若手社員が玉転がしや二人三脚、古くさい社内行事で喜び合う…在宅勤務増え初対面も

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 [New門]は、旬のニュースを記者が解き明かすコーナーです。今回のテーマは「企業運動会」。

 古くさい社内行事として敬遠されがちだった企業運動会が、コロナ下で脚光を浴びている。テレワークが広がる中、社員同士のコミュニケーション不足を解消しようと積極的に採り入れる企業が相次いでいる。

入社から在宅勤務 親睦の機会に

 昨年12月の週末、東京都江東区のスポーツ施設で、鉢巻き姿の若者約30人が徒競走や二人三脚に汗を流していた。ソフトウェア大手「SAPジャパン」(東京)の顧客企業などでつくる交流団体の若手が企画した「大運動会」だ。

 この日は商社やメーカーなど幅広い業種の若手社員が集まった。ほぼ初対面の顔ぶれだったが、チーム対抗の種目で勝敗が決まるたびにハイタッチで喜び合う姿が見られた。

 発案したSAPジャパンの川辺未来さん(24)は「自分も含めて今の若手社員は入社当初から在宅勤務が中心で、仕事の悩みを周りに相談しにくい。運動会を通じて仲が深まる」と意義を語る。

 インターネット広告大手サイバーエージェントの子会社「サイバーエース」(東京)も昨年10月、埼玉県所沢市で初めて社内運動会を行ったところ、約150人が参加した。大玉転がしや障害物競走などで盛り上がった。

 社内の活性化担当として運動会を企画した永吉恵さん(32)は「従業員数が増え、顔と名前が一致しなくなっていた。部署を織り交ぜたチームにして、団結力を確認できた」と話した。

参加者が「安心」

 こうした企業運動会を支援する企業もある。2007年創業の「運動会屋」(東京)は、会場や競技用具の手配、プログラム運営などを請け負う。コロナ前は年間200件以上の運動会を手がけることもあったが、20年は45件に激減した。

 打開策として20年6月、パソコンやスマートフォン上で競技に参加する「オンライン運動会」を始めると、21年は195件、22年は185件に急回復した。今後はメタバース(仮想空間)での開催も予定している。

 多くの企業の運動会を手がける中、米司隆明社長(42)は、コロナ禍に伴って参加者の心理にも変化を感じるという。「運動会の後、参加者から『安心した』という感想を聞くことが増えた」。職場の仲間とのつながりの希薄化や、会社への帰属意識への揺らぎが背景にあると考えている。

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