こんなタイトルにしておいていきなり最初にこう書いちゃうとあれですが、本来戦犯探しというか、関係者の進退・処分などは問題がある程度調査し終わった時点で行うというのが原則です。
納得しない方もいらっしゃるかもしれませんが、多くのケースでは報告が出るまで報酬などはそのまま…最終的な報告が出てから処分でも私は良いと思います。建前としては、問題点がはっきりしていない時点では処分を決められないというのが一つです。
また、報告書を完成させることに全力を挙げるべきというのもあります。先に処分問題を持ってくると揉めますし、保身に走ったり、隠蔽に走ったりします。そうじゃなくても隠蔽するでしょうが、まずは不問にして、なるべく情報を出して貰った方がいいです。
じゃあ、何でこんな話書いているの?と言うと、
小保方晴子早大博士論文、参考文献までコピペしたせいで意味不明にで使おうとメモしていて使わなかったツイートがそういう責任問題の内容だったためです。
そのままお蔵入りさせておけば問題なかったのですが、私の貧乏性のせいですね。
ということで、そのツイートを。以下は11jigenさんがリツイートされていたものです。
@mitsuhiroyana @mitsuhiroyana (プロフィールないですが、柳田充弘沖縄科学技術大学院大学教授)
小保方さんとはどのような人なのか? 多くの人のいだく疑問です。なぜそんなに大量のコピペが学位論文にあるのか?肝心要のデータの画像の「そっくり」がご本人が既に発表した学位論文中に存在すると。わたくしはこれまでの経験から、そういうことをする一人なのだと、いうことさえ分かればいいと。
15:55 - 2014年3月11日
https://twitter.com/mitsuhiroyana/status/443520738448797696
わかればその人のかつての論文を用心して読むことになります。本人については、当該機関の対応をみればよい。研究費は税金であり、きびしい罰をくわえるべきだという意見があることももちろん知っていますが、わたくしはまだ古典派なので当該研究分野からは永久追放でいいという意見です。
16:00 - 2014年3月11日
https://twitter.com/mitsuhiroyana/status/443521790799654912
コンビニで万引きをする中学生や高校生のように多数の研究者が気軽に流用、長文コピペなどを習慣的にやるようになるのなら考えを改めていかねばならないのだと思います。最近の論文不祥事を聞けば聞くほど、不正の新時代に入っていることを痛感します。たぶんモラルの根底が変わったのでしょうか。
16:04 - 2014年3月11日
https://twitter.com/mitsuhiroyana/status/443522945667702784
小保方さんが常習者であったことはほぼたしかな状態になりつつあります。理研はそのことをもう認めたのか、それともあり得ないという立場なのか。このこととSTAP細胞があるかないかはまた違った問題なのです。そこをごっちゃにして理研が対応すれば世の中を惑わすだけでしょう。
16:07 - 2014年3月11日
https://twitter.com/mitsuhiroyana/status/443523543519608832
ここまでくれば本人が説明責任をはたす必要性は極めて高まっています。 みずからを弁護する、もっとも重要な時点にあるとわたくしは認識しています。 ここで無言で通すのなら、それはご本人がこれからますます不利になってもしかたがない、と思われます。
16:13 - 2014年3月11日
https://twitter.com/mitsuhiroyana/status/443525090622181376
「このこととSTAP細胞があるかないかはまた違った問題なのです」というのは大事ですね。分けて考えるべきです。この点は賛成します。
柳田充弘教授は確か以前も不正研究について述べられていて、ブログは何度か読ませていただいたと思います。ただ、「本人の問題」で済ましてしまっている部分はどうかな?と思います。"研究費は税金であり、きびしい罰をくわえるべきだという意見があることももちろん知っていますが、わたくしはまだ古典派なので当該研究分野からは永久追放でいいという意見です"の部分ですね。
今回の件は明らかに理研の関与が大きいです。不誠実で時間稼ぎのような実験手順公開なども理研の責任があるでしょう。また、過剰な優位性の誇張やiPS細胞叩きとも取れるプレスリリースは、明確に組織として出されたものです。私は不正に厳しい研究者さんたちを応援したいと思っているところなのですが、このように外部から見るとときどき理解できない部分があります。
研究機関や大学は企業とは異なると感じているので、上記のように書かれているのだろうとは思います。しかし、プレスリリースを組織名で出しているのに「研究者のせい」としてしまうのは、社会的には通用しません。「成果は組織の宣伝に使い、問題が出たら個人の責任」と言うと、おかしさがわかりやすいですかね?
iPS細胞に関しては、うちだと
STAP・iPS細胞比較に山中教授反論 罪はマスコミだけでなく理研にもをやっています。
また、簡単さの強調に関しては、広報室長が問題を認めました。やはり組織としての責任があります。
時事ドットコム:STAP「簡単にできない」=「誤解生み反省」理研広報室長
理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダーらが1月末、「人工多能性幹細胞(iPS細胞)より簡単にできる」と発表したSTAP(スタップ)細胞。論文に疑惑が浮上してから約1カ月後の11日、初めて記者会見した理研の加賀屋悟広報室長は「誤解を生んだことは反省している。そんなに簡単にできない」と陳謝した。
小保方氏らは、マウスの細胞を弱酸性液に浸したり、細いガラス管に何回も通したりする簡単な操作でSTAP細胞ができると発表。3~4種類の遺伝子を導入して作るiPS細胞に比べ、早く効率良くできるとアピールし、国内外で大きな注目を集めた。(中略)
加賀屋室長はSTAP細胞論文の日本語発表資料について「iPS細胞と比較した所は科学的に不十分な点があった」と述べた。その上で「STAP細胞は再現実験が行われているが、なかなかできていないのが現実。刺激(を与える作製法)としては簡単に見えるが、そんなに簡単にできるものではない」と認めた。(2014/03/11-21:13)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201403/2014031100948&g=soc
これについては全然騒がれていませんが、企業のプレスリリースだったら大問題ですよ。場合によっては法的な領域に踏み込む可能性も十分にあります。
何か研究機関だから良いって感じになっていますが、柳田充弘教授もおっしゃっているように、理研には莫大な税金が投入されています。誇大広告気味な広報は、研究資金の「詐取」が目的と疑われても仕方ありません。
さらに今回理研は「特定国立研究開発法人」の問題もあります。
STAP細胞問題次第で理研の扱い見直しも(03/12 21:21) ANN
山本一太科学技術担当大臣:「確かに法人のマネジメント、リスク管理が挙げられている。この理研のガバナンス面も含め、下村大臣を中心にやってもらうしかない。その辺をしっかりと見極めた上で、政府として法案の閣議決定において最終的に対象法人を決定したい」
新たに設ける「特定国立研究開発法人」の対象候補に決まったのは、STAP細胞を発表した小保方晴子さんが所属する理化学研究所と産業技術総合研究所の2つです。アベノミクスの成長戦略の一環として、世界トップレベルの研究開発を目指すため、優秀な研究者に高額の報酬を支払うことが出来るようにします。しかし、会議で下村文部科学大臣は、STAP細胞の論文問題について「引き続き調査中」だと報告しました。政府としては調査結果を見極めた上で、正式に決定する方針です。
http://news.tv-asahi.co.jp/news_politics/articles/000023068.html
組織に罪なしはあり得ません。
以下も同じく、11jigenさんがリツイートされていたものですが、責任についての考え方が大きく異なります。
竹内健 @kentakeuchi2003 中央大学理工学部教授
STAP細胞の件、これだけ反響が大きいのは、良くも悪くも最初の発表がいろいろな仕掛けがあったからですよね。割烹着とか。誰がやられたかわかりませんが、たぶん研究者だけではなくて、組織としての問題ではないですか。裏目に出た時のリスクを研究者だけに負わせるのは、ちょっと酷ではないかな。
20:05 - 2014年3月11日
https://twitter.com/kentakeuchi2003/status/443583648835457024
STAP細胞は最終的な結論は出てませんが、研究者に問題があったにしろ、ああいう大々的な発表をして、ファンディングなどで得をするのは組織なのだから、裏目に出た時に、責任を個人だけに負わせて「トカゲのしっぽ切り」で収束させることだけは、やめて欲しいと思う。
20:18 - 2014年3月11日
https://twitter.com/kentakeuchi2003/status/443586704096505856
一般的に言って、不正を犯した本人にはもちろん責任があります。博士論文がずさんであれば、指導者や審査を行った人にも責任があるでしょう。また、完全に独立した個人と契約しているならともかく、組織として関わっていることに組織や上司、担当部署が責任なしとは言えません。
STAP細胞問題に関して言えば、当然小保方晴子研究ユニットリーダーは当事者中の当事者ですので、責任があります。しかし、小保方晴子さん一人に問題を押し付けるのは間違いでしょう。前述の通り、理研や理研CDB(小保方さんの直接的な所属)にも問題があります。
また、理研CDBのセンター長ではないのですが、共著者として深く関わっている笹井芳樹副センター長の責任も問われていいと思います。プレスリリースに関して言えば、
ノーベル賞どころではないSTAP細胞 笹井芳樹「コペルニクス革命」で書いたように、笹井さんは理研CDBの英語版プレスリリースで論文のすごさも激しく訴えていました。
何かどこに責任を押し付けるか?という話をしている人もいますが、誰か1人が罪だとすると他の人が無罪になるわけではありません。今回は特に後手、後手になるひどい対応ですし、関わっている方々はみんな責任があると言っても良いでしょう。
工場の事故なんかそうなんですが、こういった責任の押し付け合い、当事者意識のなさが悲劇を起こすものです。うやむやにするとまたやりますよ、これは。
(3/14追記:柳田充弘教授(@mitsuhiroyana)のその後のツイート。柳田充弘教授はやはり良心的で信頼できる方だと感じます。
理研の方針は、論文撤回を著者達に勧告するだろうとのこと。遅かった決断でしたが、これで一歩前進でしょうか。国際的に著名な研究所のユニットリーダーが記述のコピペやデータ流用の常習者であったという可能性大は極めて衝撃的です。研究所がこの衝撃をあまり受けてない印象は誤りでしょうか。
https://twitter.com/mitsuhiroyana/status/444280939183480832わたくし自身もNature論文が出たあとで研究内容の梗概と共著者達の陣容をしり、若い女性の大発見であり素晴らしい業績にちがいないと思い込みました。それを慶賀するような文章もブログに書きました。読み直してみると、情けないというかガッカリというかみずからの無能と不明に脱力します。
18:26 - 2014年3月13日
https://twitter.com/mitsuhiroyana/status/444283503689998336)
関連
■
STAP・iPS細胞比較に山中教授反論 罪はマスコミだけでなく理研にも ■
ノーベル賞どころではないSTAP細胞 笹井芳樹「コペルニクス革命」 ■
小保方晴子の博士論文 20ページ以上ほぼコピペで、学者らに衝撃 ■
小保方晴子早大博士論文、参考文献までコピペしたせいで意味不明に ■
小保方晴子「申し訳ない」と若山教授へ謝罪 理研も撤回視野に検討へ ■
その他の科学・疑似科学について書いた記事
Appendix
広告
【過去の人気投稿】厳選300投稿からランダム表示
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
|