原点にして最恐、鬼太郎の父たちの物語 鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 感想
- 2024/06/03
- 19:30
廃墟となっているかつての哭倉村に足を踏み入れた鬼太郎と目玉おやじ。
目玉おやじは、70年前にこの村で起こった出来事を想い出していた。
あの男との出会い、そして二人が立ち向かった運命について…
昭和31年─日本の政財界を裏で牛耳る龍賀一族によって支配されていた哭倉村。
血液銀行に勤める水木は当主・時貞の死の弔いを建前に野心と密命を背負い、また鬼太郎の父は妻を探すために、それぞれ村へと足を踏み入れた。
龍賀一族では、時貞の跡継ぎについて醜い争いが始まっていた。
そんな中、村の神社にて一族の一人が惨殺される。
それは恐ろしい怪奇の連鎖の本当の始まりだった。
鬼太郎の父たちの出会いと運命、圧倒的絶望の中で二人が見たものは─。
アマプラにゲ謎が来たね。
面白いという評判は公開当初から聞いていたものの、受動喫煙した感じではビターエンドっぽいので繊細なオタクである自分は見るのを躊躇していたんだけど、今回思い切って視聴。
覚悟してたけど、悪い。やっぱ辛えわ。
いや良質な伝奇物だったんですけどね。
一言で感想を言うと「なんで、みんなしあわせになれないのさあ!?」
時貞は頼むから死んでくれって思ったね。
もし、わたしが悪い子になったら水木様は叱ってくれますか?
「I beg youを歌うのが上手い女」と評判の沙代はどうすればよかったんだろうな。姉三人の姿が「どんな選択を選んでもBADだよ」と暗に言ってるのがえぐくない?
強姦しようとした時麿を殺した時はまだ被害者。
脅迫してきた丙江を殺した時はギリ被害者。
高圧的であってもおかしな事は言ってない庚子を殺した時はもう加害者。
虎杖の、一度人を殺したら「殺す」って選択肢が生活に入り込むという台詞を体現してたな。
水木は衛宮士郎にはなりえなかったが、数日しか経ってない割には大分親身になってくれたよね。
子供を性的搾取しない大人だから沙代は惹かれた面はあるだろうから上手く行かないもんだ。
それはそうと「水木」のイントネーションが「水着」だったのは意外。てっきり水樹奈々と同じかと。
『ちゃんちゃんこがあれば狂骨に襲われない→じゃあゲゲ郎の奥さんに着せるか』出来るお前はすげえよ。
これなら水神に襲われても見捨てられる事はなさそう。
鬼太郎のお母さん、猫娘に似てる。
奥さんや同胞をあんな目に遭わされても人間を見捨てないでいてくれたゲゲ郎。すまねえすまねえ……
咳してる子供がいるのに平然とタバコを吸う乗客の描写、単純に昭和のクソっぷりを描写してると思ってたんだけど、終盤あの……咳してる屍人がいるんですが……
序盤(戦後十年の田舎にあれだけの電柱やアイス屋があるもんなんだ。でもこの時代のインフラ事情には詳しくないから迂闊な事は言わんでおこ)と思ってたけど豊かなのは血液製剤Mのお陰かー……
このクソ因習村は全滅して良かったよ。
もっともあの時代の村社会だから良心が咎めるけど反抗すると生きていけないから仕方なく従ってる村人もいそうだけども。
ただの狂骨ではありません。ド級の狂骨。ド狂骨です。
沙代が「I beg you」なら乙米と長田の関係性は「花の唄」っぽい。春琴抄の要素も入ってると聞いて「なるほどー」となった。
ずっと「奥様」と呼んでた長田が最後の最後に「乙米様」と呼んだのには胸が締め付けられる。
在りし日、近所に住む美人で優しいお姉さんが慰み物にされてると知って脳破壊された長田少年がいたんだろうな。
乙長に脳を焼かれてるけどふとした拍子に庚子さんの事を思い出す。陰のあるくぎゅの演技はエロいよね。
彼女にとっては時ちゃんが唯一の心の支えだったんだろう。マブイ移しされた時ちゃんを見る前に死ねたのはある意味では幸い……いやでもこれを幸せとは言いたくないな……
しかし、劇中の描写を踏まえると時ちゃんも時貞の子供っぽいよな。
庚子と比べて長田が時ちゃんの事に碌に触れないのも「あっ……」ってなる。病弱なのも近親相姦の影響だったりするんだろうか。
悪徳に見えるけど作中では結構良い人じゃない? と評判の克典社長。
実際はそれなりにあくどい事に手を染めてるんだろうけど時代が時代だしね。
政略結婚が普通な時代に「娘が水木の事を好きっぽいから結婚させてやるか」ってなるだけでも善人。
まあ、哭倉村で余所者扱いされてるから水木を仲間に引き入れたかったってのもありそうだけど。
社長視点の水木って時貞の死を嗅ぎつけてすぐに駆けつける目端の利く男だから気に入るのも分かる。
劇中ではよく分からないうちに死んで終盤になって沙代をレイプしようとしたと明かされて株がただ下がりの時麿だけど、ねずみ男には「坊ちゃん」と呼ばれて仲良さそうな雰囲気があったんで根は悪い奴じゃなさそうなんだよな。自室の時貞の写真は切り裂かれてるし、内面はかなり複雑そう。
っていうかマジでねずみ男との関係が気になりすぎる。
視聴し終わったら色んな妄想が頭をよぎる。
丙江と駆け落ちした男が裏鬼道衆に殺された後に狂骨になって沙代が時麿を殺さないようにしたりゲゲ郎と共同戦線を張ったり長田を仲間に加えたり。
最期は丙江に幸せになるように言い残して成仏。
脳内柱間「沙代が桜ポジなら凛ちゃんポジのオリキャラを出そうぞ! ついでに春琴抄要素も加えて乙米と長田の娘という事にしようぞ!」
色んなネタは思い浮かぶけどとりあえず水木と沙代は東京でクリームソーダを喫してほしいし時ちゃんに川上の試合を見せてあげてえよ。
監督:古賀豪
脚本:吉野弘幸
音楽:川井憲次
キャラクターデザイン:谷田部透湖
美術監督:市岡茉衣
色彩設定:横山さよ子
撮影監督:石川智之
製作担当:澤守洸 堀越圭文
制作:東映アニメーション
鬼太郎の父(かつての目玉おやじ):関俊彦
水木:木内秀信
龍賀沙代:種﨑敦美
長田時弥:小林由美子
龍賀時貞:白鳥哲
龍賀時磨:飛田展男
龍賀孝三:中井和哉
龍賀乙米:沢海陽子
龍賀克典:山路和弘
龍賀丙江:皆口裕子
長田(龍賀)庚子:釘宮理恵
長田幻治:石田彰
ある謎の少年:古川登志夫
鬼太郎:沢城みゆき
ねこ娘:庄司宇芽香
山田:松風雅也
目玉おやじ:野沢雅子
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