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宗像市とJR九州は2日、同市で収穫したばかりの新鮮な野菜を特急列車で福岡市へ輸送し、その日のうちに販売して消費者に届ける事業を試験的に行った。
宗像市産業政策課によると、物流ドライバーの不足が社会問題となる中、時間が正確で速く、環境に優しい鉄道に着目。通常の小口配送は翌日の到着になるが、鉄道輸送でその日に着くことで、販路の拡大や、より新鮮という付加価値を付けた販売が見込めるという。
この日は、市内三つの農家が育て、2日朝までに収穫したサツマイモやカボチャ、ナス、ピーマンなどの夏野菜約70キロを、生産者が赤間駅(宗像市)に搬入。通勤や買い物の乗客で混み合う特急ソニックに、「朝採れ野菜 ソニックで即日輸送中」の札を下げたコンテナで積み込んだ。
鉄路で31・7キロ離れた博多駅(福岡市)には27分で到着。野菜は駅前で開かれている自転車の国際ロードレース「ツール・ド・九州」のPRイベント会場で即売された。
農家の伊津玲奈さん(43)は「地元で販売している道の駅のように新鮮な状態で遠方まで届けられれば、販路も広がってくる」と期待を寄せた。