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太陽エネルギーで地球の酸素が月に到達 酸素の特徴が違うとはどういう意味?


 地球にある酸素が太陽エネルギーによって吹き飛ばされ、月にまで到達していることがわかったと、大阪大学の寺田健太郎教授などのグループが発表したというニュースがありました。ただ、「酸素の特徴」という説明で、ん?と引っかかります。ここは丁寧に説明してくれないと、わからないところだと思います。

2025/01/01:
一部加筆修正


●太陽エネルギーで地球の酸素が月に到達

 本当に、地球の酸素が月にまで飛んで行っているのか?と最初、懐疑的でしたが、「酸素の特徴」以外の説明でもある程度納得できました。以下のような説明です。

(1)日本の月探査衛星「かぐや」の観測データを基に、月の周りにあるガスの種類を詳しく解析。
(2)月の周りにあるガスには、酸素のイオンがわずかに含まれていた。
(3)その量は太陽と地球、それに月がこの順にほぼ一直線に並んだときにだけ増えることがわかった。

“地球の酸素が月に到達” 大阪大学などのグループ発表 | NHKニュース 1月31日 4時38分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170131/k10010858471000.html

 太陽エネルギーで吹き飛ばされるというのもしくみがよくわからんものの、太陽、月、地球が揃ったときだけ増えているというのは、確かに地球の影響がありそうです。


●「酸素の特徴が違う」とはどういう意味?

 さて、問題はもう一つの説明です。"この酸素はもともと月の周辺にごくわずかに存在するものとは特徴が異なる"と、記事では書かれていました。普通に考えた場合、地球にあろうが、月にあろうが、酸素原子は酸素原子です。

 ただ、原子には同位体がありますので、考えられるとすれば、それでしょうか? 同位体というのは、プルトニウム239などの放射性同位体が有名です。

放射性同位体 - Wikipedia
<放射性同位体(ほうしゃせいどういたい、英: radioisotope、RI)[1][2]とは、ある元素の同位体で、その核種の不安定性から放射線を放出して放射性崩壊を起こす能力(放射能)を持つ元素を言う[3]。>
<同じ元素で中性子の数が違う核種の関係を同位体と呼ぶ。同位体は安定なものと不安定なものがあり、不安定なものは時間とともに放射性崩壊して放射線を発する。崩壊する確率は放射性同位体によって異なる崩壊定数に比例し、崩壊定数が大きいほど高い確率で崩壊する。これが放射性同位体である。放射性同位体の例としては、水素3、炭素14、カリウム40、ヨウ素131、プルトニウム239などがあげられる。>
>
 酸素 - Wikipediaを見てみると、酸素の同位体は放射性同位体を含めて、多数あるそうです。なので、こうした同位体を含む割合が、地球と月で異なるってことですかね? 私が思いついたのは、それくらいでした。

物理的性質
<同位体については、3種類の安定同位体と10種の放射性同位体(いずれも半減期3分未満)が知られている。>


●実際には月と地球の酸素同位体の比率は同じ

 ところが、検索してみると、月と地球とで酸素の同位体の比率もいっしょという話が出てきちゃいました。JAXA|酸素が証明した隕石のふるさとというページで、説明されています。別の特徴があるのか、「月の周辺に」なので月とは違うのか? 結局、これじゃ解決しませんでしたね。

<科学的には同じ性質を持つ原子で、質量が違うものを「同位体」といいますが、酸素には酸素-16、酸素-17、酸素-18という重さが異なる3種類の酸素同位体があります。この3種類の酸素同位体の量の割合は、月と地球では同じですが、それ以外は天体によって全て違います>


●同位体ではなくエネルギーの問題だった

 アプローチを変えて、他の記事をいくつか見ていたら、朝日新聞で説明がありました! 朝日新聞は科学が他紙より強いイメージがあります。

 地球の酸素、はるか月まで 阪大やJAXAのチーム確認:朝日新聞デジタル(今直也 2017年1月31日01時27分)によると、"かぐやで観測した酸素が持つエネルギーのレベルから、地球から届いたと考えられる"という説明です。

 ただ、これはこれで説明不足で、よくわからんですね。Wikipediaも覗いてみて、それらしき説明がないか探したものの、ここらへんとなると、もうお手上げでした。


●太陽風が酸素を飛ばしている?

 投稿直後に追記。地球から月まで飛ばすしくみとしては、「太陽風」を思いつきました。太陽風 - Wikipediaでは、<太陽風(たいようふう, Solar wind)は、太陽から吹き出す極めて高温で電離した粒子(プラズマ)のことである>とした上で、以下のような説明があります。

<太陽の表面には、コロナと呼ばれる100万度以上の密度の低い薄い大気がある。このような超高温では、気体が電子とイオンに電離したプラズマ状態になっており、太陽の重力でも、このコロナガスを繋ぎ止めることができず、イオンや電子が放出される。放出された電気を帯びた粒子(プラズマ)が太陽風[1][5]と呼ばれる。
 毎秒100万トンもの質量が太陽から放射されている。>

 で、ひょっとしたら朝日新聞に書いてあるかもと見直したら、ちゃんと太陽風の話が出ていましたわ。最初に読んだときには、酸素の特徴ばっかり探していたので、前半にあったのに思い切り読み飛ばしていました。

<地球を周回している月は、太陽、地球、月の順で並ぶ満月の頃、主に地球由来の物質が宇宙空間にたまった「プラズマシート」と呼ばれる領域を通る。プラズマシートは、地球の磁場が太陽風の影響で太陽と反対側に流れるように広がっている範囲にある。>

 これでだいぶわかった気がしますが、物理、特に宇宙関係は苦手です。難しくて頭がこんがらがってきてしまいます。太陽風も思いついたというだけで、しくみはよくわかっていません。

 あと、最初に読んだときには、太陽風の話を読み飛ばしていたというのも、かなりあり得ない話。でも、私は流し読みしているとかなりやっちゃうんですよね、こういうこと。他の投稿でも大きなミスをおかしているかもしれません。「大丈夫か、自分?」と心配になってきました。


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