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1月 25 国内工場に1枚200円でTシャツを縫わせる大手セレクト Tweet カテゴリ 洋服の製造原価というのは、同一ブランドであってもアイテムによって異なる。 少し製造に携わったことのある人ならだれでも知っていることである。 例えばジーンズは原価率が32%になってしまったけど、Tシャツは25%で抑えられたとかそういうことである。 なぜそうなるかというと、それぞれのアイテムが使用する生地が異なれば当然生地値も異なる。 縫製工賃もアイテムによっても異なるし、工場によっても工賃は異なる。 例えばTシャツなら500円で縫えるが、ジーンズだと1500円くらいは最低でもする。 テイラードジャケットやコートとなるともっと縫製工賃は高いだろう。 縫製工賃や生地値が高くなったからといって、青天井に販売価格を上昇させるわけにはいかない。 そのブランド特有の価格帯がある。 ジーンズなら1万
1月 20 「服が売れない」のではなく「売れにくい」だけ Tweet カテゴリ 考察 「服が売れない」と言われている。 しかし、大手アパレル各社も売上高が減少しつつも1000億円とか500億円くらいは売上高があるので、まったく売れないということはない。 反対にむしろ、不振と言われながらも各社とも1000億円も売れていると見ることもできる。 売れなくはないが、バブル期のように売れるわけでもない。 正確には、90年代後半からは「服が売れにくい」時代と言えるのではないか。 先日、このブログで紹介したアメリカ市場も「服が売れないから価格競争に陥って二重価格が横行している」と言われている。 おそらく、欧州も似たような感じだろう。 なにせ、ZARAとH&Mの本社があって、売上高の何割かは欧州で稼いでいるのだから。 なぜ「売れにくくなったのか」を考えてみたい。 1、各人の収入が減ってい
1月 14 衣料品の値崩れは当然 Tweet カテゴリ 国内市場で衣料品の値崩れが止まらない原因の一つに過剰供給がある。 年間41億点の商品が流通しているそうだから、一人当たり平均で35枚くらいは服を買わないと在庫として残ってしまうということになる。 毎年、一人で35枚も服を買う人がいるだろうか。 まあ、ほとんどいないだろう。 となると、在庫は投げうるか廃棄するかするほかない。 かくして洋服の投げ売り品は増える一方ということになる。 衣料品が値崩れするのは当然といえる。 別に日本人が遅れているからとか、日本の消費者のモラルが劣化したとかいうことではない。 ごく当たり前に過剰在庫が投げ売りされているというだけのことである。 農作物だって水産物だって家電だって供給過剰になれば値崩れを起こす。 それと同じである。 日本にはすぐに「欧米では~」とか「世界では~」という人が多い
1月 12 価格優位性のない商品も増えたユニクロ Tweet カテゴリ ユニクロ ユニクロを展開するファーストリテイリングの8月期連結の下方修正が発表された。 良くも悪くも注目される同社だから、さっそくそれについてのさまざまな意見が見られた。 東洋経済オンラインの記事は、商品を基軸にまとめられている。 ユニクロの失速は「暖冬」だけが原因ではない 前回発表から3カ月で業績予想を下方修正 http://toyokeizai.net/articles/-/99927 ちなみに今回の下方修正は、 売上高1兆8000億円(当初見込みよりも1000億円減) 営業利益1800億円(同200億円減) 税引き前利益1800億円(同200億円減) という内容である。 同社の下方修正はかなり珍しいからそれだけでインパクトを与えるが、この数字を見る限りでは、同社の優位は変わらないと感じる。
1月 8 知られていないのは存在しないのも同じ Tweet カテゴリ 考察 正月早々、ドラマか映画のような中小企業の大逆転劇が報道された。 「おじいちゃんのノート」に大反響 孫がツイッターで拡散→在庫の山に注文殺到 奇跡を生んだ数々の偶然 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160104-00000002-withnews-sci&p=1 お読みになった方も多いと思う。 東京都の中村印刷所が特許取得した画期的な方眼ノートが、同社を手伝っている男性の孫娘のツイートがきっかけで一気に注目を集めている。 発売したのは2014年10月。東京都の機関が試験的に購入・評価して普及を応援する「トライアル発注認定制度」にも選ばれるなど、性能は評価されてきましたが、なかなか売れません。大量発注の話があって作ったものの、実際の注文には結びつかず、数千冊の在庫を抱え
12月 25 「独自化」に着手できない小規模小売店は余力がある間に廃業した方が賢明 Tweet カテゴリ 考察 通常のファッションブログはあまり評価をしていない。 個人的にはたくさん存在するプチプラブランドを使ったコーディネイトブログは好きで、あれがあればファッション雑誌なんていらないんじゃなないかと思ってしまう。 欧米のメゾンブランドがどうしたとか、ファッショニスタがどうしたとか、セレブがどうしたとか、その類のことばかり書いているブログを定期的に読むことはないし、たまに読んでもそれほど評価していない。 そんな中で、Knower Magは評価している。 ファッションやトレンドだけのことではなく、業界の問題点も指摘しているからだ。 Knower Magは月間PV数が100万の大人気ブログで、筆者のこのブログよりもはるかに評価が高い。 筆者のブログはだいたい月間PV数が11万くらい
12月 24 ブログもSNSも自分の性格に合った書き込みをすれば良い。正解は一つではない Tweet カテゴリ SNSについて このところ、立て続けにまだ立ち上げた個人レベルのブランドから相談を受けている。 個人起業家みたいな感じなので、資金的にはゆとりがない。 通常の法人よりも販促費や広告宣伝費に割ける原資が少ない。 それこそこういう個人ブランドは、ブログも含めたSNSを活用すべきである。 このことに異論のある人はいないだろう。 ましてや販路はウェブ通販が大きなウエイトを占めるわけだから、SNSから誘導することは非常に効率的でもある。 そのためにはひたすら自己発信をするほかない。 ところがいざ、発信する段になると「何をどう書いて良いのかわからない」「面白いこと、人目を惹きつけるようなことが書けない」という悩みが生じるようだ。 バラエティ番組出演で一躍業界のスターになった短
12月 15 洋服が売れにくい理由 Tweet カテゴリ 去年の秋口から月に2回、ファッション専門学校で講義(というか業界漫談?)を行っているのだが、つい先日、年内最後の講義をした。 相手は来春から就職する学生たちである。 彼らに対して言いたいことは「今は洋服が売れにくい・売りにくい時代」であるということ。 「売れない」ではない。 なぜなら、苦戦する大手アパレル各社でも減収したとはいえ、500億円とか1000億円とか2000億円の売上高があるからだ。売上高がゼロになっているわけではない。 しかし、高度経済成長期やバブル期ほどの売れ行きではない。 なぜ「売れにくい・売りにくい時代」になったのか。 理由をいくつか挙げてみたい。 1、可処分所得が減った人が多い 2、トレンドが長期間ほとんど変わらない 3、消費者はすでに多くの洋服を持っている 大きくはこの3つであろう。 バ
11月19 これまで通りのやり方では雑誌も服も売れない Tweet カテゴリ 昨日、こんなブログエントリーを拝読した。 80万部が11万部になった「cancam」。売れない雑誌の共通点とは? http://toriaezutori.com/marketing/658.html タイトル通りの内容である。 一般的に雑誌が売れなくなった理由を考察しており、なかなか的を射ている。 そして、最後になりましたが最も部数を減らしているのは、20代前半〜後半向けのファッション誌です。例えば、「cancam」も、エビちゃんや押切もえが看板モデルだった2006年当時は80万部にせまる発行部数があったと言いますが、2013年には11万5千部と驚異の落ち込みを見せています。そのほかにも「with」が2008年時には50万部を超えていたものの2015年時には21万部と半分以下に、「MORE」も2008年
11月13 多くの人に買ってもらいたいなら、多くの人が買える価格にすべきでは? Tweet カテゴリ 売上高が買い上げ客単価×買い上げ客数でしか算出できないように、ブランド全体の売上高や特定の商品の市場規模も購買客数の多寡が重要になる。 いくら画期的な商品を開発したとしても買い上げ客数が少ないなら、その商品の売上高は少なくなる。 買い上げ客数が少ないことにはいくつかの理由が考えられる。 1、告知・宣伝・広報が足りなかった 2、商品のデザインや機能に問題があった 3、価格設定が高すぎた 4、十分な販路を開拓できなかった。 などである。 今回は3について考えてみようと思う。 どんなに良い商品でも高すぎる価格設定では買い上げ客数は爆発的には増えない。 なぜなら購買能力のある人が減ってしまうからだ。 ユニクロがあれだけの売上高になった理由の一つには誰でも買える安い価格設定とい
11月11 ブログの書き方を改めてまとめてみた Tweet カテゴリ 最近、始めたばかりのブランドから相談を受けることが増えた。 しかし、それが筆者の収入増にあまりつながっていないのは、ひとえに営業センスというか、マネタイズが下手くそなのである。 まあ、そんなことはさておき。 新しいブランドというのは当然、起業したばかりで資金が潤沢ではない。 あまり大がかりな販促活動もできない。 となると、ブログを含めたSNSが一番費用はかからない。 特にブログは記事が蓄積されると、絶大な効果がある。 筆者にもときどき、雑誌や新聞、ウェブメディア、テレビからコメント依頼が来るが、ほとんどがブログを通してである。 書き始めてすぐには閲覧者数も訪問者数もほとんどない。 書いていても無駄かななんてもうこともしばしばあるが、100本を越えたころから少しは閲覧数が増えるようになる。 SNSの場合
11月10 国内デザイナーズブランドは独力でビジネスを拡大するしかない Tweet カテゴリ 筆者は普段、いわゆるコレクションブランドとは何の関係もない生活を送っている。 もちろん、それらを買うこともない。価格が高いからだ。 それでも一応、毎シーズンのウェブニュースでの報道くらいはざっと流し読みする。 正直なところ発表された物自体にはさほど興味はない。 今回のパリコレブランドでもデザイナーが解任されたとか、他ブランドに移籍したとかそんなニュースがあった。 好き嫌いは別にして、一応、18年くらい国内でデビューした独立系デザイナーを断続的に見ている。 もちろんすべてに目は届かないし、物理的に届かせることは不可能なので網羅しようとはこれっぽっちも思わない。 数年くらい前から国内の独立系デザイナーはどうなることがゴールなのだろうと考え続けている。 パリコレ、ミラノコレ、ニューヨーク
10月22 「待ちぼうけ」の童謡そのままな国内縫製工場もある Tweet カテゴリ 「高品質な日本製を打ち出すことでブランドイメージを向上させる」 どこかの大手アパレルが好みそうなキャッチフレーズである。 散々海外生産を増やしておきながら今更どの口が言うのかと呆れ果てる。 しかし、実際のところ日本製は必ずしも高品質ではない。 すべてがそうではないが、ブランド側からすると「使いづらい」縫製工場も多々ある。 もちろん、高品質な工場も存在することはいうまでもないが、マスコミが煽るほど日本製衣料品はすべてが高品質ではないということである。 長らく中国生産のエキスパートだった友人のOEM屋が、国内生産を取り入れ始めたのは5年ほど前のことである。 それまでは中国生産一辺倒だった。 その友人の当時の第一声は「国内縫製工場は使いづらいところがある」というものだ。 理由を尋ねてみると、「当
10月21 廃業できる企業はある意味では幸せなのかもしれない Tweet カテゴリ その昔、「千円札は拾うな」という本を読んだ。 経営破綻したワイキューブの元社長・安田佳生さんが書いた本で、発行当時ビジネス書としてはかなりのベストセラーになった。 参考になる部分と、まるで参考にならない部分があったというのが感想である。 2011年にワイキューブは経営破綻するのだが、この本はそれ以前に書かれている。 社員専用バーを作ったとか、将来的には電車通勤を廃止してタクシー通勤にしたいとか、社員のモチベーションを上げるための支出構想が書かれていたのだが、バブリーな生活とは無縁の筆者からすると恐ろしい無駄遣いに思えた。 倒産の一報を聞いたときにも当然だろうと思った。 その後のインタビューでは社員バーは何度も報道され、それによって知名度が上がり成約が増えたそうなので結果的には成功したといえるだろ
10月14 小型店がライフスタイル提案をする方法 Tweet カテゴリ 昨今、大型のライフスタイル提案型のショップが乱立している。 一つのコンセプトに沿ってさまざまなジャンルの商品をそろえて、ライフスタイルを提案するのだが、グランフロント大阪の無印良品のように広大な面積が必要となる。 エストネーションやビオトープなんかもそうだろう。 小型店がライフスタイル提案を行うのは面積の関係上かなり難しい。 実際にアパレル業界には洋服+数型の雑貨を置いて「ライフスタイル提案型です」と自称している中小型店も少なくない。 しかし、感度の鈍い筆者のような消費者からすると、「洋服にリュックを3型・靴2型を置いただけで何がライフスタイル提案型か」と疑問に感じてしまう。 そういう観点において、筆者は中小型店でライフスタイル提案型はかなり難しいと考えていたのだが、この考え方を使うと、小型店でもライフスタ
10月9 工場が自立化したいなら下請け的メンタリティーをすべて捨て去れ Tweet カテゴリ 「歩き出した工場たち。自立のために必要なこととは?」 こんなお題が出されたので、今日はこれについて考えてみたい。 要するに工場が自立化するためにはどうすれば良いのかということである。 工場の自立化というのは、繊維業界ではけっこう以前からある取り組みだが、成功したのはほんの一握りしかない。大多数はだいたいが補助金・助成金が終わるとともに自立化事業も終わりを迎えている。 補助金・助成金頼りという工場(製造・加工業)は少なくなかったし、今もそういう姿勢の工場は多い。 工場の自立化への取り組みとしてもっとも多く見られるのが、自社オリジナル製品の開発である。 繊維業界の工場というのは、生地作りだったり染色・加工だったり、縫製だったりと、繊維製品の一部分の製造加工を担う。 自社が担っている分野を
10月7 「ジーンズ業界」は残らないが「ジーンズ製造加工業界」は今後も残る Tweet カテゴリ 先日、このブログでジーンズナショナルブランドの凋落の原因について書いたところ、有限会社TCDさんがその補足ブログを書いてくださったのでご紹介したい。 http://ameblo.jp/tcd-co-ltd/entry-12081206018.html 『ファション業界に取り込まれたジーンズというアイテム』 http://blog.livedoor.jp/minamimitsu00/archives/4494893.html まさに仰る通りな内容でした。 その中で 「どうすればジーンズブランドは凋落しなかったのか?」 と、空想され、その答えを 「製造ノウハウをきっちりと握りしめていればよかった。」 のではないかとされ その現実的方策として 縫製工場、洗い加工場を自社で運営し
9月16 太めシルエットの復活でさらに多様化が進む Tweet カテゴリ 店頭ではこれから秋冬商戦が本格化するが、ブランド展示会は現在、来春夏展が開催されている。 業界新聞記者当時ほどは多くのブランドを訪問していないが、いくつか訪問した中でも来春夏展はメンズ・レディースともにビッグシルエット、太めシルエットがトップス・ボトムスともに提案されており、一部ブランドでは今秋からこれが本格化しているように見える。 とくに今秋のファッション雑誌はメンズもレディースもヤングもアダルトも一様にビッグシルエットを押している。 まあ、ファッション雑誌特有のキャンペーン臭が漂っているのだけども(笑) 筆者はトレンドに疎い上に、ファッショニスタではないので太めに関する解説は畏友の釼英雄さんにお任せする。 太めが復活しそうな予感 http://blog.goo.ne.jp/souhaits225/e/
9月10 衣料品は商品名をもっと工夫してみては? Tweet カテゴリ 今日はお気楽に。 先日、ジョイジッパーさんが興味深いブログをアップしておられたのでご紹介したい。 「商品名」テキトーに付けてませんか? http://ameblo.jp/knitkitchen/entry-12066668700.html オンライン通販についての商品名のことなのだが、 でも肝心の「商品名」にはあまり工夫が感じられなくないですか? 多くの場合・・ 「素材(柄)」+「首」+「袖」+「アイテム」 この法則で商品名が付けられています。 例えば・・ 「天竺クルーネック半袖Tシャツ」 「リブ編みタートルネック長袖ニット」 「メルトンノーカラー七分袖ショートコート」 うんうん・・(-。-;) 確かにそのまんまと言いますか間違っちゃいないんですよ。 WEB検索するならこれが正解かも知れま
9月8 「なくなったら困る」といわれるブランドを目指そう Tweet カテゴリ 先日、某ファッション専門学校の理事長と雑談をした。 かつてのお得意さんであった大手アパレルの苦境に話題が及んだ時、こうおっしゃった。 「そりゃワールドが仮に潰れてなくなったとしても消費者はだれも困らないからね」と。 便宜上ワールドとおっしゃったが、ここにオンワード、イトキン、ファイブフォックス、三陽商会、TSIいずれを入れても成り立つ文章である。 そして「ユニクロや無印良品がなくなると困る消費者がたくさんいる」とも。 これが今の立場を端的に表しているのではないかと思う。 理事長の真意は、嗜好品ブランドと実需品ブランドを対立させたわけではない。 海外では嗜好品でも富裕層には「いつも〇〇はあのブランドで買ってたからあれがなくなったら困る」というブランドがある。 これに比べると、我が国の大手アパレル各
9月2 大手総合アパレルの劇的な復活は難しい Tweet カテゴリ 大リストラを発表していたTSIホールディングスの早期退職に528人が応募したという発表があった。 TSIホールディングスの希望退職者募集に528名が応募 http://www.fukeiki.com/2015/09/tsi-cut-528-job.html 退職日は8月31日だからもう全員退職していることになる。 ワールドの早期退職希望者の退職日は9月30日である。 筆者が業界紙記者となったのは97年だが、そのときに大手とされていた総合アパレルは現在、軒並み凋落している。 ワールド TSIホールディングス(サンエーインターナショナル+東京スタイル) 三陽商会 オンワード樫山 イトキン ファイブフォックス である。 この中で最も業績がマシなのがオンワード樫山だろう。 それでも減収減益である。 彼
8月28 低価格ジーンズとの価格差がなくなりつつある Tweet カテゴリ あらゆる商品、サービスには低価格代替品が登場するし、競合も登場する。 これをいくら非難してもみても仕方がないし、無駄である。 完全になくそうとするなら社会主義経済に移行するほかないだろう。 もっとも地上において完全なる社会主義経済を達成できた国家は歴史上ないのだけれど。 国内のナショナルブランドのジーンズが凋落したのは、間違いなく代替品が多く登場したからである。 ジーンズの場合は低価格と高価格両方に代替品が数多く登場し、もしかすると市場規模全体は増えたかもしれないが、需要はバラけた。 低価格の代表はユニクロやしまむら、ウィゴー、ローリーズファームなどだろう。 高価格はエヴィスやドゥニームなどのビンテージ系、それから欧米のインポートジーンズなどだろう。 20年前なら6900~8900円くらいに価格帯に
8月26 ファッション業界における模倣 Tweet カテゴリ ファッション業界においては模倣(完全コピーではない)は必要悪みたいなところがある。 昨日も少し書いたが、ファッショントレンドなんていうのは模倣によって広まるわけである。 例えば、あるブランドがスキニージーンズを作ったところ、非常にファッショントレンド先端層から注目を集めたとする。これが先端層の人気のみで終わる場合もあるが、フォロワー層、大衆層もその商品を欲しがり始めるようになることもある。 これがいわゆる「ファッショントレンド品」である。 先端層は「ファッション変態」みたいな人が多いから、彼らの注目することがすべて大衆層に受け入れられるわけではない。変態の嗜好なんて大衆には理解できないことの方が多い。 それでも何回かに1回はそれが大衆にも支持される。 スキニーがトレンドになったとき、開発元のAブランドだけでは、到底需
8月25 価格競争に巻き込まれないための2つの方法 Tweet カテゴリ 衣料品に限らず、服飾雑貨、雑貨も含めると今までの売り方で売れるはずもない。 これは各企業がこの15年とか20年間で身を持って体感したのではないかと思う。 昨今流行りのパクリ問題ではないが、見た目の形状だけならいくらでも模倣が可能である。 しかし、一方では模倣によってトレンドが拡散するから、メリットもある。 そうでないとファッショントレンドなんていうのは生まれない。 ブーツカットのジーンズが流行れば、各メーカーがブーツカットのジーンズを発売する。 厳密にいえばそれは模倣である。下手をするとパクリであるが、それによってブーツカットジーンズ人気がさらに過熱してそこに市場が生まれる。 ファッショントレンドというのはこれの繰り返しであるから、一概に「似た物はすべてダメ」なんてことを言いだしたらトレンド品なんてもの
8月17 産地のブランド作りが成功しない理由 Tweet カテゴリ 先日、知り合いであるOEM屋さんからこんな話を聞いた。 「某産地の組合とそこに所属している工場から『オリジナルブランドを作りたいんですよ。どうしたら良いですか?』と相談を受けた」とのこと。 そのOEM屋さんが「デザイナーとは契約したんですか?」と尋ねると、「していません」との答えが返ってきた。 そこで即座にOEM屋さんは「デザイナーがいないならまともな商品をデザインすることはできないから、そんな計画失敗しますよ。止めた方がよいです」とアドバイスしたそうだ。 今後、どうなるのかなかなか興味深い。 しかし、この会話の中に、産地が独自に開発する「産地ブランド」がほとんど上手く行かない理由が凝縮されている。 まず、専門のデザイナーを起用しない時点でほとんどの場合、上手く行かない。 商品のデザインというのは、ド素人がチ
8月5 ファッション雑誌が大部数を売る時代は二度と来ない Tweet カテゴリ 先日、ファッション雑誌「CUTiE」の休刊が発表された。 休刊とされているが雑誌の休刊は実質の廃刊である。 何年か後にリニューアルスタートされる場合があるので「休刊」とされる。 8月11日発売の9月号で休刊になるので、最終号はもうすぐ発行ということになる。 http://www.fukeiki.com/2015/07/takarajima-cutie-discontinued.html 休刊の理由は発行部数の落ち込みによる営業常態の悪化である。 ファッション雑誌は購読料よりも広告収入で成り立っている。 部数が減るということはそれだけ読者が減って影響力が低下したと見なされて、広告の出稿数が減る。 広告出稿が減るとたちどころに収益が悪化して雑誌発行が続けられなくなる。 このところ、ほとんどのファッ
8月3 デザイナーズブランドを取り巻く現状の2つの課題 Tweet カテゴリ 先日、東京の台東デザイナーズビレッジの鈴木村長を訪問した。 目的はとくにない。ごあいさつと雑談程度である。 ここはクリエイターのインキュベーション施設である。 雑談の中から自分なりに現在のデザイナーズブランドの置かれている環境の問題点をいくつかまとめてみたい。 いくつかと書いたが、2つである。 ちょっとかっこをつけすぎてしまった。かっこ悪いオッサンなのに。 まず、デザイナーズブランドの販路がほぼないという状況にある。 クリエイターとかデザイナーと呼ばれる人は元来物作りが好きなので放っておいても物は作り続ける。 そのデザインとかセンスが良いか悪いかは別問題だ。 で、せっかく作っても今の業界では販売する先がない。 自分でインターネット販売をするのがもっともやり易い方法だろう。 しかし、インターネ
7月30 ユニクロの大ヒット商品の共通点は Tweet カテゴリ あれこれと考えてみたが、開き直ってユニクロを三連発でやってみる。 つい先日、ユニクロに対して、ヒートテック、ウルトラライトダウンに続くヒット商品がこの何年間か生まれていないという指摘の記事が掲載された。 まあ、これは事実なのだが、数百万枚単位で売れる大ヒット商品を定期的に生み出せというのも酷な話である。 そんなことができるんだったらワールドもTSIホールディングスも経営は傾いていない。 ちょっと無茶な要求だと感じる。 さて、ユニクロの大ヒット商品をつらつらと思い返してみる。 フリースジャケット ヒートテック サラファイン(現エアリズム) ウルトラライトダウン という感じになろうか。 共通点は低価格、機能性、イージーケア性ではないか。 逆にカシミアは毎年定番的に店頭に並ぶが大ヒットとまでは呼べない。
7月29 単月の結果でユニクロ失速と決めつける危険性 Tweet カテゴリ ユニクロの6月度国内既存店売上高が前年比11・7%と大幅に落ち込んだことから、「ユニクロ失速」という記事がチラホラと出始めた。 結論からいうと、その兆候はあるかもしれないが6月度だけの結果でそう決めつけるのはいささか早計ではないかと感じる。 判断を下すのは7月度以降の推移を見てからの方が賢明だろう。 ただ、この記事はそれなりにユニクロの現状に対する消費者の雰囲気をうまく抽出していると感じる。 マクドナルドの二の舞か? なぜだ! ユニクロが突然、売れなくなった 「飽きた」「高くなった」「もう欲しい物がない」…… http://gendai.ismedia.jp/articles/-/44266 しかし、タイトル通りにすぐさま低迷し始めるとは思えないのも事実である。 この記事に示されているような可能
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