「富士山と五重塔を一望」でインバウンド殺到の公園、4月から駐車場有料化へ
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富士山と五重塔が一望できる眺めに観光客が殺到している山梨県富士吉田市の新倉山浅間公園について、同市が公園の駐車場を有料化する方針を固めたことがわかった。公園周辺で深刻化している渋滞や、交通誘導員の配置やトイレ清掃などに充てられる多額の支出を緩和することが狙い。早ければ新年度から駐車料の徴収を始める。
市によると、同公園の来園者数は、昨年1年間で前年比3割増の約151万人となり、過去最多を記録。「観光のオフシーズン」(市担当者)とされていた冬季も、雪化粧した富士山を撮影しようと多くの外国人観光客らが訪れている。
ただ、公園周辺は住宅密集地で、道路も狭く複雑なことから日常的に渋滞が起きており、市には近隣住民から苦情が寄せられている。こうした状況に、市は車両の誘導員を配置しているほか、今年度は周辺に新たな駐車場2か所(計約70台分)を整備するといった対策を取っている。ただ、対策費は毎年のようにふくれ続けており、昨年度は公園の誘導員やトイレ清掃などに約8000万円を支出。公園駐車場を有料化すべきだとの声が庁内でも上がっていた。
市関係者によると、有料化を予定しているのは、近くの公園駐車場4か所(計約200台)。料金は1000~2000円の間で協議を進めていくとみられ、任意ではなく、利用者全員から徴収する方針だ。
また、公園から遠い駐車場は料金を安くする案も浮上している。
離れた場所に分散して止めてもらうことで渋滞を少しでも緩和させるほか、市中心部に近い駐車場に止めることで、観光客らに市内を回遊してもらい、経済効果を高める目的もある。
市では、2月に臨時の市議会を開き、料金規定を盛り込んだ条例案を提出することなどを想定。その後、料金徴収業者なども市議会で決定した上で、4月1日からの有料化を目指す。