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オウム真理教の一連の事件の刑事裁判記録が、永久保存されるという。プライバシー保護などの課題はあろ... オウム真理教の一連の事件の刑事裁判記録が、永久保存されるという。プライバシー保護などの課題はあろうが、今後の再発防止や犯罪研究のために、柔軟に活用してほしい。 というのも、時代は変わっても人はそう変わらないと思うからだ。裁判取材は苦手だが、明治150年を迎えた今夏、こんな裁判記録を読書として楽しんだ。 20年ほど前、明治初期の大量の裁判記録が大阪地検の旧庁舎で見つかった。これだけまとまって残るのは大阪だけらしい。そこには、明治維新が成ったとはいえ、いまだ江戸時代の空気が色濃く残る中で生きる庶民の姿が、赤裸々に映し出されていた。 「イカの甲で一朱銀を偽造」。ウソのような本当の話だが、ちゃんと裁判記録が残っている。明治3(1870)年のことだ。 〈曾根崎新地(そねざきしんち)で小間物を商う金助(四五歳)は、かつて烏賊(いか)の甲を使って贋金を鋳造する方法を聞いたことがあった。近ごろ暮らしに困っ