ゲームに対して「ボリュームが少ない」と言うのは“文句”なのか
今の自分がプレイしている『キミの勇者』に限らず、自分がゲームに対してよく書く“文句”に「プレイ時間がダラダラと長い」ことがあります。『ピクダン』の時も、『怪獣が出る金曜日』の時もそれを書いて、「たかが数百円払っただけでお客様は神様気分ですか」と言われたこともありましたっけ。
んで、今回もそうだったんですけど……
「プレイ時間の短いゲームを出したら、ネット上で“ボリュームが少ない”と叩かれるでしょう」とか、「今のゲーム市場で大ヒットしているゲームは“長く楽しめるゲーム”が多いんだから、あなたの感性がズレているんですよ」とか、こういう話を書くと言われることが多いです。
確かにそれはその通り。
“文句”を書いたからには、それに対する“批判”を浴びても仕方ないです。
しかし、ちょっと言わせてください。
私は「ボリュームが大きいゲーム」がダメだとも、「長く楽しめるゲーム」がダメだとも言っていません。私が文句があるのは「プレイ時間がダラダラと長いゲーム」です。ボリュームもないし、長くも楽しめないゲームなのに、「とりあえず水かさだけを足してダラダラとプレイ時間を延ばしているだけのゲーム」がダメだと言っているのです。
言葉を整理したら、より直接的に攻撃的な表現になってしまった(笑)。
1.「長く」楽しめて、「面白い」ゲーム ←最強
2.「短い」んだけど、「面白い」ゲーム ←「もっと遊びたかった」という不満が出る
3.「長い」んだけど、「つまらない」ゲーム ←延々と続く苦行
4.「短い」し、「つまらない」ゲーム ←むしろ早く終わってくれてありがとう
私が文句を言っているのは「3」の「長くてつまらないゲーム」です。
いや、本質的には「つまらないから長く感じるゲーム」です。ただただ同じことの繰り返し作業だけを続けさせられるから、単純なプレイ時間以上に苦しさを感じてしまうのです。『怪獣が出る金曜日』のやりこみ要素なんてたかが数時間だったのに、1枚のカードを手に入れるために何十回もカードバトルをしなくちゃいけない上にフルボイスのナレーションがスキップできないから永遠に続く苦行のように思えたのです。
「1」の「長くて面白いゲーム」には、何の文句もないです。
というか、私が今まで絶賛してきたゲームにだって「ボリュームたっぷりで長く楽しめるゲーム」がありましたしね。『ルーンファクトリー3』だって『とびだせ どうぶつの森』だって『カルチョビット』だって100時間単位で遊んでいましたし、『ゴーバケーション』や『ファミリーフィッシング』は「面白いものをたくさんつめこんでいる」ことを絶賛してきました。
実際、それらのゲームは「面白いこと」が次から次へと起こるので「プレイ時間が長いゲーム」とも思わなかったんですね。気が付けばずっとこのゲームばっかやっているなぁ、と。
結局のところ、「プレイ時間が長い!」と私が“文句”を言うゲームというのは、「プレイ時間が長い」ことが問題ではなく「つまらない」ことが問題なんだ――――という話も以前に書きましたっけ(笑)。
(関連記事:「ゲームに飽きるのは時間じゃないんだ」という当たり前な話)
ということで、今日語りたいのは「3」でも「1」でもないんです。
「2」の「短いけど面白いゲーム」についてです。
「プレイ時間の短いゲームを出したら、ネット上で“ボリュームが少ない”と叩かれるでしょう」というのが私にはどうしても納得がいきません。
例えば『ピクミン3』の時も、『神トラ2』の時も、「ネット上ではボリュームが少ないと非難されている」という話が出てきました。でも、それって「もっと長く遊びたかった」ってことじゃないんですか?
それは果たして「文句」なのか?「非難」なのか?
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最近のトレンドである「基本無料のオンラインゲーム」の場合は別ですけど、パッケージソフトでもダウンロードソフトでも「最初にソフトの価格を払う」ビジネスモデルの場合、プレイヤーが「もうこんなゲームは懲り懲りだ」と終わるよりも「あー!面白かった!」と終わった方が次に繋がるのです。
続編が出たら続編を買おうという気持ちになりますし。
同じスタッフの新作が出たらそれを買おうという気持ちになりますし。
この「○○」というメーカーは信頼できるなと思われますし。
「もっと長く遊びたかった」と思われるというのは、“次に繋がる”という視点で考えればそれほど悪いことではありませんし。ゲーム開発の1本辺りの期間が短かった頃、例えばファミコン時代の『ドラゴンクエスト』新作が行列を作るほどだったのなんかは、「新作への渇望」が強かったからだと思いますもの。
もちろん限度はあります。次の『ゼルダ』が「ダンジョン1コだけで2時間でエンディングです。定価8000円」ってもし言われたら「ふざけんじゃねえ!」と私も怒りますけど(笑)。
『神々のトライフォース2』くらいのダンジョン数(12コ)とプレイ時間(1周15~20時間くらい)で、「ボリュームが少ない」とか「プレイ時間が短い」と言われるのは、あまりに密度の高い楽しい時間すぎて「あっという間に終わってしまった」ように思えるだけじゃないかなぁと思うのです。私が『怪獣が出る金曜日』のやりこみ要素のたかが数時間を永遠に感じていたことの逆現象で。
この「文句」を真に受けられて、次回作ではマップが広大になったり、同じダンジョンに何度も潜らされたり、面倒な採集イベントが増えたりして、プレイ時間が倍になりました!って言われても、密度が2分の1に薄まっただけで全然楽しくなさそうですもの。
密度のことは置いといて……据置機の『ゼルダ』のプレイ時間って、携帯機『ゼルダ』の何倍もかかりますけど、別に売れていないですし。プレイ時間が増えたところで売上が上がるワケでもないと思うんですけどね。
そもそもですよ。
「プレイ時間の短いゲームを出したら、ネット上で“ボリュームが少ない”と叩かれるから出せない」というのなら、ネット上で「ダラダラとプレイ時間を引き延ばしているゲームはダメだ!」とこんなにも私が叩いているのにどうしてそういうゲームが出続けるんですか!
ここはネットじゃないんですか!私の意見だけ黙殺されるんですか!
……とまぁ、被害妄想は置いといて。
『ピクミン3』にしても、『神トラ2』にしても、「これくらいのボリュームが自分には丁度イイ」と言っている人はネット上でたくさん見かけます。プレイ時間の短いゲームを出すことに肯定的な人もちゃんとネットで発言しているんです。
それなのに、「ボリュームが少ない」「プレイ時間が短い」と言っている人だけを取り上げて「ネットで叩かれるからそういうゲームは出せないんだ」と言うのは、誉めている記事を無視して貶している記事ばかりをリツイートしているのと変わらなくないかって思うのです。ネットを勝手に「貶している人しかいない場所」と思わないでください!「誉めている人だってたくさんいる」んですよ!!
もう1ヶ月以上、プレイ中の『キミの勇者』を延々とdisっている私が言っても説得力が皆無な気もする(笑)。裏を返せば、プレイ時間の長いゲームは、何十時間もかけてクリアするまで他のゲームに手を出せない分だけブログでdisられ続けるということで。
むしろ、「4」の「短くてつまらないゲーム」の方がまだありがたいんじゃないかと思えてきた末期感。私は本当にゲーム好きなんだろうかと不安になってきました。面白いゲームが遊びたいなぁ……
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