雑草の言葉

家を建てるということ

2022/02/23
都市/文明 4
  昔、私が中高生の頃でしょうか?TVで「百年住宅」なるもののCMをやっていた時期がありました。「百年も長持ちする耐久性に優れた家」と言う事を売りにしていたようです。しかし私は、そのCMを観て、全く逆の感想を持ちました。「長持ちしてもたった百年しか持たないのか?」・・・沢山の木を使って建てる家が、たった百年も持たない。みんなが家を百年以内に建て替えをしていたら、森林は切り尽くされてしまうのでは無いだろうか?・・と、不安と恐れを感じました。地震の無いヨーロッパの石造りの家の方が遥かに長持ちして素晴らしいではないだろうか?・・とも思いました。

 学生時代、散々お世話になった静岡県の友人の家に泊めていただき、その家でも大変お世話になりました。その友人宅は天井の極端に低い家で、彼の父は子育てにお金を使って、家には使わなかったと言っていました。そして、経済的に余裕が出てきたから、近々家を建て替える予定だと話しました。その友人の父曰く「一家の主人たるものは、人生で2回家を建てるものだ。」
 ・・・その言葉だけは、大きな違和感が残ったので、よく覚えています。・・と言うよりも、他の会話は殆ど忘れてしまいましたが、この言葉だけは何年経ってもずっと覚えておりました。泊めて頂いて、お世話にもなって、文句を言う積もりは毛頭ありませんでしたが、心の中で呟きました。「そんなことすべきで無い、百年住宅よりも遥かに無駄遣いである」日本は木材を大量に輸入して他の国の森林も破壊している現状なのに、一つの家庭の主が生涯で2軒も家を建てたら、日本中、木を切り倒しても足りないだろう・・・と。

ゴーヤに覆われた夏のベランダ

 私は既にこじんまりとした家を1度建てました。後から増築してもいいようにと、当時は取り敢えず必要最小限の家にした積もりです。大工さんたちは腕もいい感じでしたが、設計士というか取りまとめた人物が、素人でも考えられないようなどうしようもないミスばかりする無責任な人物でした。だから、建てた後に色々と、不満が残りました。そのうちまた増築して今度は不満がないように建ててみたい・・・と思いました。「人生で家を2度建てる」と友人の父が言ったのも、そう言う事もあるからなのだと、遅ればせながら分かった気がしました。しかし、それでも家を2回建てることは自分のポリシーに反します。あの時自分が持った違和感をしっかり胸に刻み、家はもう建てません。散財もしなくて済みます。主題には関係ないけれど、退職金まで使って家を建てて、老後破産するって本当におバカだと思います。

冬の母屋と樹氷

 人口が減っている現在(好ましい事です。)日本で、これ以上宅地は造成せずに住宅地は広げるべきではありません。そんな土地があるのならば、そのままにして自然を維持するか農地にすべきです。新たな宅地造成は法律で禁止すべきだと考えています。新築家屋も出来るだけ建てずに、中古住宅をリフォームすべきでしょう。現在はリフォームの技術も色々発達しています。

以前も記事に書きました。
【新たな宅地造成は禁止にすべし!】2021/01/11
https://zassou322006.blog.fc2.com/?no=887

 日本の木造家屋もしっかり建てて、丁寧に使えば、何百年も持つ筈です。日本にも数百年前に建てられた古民家も沢山あります。勿論、茅葺き屋根の葺き替えなど、家の手入れはしっかりしなければならず、大変でしょうけれど。
 
 いわゆる「豪邸」を紹介するテレビ番組などでは、コメンテーターなどはみんな「素晴らしい、豪華だ」なんて言ってますし家の主も自慢だから取材させるのでしょう。私は「数人の家族で、材木などそんなに沢山の資材・資源を浪費する権利がお前らにあるのか?」と感じます。そんな豪邸を建てる連中を非国民とさえ思います(笑)。そんな番組をやっていたら直ちにチャンネルを変えるかテレビを消します。

 家に限った事ではありませんが、資源の節約という意味で、ものは修繕して、長く使うべきでしょう。

 改めまして、これからの生涯で私は新築の家を建てることはしないと誓います。その代わりリフォームはします。

 この記事は、リフォームの記事を書く前口上として書きました。

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Comments 4

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guyver1092

家を建てる

 真偽のほどは不明ですが、江戸時代は三代に一回の割合で家を新築したそうです。建てた者のひ孫が立て替えるということなのでしょうね。江戸時代の寿命は現在より短かったことを考えるとやはり100年ぐらいなのでしょうか。地震が多く、湿度の高い日本で木造等の家と考えると、数百年という家は無理なのかもしれませんね。現在の技術はどれぐらいの寿命の家を作れるのかねだれか詳しい人はいないですかね。

2022/03/06 (Sun) 20:06
☘雑草Z☘

☘雑草Z☘

Re: 家を建てる

江戸時代の寿命は、世代交代も早かった事を考えれば、三代に1回の割合でも、80年くらいかも知れませんね。
日本では百年住宅は百年もったとしても、もっと早く家を建てますね。それこそ1世代毎に立て替えるイメージもあります。
天変地異でも起こらない限り、建てた家は100年以上は持たせるべきだと思います。
大きい家を建てないことも大切でしょう。

2022/03/07 (Mon) 17:57

guyver1092

長持ちする家

 現代の知識を集約した、長寿命の家は研究されたことはないのでしょうか? ネット等で見た記憶のある新しい試みは、木が生乾きのうちに建て始めるというものもありました。当然後で縮むので家の寿命としては短くなるという批判記事でした。安く仕上げる類の技術は何度か見た記憶があるのですが、長寿命のものは、記事本文の100年住宅ぐらいでした。

2022/03/07 (Mon) 21:52
☘雑草Z☘

☘雑草Z☘

Re: 長持ちする家

確かに、ネットで検索してみても、100年住宅以上の長期保存の家は中々出て来ませんね。省資源の観点からもそう言う住宅が研究されて然るべきだと思いますが。。「経済成長」の為にそう言う住宅は不都合なのかも知れません。常に技術革新が行われる事が大切なのでしょう。

2022/03/08 (Tue) 00:34
☘雑草Z☘
Admin: ☘雑草Z☘
無理に経済成長させようとするから無理に沢山働かなければなりません。あくせく働いて不要なものを生産して破局に向かっているのです。不要な経済や生産を縮小して、少ない労働時間で質素にゆったり暮らしましょうよ!「経済成長」はその定義からも明らかなように実態は「経済膨張」。20世紀に巨大化したカルト。
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