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奈良教育大付属小(奈良市)で授業が学習指導要領に沿って行われず、授業時間の不足や履修漏れが9教科計31項目で生じていることが、同大学の調査でわかった。大学は17日にも調査結果を公表する。同小では、卒業生も含めて時間が不足した教科の補習などを実施し、再発防止に向けて管理運営体制を見直す。
学校関係者によると、昨年5月に外部からの指摘があり、大学が調査委員会を設置。在籍児童527人を対象に調査を行った。
その結果、国語、社会、理科、音楽、図画工作、体育、外国語、道徳、外国語活動の9教科で学習指導要領に反した不適切な指導が確認された。
国語では、3年生以上で年30時間程度の指導が必要な「毛筆」の授業を行わず、現在の6年生は最大120時間の授業が不足していた。道徳は、授業をほぼ実施しておらず、1~6年生で各32~33時間不足していた。
また、授業時間は十分でも、学習指導要領に沿った内容を教えない「指導不足」、3年生の内容を4年生で教える「年次違い」などの不適切な指導もあった。
調査では、不適切な指導が広く行われた要因として、同小では職員会議を「最高議決機関」と位置付けるなど、教員の裁量が大きく、校長のガバナンスが機能していなかったことを挙げた。