<がん細胞だけを破壊する特殊なウイルスを使った治療法(ウイルス療法)> という研究が各種進められている。 "免疫療法" と同様に、"副作用なし" とのメリットが謳われ、その詳細なメカニズムが解明され続けている。
◆ 参照 当誌過去の "がん,ウイルス" 関連記事
○ <がん細胞だけを破壊する特殊なウイルスを使った治療で、食道がん患者7人のうち5人で腫瘍が消えるなどの効果があったとする成果を、岡山大学のチームがまとめた。......このウイルスは、岡山大の藤原俊義教授(消化器外科)らのチームが02年、風邪の原因となるアデノウイルスの遺伝子を操作して開発した。がん細胞に感染して増殖し、細胞を破壊するが、正常な細胞に感染した場合は自然に消える。......> ( 食道がん、"(アデノ)ウイルス"で破壊! 患者に腫瘍が消えるなどの効果! (岡山大)/当誌 2016.07.24 )
今回注目する下記引用サイト記事 : ウイルスでがん破壊 正常細胞には影響なし 東大が開発/日本経済新聞/2016.08.28 - 23:30 は、 <東京大学の谷憲三朗特任教授らは、がん細胞の中で増えて死滅させる新たなウイルスを開発した。ウイルスには正常な細胞では生きられないような細工をし、副作用を防ぐ。サルを使った実験で安全性を確かめた。腫瘍に直接ウイルスを注射する臨床研究を2年以内にも始めたい考えだ> と報じている。
<......大腸などにいる「コクサッキーウイルス」をがんの治療用に改良した。がんで活発に働く「チロシンキナーゼ」などの酵素を利用して増殖する。ウイルスが増えると、がん細胞は壊れてしまう。 ウイルスのRNA(リボ核酸)に正常な細胞だけにある2種類の「miRNA」という物質が結合すると、ウイルスが死ぬようにした。正常細胞でウイルスが増える危険を避ける。 抗がん剤が効かなくなった乳がんの細胞をマウスに移植し、ウイルスを投与して約3週間後に腫瘍の大きさを調べた。ウイルスを使うと、4分の1程度に抑えられたという。サルに適正な量のウイルスを入れた実験では、体重や血中成分、肝機能に異常は無かった。今後は大量のウイルスを投与しても副作用が起きないようにする。 ウイルスがいると、免疫細胞の活動をうかがわせるたんぱく質が出てくるという。免疫細胞の働きを高めている可能性もあり、今後、詳しいメカニズムを調べる考えだ> とある。
ウイルスでがん破壊 正常細胞には影響なし 東大が開発 /日本経済新聞/2016.08.28 - 23:30
東京大学の谷憲三朗特任教授らは、がん細胞の中で増えて死滅させる新たなウイルスを開発した。ウイルスには正常な細胞では生きられないような細工をし、副作用を防ぐ。サルを使った実験で安全性を確かめた。腫瘍に直接ウイルスを注射する臨床研究を2年以内にも始めたい考えだ。
大腸などにいる「コクサッキーウイルス」をがんの治療用に改良した。がんで活発に働く「チロシンキナーゼ」などの酵素を利用して増殖する。ウイルスが増えると、がん細胞は壊れてしまう。
ウイルスのRNA(リボ核酸)に正常な細胞だけにある2種類の「miRNA」という物質が結合すると、ウイルスが死ぬようにした。正常細胞でウイルスが増える危険を避ける。
抗がん剤が効かなくなった乳がんの細胞をマウスに移植し、ウイルスを投与して約3週間後に腫瘍の大きさを調べた。ウイルスを使うと、4分の1程度に抑えられたという。サルに適正な量のウイルスを入れた実験では、体重や血中成分、肝機能に異常は無かった。今後は大量のウイルスを投与しても副作用が起きないようにする。
ウイルスがいると、免疫細胞の活動をうかがわせるたんぱく質が出てくるという。免疫細胞の働きを高めている可能性もあり、今後、詳しいメカニズムを調べる考えだ。
上記記事では、<ウイルスが増えると、がん細胞は壊れてしまう> と指摘され、 <ウイルスがいると、免疫細胞の活動をうかがわせるたんぱく質が出てくるという。免疫細胞の働きを高めている可能性も......> との推論もなされている...... (2016.08.30)
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