生まれ、カリフォルニア工科大学 名誉教授。 そして受賞理由は、 「レーザー干渉計LIGOを用いた重力波観測への多大なる貢献」 です! 御三方、おめでとうございます!!パチパチパチ! キップ・ソーン博士は天体現象から放出される重力波をモデル化し、実際に干渉計で観測されたときの解析手法の開発に貢献しました。レイナー・ワイス博士はレーザー干渉計に
今年も日本人がイグノーベル賞を受賞しましたよ! なんと、日本人は11年連続受賞! お堅いイメージをもたれがちな日本ですが、オモシロ分野でも大活躍ですね! おめでとうございます!! 今回の受賞者たちには、以下のようなプライズが贈られました!
みなさん、こんにちは! 科学コミュニケーターの沈晨晨(しぇん ちぇんちぇん)です。 未来館恒例のノーベル賞予想の季節になりました。 私は初参加ながら、自信をもってノーベル生理学・医学賞を予想させていただきます! 私の予想は、このお二人の共同受賞です! ジェームズ・アリソン(James P Allison)博士(1948年生まれ) Photo by Gerbil via Wikimedia Commons, CC BY-SA 3.0 (リンクは削除されました) なぜこのお二人かというと、がん治療の新しい道を切り拓いたからです! 免疫(病原体やがん細胞を攻撃して体を病気から守るしくみ)でがんを治すという研究です。 ただし、従来の免疫治療とは発想が違います。 はじまりは1995年、アリソン博士のある発見でした。 その当時は免疫を活性化させる分子に注目が集まり、さまざまな病気の治療薬が期待されてい
こんにちは!梶井です! ここ最近、「基準値が~」という話を良く耳にしているかと思います。 しかしですよ! そもそも、基準値ってなんだ? 私も、「それを守っていれば安全な値」くらいに思って深く考えていませんでした。 化学に携わっていた、そして化学を伝える立場として反省です。 今回は、環境基準について一緒に考えましょう! まず、現在の環境基準は「環境基本法」に基づいて定められます(ダイオキシン類に対しては、ダイオキシン類対策特別措置法)。その16条の第1項は、以下の通りです。 政府は、大気の汚染、水質の汚濁、土壌の汚染及び騒音に係る環境上の条件について、それぞれ、人の健康を保護し、及び生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準を定めるものとする。 つまり、ヒト(を含めた生態系)が健全に生活をし続けられることを目的とした値です。 ※環境基準は、行政上の目標なので破っても罰はありません。し
こんばんは!梶井です! 未来館の化学チームの予想は、残念ながら外れてしまいました・・・ しかし、「ザ・ 化学!!」と言いたくなるような研究が化学賞を取りましたね! それでは、2016年の化学賞はこちら! -分子マシンへの貢献- (左から) フランスのストラスブール大学のDr. Jean-Pierre Sauvage, アメリカのノースウエスタン大学のSir J. Fraser Stoddart, オランダのフローニンゲン大学のDr. Bernard L. Feringa(図版はノーベル財団) 分子マシンってなんだ・・・?と思われたかもしれません。 例えば、私たちの身の回りは洗濯機、車、ミキサー、etc・・・色々な機械で囲まれていますね。 もしも、それらを分子の世界で創れたら・・・? でも、分子の世界ってナノメートル(0.000000001 m)の世界です!!どうやってそんな機械を作るのでし
Tweet ノーベル物理学賞2016年受賞者と受賞理由が発表されました! その受賞理由はこちら! トポロジカル相転移と物質のトポロジカル相の理論的発見 ノーベル財団の発表によると、固体物理学における20世紀の最大の発見とも言われています。 なかなか理解しがたい(書いている私もきちんと理解できていないので苦しい...)のですが、がんばって今回の受賞が何だったのかを伝えます! ◆トポロジカルとは? まずは受賞理由に2回も登場する「トポロジカル」という言葉から説明します。 関連用語の「トポロジー(topology)」は、「位相幾何学」などと訳される数学の一分野です。 そして、トポロジカルな視点で世界を見ると、面白いものの見え方をします。 例えば、下の図のような感じ。 「ボール・マグカップ・ドーナツ・8の字型のもの」の4つが書かれた紙を見るときに、トポロジカルな視点で見るための"メガネ"をかけると
大隅先生のご研究は、生物の基本的なしくみに迫るものです。 その研究がこちら! 「オートファジー(自食作用)の仕組みの発見」 (for his discoveries of mechanisms for autophagy) 詫摩の速報でもあったように、オートファジーとは、細胞のなかで不要なものを分解する働きのこと。分解する仕組みはいくつかあるのですが、オートファジーが特徴的なのは、細胞のなかに大きな袋が現れて、袋のなかのタンパク質を丸ごと分解するという点です(近年は、特定のタンパク質を選んで分解するような「選択的オートファジー」も注目されています)。 皆さんがお友達やご家族にご説明する場合は、「大掃除」の例えを使うと分かりやすいでしょう。おうちもたまに大掃除しないと不要品がたまってしまうのと同様、細胞の中も不要品がたまると病気の原因になるといわれています。細胞の中では、不要なものに印をつけ
こんにちは。志水です。 本日は、ノーベル生理学・医学賞の予想、第2弾。 私たち予想チームは、どなたが受賞するか当てにいくだけではなく、今、注目すべき研究をみなさまにご紹介したい!という思いでもこの記事を書いています。 そんなわけで、私、志水がノーベル生理学・医学賞の受賞者として予想するのは、こちらの方です! 大隅 良典(おおすみ よしのり)博士(1945年生まれ) 受賞テーマは、「細胞が自らのタンパク質を分解する『オートファジー』の仕組みの解明」です。 大隅氏曰く、「細胞のなかで、新しくモノがつくられる働きというのは注目を集めやすいが、古いモノを壊す働きはあまり注目されてこなかった」とのこと。しかし、近年さまざまな病気との関連が指摘されていて、今、非常にホットなテーマなのです! そんな大事な役目を担う「オートファジー」とはいったいどんな働きなのか、早速ご紹介しましょう! そもそも、細胞では
Tweet 今年もやりました! 今日9月23日の午前7時(日本時間)から発表された今年のイグノーベル賞。日本人が10年連続で受賞しました! おめでとうございます!! イグノーベル賞は「笑わせて、考えさせる」研究に贈られる賞です。日本人が受賞した研究はどんな研究なのでしょうか? その受賞研究がこちら! さあ、画面の前のみなさんもご一緒に!(グイッと) 「知覚賞 ― 股の間から景色を見ると違って見えるという研究」 (Perception Prize -for investigating whether things look different when you bend over and view them between your legs)」 立命館大学の東山篤規教授と、大阪大学の足立浩平教授が受賞されました。 そう、今年の受賞研究は、自分で体験することができる研究です! さっそくやって
こんにちは。普段、まわりで風邪が流行っていても「バカは風邪引かないっていうから私は大丈夫だもーん」とうそぶいている長倉です。 しかし!自分はよくても(よくないが)、まわりの人にうつしてしまうなどの迷惑をかけてしまうのが感染症です。 最近流行っている感染症と言えば風疹。 風疹は、大人がかかるとひどくなることもあり、自分が苦しむのももちろんですが、万が一妊婦さんにうつしてしまったら、生まれてくる子どもに難聴や心疾患などが出る先天性風疹症候群(CRS)になる危険性があります。 風疹やCRSについて詳しくは国立感染症研究所のこちらのページを。 まわりの友だちは出産ラッシュ。 リスクは少しでも減らしたいということで、予防接種をしようと近所の診療所へ行ってみました。 *「風疹ってなに?流行ってるの?」という方は、ぜひこちらのマンガをご覧ください。 近所の診療所に行ってみた そもそも、過去に予防接種をし
Tweet 皆さん、こんにちは。科学コミュニケーターの伊藤です! いま、未来館では企画展「GAME ON ~ゲームってなんでおもしろい?~」を実施しております。 「ゲームはいつ、どこで誕生し、どのように成長してきたのでしょうか?」 ...そんなことを、貴重なゲームとともに振り返りつつ、さらに 「将来、ゲームと私たちの関係はどのようなものになっていくの?」 まで、最新のゲームやインターフェースを体験してもらいながら皆さんに考えてもらう企画展です。(5月30日(月)までの開催です) ・・・ さて、たくさんのお客様にお越しいただいたゴールデンウィークも終わり、比較的ゆとりをもって企画展「GAME ON」を楽しんでいただける時期になりました。 そこで!今回のブログでは、ゲーム大好きな科学コミュニケーター3人が『企画展「GAME ON」や「ゲームそのもの」を、もっとおもしろく、もっと楽しむためのキー
4月14日の夜から、熊本や大分では連日地震が続いています。 倒壊した家屋、人々の避難生活の状況、物資の状況、死者数の増加、救出の様子、続く余震におびえる人々の様子......。熊本地震による影響や日々変わりゆく状況を、私たちはメディアを通じてほぼリアルタイムで知ることができます。 特にテレビニュースでは、家屋倒壊の衝撃的な映像や、人々の悲痛な胸の内を語る映像が多くあり、私たちは今起きている状況を目で見て確認し、実感することができます。 しかし、このようなニュースを見続けていると、ニュースを見ていないときでも、自分の気持ちが沈んだり、暗い気持ちになったりしていないでしょうか。 そんな状態であれば、もしかしたら"共感疲労"かもしれません。 ニュースを見続けずに、テレビのチャンネルを変えた方がいいでしょう。 "共感疲労"は他人の痛みや苦しみに共感するあまりに、自分の心が疲れてしまうことです。食欲
何かの脅威に対し、無防備なまま、ダメージを受けたとして。 次の3つのケースで、その意味は大きく異なると思うのです。 その事態を想定しなかった その事態を想定はしたが、対策を深く考えるには至っていなかった その事態を想定した上で、発生した場合には許容することにした 福島第一原子力発電所事故は、2番目のケースに近いのかな、と筆者は思います。 津波が来るかもしれないことを考えた人は、政治家や専門家の中にもいて、指摘はありました。 しかし、「津波が来たら事故が起こるかもしれない」と想定した上で、「その時はそれで、仕方ない」という社会的合意がなされていたわけでは、決してありません。 当時の規制基準が事象者に求めたのは、津波については「地震の随伴事象としての考慮」、重大事故発生時への備えについては「自主的な対策」。明確な基準がなく、対策が後手に回っていました。 何度となく耳にした「想定外」という言葉は
Kさんは、今は拠点を相馬に移し、試験操業のために漁に出ます。試験操業とは、福島県によるモニタリングの結果から安全が確認されている魚種に限定し、小規模な操業と販売を行うことで、福島県の漁業再開に向けた基礎情報を得るために行われています。(参考リンク:福島漁連試験操業ポータルサイト) (リンクは削除されました) 販売される漁獲物は福島県漁連が中心となり、放射性物質の検査を行っています。市場に出る漁獲物は、もちろん放射性物質の検査をクリアしたものたち。しかし築地市場などでは、なかなか競り落としてもらえず、何度も何度も競りにかけられ、かなりの安値でようやく購入者が現れる、ということが度々起こっています。 Kさんは言いました。 「(放射線量を)測っていない魚より、測ってある魚の方が安心だとは思わないのだろうか。」 苦悩と憤りに満ちた表情の彼の言葉は重く、私は言葉を失いながら、Kさんの自宅を辞しました
2015年のノーベル化学賞は、フランシス・クリック研究所のトーマス・リンダール博士、デューク大学のポール・モドリッチ博士、ノース・キャロライナ大学のアシス・サンジャール博士が受賞しました。受賞テーマは「DNA修復のメカニズムの解明」です。 私たちの設計図であるDNAが、死ぬまでずっとほぼ同じ内容で、コピーされ続け、新しい細胞を作り続けられることは不思議だと思いませんか。 コピーするときの化学反応にはエラーはつきもの。例えばもし、30億文字を間違いなく書き写してください、と言われてもなかなか難しいですよね。 けれど、設計図はちゃんとコピーされ続ける......なぜ? その秘密は、細胞が持っている修復機能、"DNA修復"の仕組みが握っていました。 ★メニュー ・DNA修復って? ・3人が解明した3つの修復方法 ・もしこの修復機能がなかったら? 細胞の修復機能 "DNA修復"ってなに? DNAは
「私たちは、まだ世界のすべてを知ることが出来ていない」。 その証拠を示した発見に、ノーベル物理学賞です。 2015年のノーベル物理学賞は、東京大学宇宙線研究所長の梶田隆章博士と、カナダ・クイーンズ大学のアーサー・マクドナルド博士が受賞しました。受賞テーマは、「ニュートリノ振動の発見により、ニュートリノに質量があることを示したこと」です。 簡潔に言うと、「ニュートリノ」という目に見えない粒子の振る舞いを観測し、人類がそれ以前に観測してきた物理現象から組み立てた「標準理論」に、まだ足りない部分があることを明らかにしたのです。目の前の物質から宇宙全体までに対する、私たちの理解をあらためる発見でした。 【ニュートリノって何?】 ニュートリノは素粒子の一種。物質をつくる基本の(=つまりこれ以上は分けることができない)、粒のようなものです。目に見ることができず、人体や構造物、地球などをスルスルとすり抜
世界三大感染症の1つに数えられ、その中で最も感染者数が多いのがマラリア。年間2億人もの人が罹患し、その62万人もの人々が命を落としています。しかし、医療の発展により、マラリアの死亡率も徐々に軽減されてきました。その陰には、マラリア治療薬を開発した一人の女性の存在がありました。 彼女の名前は屠呦呦(トゥ・ヨウヨウ)氏 中国南部出身、1930年生まれ、現在84歳。 トゥ氏が、今年のノーベル生理学・医学賞を受賞しました。 中国人で初の生理学・医学賞の受賞者となります! そもそもマラリアってどんな病気? マラリアと人類の戦いの歴史は長く、紀元前まで遡ることができるほどです。現在こそ日本でマラリア感染の話は聞きませんが、1960年代までは日本でも土着マラリアの感染がありました。中国では、少ないながらも、現在も感染者が存在します。
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