日毎に敵と懶惰に戦う

酒と食い物と美術と旅と横浜…などの記録。Twitterやってます @zaikabou

尾道の夜

だいぶん、優雅に時を過ごしてしまった。倉敷から三原行きの普通列車に乗り、尾道にたどり着いたのは8時過ぎ。本日のお宿『港屋』にはいるが、家族経営の、これぞ駅前ビジネスホテル、というようなところだった。嫌いじゃない、というか結構好きなのだが、女性にはあまりオススメしない。そろそろ荷物が重くなってきたので不要な洗濯物など家に送ろうと、箱を所望したら気前良くくれたし、コンビニに行くのに自転車を貸そうか、といってくれたり、大変フレンドリーな宿である。
晩飯は早めに食ったので、ビールの1杯でも、と外に出るがあまり店も開いていない。店の人とおぼしきおばちゃんが、一人でカウンターに座ってテレビを見ている店。うーん、迷ったが、まあいいや。
とりあえずビールを頼み、オススメにしたがってたこぶつと竹の子。なかなか美味いのだが、このおばちゃんが話し好きの人で、尾道の方言丸出しで放言、という感じ。以下、抑揚たっぷりな素敵な広島弁に脳内変換してみてください。
今日は倉敷から来たといえば『倉敷、あそこは大原しかないじゃろう。名物とかいうて里芋出されたが、そんなもん、いくらでも食えるわ』広島のフラワーフェスティバルに人が沢山来るという話で『人に酔うわぁ本当に。屋台みたいなもん、沢山出て、誰も買いやせんのに』テレビを見ながら『ロシアの油田かなんか、まあええようにコケにされて、日本で巻き上げた金を湯水のように使って平気なんじゃろう、大企業のマヌケのやりそうなことじゃあ』テレビで野球中継を見ながら…横浜の抑えにクルーンが出てきて『なんじゃあ、この肌の色の。どうせ途上国の人間じゃろう』広島ファンなのだろうが、黒田が出てくると『ああ、この黒田、だめじゃあ、こんなの。いかんわぁ』解説者が黒田を褒めると『なにをゆうとるんじゃあ、なんもわからんと、駄目じゃあ、あんなの』よほど黒田が嫌いらしい。そのほか、あらゆる物につっこみが入り、おばちゃんと二人、笑いを堪えるのに苦労しながら不思議な時を過ごす。
いい加減なところで切り上げて、宿に戻って就寝。明日の天気は雨らしい。不安だ。