”元少年A”なる人物が本を出したという。私は報道でしか知らないし、もちろん、その本を手に取る気もない。そもそもいくつかの報道にあるように”少年A”に”元”とつけられているのは、おそらくは”少年A”が”更正”した、少なくとも既に”犯罪者”というレッテルを張られるような存在ではないという意味なのであろうか。 さて、「心にナイフをしのばせて」(奥野修司 著)。少年法で守られた未成年の猟奇的犯罪者の”更正”について深く考えさせられる本である。 ------------- 1969年春、横浜の高校で悲惨な事件が起きた。入学して間もない男子生徒が、 同級生にナイフで殺害され、その後首を切り落とされる。犯人である同級生は”少年A”として逮捕され更正に向けてさまざまな対応がなされたのであろう。 この事件が再び注目されたのは、神戸でおきた「酒鬼薔薇事件」がきっかけであった。「28年前の酒鬼薔薇事件」として。