
年末から、来年に掛けて雑誌の特集で必ずあるのが、「今年開店したベストレストラン」「今年一番通った新店レストラン」と言う企画。(私もBRIOの企画で今年登場しましたが。。) 今年は必ず、今回のタイトルにある店「カンテサンス」を挙げる人が沢山いるであろう。私も早々と「決定」したいと思う。この店、カンテサンスがフレンチレストラン2006年 最優秀新人賞である。(と言っても私に言われてもちっとも嬉しくないのであるが。。。すいません。生意気言いまして。)
今年の5月にOPEN。そして、エキサイトイズムの「フレンチ革命」でもカンテサンスを取り上げさせていただいている。6月に特集しているんだからウチもなかなか大したもんだ。白金台にあるこのお店。多分、半年後ぐらいには、かなり予約が取りにくい店になっているであろう。今が、狙い目である。
料理長は32歳の精鋭、岸田氏。恵比寿、そしてフランスの名店での修行を積んで堂々の料理長就任である。何と言うか、顔つきが良い。目が生きている。顔を見れば、この男が作る料理に決して誤魔化しは無いだろうと言うことが分かる。それでいて優しい表情。料理にも性格が表れている。優しそうに見えて芯の通った味。すっきりとして、深い味わい。こちらの料理はかみ締めるとかみ締めるほど味わい深い。ヘタな調味料も胡椒すら使わない。素材が見えない様なソースも使わない。彼の人柄そのものの料理が続くのである。彼を言い換えるなら、今ブームの斉藤投手の様なもんだ。「フレンチ界のハンカチ王子」である。(青いハンカチを持っているかいなかは、さだかではござらんが。)
野菜と魚の扱いがとても良い。別に奇をてらった演出をする訳でも無いし、オールドファッションでも無い。新鮮な岸田流の皿がとても楽しい。豊後水道の鯖を軽く火を入れ少し酸味を効かせた下味にグレープフルーツソースで頂く。これがぴったりと嵌まっている。美味しい。そして鯖の、青魚の嫌な部分を消している。この計算された美味さが憎い。
こちらで頂くフレンチはとても軽く頂ける。本質的には、昔のロオジェの様なしっかりした堂々としたフレンチが好きな私であるが、こうゆうフレンチ、素材がきっちり主張していて、一皿ずつしっかりと味わえるものもすばらしいと感じる事ができる。
最近のフレンチは、前菜は美味いんだが、メインに満足感が無い。斬新な感覚を感じ得ない。こちらではこの不満を打ち消してくれるであろう。まだOPENして4カ月ほどである。これからが楽しみだなあ。味が一番大切だが、フレンチは味だけではない。店、ワイン、ソムリエ、ウエイターさんすべてが洗練されていって名店となる。
こういう男らしい料理人がつくる繊細な料理をもっと色々な人に楽しんでもらいたいもんです。
決して宣伝ではないが、詳しくはエキサイトイズムでどうぞ。
URLはhttp://media.excite.co.jp/ism/101/index.html
山村幸広
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