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図:(右)漢方治療は体力・免疫力を増強する効果と直接的な抗腫瘍作用(がん細胞の増殖抑制やアポトーシス誘導など)によって、QOL(生活の質)の改善と延命効果がある。 (左)台湾の医療ビッグデータを使用した疫学研究で、膵臓がん患者で漢方薬(中医薬)を使用した患者は、漢方薬を使用しなかった患者よりも生存率が高いことが報告されている。漢方治療の期間が長いほど生存率が高いという用量依存性も示されている。 608)漢方治療はがん患者を延命する:台湾の医療ビッグデータからのエビデンス 【漢方治療はがん患者の生存期間を延ばす:エキス製剤を使った日本の研究】 『Can Kampo therapy prolong the life of cancer patients?』というタイトルの論文が発表されています。日本語に直訳すると『漢方治療はがん患者の生存期間を延ばすことができるか?』という意味です。 徳島大学
図: mTORC1(哺乳類ラパマイシン標的タンパク質複合体1)は成長ホルモンやインスリンやインスリン様成長因子-1(IGF-1)など様々な成長因子や過剰な栄養によって活性化され、細胞の増殖や体の成長を促進する役割を担っている。成長が終了したあともmTORC1の働きが過剰に続くと、細胞や組織の老化が促進される。成長は「プログラムされた正常機能」であるが、老化は「成長の延長(過剰機能)」であり、成長終了後はmTORC1の活性は老化と発がんを促進する方向に作用する。mTORC1を活性化して屈強な体を作るときは、寿命を犠牲にし、発がんリスクを高める可能性がある。カロリー制限はmTORC1の活性を抑制することによって、老化速度を遅くし、寿命延長の効果を発揮する。 503)カロリー制限と抗老化とmTORC1 【女性は男性よりがんの発生率が低く寿命が長い】 日本の最近のがん統計によると、1年間にがんと診
図:肥満者に40日間の絶食を行った場合のβ-ヒドロキシ酪酸、アセト酢酸、グルコース(ブドウ糖)、遊離脂肪酸の血中濃度の推移を示す。絶食で起こる生理的ケトン症(ケトーシス)ではケトン体(β-ヒドロキシ酪酸+アセト酢酸)の血中濃度は6~8mM(mmol/L)程度を上限にしてそれ以上は増えないので酸性血症(アシドーシス)にはならない。(出典:N Eng J Med. 282: 668-675, 1970年) 491)ケトン体治療(その1):生理的ケトーシス 【グルコース(ブドウ糖)と脂肪酸を燃焼してエネルギーを産生する】 血液中には血糖として空腹時で70~110mg/dl(4~6 mmol/L)の濃度でグルコース(ブドウ糖)が存在します。体内では糖質はグリコーゲンとして貯蔵されており、必要に応じてグリコーゲンが分解してグルコースを血中に放出することによって血糖を維持しています。グリコーゲンはグル
図:非ステロイド性抗炎症剤のスリンダク(Sulindac)には抗がん作用が知られているが、そのメカニズムとして、シクロオキシゲナーゼ(COX)阻害に関連したメカニズム(COX依存性)と、COX阻害活性とは関係ないメカニズム(COX非依存性)が存在する。COX非依存性の抗がん作用としてスリンダクががん細胞に活性酸素の産生を高めて酸化ストレスを高めたり、その結果としてシグナル伝達系や細胞周期に影響して、がん細胞のアポトーシスや細胞増殖抑制を誘導することが報告されている。このような複数の機序によってスリンダクは抗がん剤や放射線治療と相乗効果を発揮することが報告されている。がん細胞に選択的に酸化ストレスを高めるジクロロ酢酸 ナトリウムや、還元型グルタチオンを枯渇してがん細胞の酸化ストレスを高めるスルファサラジンや2−デオキシグルコースを使ったがん治療にスリンダクの併用は抗腫瘍活性を高める方法として
図:人類の祖先の類猿人から初期人類にかけての数百万年間は主に森林に生息して木の葉や果実などの植物性食糧が主体であったため、栄養素としては糖質が主体であった。約250万年くらい前から氷河期に入ると森林が縮小し人類は狩猟採集によって食糧を得るようになり、動物性の食事が主体になって糖質摂取量は減っていった。約1万年前に最後の氷河期が終わると農耕や牧畜が行われるようになり、人類は再び糖質の多い食事に戻った。産業革命後(19世紀以降)は精製した糖質の摂取が増え、さらに1970年代以降は砂糖や異性化糖などの単純糖質の摂取量が増加した。狩猟採集時代に人類は低糖質食に適応するため、インスリン抵抗性の形質が進化した。つまり、人類はインスリンが効きにくい体質を持っているため、近年における単純糖質の摂取過多が肥満や糖尿病やメタボリック症候群やがんを増やす結果となっている。 376)人類は狩猟採集時代にインスリン
図:がん細胞では、グルコース(ブドウ糖)の取り込みおよび分解(解糖)が亢進している。さらに、クエン酸から脂肪酸を新しく合成する代謝も亢進している。この経路に関わる一連の脂質代謝酵素群は、脂肪酸合成の亢進あるいはそれ以外のメカニズムをも介し、がん細胞の生存と増殖を促していることが明らかになっている。ブドウ糖の取込み、解糖系、脂肪酸合成を同時に阻害すると、がん細胞の増殖を効果的に抑制し、死滅させることができる。 343)脂肪酸合成酵素(FAS)とがん 【今週の週間現代の記事から】 日本で現在がんの治療を受けている人の総数は150万人程度と計算されています。(計算の根拠は336話参照) このうち、抗がん剤治療中の人は推定45万人です。また、1年間に35万人以上ががんで亡くなっています。 このようながん治療中の患者さんや、治療法が無くなった患者さんにとって、もし「がんの特効薬が見つかった」というよ
図:「Trick or Treatment?(邦訳タイトル:代替医療のトリック)」という本は、厳密な臨床試験の結果を元に代替医療を検証し、多くの代替医療の効果はプラセボ効果と同等か、場合によっては危険であることを述べて、多くの代替医療を否定する内容である。代替医療を「ただ信じる」のではなく「有効性を示す科学的根拠がいかに大切か」「プラセボ効果だけでは代替医療の意味が無い」ことを論理的に解説していて非常にためになる。 169)代替医療のトリック 英国のノンフィクション作家のサイモン・シン(Simon Singh)と英エクスター大学の代替医療分野の教授のエツアート・エルンスト(Edzart Ernst)が2008年に出版した「Trick or Treatment? 」という本が日本語に翻訳され新潮出版から「代替医療のトリック」(訳:青木薫)というタイトルで今年1月に出版されました。 この本では
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