「コンパクトシティー」推進10年、見えぬ効果…郊外住民「中心部に住むメリット感じない」

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 人口減少が進む中、都市機能を集約して行政機能を効率化する「コンパクトシティー」構想を進めるための「立地適正化計画制度」が導入されてから今年で10年となる。500以上の自治体が計画を策定しているが、その効果は見えにくい。人口データを分析すると、郊外の人口増加を抑制しきれていない現状が見えてきた。(高松総局 山本貴大、社会部 松田卓也)

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537市町村

居住誘導区域外で人口が増えている高松市三谷町。「宅地分譲中」と書かれたのぼりが立っている(高松市で)=近藤誠撮影
居住誘導区域外で人口が増えている高松市三谷町。「宅地分譲中」と書かれたのぼりが立っている(高松市で)=近藤誠撮影

 立地適正化計画制度は、2014年8月施行の改正都市再生特別措置法で導入された。住民に居住を促す「居住誘導区域」や、病院や商業施設などを集約する「都市機能誘導区域」などを自治体が設定する。道路や上下水道の維持コストを抑える効果があるとされ、国土交通省によると、昨年12月現在、全市町村の3分の1近い537市町村が計画を策定している。

 居住誘導区域で人口が増え、区域外で減少するのが理想的とされる。

 しかし、読売新聞が県庁所在市で計画を策定している39市について、15年と20年の国勢調査の人口データを500メートル四方ごとに分析したところ、39市の大半で区域外で人口増加している部分が確認できた。

にじみ出し

 高松市もその一つだ。都市計画課の担当者は「中心部に人口を誘導しようとしているが、郊外への『にじみ出し』が起きている」とこぼす。

 市は00年代からコンパクトなまちづくりに取り組んできた。18年3月に立地適正化計画を策定し、市中心部の約60平方キロ・メートルを居住誘導区域に設定。区域内の人口は16年、1年間で約500人の転出超過だったが、28年に約700人の転入超過に転換する目標を掲げた。

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