メインストリームの4コアCPUがついに32nmへ!
内蔵GPUが伏兵のSandy Bridgeがついに登場
インテルは、開発コード名「Sandy Bridge」で呼ばれていた、第2世代のIntel Core i7/i5/i3シリーズのパフォーマンスなど一部情報を解禁した。これらのCPUの製造プロセスは32nmとなる。これまでの32nmプロセス製造のインテルCPUは、6コアのウルトラハイエンドの「Core i7-980X」と、2コアの「Core i5/i3」で、4コア製品は長く45nmプロセスのままであった。4コアCPUはパフォーマンスを重視する自作ユーザーのニーズが高いレンジであり、このSandy Bridgeの登場を待ち望んでいたユーザーは多く、期待度の高いCPUである。
この新しいCPU群は、従来モデルと区別するためにこれまで3桁だったモデルナンバーを4桁に変更し統一されている。そのため、購入時に間違って旧モデルを購入してしまうといった心配はない。
GPU機能をダイレベルでCPUに統合
Sandy Bridgeの基本アーキテクチャは現行のNehalemアーキテクチャとほぼ同じで、Core MAマイクロアーキテクチャの延長線上に位置する。ただし細かな部分で変更が加えられており、中でも目立つのはSIMD拡張命令「AVX」(Advanced Vector Extension)の追加、シングルスレッドパフォーマンスの向上、GPUコアの統合と改良に伴う機能追加などが挙げられる。
AVXはSIMD演算のオペランド幅をSSEの128bit幅から256bit幅に拡張したものだ。今後AVXに対応するアプリが出そろってくれば、エンコードや画像処理といった並列処理を多用する用途において確実なパフォーマンスアップが見込めることになる。
CPUコアに注目が行きがちだが、Sandy Bridgeで見逃せないのは大幅に強化されたGPUコアである。純粋に3D描画機能がパワーアップしているのはもちろんだが、汎用コンピューティングとメディアプロセッシングの機能が追加されている。AMDやNVIDIAが投入してきたGPGPUやCUDAといった要素を、インテルも本格的に開始したと言うことだ。
これによりユーザーが受ける恩恵は、動画のハードウェアデコードとハードウェアエンコードなどが挙げられる。もちろん、これが魅力的に見えるかどうかは対応するソフトが広く出回ることと、GPU処理による速度アップの度合いによるが、別途ビデオカードを追加することなく実現できるというのは注目に値するだろう。
従来のCore i3/i5/i7とはピン非互換
旧マザーボードでの利用は不可
Sandy BridgeのソケットはLGA1155と従来のLGA1156と比較してピンが1つ減っており、LGA1155とLGA1156に互換性はない。そのため、LGA1156マザーボードでSandy Bridgeは利用できない。Sandy Bridge向けにリリースされたチップセットは、Intel Q67/B65/H67/P67の4種類で、このうちQ67とB65は法人・企業向けセグメントとなっており、自作ユーザーはH67とP67から選択することになるだろう。
両者の大きな違いは、H67は内蔵GPUが有効、P67は無効となっていることだ。そのためMicroATXマザーはH67、ATXマザーはP67が主流になると予想されるが、ここでちょっと待っていただきたい。前項で紹介したGPUがもたらす新機能は、内蔵GPUが無効のP67では利用できないのだ。実際にP67マザーでは、内蔵GPUを用いたハードウェアエンコードが利用できる「Cyberlink Media Espresso 6」において、「ハードウェアエンコーディングを利用する」の設定項目がグレーアウトしオフになっていた。内蔵GPUの機能を使ってみたいなら、H67マザーをチョイスするように注意したい。
「Core i7-2600K」と「Core i5-2500K」の
性能をベンチマークで検証
「Sandy Bridge」の技術的な解説は後日掲載するとして、今回は「Core i7-2600K」と「Core i5-2500K」を入手できたので、早速その性能をベンチマークでチェックしていきたい。
(次ページへ続く)
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