三省堂の神保町本店が一時閉店、社長「本にしおりを挟むのと同じです」
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本の街「神保町」を象徴する存在として親しまれてきた東京都千代田区の三省堂書店神保町本店が8日、建て替えのため一時閉店した。ビルの老朽化が進んだことなどが理由という。建て替え中は近くの仮店舗で営業し、2025年に新店舗での開業を予定している。
1981年にオープンした現在の店舗は、6階まで売り場があり、約140万冊を扱っていた。同新宿区の紀伊国屋書店新宿本店などと並び、都内の大型書店の先駆けだった。本の街らしく、文芸や人文書などの書籍に詳しい店員が多かった。近年は話題の新刊を塔のように積み上げて売る「タワー積み」などが名物となっていた。
元店員の女性(57)は、「村上春樹さんの『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』は発売のとき、タワー積みをして1日2000冊が売れました」と懐かしんだ。
「お店で働く前の学生時代から訪れた思い出の店でした。本の好きなお客さんが多く、こんなことを知らないのかと怒られることもありました」という。
閉店後の午後8時半から正面入り口で行われたセレモニーで、三省堂書店の亀井崇雄社長(46)は「一時閉店をさせていただきますが、これは本にしおりを挟むのと同じようにまた物語を再開するのに必要なステップです。我々はこの時代の大転換期に第二の創業のつもりで次世代の新しい書店を目指す挑戦をすることにいたしました」とあいさつした。
一時閉店後は、6月1日から近くの仮店舗で営業を行う。