「性被害が発生しやすい環境」 エホバ元2世ら、国に対策要望

島崎周
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 キリスト教系新宗教「ものみの塔聖書冊子協会(エホバの証人)」の元2世信者でつくる団体が28日、東京都内で記者会見を開き、教団内での性被害やハラスメントについてとりまとめたアンケート結果を公表した。現役の信者も内部の仕組みについて証言し、「教団内でのルールや慣習によって、性被害が発生しやすい環境や隠蔽(いんぺい)につながっている可能性がある」と指摘している。

 アンケートをしたのはエホバの元2世信者らでつくる「JW児童虐待被害アーカイブ」。この日、こども家庭庁などに調査結果とともに、国による早急な実態調査や、再発防止のための対策などを求める要望書を提出した。

 アンケートは、7月にインターネットを通じて教団内で性被害やハラスメントを受けた人に対して、申告を求めた。信者からの性暴力▽地域別の責任者の「長老」たちによる聞き取りがある「審理委員会」での被害▽集会や出版物の表現をめぐる被害の三つの分類で質問し、計159件の有効回答があった。

 「信者から性暴力を受けたことがある」という人は37人(うち35人が当時未成年)いた。当時未成年の35人についての被害内容(複数回答)は「衣服の上から、または直接身体を触られた」24件、「下着姿や裸を見られた・撮影された」11件、「唇や舌などを身体に当てられた」9件、「性交渉をさせられた」4件などだった。

 加害者が「長老」や「援助奉仕者(奉仕の僕(しもべ))」などの役職者だったと回答したのは、半数以上の19人にのぼった。

 被害について通報や相談をしたか(複数回答)については、「誰にもしなかった」が最も多く21件。相談した場合も「取り合ってもらえなかった」「自分が何らかの罰や制裁を受けた」「2人以上の目撃者が必要と言われた」という声があったという。

 審理委員会は、教義における禁止事項を破った疑いがあると、長老たちがその詳細を聞き取り、裁く場とされている。教団では「婚前に性交渉をしてはいけない」と定められており、審理委員会で「長老たちに対して自身の性に関する経験等を話すように強制されたことがある」という回答が42人(うち15人が当時未成年)からあった。

 「年齢に見合わない性的な表現を含んだ出版物を見せられた」または「性的な表現を含んだ話を聞かされたことがある」と回答したのは、139人(うち137人が当時未成年)いた。性的な表現としては「マスターベーション」「オーラルセックス」「アナルセックス」「ペッティング」「淫行」などが挙げられた。

 会見で、団体のメンバーは159件の寄せられたことについて、「少数だという意見もあるかもしれないが、1件たりともあってはならないこと」。今回の1カ月間の調査終了後にも被害申告が寄せられたといい、「まだ話せない人もいるかもしれない。氷山の一角に過ぎない」と話した。

 エホバの証人は朝日新聞の取材に対し、「任意団体がまとめたアンケートの内容は信ぴょう性が定かでないため、個別の事例についてはコメントいたしかねる」としている。また、児童虐待に関しては、「長老たちは児童虐待に関する訴えや報告を聞いた場合、当局に通報するよう求める法律に従う。特に児童に対する性的虐待は極めて邪悪な行為であり、そうした行為を憎悪している」とコメントした。

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この記事を書いた人
島崎周
東京社会部|文部科学省担当
専門・関心分野
性暴力、性教育、被害と加害、宗教、学び、人権