すやすや眠るみたくすらすら書けたら

だらだらなのが悲しい現実。(更新目標;毎月曜)

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 ウィリアム・ギブスン邦訳作品のうち、紙の本で出たきりだった作品たちが12月18日にドバッと電子書籍市場に出るそうです。

「伊藤さんのネット上でのギブスンへの言及、けっこうあったよな~」

 とお蔵の伊藤計劃調べもの記事から引っ張り出してきました。

(根気がなくて本体は完成せず未アップですが、それでも調べものしとくのは大事っすね。気になったときにいちいち最初からやり直さなくて済む)

 ……改めて読むと、大事なものは大体いまでも手が届く明るい場所にありましたな。(インターネットアーカイブをうろつくほどではない)

 

 「続き」にオマケとして、伊藤氏が言及した文字媒体のリストと、創作アイデアのリスト。

 

 

 

 

(余談)

 高橋源一郎&斎藤美奈子『この30年の小説、ぜんぶ』の目次に『虐殺器官』があったんでポチったんですが、終盤あきらかになる悪役の思惑と結末の語り手の行動だけ語るみたいな語り口で、ちょっとビビってしまいましたよ。もしこの本が全編この語り口だとすれば、未読作にかんする話題は読めないなこれは。

 『戦争と平和』=ロシア人の話だ@ウディ・アレンのジョーク規模で要約するなら『ステルス』=アメリカ人の話だ、となる……って伊藤氏はお話しされていましたが、『虐殺器官』もまた要約選手権の対象になったのだな、みたいな感慨がございました。(高橋氏の評価は「アメリカ人の話だ」で要約しきれないところがエラい、という感じですが……)

 

 

おまけ)伊藤計劃が摂取してきた文字リスト

 論拠や参照元はリンク切れになってしまっているものもあるのでご注意を。

{本棚写真を載せた記事とかも今は公開終了。

 正直、ほかの部分で問題があったから終了になって良かったです。

(問題詳細;pdfデータでの公開だったのだが、掲載画像があまりにデカく、『ブレードランナー』の写真探偵シーンばりに拡大できた。最大まで拡大していくと、机に載せられた通勤定期の駅名とかまでしっかり読めてしまうくらいデカかった)}

 

 サイトや書籍で明示的な言及・新聞掲載の書斎写真からうかがえるもの

  ▼ネット上で言及が確認できるもの

80年代

 筒井康隆『俺に関する噂』が中1の学級文庫に置いてあった(パルプリテラチャー)

 筒井康隆『バブリング創世記』を同級生に勧められる(同上)/『俺に関する噂』を勧められる(『アニマ・ソラリス』著者インタビュー)

 小松左京『首都消失』(『アニマ・ソラリス』著者インタビュー)

 『虚人たち』『虚構船団』「空前絶後、驚天動地、文字が爆発し意味が爆発する究極の小説。」(パルプリテラチャー)

 ウィリアム・ギブスン『ニューロマンサー』中学生のときに初版で。「俺は今、えすえふ小説を読んでいる」05年7月6日

80年代後半~90年代前半

 『コンプティーク』"スナッチャー」と出会ったのもコンプティークのおかげだった"06年5月12日

 黒田幸弘『クロちゃんのRPG千夜一夜』同上

90年代

 93年ごろ? "おませな大学生で、出たばかりの「重力の虹」とかがんばって読んでいた"04年4月20日

(さて大学の後輩・篠房氏の回顧によれば伊藤氏は2浪しているそう。なので浪人中に読んだか、あるいは95年以降に読んだかということになり、多少のブレがありそう)

 90年代中ごろ「モデルとテクスト――ぼくがボルヘスの小説に出会うには大学生になるのを待たねばならないのですが」(「伊藤計劃氏の心の一冊『ディファレンス・エンジン』」『伊藤計劃記録Ⅱ』へ再録)

(デネット『解明される意識』邦訳出版98年1月20日)

(ラマチャンドラン&ブレイクスリー『脳のなかの幽霊』邦訳出版99年7月)

00年代

 ジョン・ヴァーリィ「アイデアをごく自然に背景のレベルに後退させ、そのことで物語のグロテスクな哀しさを浮き上がらせる描写することの出来る作家」(パルプリテラチャー)

 ウィリアム・ギブスン→パルプリテラチャー、『伊藤計劃記録Ⅱ』に作家論「SFの或るひとつの在り方――最高に精度の高いセンサで、現在を捉えること。」

  →『ニューロマンサー』02年2月21日hontoレビュー

  →『カウント・ゼロ』02年2月20日Amazonカスタマーレビュー(現在無名化)

  →「ガーンズバック連続体」04年5月22日

  →『フューチャーマチック』00年6月8日読書計劃

  →『パターン・レコグニション』04年5月24日

 ギブスン&スターリング『ディファレンス・エンジン』→スターリングラッド、『伊藤計劃記録Ⅱ』(所収、「伊藤計劃氏の心の一作、『ディファレンス・エンジン』」)、08年10月18日、19日

 ブルース・スターリング→パルプリテラチャー、スターリングラッド

  →『スキズマトリックス』(スターリングラッド)

  →『ネットの中の島々』(スターリングラッド)

  →『タクラマカン』(スターリングラッド)

  →『ホーリー・ファイアー』(スターリングラッド)

 J・C・ポロック『トロイの馬』など{旧サイト『スプークテール』内、「ラグハント」メタルギア2・ソリッドスネーク解説、メタルギア用語辞典かなりイイ加減なメタル設定解説(マスター・ミラーの項、HAHO降下=チェコ秘密警察、HAHO降下を描いた小説として)}

 トム・クランシー『容赦なく』{旧サイト『スプークテール』内、「ラグハント」メタルギア用語辞典かなりイイ加減なメタル設定解説(ビッグ・ボス所属SOGについて)}

 デイヴィッド・メイスン『暗殺阻止』{旧サイト『スプークテール』内、「ラグハント」メタルギア用語辞典かなりイイ加減なメタル設定解説(HAHO降下を扱った小説として)}

 江畑健介『インフォメーション・ウォー:狙われる情報インフラ』{旧サイト『スプークテール』内、「ラグハント」 わりとシリアスな用語解説(DARPAについて)}

 南伸坊『笑う街角』{旧サイト『スプークテール』内「自己紹介」光学観測(未来世紀物件)より}

 アーサー・ケストラー『機械の中の幽霊』(ポストモダン・イマージュ『攻殻機動隊(押井守)』)

 ポール・M. サモン『メイキング・オブ・ブレードランナー』「を読んで、この作品がもっと好きになりました。(略)その他沢山の鳥の仕掛けが美術面で仕掛けられているという文章を読んで、画面をもう一度よく見直して見ると本当ではありませんか!」(ポストモダン・イマージュ『ブレードランナー(リドリー・スコット監督)』)

 『イメージフォーラム 1987 3月増刊 追悼・増補版 タルコフスキー、好きッ!』(ポストモダン・イマージュ『ストーカー(アンドレイ・トルコフスキー監督)』)

 トマス・ハリス『ハンニバル』00年4月24日読書計劃

 柄谷行人『倫理21』00年4月26日読書計劃

 黒沢清ほか『ロスト・イン・アメリカ』00年4月26日読書計劃

 『バットマン:アーカム・アサイラム日本語版』00年5月18日読書計劃

 チャールズ・ペレグリーノ『ダスト』00年5月23日読書計劃

 トム・クランシー『レインボー・シックス』00年5月23日読書計劃

 市田良彦『闘争の思考』00年5月23日読書計劃

 レナード・リュイン『アイアンマウンテン報告』同上

 ウィリアム・ギブスン『フューチャーマチック』00年6月8日読書計劃

『MGS2』限定版パンフレット参考文献01年12月10日

  クリフォード・ストール『インターネットはからっぽの洞窟』

  (余談にてマイクル・クライトン『ロスト・ワールド:ジュラシック・パーク2』)

  ポール・ヴィリリオ『情報化爆弾』

  ポール・ヴィリリオ『速度と政治』

  ポール・ヴィリリオ『戦争と映画』

  押井守『METHODS:押井守・『パトレイバー2』演出ノート』

  ローレンス・レッシグ『CODE:インターネットの合法・違法・プライバシー』

  ブルース・スターリング『ネットの中の島々』

  ブルース・スターリング『ホーリー・ファイアー』

 ポーラ・アンダーウッド&星川淳『小さな国の大いなる知恵』01年12月10日(イロコイ族とプリスキン)

「フレミングであろーがグリーンであろーがフォーサイスであろーがル・カレであろーが作家を選ばず小説を読みました」01年12月『スパイゲーム評』

 フレデリック・フォーサイズ≪マグレディ≫シリーズ同上

 マーク・ボウデン『強襲部隊―米最強スペシャル・フォースの戦闘記録』(※旧題。現題『ブラックホーク・ダウン―アメリカ最強特殊部隊の戦闘記録』)02年1月29日hontoレビュー*1

2003年(サイト改装)

 スターリングラッド(ブルース・スターリングファンページ)

  『スキズマトリックス』「ここから全てははじまった。人類という言葉を解体しつくす、ラディカルで凶悪でちょぴり泣けるスペースオペラ」

  『ネットの中の島々』「われわれはいまだにこの想像力を越えられてない。情報化社会と資本主義とテロリズムの関係を極限まで追求したポリティカル・フィクション」

  『ディファレンス・エンジン』「サイバーパンクの教祖・ギブスンとイデオローグ・スターリングの共作長編にして、個人的には二人の全作品中最高傑作。スチームパンク史上最強最硬」

  『タクラマカン』「近年のスターリングのユーモラスな作風が堪能できる、高密度ながら脱力度の高い短編集」

  『ホーリー・ファイアー』「健康第一の長寿社会。不老不死世代の出現を前に、全てが許されたソフトな監獄を脱出する90歳の少女の物語」

 

 ウィリアム・マクニール『戦争の世界史』大判本版 03年5月14日

(『虐殺器官』第五部、スペイン無敵艦隊と英国軍の話の元ネタ)

 八束はじめ『ロシア・アバンギャルド建築』同上

 アレン・カーズワイル『驚異の発明家(エンヂニア)の形見函』同上

 『WIRED』「「負傷しても戦い続けられる」軍事医療技術の最先端――ケガする前の鎮痛剤など」の記事への反応03年10月20日

2004å¹´

 『日本人の身体観の歴史』04年4月前後再読※推測(理由は後述)

 蓮實重彦『スポーツ批評宣言あるいは運動の擁護』04年4月21日

 阿部和重『ニッポニア・ニッポン』04年4月25日

 阿部和重『シンセミア』「あんな馬鹿話ひさしぶりに読んだ。すげえ面白いっす」同上

04年5月『Heavenscape』発表

 黒沢清ほか『映画の授業』04年6月6日

 P.N.エドワーズ『クローズド・ワールド コンピュータとアメリカの軍事戦略』04年7月29日

(今著のイグルー・ホワイト作戦が、『フォックスの葬送』へ反映された)

 『アームズマガジン2004年8月号』04年6月26日

 『反社会学講座』同上

 『文藝別冊 押井守』同上

 菊地成孔『歌舞伎町のミッドナイト・フットボール』04年8月6日

(ピンカー『人間の本性を考える』邦訳出版04年8月30日)

 阿部和重『映画覚書vol.1』04年9月3日

 『Invitation 04年10月号』04年9月13日

 『大石オブジョイトイ』メール04年9月26日

 『1999年度版の民放連・放送基準解説書』04年9月27日

 ロラン・バルト『エッフェル塔』05年11月16日mixiレビュー

 タモリ『タモリのTOKYO坂道美学入門』04年11月10日

 スタニスワフ・レム『ソラリス』同上(国書刊行会版)

 イアン・ワトスン『エンベディング』同上

 大友克洋『アキラ・アーカイヴ』04年11月13日

 アラン・ムーア『リーグ・オブ・エクストラオーディナリー・ジェントルメン』同上

 ジョン・カーペンター『恐怖の詩学』04年11月15日

 ダン・シモンズ『ダーウィンの剃刀』04年12月17日

 スタニスワフ・レム『高い城・文学評論』04年12月26日

 ペーター・ゴシュトニー『スターリンの外人部隊』同上

 アルフレッド・ベスター『願い星・叶い星』04年12月31日

 トマス・M・ディッシュ『アジアの岸辺』同上

 レオンス・ペイヤール?『潜水艦戦争』同上

 『ラース・フォン・トリアー スティーグ・ビョークマンとの対話』同上

2005å¹´

 イアン・バンクス『蜂工場』05年1月17日

 文庫クセジュのロシア/ソ連史ものをいくつか同上

{以下はあくまでオマケ話ですが、ルネ・ザパタ著『ロシア・ソヴィエト哲学史』には「一八八〇年から九〇年代以降のロシア文化全般にわたって、絶えず増大して行く影響力を及ぼすようになる」*2三人の思想家のひとりとしてフョードロフが挙げられています。フョードロフは、円城塔氏が創意をはたらかせた共著版『屍者の帝国』で大きな役割をはたした人物ですが、伊藤氏の屍者メモにゃ無さそうなので、「無理くり接点を見つけるならこんなかんじ?」てオマケ話}

 笠井潔『バイバイ・エンジェル』同上

 佐藤哲也『妻の帝国』05年1月21日

 P.W.シンガー『戦争請負会社』05年2月1日

 山田正紀『神狩り2』05年3月25日

 ウンベルト・エーコ『ウンベルト・エーコの文体練習』05年4月12日

 福井晴敏『終戦のローレライ』05年5月3日

 「いまある本を読んでいたら、2次大戦中の米艦のCICの写真があった」⇒?『クローズド・ワールド』p.248レキシントン号のCIC写真(1945年撮影)だろうか? 同上

 平野耕太『ヘルシング』「音読して気持ちい」台詞の音の連なり05年5月5日

{『WIRED』「嗅ぐと信頼が高まる物質――スイスの研究チームが実証」05年6月3日(『虐殺器官』"仲良しの素"点鼻の参照元だろう)}

(デネット『自由は進化する』邦訳出版05年6月15日)

 レンブラントの画集05年7月6日

 『SFマガジン』ストロス「コールダー・ウォー」同上

 よく読み返す本、または自分にとって特に思い入れのある5冊

  ギブスン『ニューロマンサー』同上

  養老孟司『身体の文学史』『日本人の身体観の歴史』同上、05年3月13日mixiレビュー

  モリスン&マッキーン『バットマン・アーカム・アサイラム』同上

  ギブスン&スターリング『ディファレンス・エンジン』同上

  『舊新約聖書』同上

 ボルヘス『不死の人』05年7月13日

 みうらじゅん『正しい保健体育』05年7月22日

 山口貴由『シグルイ』同上

(ラマチャンドラン『脳のなかの幽霊、ふたたび』邦訳出版05年7月30日)

 福井晴敏『亡国のイージス』05年8月5日

 オースン・スコット・カード『アビス』ノベライズ同上

 サイコドクターぶらり旅「リモート・コントロール人間」05年8月7日(『虐殺器官』劇中ガジェットの参照元の一つと思われる)

{推測;アンディ・マクナブ『SAS戦闘員』(上下巻版) (本棚にそれらしきものが刺さっているのが確認でき、また、『フォックスの葬送』に参照があるため)}

05年8月『フォックスの葬送』発表

 エリクソン『ルビコン・ビーチ』05年8月22日

 高橋洋『映画の魔』同上

 近藤るるる『たかまれ! タカマル』05年8月24日(幸地さん萌え萌えとのこと)

 大塚+杉浦『オクタゴニアン』05年8月26日

 山田正紀『未来獣ヴァイヴ』同上

 小熊英二『単一民族神話の起源』05年9月10日

 グレッグ・イーガン『ディアスポラ』05年10月7日

 ピンカーの認知心理学本 同上

 マイケル・クライトン『恐怖の存在』05年10月7日

 『ユリイカ2005年10月号』05年10月7日

 蓮實重彦『映画 誘惑のエクリチュール』05年10月8日

 森川嘉一郎『趣都の誕生』同上

 高木徹『ドキュメント 戦争広告代理店〜情報操作とボスニア紛争』05年10月21日、10月25日

 伊勢崎賢治『武装解除 紛争屋が見た世界』同上

(『The Indifference Engine』の参照元のひとつ)

 蓮實重彦『ゴダール革命』同上

 ピンカー『言語を生み出す本能』読了05年11月5日

 フーコー『異常者たち』読了同上

 シュミット『パルチザンの理論』05年11月10日、11月13日買えず

 赤瀬川原平『ぱくぱく辞典』同上

 ジョージ・ジョナス『標的は11人:モサド暗殺チームの記録』同上、11月13日

 アンソニー・ボーデイン『キッチン・コンフィデンシャル』同上

 ジム・クレイス『食糧棚』同上

 雁屋哲&花咲アキラ『美味しんぼ』同上

 寺沢大介『ミスター味っ子』同上

 西村満『大使閣下の料理人』同上

 ウンベルト・エーコ『美の歴史』05年12月6日

ディストピア10傑12月21日~

 ・ナボコフ『ベンドシニスター』、

 ・オーウェル『1984年』、

 ・バージェス『1985』、

 ・ロバート・ハリス『ファーザーランド』

 佐藤大輔作品05年12月29日

 笠井潔『ヴァンパイヤー戦争』同上

 森博嗣『ミステリィ工作室』同上

 山田風太郎『臨終絵巻』同上

『ラムズフェルドの戦争〜米国防総省の内幕』06年1月1日

 『なぜアメリカは戦うのか 前編 ~巨大化する軍産複合体~』同上※記事+番組表から推測*3 (多分、このドキュメンタリで取り上げられた、チェイニー副大統領とハリバートン社の癒着をはじめとしたアメリカの政治経済にがっちり組み込まれた軍産複合体という構図が、『虐殺器官』院内総務とユージーン&クルップス社の癒着や終盤のアメリカとセキュリティに関する構図へ結実したものだろうと思う)

 『なぜアメリカは戦うのか 後編~超大国への警告~』同上※推測

2006å¹´

 京極夏彦作品06年1月14日

 笠井潔氏の評論と小説数冊同上

 箸井+大塚+清涼院『探偵儀式』同上

 小栗虫太郎『黒死館殺人事件』同上

 山口雅也『キッズ・ピストルズ』同上

 エドワード・サイード『知識人とは何か』06年1月24日

 ジョージ・ジョナス『標的は11人 モサド暗殺チームの記録』同上+06年1月27日

(ガザニガ『脳のなかの倫理』邦訳出版06年2月2日)

 スーザン・ソンタグ『隠喩としての病』06年4月10日

 柄谷行人『日本近代文学の起源』同上

 小熊英二『日本という国』購入06年4月10日

 芹沢一也『ホラーハウス社会』06年4月17日

 押井守『立喰師、かく語りき』購入06年4月26日

 柄谷行人『世界共和国へ―資本=ネーション=国家を超えて』購入06年5月2日

 キニャール『音楽への憎しみ』読書時期不明

(『虐殺器官』エピグラフ。第3部3のクラヴィスによる地の文、6のジョン・ポールのセリフに引用された)

06年5月23日 小松左京賞応募締め切り(『虐殺器官』投稿回)

 ?エマニュエル・トッド『帝国以後』を買うか否か迷う06年5月26日

 ジェフリー・サックス『貧困の終焉』購入06年6月18日

(『虐殺器官』に登場した国連ミレニアムプロジェクトについて記された本。貧困からの脱出国のひとつとして、第四部であつかわれたインドも取り上げられている)

  黒沢清『黒沢清の映画術』06年8月5日

 井上章一『夢と魅惑の全体主義』06年10月2日

 佐藤亜紀『小説のストラテジー』同上

 エインズリー『誘惑される意志』同上

 『純粋戦争』以外のヴィリリオ論考全部06年11月1日

 ニコラス・ハンフリー『赤を見る―感覚の進化と意識の存在理由』06年11月9日

 『CG WORLD』07年1月号 06年12月2日

06年12月19日『チルドレン・オブ・ウォー』入稿

{エピグラフにシンガー『子ども兵の戦争』が引かれているそう(『蘇る伊藤計劃』p.93、奥村元気「未発表作品概略」より)。また、『子ども兵の戦争』については、07年4月14日の記事でも言及がある}

2007å¹´

 『現代作家ガイド:ウィリアム・ギブスン』07年1月17日

07年1月末『虐殺器官』改稿を条件にJコレ版刊行を塩澤氏が連絡

 ロベール・ブレッソン『シネマトグラフ覚書』07年2月05日

07年4月『虐殺器官』入稿・6月出版(第4部インド編を丸々追加など2割増量)

 ラリイ・マキャフリイ『アヴァン・ポップ増補新版』購入07年6月30日

 蓮實重彦『「赤」の誘惑―フィクション論序説』購入同上

 マーク・ボウデン『ホメイニ師の賓客』(7年5月邦訳)読了同上

 アレックス・ゴールドファーブ&マリーナ・リトビネンコ『リトビネンコ暗殺』同上

 ボルヘス『エル・アレフ』購入07年8月2日

 『モンティニーの狼男爵』『外人術』以外の佐藤亜紀本全て07年8月12日

 久正人『ジャバウォッキー』07年8月26日

 ジョルジョ・アガンベン『例外状態』購入07年10月13日

 ポール・ヴィリリオ『パニック都市』購入同上

 D・キム・ロスモ『地理的プロファイリング』購入同上

 ケヴィン・J.アンダースン&ダグ・ビースン『臨界のパラドックス』購入同上

2007年11月、『アニマ・ソラリス』著者インタビュー

 ウィリアム・ギブスン

  『クローム襲撃』

 ジョン・ヴァーリィ

  『ブルー・シャンペン』「タンゴ・チャーリーとフォックストロット・ロミオ」

  『スチール・ビーチ』

 スティーヴ・エリクソン

 トマス・ピンチョン

 リチャード・パワーズ

 ホルヘ・ルイス・ボルヘス

 ゼーバルト『土星の環』

2008å¹´

 押井守&岡部いさく『戦場のリアル』購入08年2月27日

 ジャネット・ターナーホスピタル『暗号名サラマンダー』08年3月26日

 ?チャールズ・ストロス『残虐行為記録保管所』?08年4月8日収録『ヒデオチャンネルラジオ』20:00~

(「仕事してないと分からない本の面白さってやっぱりあったりするので。このまえ読んだ小説はですね、SFで魔術がやたら出てくる本なんですけど。セミナーにやたら行ったりしてですね、爆笑できたんですよね。(略)会社ではやたらエクセルやワードのセミナーがあったりしまして、その小説ではワードの代わりに魔術のセミナーがあったりして(笑) そういう面白さってやっぱり会社にいないと分からないのかな~というのはあったりしますね」)

 ジャック・ケッチャム『隣の家の少女』 同上ラジオ20:42~

{――いまオススメの本とかあります、聴いてる人に? 「あー、このまえ読んだ『隣の家の少女』がひどかったですね。(…)最高!(…)ほんとひどかったです(笑) あんなひどい話ひさしぶりに読みました。ほんと最高でした(笑)」}

 速水螺旋人『速水螺旋人の馬車馬大作戦』購入08年5月13日

 舞城王太郎『煙か土か食い物』08年6月12日

 篠房六郎『百舌谷さん逆上する』第1巻08年6月25日

 イーガン『万物理論』08年7月12日mixi全体に公開記事「洋上構造物について質問」より

 林譲治『進化の設計者』同上

(『ハーモニー』を第二部まで書いた時点での記事らしい。「となるとこれはストの舞台設定を変えた方がいいなあ。ラストが宇宙てのは燃えそう」ともあり、『ハーモニー』のクライマックスの舞台はもしかすると全然べつのところを考えていたのかもしれない)

 フーコー『臨床医学の誕生』08年7月25日mixi全体に公開記事

 吉田親司『マザーズ・タワー』同上

 林譲治『記憶汚染』同上

 ジョナサン・レセム『孤独の要塞』08年8月5日

 ジョー・ホールドマン『終わりなき平和』(『PCfan 08年 10/1号』p.130、最下段10~11行、「空想未来ミュージアム」第26回伊藤計劃【後編】、色紙)

08年8月29日『ハーモニー』第一稿完成

 トム・ロブスミス『チャイルド44』08年9月23日

 マーティン・クルーズ・スミス『ゴーリキー・パーク』同上

08年12月18日『ハーモニー』発売

 

  ▼本棚から書名が確認できるもの

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小山由美氏『【伊藤計劃ライフヒストリー】(第3回)』(「ちいき新聞」佐倉西版・八千代台版・東葉版、2015年11月13日号』)の『SF Prologue Wave』掲載版から判別できるもの。

最上段

 ?ニール・スティーヴンスン『クリプトノミコン』?(画面右から2冊目)

 ストルガツキイ兄弟『ストーカー』(5冊目)

 神林長平『言葉使い師』(6冊目)

 スティーヴン・ハンター『真夜中のデッド・リミット』(7冊目)

 K.W. ジーター『ドクター・アダー』(8冊目)

 

2段目

 ?井筒俊彦訳『コーラン』岩波文庫?(画面右から1冊目)

 ?角川文庫のなにか?

 『エロイカより愛をこめて1巻』

 ?クレイグ・トーマス『ファイアフォックスダウン』?

 P・K・ディック『まだ人間じゃない』

 P・K・ディック『ゴールデンマン』

 ?クレイグ・トーマス『ファイアフォックス』?

 ?黄色い本?

 オーウェル『動物農場』

 マールカラー文庫『民族衣装』

 ヴァルター・ベンヤミン『図説 写真小史』

 フレデリック・ポール『マン・プラス』

 ?光瀬龍『百億の昼と千億の夜』?

 ●3冊判別不明●

 ソノラマ文庫?神林長平『永久機関装置』?

 『動物のお医者さん』

 ?『紊乱のロシア』?

 ●5冊判別不明●

 ?アンディ・マクナブ『SAS戦闘員』(巻数不明)?

 ?ハヤカワのなにか?

 ハヤカワ青背・複数巻モノ?『80年代SF傑作選』?

 ハヤカワ青背赤オビ?マイクル・スワンウィック『グリュフォンの卵』?

 東京創元社

(本の上に平積みされた山1)

 

(本の上に平積みされた山2)

 ?講談社ブルーバックスのなにか?(最上段)

 ?崎川 範行『新しい有機化学: 炭素化合物を見なおす』(5段目)

 

(本の上に平積みされた山3)

 ?なんか太い上下巻?

 

2段目中央棚

 ?スタニスワフ・レム『高い城・文学エッセイ』(画面右から3冊目)

 ?人狼スクリーンボードブック(『人狼 JIN-ROH DTS EDITION』特典)?

 ●3冊判別不明●

 『現代の作家ガイド ウィリアム・ギブスン』

 J・G・バラード『コカインナイト』

 ●判別不明●

?UNIXのなにか?

 

3段目

 ルーシャス・シェパード『戦時生活』(大森氏からの頂き物)

 

3段目中央棚

 ニコラス・ホッブス『あなたの知らない戦争のひみつ150』

●2冊判別不明●

 ?『SFマガジン4月号』?年数不明

●3冊判別不明●

 デビッド・デイ他『トールキン指輪物語事典』

 栗原亨『廃墟の歩き方 探索篇』

●4冊判別不明●

 ローレンス・レッシグ『CODE』(いちばん画面左の本)

 

4段目

 荒俣宏『決戦下のユートピア』

 

本棚手前の山

 キム・ニューマン『ドラキュラ崩御』

 ●4冊判別不明●

 ?ハヤカワの何か?

 

本棚手前の山(2山目)

 ●6冊判別不明●

 ?くそブ厚い本?

 ?『未来兵器』?(『未来兵器―スタンド・オフ爆弾からロボット兵器まで近未来の兵器と戦場を図説する (世界の傑作機別冊―Graphic action series)』?)

 

4段目中央の棚

?白地に紫色の球体と動物がかかれた本?

 

本棚手前の山(3山目)

 『モンティ・パイソン大全』

 

『AERA 15年10/26号』p.39机左端、てっぺんにカメラが載せられた山

 『錬金術の歴史』(上から4冊目)

 『日本建築様式史』(上から5冊目)

 

 

   おまけ)伊藤氏のプロット/アイデア集

※あらすじとしてある程度読めるものを太字にした※

 『SPOOK TALE』99年卒業制作(未完?)

 18年ごろのインターネットアーカイブで辿れる範囲では、①「原風景を喪失したところから始まる探究の物語」であること(特設ページ)、②"1シーンごとに支配色を決めて、そのカラーで統一した画作りをしている""舞台のひとつに皇居がある"作品であること(旧サイトBBS書込/記事執筆者の記憶)、③もしかしたら劇中カットかもしれない夕焼けの荒野の画像が確認できていました(イラストページ)。20年7月26日現在、②について記載されたログは404に。

 『ソ』計画{旧サイト『スプークテール』内自己紹介「イラスト」(ソ連的宇宙飛行士)より}

 「健康増進法違反で逮捕する」03年5月8日

 「失禁要請」03年5月11日

 次に来るのは何パンク? アルケミー、パンチカード?03年7月27日

 ゴジラ/ファイナルウォーズ/映画の魔04年12月4日

 日常としてのジェノサイド05年2月26日

 『皇居ダイハード』05年8月26日

 「『靖国刑事』というのはどうでしょう?」言及時期不明、おそらく06年10月以前。{篠房六郎『百舌谷さん逆上する 3巻』kindle版99%(位置No.247中244)、巻末特別描き下ろし漫画}

(靖国神社で殺人事件がおき、多種多様なイデオロギーをもつ人物が容疑者として浮かび上がる。ツカミとして遊就館に展示されてるブツを得物につかわれるなどする猟奇的な死体が登場する……というお話。06年10月にふたりが会い『オタク版ダ・ヴィンチ・コード』の話で盛り上がったさい「前にも聞いたことのあるアイデアを熱く語る」とのことだったので、それ以前になされたネタだと思われる)

 冷戦や軍産/軍学複合体と疑似科学05年11月6日、仁木稔氏「塩澤さんから、伊藤さんがルイセンコ学説ネタで書こうとしていると聞いた」(『SFマガジン15年10月号』p.14)

 『萌え版パターン・レコグニション』07年5月14日

 『ロリ刑事』同上

 「失われた10年」ブームは来るのか07年5月26日 

 エロゲ脳のハルヒ的存在複数人による世界萌え化・欲望の世界演算戦話07年7月12日

 BL(ビリーズラブ)同上

 WW2ベルリンで、金髪碧眼アーリア人判定Aだけど非モテの話07年7月18日

 演算大聖チューリングスター07年11月10日

 戦後首相が転生した少女とそれを従えた少年が活躍する戦後版Fate08年8月3日

 『持衰くん』08年8月10日

 鎌とハンマーで戦う社会主義的魔法少女の話 07年9月~(前島賢氏による取材にて){当時一迅社の編集をしていたV林田氏いわく、『屍者の帝国』の次くらいの予定で練られていた}

 塩澤氏「「ダークナイト」ばりの誰も読んだことのないヒーローテーマのSFだったに違いありません(ロシアを舞台にしたヒーローもののアイデアを伺ったことがありました)」早川書房刊(ハヤカワ文庫JA)、伊藤計劃著『伊藤計劃記録 Ⅱ』kindle版100%(位置No.3463中 3430)

 「いずれはトマス・ピンチョンのような陰謀小説に挑戦したいという」(『PCfan 08年 10/1号』p.130、最下段10~11行、「空想未来ミュージアム」第26回伊藤計劃【後編】)

 

*1:(Amazonカスタマーレビュー版より長尺なのでこちらを記載)

*2:白水社刊(文庫クセジュ)、ルネ・ザパタ著『ロシア・ソヴィエト哲学史』p.80~81

*3:

夜は紅白も格闘も見ずに、「ラムズフェルドの戦争〜米国防総省の内幕」をはじめとするNHKのドキュメンタリ群を見て、すこしも明るい気分になる事なく、世界ってどうしようもねえなあ、と憂鬱な気分で、人生で初めて、病院で年を越しました。

   伊藤計劃:第弐位相』06年1月1日投稿「狗では私は倒せない」(太字強調は引用者による

 当時の番組表を確認すると、05年12月31日のNHKBSで『ラムズフェルドの戦争』20:10~21:00につづいて放送されたのは『なぜアメリカは戦うのか』20:10~21:00でした。