維新、「無駄削減」イメージの維持に苦心…万博・会場建設費の膨張や議員報酬巡るルール違反
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日本維新の会が「身を切る改革」「無駄削減」といった看板イメージの維持に苦心している。議員報酬削減に取り組まない所属議員に厳しい処分を連発し、大阪・関西万博の会場建設費が膨張している問題で政府の負担を主張しているが、「執行部の責任回避だ」との批判が出ている。
「身を切る改革は維新の一丁目一番地だ。できないという方は維新を去っていただかないとしかたがない」
維新の馬場代表は29日、大阪市内で記者団にこう強調した。
馬場氏が言及したように、維新では最近、「身を切る改革」を怠り、処分を受ける地方議員が相次いでいる。
維新は、所属議員に議員報酬の一部を被災地などに寄付するよう義務づけているが、これに違反したとして、今月20日付で富山県射水市議に除名処分を、10日には、和歌山県議に離党勧告処分を下した。
党や党支部に対して禁止している企業・団体からの寄付を巡っては、今夏の党内調査で、梅村聡参院議員が政治団体を通じ、日本医師連盟から受け取っていたことが判明した。このため、大阪市内で29日に開いた党常任役員会で、後援会などの関係団体を含め、献金受け取りの全面禁止を党規約に明記する方針を決めた。
さらに、維新幹部が「無駄削減の改革イメージに逆行する」と、最も頭を痛めているのが万博の会場建設費問題だ。
維新が誘致を主導した万博では、会場建設費が想定の2倍近い2350億円に膨らむ見通しとなった。維新は「万博は国家イベントということが前提だ」(馬場氏)などと、国に責任転嫁する姿勢を強めている。
もっとも、自民党からは「建設費膨張は大阪府や大阪市の甘い見立てが招いた」との批判や、「普段は税金の無駄遣いを追及しているのに虫が良すぎる」と皮肉る声が出ている。維新の中堅国会議員は「党勢の急拡大で議員の不祥事が続発している問題も含め、党のイメージ低下を巡る執行部の責任は大きい」と指摘した。