日本で朝鮮学校の校長を務めていた金吉旭容疑者、韓国で服役…日本側は正式に身柄引き渡し求めず
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北朝鮮による日本人拉致事件で、国際手配されている容疑者のうち1人が死亡した可能性が高いことが判明した。最初の日本人拉致から今年で46年。関係者の高齢化が進み、真相究明や全面解決のために残された時間は短くなっている。(建石剛、菅原智)
重要人物
「北朝鮮の大物工作員である

韓国籍の金容疑者は日本から韓国に渡航した1985年、原
判決などによると、金容疑者は49年に韓国から来日して大阪で生活。55年に在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)に入り、朝鮮学校の校長も務めた。
日本に密入国していた辛容疑者と76年に知り合い、対韓工作への協力を求められた。ひそかに北朝鮮・
韓国で逮捕された際、原さん拉致を認め、謝罪の言葉も述べたという。だが、警視庁が2000年に韓国当局を通じて説明を求めると一転して拉致への関与を否定していた。
日韓は02年に「犯罪人引き渡し条約」を結んでいるが、日本政府は金容疑者が韓国で原さん拉致に関わる罪で服役したことや、辛容疑者の指示で動いた共犯者にとどまることなどから、正式に身柄の引き渡しを求めてこなかった。
捜査関係者は「事態が動くことに備え、逮捕状の更新を続けていた。本格的な取り調べを行い、真相に一歩でも近づきたかった」と話した。
残る10人は北滞在
一連の拉致で国際手配されているのは男女11人。金容疑者以外の10人はいずれも北朝鮮にいるとみられ、政府は北朝鮮に身柄の引き渡しを要求している。
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