"がん幹細胞" は、"蜂の巣" に譬えるならば、まるで "女王蜂" の存在に相当し、"がん再発" の原因だと見られている。
◆ 参照 当誌過去の "がん幹細胞" 関連記事
○ <従来の抗がん剤は、腫瘍を縮小することはできたが、「がん幹細胞」はポンプのようなタンパク質により薬剤を細胞の外に排出し、冬眠したような状態で長期間潜み続けるため、根絶が難しかった。 さらに、がん幹細胞は自己複製能(自分と同じ細胞を作る能力)と高い造腫瘍性(腫瘍を作る能力)を持ち、少数でも残存していると腫瘍を再構築できるため、再発の原因にもなっている> ( 大腸がん幹細胞を抑制 がん細胞を根絶できる化合物!実用化目指す!(がん研/理研など)/当誌 2014.00.00 )
今回注目する下記引用サイト記事 : がん幹細胞分裂、観察に成功 慶大など、人の細胞では初 合田禄/朝日新聞/2017.03.30 - 05:05 は、 <がん組織のなかでも再発や転移の能力が高いとされる「がん幹細胞」が、一つの細胞からがん組織をどんどん増やしていく様子の観察に成功したと、慶応大などのチームが30日、英科学誌ネイチャーに発表する。人の細胞では初めてで、がん幹細胞をねらう新薬の開発に役立つという> と報じている。
<......がん幹細胞は自分自身を複製し続け、がん細胞も生み出すとされるが、人のがん組織では詳しく観察できていなかった。手術で取り出したがん組織は体外で培養が難しいためだ。 チームは、患者から取り出した大腸がんの組織を独自の技術で培養。さらに、ゲノム編集技術でがん幹細胞に手を加え、この細胞が分裂した「子孫」にあたる細胞が特定の条件で光るようにした。すると、一つの細胞が分裂して増え、約1カ月後には子孫の細胞ががん組織の大部分を占めたことが確認された。また、子孫にあたる細胞ががん幹細胞に「先祖返り」することがあることもわかった。 一方で、マウスの実験では、がん幹細胞だけを殺すと後に再発した。抗がん剤でマウスのがんを小さくした後、がん幹細胞を殺すと多くのマウスでがんがほぼ根治したという。 チームはがん組織をバンク化して薬の開発や個別化医療に生かすことを目指している。慶応大の佐藤俊朗准教授は「がんの根治を目指す新しい方法として応用できるかもしれない」と話す> とある。
がん幹細胞分裂、観察に成功 慶大など、人の細胞では初 合田禄/朝日新聞/2017.03.30 - 05:05
がん組織のなかでも再発や転移の能力が高いとされる「がん幹細胞」が、一つの細胞からがん組織をどんどん増やしていく様子の観察に成功したと、慶応大などのチームが30日、英科学誌ネイチャーに発表する。人の細胞では初めてで、がん幹細胞をねらう新薬の開発に役立つという。
がん幹細胞は自分自身を複製し続け、がん細胞も生み出すとされるが、人のがん組織では詳しく観察できていなかった。手術で取り出したがん組織は体外で培養が難しいためだ。
チームは、患者から取り出した大腸がんの組織を独自の技術で培養。さらに、ゲノム編集技術でがん幹細胞に手を加え、この細胞が分裂した「子孫」にあたる細胞が特定の条件で光るようにした。すると、一つの細胞が分裂して増え、約1カ月後には子孫の細胞ががん組織の大部分を占めたことが確認された。また、子孫にあたる細胞ががん幹細胞に「先祖返り」することがあることもわかった。
一方で、マウスの実験では、がん幹細胞だけを殺すと後に再発した。抗がん剤でマウスのがんを小さくした後、がん幹細胞を殺すと多くのマウスでがんがほぼ根治したという。
チームはがん組織をバンク化して薬の開発や個別化医療に生かすことを目指している。慶応大の佐藤俊朗准教授は「がんの根治を目指す新しい方法として応用できるかもしれない」と話す。
(合田禄)
<手術で取り出したがん組織は体外で培養が難しい> という事情で、<人のがん組織では詳しく観察できていなかった> そうだが、上記記事のとおり <人の細胞では初めて> "がん幹細胞" を、"体外で観察できる環境づくり" に成功したという。 この環境を活用した "抗がん新薬の開発" が期待される...... (2017.04.02)
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