米国で開発者に人気のクラウドサービス「Twilio」が日本に上陸した。Twilioは電話の受発信やSMSの送受信などの機能をWeb APIとして提供するサービス(関連記事)。国内ではKDDIグループでホスティング事業を手がけるKDDIウェブコミュニケーションズがサービスを提供する。
17日に都内で開かれたローンチイベントでは、米トゥイリオのCEOであるジェフ・ローソン氏が登壇。ジェフ氏は一定時間を超えるとSMSで通知してくれるサンフランシスコのコインパーキングや、iPad上で動くコールセンターアプリなどの事例を挙げ、「重要なのはすばらしいカスタマーエクスペリエンス(顧客体験)を提供することだ」と強調。Twilioを使ってWebと電話を統合した「“スマートコミュニケーション”を実現してほしい」と開発者らに呼びかけた。
KDDIウェブコミュニケーションズとトゥイリオは昨年10月に業務提携を発表し(関連記事)、国内展開へ向けて準備を進めてきた。トゥイリオは通話処理などで発生するレイテンシーを抑えるため、Amazon Web Services(AWS)の東京リージョンに新たにインフラを構築。KDDIウェブコミュニケーションズはTwilioと通信キャリアとの接続を担当し、050番号の発番、日本語合成音声機能の実装、日本円対応、ドキュメントの翻訳などのローカライズに取り組んだ。日本語でのサポートもKDDIウェブコミュニケーションズが担当する。
Twilioの国内向け料金は以下のとおり。なお、海外では利用者が多いSMSの送受信機能も今後実装する。
- 初期費用 無料
- 電話番号利用料(月額) 490円/1番号
- 固定電話宛通信料 9円/分
- 携帯電話宛通信料 19円/分
- VoIP宛通信料 0.25円/分
- 着信料 VoIP から0.25円/分、VoIP以外から1円1分
- 録音領域 0.1円/分(10,000分までは無料)
Twilioは海外では動画配信サービスの「Hulu」や、ハイヤー配車サービス「Uber」などが使っており、登録開発者は15万人を超える。国内では、ヤフーやイプロスがローンチカスタマーとして名を連ねており、ヤフーはサーバーの監視に、イプロスはB2B向けビジネスマッチングサイトのコールトラッキングに利用しているという。