「皇太子妃きまる 正田美智子さん」!…列島が興奮、1958年の皇太子妃発表をカラー化
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読売新聞の夕刊企画「Color the News」では、モノクロ(白黒)で残された昔のニュース写真を、AI(人工知能)の力を借りてカラー化している。
今回は1958年(昭和33年)11月、皇太子殿下(現在の上皇さま)のご婚約相手が正田美智子さん(現在の上皇后美智子さま)に決まった時の様子をカラーリングした。
最初の写真は、皇室会議で婚約が決まったと発表された直後、写真撮影に応じられる皇太子殿下。そして、宮内庁の迎えの車に乗り、ご両親とともに皇居に着いた美智子さんだ。こんな時は誰でも緊張で顔がこわばるのではないかと思うが、お二人とも自然体で晴れやかな笑顔である。
カラーリング作業は、男性はモーニング、美智子さんもシックな装いなので苦労は少なかった。美智子さんの母親の着物の色はAIには少し難しかったようだが、当時の写真集などにカラー写真が載っており、これを参考に補色した。
次の写真は、婚約が決まった後、久しぶりにテニスを楽しまれるお二人。そもそも出会いが軽井沢のテニスコートであり、「テニスコートの恋」と呼ばれたのだから、取材できる記者たちは大喜びしたことだろう。
この場面も当時のカメラマンは基本的にモノクロフィルムで撮っているが、お二人がコートサイドで休憩されているところをカラーでも撮っていた。AIはテニスコートを芝と判断してざっくり緑色にしたが、カラー写真を見ると土のクレーコート。確かに当時はまだ、芝のコートはほとんどなかったと思われ、こうしたところはカラー写真をもとに補整している。
最後は、皇室の慶事に喜ぶ街の様子である。東京・下町の繁華街で「皇太子さま おめでとう!!」という看板の隣にもう一つ、「映画又は温泉に御招待!」という看板が並んでいる。当時の記事を見ると、誕生日が皇太子殿下と同じ男性と、美智子さんと同じ女性を招待するということらしい。祝賀に便乗したキャンペーンというわけで、商魂のたくましさに感心してしまう。また、町内会あげて日の丸を掲げているのは、東京の隅田川に近い下町だが、歩道は中央のみにブロックが敷いてある。こうした街と人々の様子に時代が感じられる。