裁判員制度はもう破綻している
- 2017/11/09
- 07:00
久しぶりに裁判員制度のエントリーです以前から私は裁判員制度に反対してきましたが、この無駄且つ有害な制度はなくすべきだとの思いを新たにしました●「理解追いつかず」 青酸事件で裁判員会見、専門家求める声(京都新聞)http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20171107000190京都地裁の裁判員裁判で初の死刑判決が言い渡された7日、裁判員3人が地裁で会見に臨んだ。 長期審理だったが、女性裁判員は「評議や意見交換...
黙秘権の理解について補足(追記有り)
- 2013/01/04
- 00:00
前のエントリ-では黙秘権以外にも言いたいことがあったので、裁判員が黙秘権を否定している、と言う点について若干説明不足となったかもしれません。そこでもう少し説明を補足しておこうかと思います。和歌山毒カレー事件では被告人の完全黙秘がふてぶてしいとメディアでネガティブに伝えられました。それに対応して、第一審判決は異例にも黙秘権について述べています。この部分は黙秘権を理解するのに役に立ちますのでそれを抜粋...
黙秘権を理解していない裁判員によって裁判が行われるというのは恐ろしい事態だと思う
- 2013/01/03
- 15:00
一月ほど前になりますが、裁判員裁判の弊害を再認識した裁判を記録しておきます。苦悩した裁判員 重責から解放され一様に安堵の表情 2012年12月05日http://www.nnn.co.jp/news/121205/20121205010.html 「人一人の運命を決定しないといけないのは、本当に重い」-。裁判員の在任期間が75日間と過去2番目の長さだった鳥取連続不審死事件の裁判員裁判が4日、全日程を終え、裁判員と補充裁判員の任を解かれた経験者10人全員が記...
裁判員制度は人民裁判的な厳罰化を加速する(大阪地裁で求刑以上の量刑が出された件)
- 2012/08/04
- 18:00
先日、30年間引きこもり生活を送った弟が姉を殺害した事件で、大阪地裁の裁判員は検察の求刑以上の刑を言い渡しました。別に求刑以上の刑が言い渡されること自体法律的な問題はないのですが、裁判員裁判になる前にはそんなことは滅多にありませんでした。しかし裁判員裁判になってからたびたび求刑以上の刑の言い渡しが見られます。これは厳罰化が加速している、と言うことです。姉刺殺の被告に求刑超す判決…大阪地裁http://osaka....
裁判員制度は市民に唯一合法的殺人を認めてやる制度だと思う
- 2011/07/10
- 06:00
(※「続きをよむ」に追記があります)6/30、千葉地裁は千葉大女子学生殺害で死刑判決を出しました。これで裁判員裁判による死刑は8件目となりました。かつて「裁判員制度は死刑を減らすのではないか」という淡い期待がおもに裁判員制度を推進する弁護士側から主張されました。 しかし、市井の人間が死刑判決を躊躇し、死刑が減る、というのは幻想にすぎないことがどんどん実証されてきています。猪野亨弁護士が次のようなエントリー...
裁判員裁判、鹿児島夫婦強殺死刑求刑で無罪判決に思うこと
- 2010/12/13
- 08:00
死刑求刑された鹿児島夫婦強殺で、裁判員は検察の主張を退け無罪の判決を出しました。判決要旨を読みましたが、全体として刑事裁判の鉄則「疑わしきは被告人の利益に」にのっとった優れた判決だと思います。毎日新聞から記事を引用しておきます。クローズアップ2010:鹿児島夫婦強殺、無罪判決 裁判員感覚、プロと差◇検察、立証方法の再検討も 鹿児島市の強盗殺人事件に対する裁判員裁判で、10日の鹿児島地裁判決は検察側...
裁判員裁判で少年に死刑判決が出たことついてのコメント、エントリーのご紹介
- 2010/12/05
- 12:00
先日の仙台地裁で出た少年事件の死刑判決について、考えさせられる意見をいくつかご紹介しましょう。いずれも、私もこんな風に書けたらな、とうらやましくなったものばかりです。まずは、こちらの記事にいただいたgreenstoneさんのコメントからhttp://akiharahaduki.blog31.fc2.com/blog-entry-584.html#comment2300被告人が判決を受け入れたい、と言ったこと、公判中も反省の色をあまり見せなかった、と言われていることがとても...
司法の危機:裁判員制度は世界的な潮流に逆行して死刑を定着させるための政策?(追記あり)
- 2010/11/29
- 23:00
仙台地裁で予想通り、裁判員裁判初の少年の死刑判決が出ました。耳かき店員事件を皮切りに、横浜の事件、本件、そして今度は宮崎でも死刑求刑事件がかかっています。堰を切ったような死刑求刑ラッシュ、まるで機は熟したとばかりに裁判員が死刑判決をだすことを定着させようとしてるように見えます。今回の判決で少年事件分野でのミッションもクリアってとこでしょうか。いまでこそ裁判員裁判での死刑判決はニュースになりますが、...
(ひとこと)「市民感覚」なんて幻想ではないだろうか
- 2010/11/21
- 09:00
市民感覚なるものが常に健全だという保証は何もありません。むしろ「市民感覚」が衆愚でしかなかったことを何度も見せつけられてきました。裁判員裁判や陪審制のように市民が参加する裁判形態をとりたいのなら、せめて欧州並みの法教育、人権教育を行い、高度な民主主義社会にふさわしい法意識を市民レベルで培ってからすべきだと思います。...
裁判員裁判で初の死刑判決は「一線を越えた」ことを意味するのではないでしょうか
- 2010/11/17
- 23:00
昨日裁判員裁判で初の死刑判決がでました。国民の合意が得られないまま昨年5月に無理矢理始まった裁判員制度も1年以上たち、その存在に慣れて来た頃合いを見計らうように真打ち登場。いよいよ来るべき日が来た、という感じです。Ⅰ.現代社会では私人間の仇討ち、報復等の懲罰を禁じ、国民の信託を受けた国家だけが独占的に刑罰権を行使できるという仕組みを取っています。人を長期にわたって監禁したり、時には殺したりすることを唯...