1日の長さに1秒加える「うるう秒」廃止へ…1972年導入、システム障害の懸念で国連機関が決議
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国連の専門機関・国際電気通信連合(ITU)の会議は11日、1日の長さに1秒を加える「うるう秒」を、原則2035年までに廃止するとした決議案を採択した。うるう秒を追加する度に、コンピューターなどでシステム障害が発生するリスクが高まるためで、ITUが廃止を検討してきた。

世界の標準時刻は、高精度な原子時計に基づき決められている。だが、地球が1回自転する時間で決まる1日の長さは、海流や大気などの影響で自転速度が不規則に変わるため、徐々に世界標準時とずれが生じる。
うるう秒は、ずれを0・9秒以内に補正するため1972年に導入され、過去に計27回、世界一斉に実施された。しかし、時間調整の失敗によるシステム障害への懸念が国際的に高まり、廃止を求める声が出ていた。
そこでアラブ首長国連邦(UAE)・ドバイで開催中のITUの会議は11日、システム更新などの準備を経て、うるう秒を原則2035年までに廃止するとした決議案を採択。40年まで延長可能とする猶予を設けるほか、ずれの上限を現在の0・9秒以内から、「短くとも100秒」に延ばすべきだとした。
廃止には世界標準時を管理する「国際度量衡総会」での合意も必要で、同総会は昨年11月に決議したが、ロシアは当時、衛星測位システムの改修に時間が必要として反対。今回は、40年までの延長を可能にすべきだとした同国の主張が決議案に反映され、賛成に転じた。
総務省によると、日本を含む多くの国は、システム改修の必要がなく、廃止による影響は限定的という。