温泉ブログ 山と温泉のきろく

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【2食付き2万円以下】2023年に1人で泊まったコスパ最強の温泉宿ベスト10を今更ながら発表する

1泊2食付き2万円以下の宿で、コスパ重視の総合ベスト10を選出した

2024年も間もなく終わるタイミングでの公開となり恐縮ですが、本稿は「2023年に泊まった温泉宿」の振り返り記事です。これを公開せずには年を越せないので……なんとか更新できて良かった!

本稿では、私自身が2023年に泊まった宿の中から「2食付き2万円以下で1人で泊まれる」宿限定でご紹介しています。

先に公開済みの「2023年に泊まった温泉宿で「部屋」「風呂」「食事」が良かったおすすめ宿ランキングを発表する」では、2023年に泊まった宿の中で「部屋・建物」「風呂」「食事」の3項目について「突出して良かった宿」のベスト3をそれぞれ選定しました。

「食事」や「部屋」部門では特に、宿泊料金の高い宿が上位に入りやすい傾向があります。なので「すごく印象が良かったけど項目ごとのランキングには入らなかった」宿がいくつもあるのです。

そこで、2023年に泊まった宿の中から「1泊2食付で2万円以内で泊まれる」宿に限定して「コスパも重視していろんな要素を総合的に見た」ランキングを作成しました。

また、一人旅で利用しやすい温泉宿については、発売中の著書でもたくさん紹介していますので、ぜひ、お手に取っていただけますと幸いです。

「部屋」「風呂」「夕食」「朝食」「サービス」「コスパ」を5点満点で採点し、平均点を出した

ランキングの選出方法としては、下記の6項目を★5つを満点として採点し(☆は0.5とする)平均点がより高かった宿を1位としました。

たとえばこんな風に。

部屋  :★★★ 3
風呂  :★★★★ 4
夕食  :★★★★★ 5
朝食  :★★★★★ 5
サービス:★★★★ 4
コスパ  :★★★★☆ 4.5
---------------------------

平均:4.25

この場合、この宿の得点は「4.25点」ですが、小数点第2位以下を四捨五入して、4.3点とします。
また「4.3点」の宿が複数あった場合は、今回は「コスパ重視のランキング」ですので、2食付きの宿泊料金が安いほうの宿を上位とします。

ちなみに料金は宿泊時点のものではなく、記事を公開した2024年12月時点のものを基準としています。

「1人で1泊2食付きで泊まったとき」の最低料金で比較していますが「ゲストハウスなどの相部屋に宿泊するプラン」は含まず、すべて個室に宿泊した際の宿泊料金を適用します。また、私自身が宿泊した際は「2食付きの最低料金のプラン」で宿泊しているとは限りません。最低料金のプランで宿泊した際は掲載している写真とは食事内容や客室が異なる場合もありますので、その点はご承知おきください。

このやり方で2023年に宿泊した「1泊2食付き2万円以下で宿泊できるすべての宿」を採点し、上位10位までを発表したいと思います。

★の数について

★★★★★ すばらしい!
★★★★  文句ない
★★★   普通
★★    これはちょっと……
★     ありえん!

これまでも同様の採点方法で毎年ランキングを発表しており、今回が7回目です。
2019年版までは「2食付き2万円までの宿」という縛りは設けていなかったのですが、2020年以降は「リーズナブルに泊まれる宿」によりスポットを当てたいという思いから2万円以内で泊まれる宿のみを選定対象としています。

以下、採点基準については昨年までと同様になりますが、転載します。

「部屋」の採点基準

「居室や共有部分の清潔感」「居心地の良さ」「宿泊料金に見合った設備があるか」などを総合的に判断しています。あとは、私の好みです。

「部屋」に関する私の好みに関しては、こちらの記事に書いています。

「風呂」の採点基準

「泉質が良いか」「浴室や脱衣所の清潔感」「宿泊料金に見合った設備・アメニティがあるか」「湯温の調節は適切か」などを総合的に判断しています。
あとは好みですが……私がチェックしがちなポイントについては下記記事をご参照ください。

「夕食」「朝食」の採点基準

「味」「料理の提供温度・スピード」「飲み物の種類の多さや、スムーズに注文できるか」「盛り付けがきれいか」などを総合的に判断しています。
あとは「鍋にいきなり火を点けないか」とかですかね……、まあ、私の好みです。

「サービス」の採点基準

過剰なサービスが好きなタイプではないので、いわゆる「旅館らしい接客」を良しとするわけではありません。たとえば、チェックイン後はスタッフと顔を合わせることがほぼなかったとしても、必要な案内書きがきちんと部屋に置いてあったりで滞在中に困ることがなければ、それはそれで「サービスのいい宿だな」と思います。
空気を読んでくれるか、気を利かせてくれるか、普通に接客が丁寧か。
公共交通機関利用なので、最寄り駅・あるいは最寄りのバス停まで遠い宿なら送迎してくれるか、は加味している気がします。

明確な基準を設けているわけではないですが、ある程度の本数、近くまで路線バスが通っている宿であれば「バスを使ってください」で、問題ないと思っています。路線バス、使う人がいなくてなくなるのは困りますもんね……。

「コスパ」の採点基準

「この値段でこれはすごいなー」と思える部分があったら、点を上げています。

平均点がまったく同じだった場合は、2食付きの宿泊料金が安いほうの宿を上位とします。
採点基準については以上です。

では、泊まって良かったコスパ最高の温泉宿ベスト10を発表!

表示している価格についてはすべて「1人で泊まった場合の税込価格」になります。
今回のランキングには「1人で予約できない宿」は含まれていません。

ただし「土曜日など休前日は1人泊の設定がない宿」もありますので、それについては各宿の説明に付け加えています。

第10位 4.3点:宮城県 青根温泉 湯元不忘閣

【部屋】★★★★4【風呂】★★★★★5
【夕食】★★★★★5
【朝食】★★★★☆4.5
【サービス】★★★★4【コスパ】★★★☆3.5

10位は蔵王連峰の宮城県側の温泉地、青根温泉にある湯元不忘閣。青根温泉まではバス便はありませんが、仙台駅、あるいは白石蔵王駅からバスで遠刈田温泉に向かい、遠刈田温泉から宿の送迎を利用できます。

かつて仙台藩伊達氏の「御殿湯」が置かれ、代々伊達家の湯治場として利用されてきた歴史ある宿で、藩主のための宿所であった「青根御殿」が、今も敷地内に残されています。

2017年に初めて泊まってから何度も泊まっているお気に入りの宿で、2023年が4度目の宿泊でした。「コスパ最強のランキング」にも過去、2018年4位、2021年2位にランクインしています。

2食付き19800円から、平日のみ1人泊可能です。ちなみに2018年、2021年と比較するとそれぞれ1000円ぐらいずつアップしていますが、お湯と食事のすばらしさ、有形文化財指定された建物の維持費なんかを考えると、2万円以内で泊まれるなんて本当にありがたい宿だなと思うばかりです。

宿泊レポートはこちら↑に公開しています。

【2食付き19,800円~】浴室の雰囲気も湯も抜群!食事もお値段以上の内容で大変おいしい

湯元不忘閣に1人で泊まれる部屋は「不忘庵」という棟にある和室です。エレベーターはなく、長い階段を上っていくことになります。3~4階分はあるんじゃないかと。

食事処や浴室に行く際は毎回この階段を上り降りすることになります。

建物は古いのですが、客室内は洗面トイレ付き。冷蔵庫や空気清浄機、エアコンも設置されていて至極快適です。ただし客室内でのWi-Fiの利用は、2023年8月の宿泊日時点ではできませんでした。スマホの電波はしっかりありました。

1階の浴室が集まっているエリアにはお休み処があり、コーヒーやお茶、日本酒などを自由に飲むことができます。ちなみにこのお休み処ではWi-Fiの利用が可能です。

湯元不忘閣の浴室や食事処があるエリアは有形文化財に指定されており、あちらこちらで趣ある建物の雰囲気を楽しむことができます。

浴室もたくさんあり、空いているときに貸切利用できる浴室が2ヶ所あります。こぢんまりとした半露天風呂の「亥之輔の湯」と蔵を改築した「蔵湯」です。

特に蔵湯はかなり人気が高いので、早めのチェックインがお勧めです。

このほかに、シャワー付きの洗い場のある共同浴室が2ヶ所と、「新湯」「大湯」という浴室があり、これらの浴室は時間帯で男湯女湯が交換となります。貸切風呂を含めて、全6ヶ所の浴室に入ることができます。

中でも私のお気に入りは、かつて伊達家が使用した浴室を、当時の素材を一部残した上で復元した「大湯」です。

広々としていて独特の雰囲気があり、広いけれど湯の新鮮さも感じられます。湯も適温でいつまでも入っていられそうなすばらしい浴室です。

食事は朝夕共に個室食事処でいただきます。

最初に並んでいる前菜や先付けは、いずれも見た目にも美しく、お酒が進むものばかり。

日本酒の品揃えはそれほど多くないものの、青根温泉オリジナルの日本酒をはじめ、宮城県内の地酒が何種類かありますので冷酒を1合いただきます。酒器も凝っていて素敵でした。

山の宿ですが、お刺身も新鮮であしらいも美しい。

1品ずつ出来たてを運んでいただけるのもありがたいですね。

お凌ぎには手打ち蕎麦。

ご飯と一緒になんとくじら汁が。バラエティに富んでいて味も良く、満足度の高い夕食でした。

朝食も品数豊富でおいしく。今回が4度目の宿泊でしたが、また必ず泊まりに行きたいと思っています。

第9位 4.3点:新潟県 越後松之山温泉 凌雲閣

【部屋】★★★★★5【風呂】★★★★☆4.5
【夕食】★★★★☆4.5
【朝食】★★★★4
【サービス】★★★★4【コスパ】★★★★4

9位は新潟県松之山温泉の凌雲閣を選出しました。
有形文化財指定されている本館の建物・客室が風情あってすばらしいのですが、客室を細かく指定しなければ、2食付き17,600円から宿泊可能です。2023年の宿泊当時は土曜日も1人で泊まれたのですが、現在は平日のみ1人泊のプランが出ているようです。

最寄り駅はほくほく線のまつだい駅で、駅から松之山温泉までは路線バスの運行もあります。

また、1日1往復のみですが宿でもまつだい駅まで送迎を行っています。迎えは15時21分に駅前を出発するのですが、私は15時にチェックインしたかったので、路線バスで早めに松之山温泉に着いて共同湯に立ち寄り、翌日朝だけ送迎を利用させてもらいました。

送迎についても含め、宿泊レポート↓に詳しく書いています。

【2食付き17,600円~】春に宿泊したので山菜がおいしく、地酒の利き酒セットも楽しめた

凌雲閣は昭和13年築の木造3階建ての本館と、浴室や食事処のある鉄筋の別館の2つの棟があります。

宿泊したのは本館で、建物は古いのですがどこもかしこもピカピカに磨きあげられており、共同のトイレなどの設備も新しく快適に過ごせました。

本館の客室は1室ごとに意匠が異なり、天井に将棋盤や碁盤などがあしらわれた「鏡の間」が人気のようです。

客室を指定したプランだと少し料金が高くなりますが「本館」か「別館」かだけを指定する場合は、2食付き17600円から宿泊可能です。私は306号室の「千草」の間に案内していただきました。

お茶うけが新潟名物の笹団子なのがうれしいですね。

ちなみに、本館はWi-Fi利用が可能ですが、別館はWi-Fi非対応でした。
他に違いとしては、別館は客室にバス・トイレ付きですが本館は洗面所・トイレは共同です。宿泊レポートに詳細を書いていますので、ご参考まで。

浴室は、時間帯で男女が交換となる大浴場が2ヶ所と、空いているときに貸切で利用できる貸切風呂が1ヶ所あります。

まるでバスクリンを入れたかのような緑がかった源泉ですが、もちろん入浴剤を使用しているわけではありません。源泉の成分が時間の経過によって色づくそうで、松之山温泉の独特の薬っぽい香りと共に、他ではなかなか味わえない湯の個性を楽しめます。

ちなみに凌雲閣の大浴場は、湯口からは新しいお湯が注がれて、浴槽内は循環しているという方式なのですが、お湯の個性が強いため消毒臭などを感じることはありませんでした。

また、空いているときに貸切利用できる小浴室は、源泉かけ流しです。

こちらはお湯の緑色は薄いのですが、その分鮮度の高いフレッシュな源泉を楽しめます。

夕食は、畳にテーブルを設置した食事処でいただきました。地物食材が豊富に使われて品数も豊富です。

宿泊したのが4月だったこともあり、山菜料理がたくさん並んだのがうれしかったですね。「山菜料理がおいしい温泉宿」の記事でも紹介しています。

また、9種類の地酒から好みの3種を選んで利き酒セットを注文できるのもうれしい!

地酒のラインナップには女将のこだわりが感じられ、どれもおいしいお酒ばかりでした。

「つなんポークの豚しゃぶ」は豚肉の肉質がよく、野菜もたっぷり食べれるのが素敵。

後から揚げたてを持ってきてくれた天ぷらには、このあたりの名産である「雪下にんじん」が入っていて、にんじんとは思えないほどの甘みに驚きました。

デザートの白ワインゼリーは妙高産のワインを使って手作りされているそうで、上品な味わいで大変おいしかったです。

朝食は、夕食をいただいたのとは別の食事処で。

ぜんまいの煮物がしみじみとおいしく、なめこのお味噌汁と共に魚沼産コシヒカリを朝からたくさんいただいてしまいました。

第8位 4.3点:岐阜県 新平湯温泉 藤屋

【部屋】★★★★4【風呂】★★★★☆4.5
【夕食】★★★★★5【朝食】★★★★☆4.5
【サービス】★★★★4【コスパ】★★★★4

岐阜県奥飛騨温泉郷の新平湯温泉藤屋は、2016年に登山帰りに初めて泊まって以来、何度も宿泊しているお気に入りの宿です。2023年が5度目の宿泊でした。やはり、食事がおいしくてお湯も良くて部屋もそれなりに快適な宿に2万円以下で泊まれるとなると、何度も泊まりに来てしまいますね。

首都圏からアクセスする場合は、特急あずさで松本駅まで来て、松本からバスで平湯温泉に向かい、平湯温泉から新穂高ロープウェイ行きのバスに乗って「古屋ヶ根」というバス停で降りると目の前です。

松本ー平湯温泉間のバスは2024年4月から予約制となったのでご注意ください。

高山ほどではありませんが奥飛騨も上高地と共に外国人観光客に人気が出てしまい、星野リゾートもやってきたし、物価高騰もあって宿泊料金が高騰している宿もあります。

新平湯温泉藤屋の1泊2食付きのプランは1人泊の場合16,500円から。土曜日も1人泊可能です。本当にありがたい宿です。5回泊まっていますがまた泊まりに行きたい。

宿泊レポートも公開しています。

【2食付き16,500円~】飛騨牛の朴葉焼きが絶品!朝食の朴葉味噌もうれしい

宿泊したのは7.5畳の和室です。畳が新しくてうれしい。

客室はトイレ・洗面所付きでエアコンもよく効きますし、冷蔵庫、テレビ、ドライヤーもあって快適です。

宿泊レポートはちょっと情報が古いので「ポットが魔法瓶タイプで残念」と書いてあったのですが、現在は湯沸かしポットが設置されています!私にとってはこの点は重要なポイントだったので、進化していてうれしかったです。

浴室は男女別の大浴場と、空いているときに貸切で利用できる貸切露天風呂が2ヶ所あります。

大浴場に露天風呂も付いていますが、私のお気に入りは内湯です。
こちらの宿には湯温の異なる3本の源泉があり、内湯の大浴槽は42度ほどの熱め、小浴槽は人肌のぬる湯で満たされています。

この2つの浴槽を行ったり来たりして交互浴を楽しんでいます。

貸切露天風呂は空いていればフロントに鍵があるので、鍵を借りて入りに行く方式です。

広さも十分、開放感もあるので滞在中1度は入りたいですね。

食事は朝夕共に、囲炉裏のある食事処でいただきます。

山の宿らしく、山菜を使用した小鉢が並ぶのもうれしいポイント。

お酒の種類はあまり多くありませんが、飛騨の地酒の2合瓶が何かしらあるので、いつもそれをいただきます。

新鮮な岩魚の刺身や「鱒の笹包み焼き」などの川魚料理にはやはり、地元の日本酒が合いますね。

メイン料理の、朴葉の上で飛騨牛を焼いた「飛騨牛の朴葉焼き」もシンプルな料理ながら絶品だなと。味噌味の味付けがご飯にもお酒にも合うんですよ……。

囲炉裏にかかっていた鍋は、予約時に「鴨」「地鶏」「ぼたん(猪)」「熊」の4種類から選んだ鍋です。以前は全部同じ値段でしたが、現在はぼたんと熊は1100円の追加料金です。私はこれまでに全種類食べているので、今回はシンプルに地鶏鍋でお願いしました。鍋と一緒に〆のご飯をいただくのですが、出汁がおいしいのでご飯もついついたくさん食べてしまいます……。

朝食も同じ食事処でいただきます。

大ぶりの鮭もいいですが、やはりここは朴葉味噌ですね!
奥飛騨の宿では朝食で大抵朴葉味噌が出るので、いくつかの宿で食べていますけど私は藤屋さんの朴葉味噌が1番おいしいと思います。奥飛騨の料理は味噌味がベースのものが多くて、宿によっては味が濃いなと思ってしまったりもするのですけど、なんかここはちょうどいいんです。

さまざまな季節に泊まっていますが、実は料理のメニューはいつ泊まってもそんなに変化はありません。でも、基本のメニューが本当においしいので、年に1度は泊まりに行きたいなあと思っている、大好きな宿です。

第7位  4.3点:長野県 乗鞍高原温泉 泊まれる温泉Bar136

【部屋】★★★☆3.5【風呂】★★★★☆4.5
【夕食】★★★★☆4.5
【朝食】★★★★☆4.5
【サービス】★★★★4【コスパ】★★★★★5

第7位は、長野県の乗鞍高原温泉にある「泊まれる温泉Bar136」を選出しました。

2023年に初めて泊まりましたが、お宿のオープンも2022年と新しい宿です。松本から乗鞍高原行きのバスに乗り「乗鞍高原観光センター」で降りて徒歩10分です。

乗鞍高原には温泉旅館や温泉付きペンションはたくさんあるのですが、乗鞍岳の登山口、畳平行きのバスが出る「観光センター」から徒歩圏内には1人で泊まりやすい宿が少ないのです。この宿がオープンする前は2食付きで土曜日も1人で泊まれる宿は皆無でした……。

「泊まれる温泉Bar」という聞き慣れない業態の宿で「いい宿だといいな……」と思いながら実は恐る恐る泊まってみたところ、すごくいい宿でした!良かった!

2食付き15,000円から一人泊可能で、土曜日も1人で泊まれます。しかも休前日の料金アップもありません。

人気が出すぎて泊まりにくくなってしまうと困るのですが、長く続いてほしい宿です。宿泊レポートも公開しています。

【2食付15,000円~】湯は極上、お酒のメニューがとにかく豊富で朝食はフレンチトースト

客室は2階の8畳の和室です。チェックイン時から布団が敷いてありました。

乗鞍高原には客室にエアコンが設置されていない宿も多いのですが、こちらの宿も部屋にエアコンはありません。

日中、日の高い時間帯は少し暑さを感じますが、日が落ちれば風が涼しいので心地良く過ごせます。
ただ、夜に窓を開けていると網戸はあってもどうしても小さな虫が入ってきますので……暑がりな方、虫が苦手な方は真夏の宿泊は避けたほうが良いかもしれないですね。9月になれば乗鞍高原は昼でも涼しい日が多いです。

冷蔵庫、トイレ、洗面所などは共有ですが、ちょっとおもしろいなと思ったのは枕が選べるサービスです。客室内には枕は置いておらず、廊下にたくさん置いてあるさまざまなタイプの枕から好みのものを選ぶ方式でした。

それから、タオルに入っている宿のロゴが格好よかったです。

温泉は2ヶ所あり、予約制で貸切で利用します。

ログハウス造りの浴室で、清潔だし雰囲気もすばらしいです。

お湯もすべて源泉かけ流しで、加水加温もしていません。湯上がりは肌がさらっとするすばらしい泉質。内湯は適温、露天風呂はぬるめで長湯を楽しめました。

露天風呂には屋根がついているので雨の日も入れますし、屋根があるのに開放感はしっかりあって良かったですね。

2ヶ所の浴室はもともと男湯と女湯だったのを現在は貸切で利用しているため、広さや作りはまったく同じです。

シャワーなども新しく、快適な湯浴みを楽しめました。

食事はレストランで。宿のオーナーご夫妻はもともと大宮でBarを営んでいたそうで、料理はお酒に合うものばかり。前菜盛り合わせだけで3杯くらい飲めそうです。

私はグラスの生ビール、オリジナルカクテル、モヒートをいただきましたが、いずれも本格的な味わいでした。特に、日本酒ベースだというオリジナルカクテル「西区のカクテルあじさい」は、とても日本酒が入っているとは思えない爽やかな味わい。

オニオングラタンスープもボリュームたっぷり。

〆の料理は「スパゲッティボロネーゼ」や「ビーフカレー」などから食事が始まったタイミングで1品選ぶのですが、私は「ペンネのミートグラタン」をお願いしました。ちょっとオニオングラタンスープと味がかぶってしまったけれど、すべておいしくいただきました。

デザートはバニラアイスに好みのシロップをかけて。最後までおいしくいただきました。お酒が飲めない方でも洋食メニュー好きなら楽しめますし、お酒が好きな方には特におすすめです。

朝食も同じレストランで。

オムレツにソーセージ、たっぷりのサラダにミネストローネという洋朝食のゴールデンメニューに、さらに焼き立てのフレンチトーストが!
この後に登山の予定だったので、お腹いっぱいに朝食をいただいても罪悪感なく、幸せな朝食でした。

畳平行きのバスが出る乗鞍観光センターバスセンターから徒歩圏内の宿なので、ゆったりと朝食を食べてから出ても登山に支障がないのがうれしいですね。

7月下旬の乗鞍岳は、上のほうは少し雲がかかってしまいましたが、コマクサがいい時期でのんびりと楽しめました。

泊まれる温泉Bar136では、山梨県のうちゅうブルーイングのクラフトビールも飲めるようなので、次回宿泊時はきっと!と思っています。

第6位 4.3点:群馬県 湯檜曾(ゆびそ)温泉 林屋旅館

【部屋】★★★★☆4.5【風呂】★★★★☆4.5
【夕食】★★★★☆4.5
【朝食】★★★★4
【サービス】★★★★4【コスパ】★★★★☆4.5

第6位に選んだのは、群馬県の谷川岳山麓の温泉地、湯桧曽温泉にある林屋旅館です。

実はこちらの宿にはひとり温泉旅を始めて間もない2008年に初めて訪れており、以降数年に1度のペースで泊まっていて今回が5回目。
初めて泊まったときは若女将のお子さんと思われる小さな子たちが走り回っていたのですが、きっともう成人していたりするのだろうな……と思うと時の流れを感じますね。

水上駅、もしくは上越新幹線上毛高原駅から関越交通のバスに乗り「ゆびそ温泉街」で下車すると目の前です。

谷川岳の登山口に近い温泉宿で登山をされる方もよく泊まっています。私自身も谷川岳登山の後に泊まったことがあるのですが、山の疲れをきりっと熱い湯で癒やせて、食事もすべて部屋食で気兼ねなく食べれるので最高の体験でした。実は2023年の宿泊時も谷川岳登山後の予定だったのですが、天気がいまいちで登れず、そのぶん早めにチェックインしてのんびりと温泉を楽しみました。

2食付き14300円から一人泊可能で、土曜日も1人で泊まれる宿です。

宿泊する部屋や食事の内容、布団敷きをセルフにするかおまかせするか、などでさまざまなプランが設定されていますので、プラン詳細をよく見て好みに合ったものを選ぶと良いかと思います。

だいぶ前に書いたものですが……宿泊レポートも公開しています。

【2食付き14,300円~】朝夕部屋食、美しいタイル張りの浴室でかけ流しの湯を楽しむ

予約の際に宿泊する部屋を選ぶことができ「道路側6畳和室」が最もお安く泊まれます。1番お安い部屋もすべて洗面トイレ付きで快適なのですが、今回はお安い部屋に空きがなく、渓流沿いの広めの和室を予約。

ちょうど紅葉がいい頃で、部屋の窓から色づく木々を眺めることができました。

浴室は2ヶ所あり、18時30分と朝8時にのれんが入れ替わります。
実は、数年前に泊まったときは浴室の入れ替えがなくて、狭いほうの浴室が女湯で固定だったのです。たまたま女性の宿泊客が少ない日だったのかもしれませんが……。

2023年10月の宿泊時は浴室の入れ替えがあったので、こちらの広い浴室を夕食前と朝食後に目一杯楽しむとができました!

こちらの浴室、広いだけでなくアーチ型の天井やモザイクタイルが素敵なので、ひさびさに入れてうれしかったです。

循環消毒などいっさいなしの新鮮な源泉をたっぷりと楽しみ、気分がよくなったのでつい、夕食前にクラフトビールを注文してしまいました。

川場ビールの谷川岳ヴァイツェン。苦味が少なく風呂上がりにごくごく飲めるおいしさです。

夕食後~朝食前まで女湯となる小浴室も、もちろん清潔ですし、浴槽が小さいぶんお湯が入れ替わるスピードが早いのか、湯の新鮮さはこちらのほうがさらに上のような気がします。

こちらの浴室の窓からは紅葉を眺めることができました。

窓を開けると川の流れる音が聞こえて、紅葉も眺められるし、露天風呂がなくても十分満足できるすばらしい浴室です。

林屋旅館では食事は朝夕共にお部屋に運んでいただきます。

それも、最近珍しくなった御膳を運んでいただく方式です。ずらりと並んだ御膳を眺めると「温泉宿に来たぞ!」という気分が盛り上がりますね。

料理は、茶碗蒸し、上州牛の陶板焼き、鯉の洗いと蒟蒻の刺身、山女魚の塩焼きなど、山の宿らしいメニュー。

地酒の「谷川岳 純米大吟醸」を飲みつつ、すべておいしくいただきました。桶に氷を入れて日本酒を提供してくださるのも素敵ですね。

デザートもしっかりボリュームあって、お腹いっぱい。

朝食も部屋に御膳を運んでいただきます。

アルミホイルの中はたっぷりの舞茸。派手ではないけれど、一品一品しっかりと手がかかっているのがわかる朝食です。

食後にはコーヒーのサービスも。

お湯よく、食事も良く部屋もきれいで快適。初めて泊まってから15年以上経ちますがお値段も上がっておらず、とても良心的な宿だと思います。

第5位  4.3点:山梨県 湯村温泉 弘法湯

【部屋】★★★★☆4.5【風呂】★★★★★5
【夕食】★★★★☆4.5【朝食】★★★★4
【サービス】★★★★4【コスパ】★★★★☆4.5

5位には、山梨県甲府市の湯村温泉にある弘法湯を選びました。

甲府駅から湯村温泉行きのバスがたくさん出ており、交通の便は良いです。

人気の宿で、1人泊でも2人以上で泊まるのでもネット上にはほとんど空室が出ていないのでご紹介するか迷ったのですが……リーズナブルで食事もお湯もすばらしい宿なので。なんとしてでも泊まりたい場合は、電話予約でまだネットに出ていない日程を押さえるのが得策かと思います。

1泊2食付きで12,980円から一人泊可能で、1人で泊まれるのは平日のみです。

宿泊レポートも公開しています。

【2食付き12,980円~】泡つきたっぷり極上ぬる湯に夜通し浸かれて山梨の食も楽しめる

客室は一般的な和室ですが、ウォッシュレット付きのトイレと洗面所は各部屋に設置されています。

広縁は日当たりがよく、冷蔵庫やテレビなどの設備も整っており、ポットは湯沸かし機能のない魔法瓶タイプのものでしたが、朝食のタイミングで新しいポットに替えてくれました。

浴室は男女別の大浴場が2ヶ所と、空いているときに鍵をかけて利用する貸切風呂が1ヶ所。

大浴場は男湯と女湯の交換はないので、入ったのは女湯のみですが脱衣所も浴室も清潔そのもの。

壁際にシャワー付きの洗い場が2ヶ所あり、奥に浴槽が1つというシンプルな浴室ですが、湯口からは38度ほどの極上ぬる湯が常時かけ流されています。

空いているときにいつでも貸切で利用できる貸切風呂も、若干浴槽が小さめという以外は大浴場とほぼ同じ作りです。貸切風呂は浴槽の縁がちょっと高めですね。

ちなみに、貸切風呂と女湯は隣り合っているのですが、男湯は別棟にあります。私は女1人での宿泊ということもあってか、女湯のすぐ近くの部屋に通していただいたので、貸切風呂の空き状況がわかりやすくて便利でした。

ちなみに、他の方のブログを拝見すると、大浴場自体は男湯のほうが少し広くて岩風呂のような雰囲気でしたね。女性は大浴場がシンプル&コンパクトなぶん、貸切風呂が利用しやくなっているのかもしれません。

食事は朝夕共に部屋食です。

一気出しですが、一品一品丁寧に作られているのがわかるお味。山梨の地酒「七賢」の冷酒と共にいただきました。

「グレードアッププラン」で予約すると、馬刺しがつきます。スタンダードプランとの価格差は1600円ほどですが、かなりたっぷりついていておいしいので、馬刺し好きの方はグレードアッププランでの予約をおすすめします。

最近は1人泊の場合はチェックイン時から布団が敷いてあることが多いですが、こちらの宿は夕食後に敷いて朝食前に布団をあげる、昔ながらの方式でした。

朝食も、旅館の朝ご飯の見本のようなメニュー。

甘めの卵焼きにふき味噌が添えられていたのがうれしかった!焼き鮭も脂がのっていたし、納豆もパックそのままでなく、刻みネギと辛子を添えて提供されているのが素敵でしたね。

第4位 4.4点:北海道 旭川旭岳温泉 湯元 湧駒荘

【部屋】★★★★4【風呂】★★★★★5
【夕食】★★★★★5
【朝食】★★★★☆4.5
【サービス】★★★★☆4.5【コスパ】★★★☆3.5

4位に選んだ北海道の旭岳温泉 湯本湧駒荘です。

2023年が3度目の宿泊となりました。

紅葉シーズンで、晴れたら大雪山旭岳にまた登りたいなと思って来たのですが、山の上は雨予報……。

無理して登らずにロープウェイで上まで行って、周辺を散歩して、あとは温泉三昧しよう!と思っていたのですが、思いがけずロープウェイが運休して乗り場で足止めされたりとなかなか思い出深い旅となりました。

旅のきろくをnoteにも書いています。

湧駒荘には1人客専用のシングルルームがあり、土曜日や連休でも1人泊が可能です。以前は昔ながらの洋室だったこともあって宿泊料金は食事内容などのわりにかなりお安かったのですが、数年前に客室をリニューアルして快適度が格段にアップしました。

部屋がきれいになったぶん宿泊料金もあがりましたが、現在も平日ならギリギリ2万円以下、2食付き19500円で宿泊可能です。風呂はもちろんのこと、食事の内容もすばらしいので、2万円でも十分コスパ良いなと感じますね……。

宿泊レポートには新しくなった客室の設備や、リニューアル前の客室の画像も紹介しています。

【2食付き19,500円~】湯も食事もすばらしく、部屋も快適になって何度でも泊まりたい宿

客室は、ビジネスホテルによくある感じの縦に長い作りの洋室です。ドーミーインぽい感じで、トイレ、洗面、収納スペースなどがコンパクトなスペースでもできる限り快適に過ごせるよう配置されています。

部屋の手前側にトイレと洗面所。

その奥にダブルベッドがあり、1番奥の窓側にソファとテーブル、テレビがあります。

ソファとテーブルは、ありがたいことにPC作業をするにも苦にならない高さ!
洋室だとテーブルが低くてPCを使いづらかったりするのでこれはありがたかったです。

それから、湯わかしポットやお茶セットと一緒に、コーヒーミルとコーヒー豆、サーバーなどが置かれていて、自分で豆を挽いてドリップできるようになっていました。コーヒー好きなのでこれはとてもうれしいサービス。

浴室は、本館に「ユコマンの湯」と「シコロの湯」という時間帯で男女が交換となる大浴場が2ヶ所。

特にユコマンの湯は、湧駒荘の持っている5つの源泉をすべて楽しめるし、内湯も明るくて開放感があって気持ちのいい浴室です。

冬季は閉鎖となりますが、ユコマンの湯とシコロの湯には露天風呂もあります。

本館の2ヶ所の浴室は宿泊客専用でゆったり浸かれるのもうれしいですね。

もう1ヶ所、別館には「神々の湯」という浴室もあります。こちらは男湯と女湯があって交換はありません。

こちらの露天風呂は加温設備があるので冬も露天風呂を利用可能です。日帰りでも利用可能な浴室なので、日帰り客がいない朝などに利用しました。

食事は朝夕共にレストランでいただきます。

湧駒荘の食事は、ボリューム、内容ともにお値段以上のすばらしさなのですが、個人的にとても気に入っているのが「お品書き」と「お料理説明」が紙に印刷されていて、それがすごく詳しいことです。

調理法から食材の詳細まで書いてあるので、次にくる料理を楽しみにしながら待てるし、サービスしてくれるスタッフ(外国人の方が多い)の負担も減らせてすばらしいなと。

夕食では、宿の名物である「メロンヴィシソワーズ」が。

その後にはやはり名物の「インカのめざめのコロッケ」が揚げたてで提供されます。

「蝦夷鮑の塩釜焼き」は、鮑を丸ごと1つ。豪華だしお酒に合うしおいしい!

箸休めは「湧き水のゼリー」に黒蜜をかけて。

「知床グリーンポーク」のしゃぶしゃぶは、肉も野菜もたっぷり。

〆はとうもろこしとバターの炊き込みご飯。

デザートは白いけどコーヒーの味がするプリンです。

朝食は、お味噌汁替わりにたっぷりの豆腐の鍋が。

濃厚な生卵、焼き鮭など一つ一つのおかずがすべておいしく、ボリュームたっぷり。

湯も食事も、何度泊まってもすばらしいなと思える宿です。

第3位 4.4点:長野県 湯田中渋温泉郷 安代温泉 安代館

【部屋】★★★★4【風呂】★★★★☆4.5
【夕食】★★★★★5
【朝食】★★★★☆4.5
【サービス】★★★★☆4.5【コスパ】★★★★4

第3位に選んだのは長野県の湯田中渋温泉郷にある、安代温泉の安代館です。

2019年に初めて泊まって以来お気に入りの宿で、2023年が3度目の宿泊でした。

湯田中駅からは徒歩20分ほどで、天気が悪くなければ歩いてしまいますが、バスも運行しています。送迎は2名からと記載されていますが、プランによっては1名でも送迎可能だそうですので、必要な方は相談してみてください。

春だと、桜を眺めながら歩いていくのが楽しかったり。

2024年12月時点ではちょっと高額なプランのみ土曜日1人泊可能となっており、スタンダードな2食付きのプランで予約できるのは平日のみのようです。しかし、プラン設定も時期によって変わっていたりしますし、直前に土曜日1人泊のプランが出ていることもありますので、気になる方はチェックしてみることをおすすめします。

宿泊レポートもこちらに公開しています↓

【2食付き17,600円~】山菜たっぷりの食事が抜群においしく、極上の湯を楽しめる

実は、安代館に初めて宿泊した2019年には「食事もお湯もすばらしいし、サービスもいいけど館内は古さが目立つところがある」なんて思っていたのですが、その後改装を進められ、内観も外観もかなりグレードアップしています。

こちらは2023年に宿泊した際の客室の写真ですが、2024年の7月に客室も改装工事が入り、壁紙や洗面所、廊下などがさらにきれいになっているようです。私も改装後はまだ泊まっていないのですが、改装後も宿泊料金は変わっていないようなのでありがたいですね!

客室はエアコン、冷蔵庫、ウォッシュレット付きのトイレ、洗面所など設備はしっかり揃っており、快適です。それとお茶うけのお饅頭がすごくおいしい。

1階の玄関橫には大量の漫画が置かれた図書室があるのもうれしいポイント。

品揃えもかなり良くて、男性・女性共に楽しめると思います。

浴室は2ヶ所あり、時間帯で男女が交換となります。浴室・脱衣所も改装が入ってすごくきれいになりました!

お湯はもともとすばらしかったのですが、さらに快適に湯浴みが楽しめるようになりました。
浴室のうちの1ヶ所は小さめの浴槽が2つあり、ちょっと温度が違ったりするので入り比べて楽しめます。

檜の浴槽は小さいけれど深め。タイル張りの浴槽は浅めです。

もう1ヶ所の浴室は、広々としたタイル張りの浴槽が1つどーんとあるタイプ。

日当たりも良く、広々とした浴槽でゆったりと極上の湯を満喫できました。

食事は今回、春限定の山菜料理が満喫できるプランで予約。
夕食は部屋食です。お風呂上がりということで、まずは志賀高原ビールで喉を潤していると……。

馬刺しや鯉の洗いなどの山の宿らしい料理が並んだ後に、大きな御膳にのせられた大量の山菜料理が現れ、その量と種類の多さにびっくり。

山菜の名前って、口頭で説明いただいてもすぐ忘れてしまうので……お皿の橫に名前を書いた紙が置いてある気遣いもありがたいですね。それと、1つの山菜をすべて2種類の調理法で料理してあって、食べ比べることができるのがすばらしいなと。

しかも、これほどのたくさんの種類の山菜を、さまざまな調理法で出していただいたら1つぐらい苦手な味のものがありそうなものなのに、本当に全部おいしいんですよ。

ビールの後は地酒のにごり酒を注文して、心ゆくまで山菜料理を満喫しました。

山女魚の塩焼きに添えられた根曲り竹もおいしい。

揚げ物の鯉の洗いのフライも、新鮮かつおいしかったです。癖のあるお魚なので、そのまま食べてもおいしいですが揚げ物もいいですねえ。

〆のご飯は鯉こくと山菜ご飯のおにぎり。

手作りのデザートまですべておいしくいただきました。

ちなみに、今回は山菜料理のプランで宿泊しましたが、スタンダードな2食付きのプランも大変おいしいです。スタンダードプラン+2000円ぐらいで予約できる「信州牛ステーキプラン」もすばらしかったので、よろしければ宿泊レポートをご参照ください。

朝食は1階の広間で。

たっぷりの湯豆腐。漬けものや野菜を細かく刻んだ、ご飯がすすむ長野の郷土料理「やたら」など、量・味共に満足度の高い朝食でした。

第2位 4.4点:秋田県 駒ヶ岳温泉

【部屋】★★★★4【風呂】★★★★★5
【夕食】★★★★☆4.5
【朝食】★★★★4
【サービス】★★★★4【コスパ】★★★★★5

2位は秋田県水沢温泉郷の駒ヶ岳温泉。今回で6回目の宿泊となり、ブログでご紹介するのも何度目だろう?という感じですね。

食事とお風呂の良さから考えると、びっくりするほどお安く泊まれる宿で、他の追随を許さないところがあるので……宿泊した年は必ず「コスパ最強ランキング」の上位にランクインしています。

田沢湖駅から羽後交通の「乳頭線」か「駒ヶ岳線」に乗り、「休養センター前」停留所で降りて徒歩10分ほど。

私はいつも歩いてしまいますが、宿に連絡すれば送迎もしてもらえます。冬は送迎をお願いしたほうが良いでしょうね。

宿泊レポートも公開しています。

【2食付き11,500円~】夕食の十割蕎麦と山の芋鍋が絶品、鶴の湯への送迎サービスもうれしい

今回宿泊したのは、客室にトイレが付いていない6畳和室。このエリアの宿にはエアコンがない宿もありますが、駒ヶ岳温泉は各部屋にエアコンが設置されています。

トイレは廊下に出てすぐの場所にありますし、客室内に洗面所が付いているので特に不便には感じません。客室内の備品・設備はちょっと古くなってきた感じはしますが、2食付き1万1500円で泊まれることを思うと十分かなとは思います。

コロナ禍以降、布団敷きはセルフになりましたが、今もそのままでしょうか。宿泊を検討される際はご承知おきください。

浴室は露天風呂付きの大浴場と、宿泊者専用の貸切露天風呂が2ヶ所あります。

大浴場は日中は日帰り入浴を受け付けているので混雑していることもありますが、貸切露天風呂は空いているときに自由に貸切できます。

泊まるなら日中は貸切風呂を利用して、翌日の朝などの大浴場に入るのがおすすめです。お湯もすべてかけ流しでツルツル感の強い美肌の湯ですし、露天風呂も川沿いにあって雰囲気が良いです。

食事は朝夕共に食事処でいただきます。

秋田の地酒の呑み比べセットもあり、お刺身は紅鱒。

比内地鶏の壺蒸し(茶碗ではなく壺だから)など、地物食材を使った料理が、1品ずつ出来たてで提供されます。2食付き1万ちょっとの宿泊料金で、漁師を1品ずつ出してくれる宿はあまり多くありません。

食事の後半には、名物料理である「山の芋鍋」が。こちらが汁物代わりとなり、炊きたてのあきたこまちと共にいただきます。

こちらの食事処は、お昼は蕎麦屋さんとしてランチ営業を行っているのですが、夕食では打ち立ての十割蕎麦も提供されます。これがお腹いっぱいでもつるっとすべていただいてしまうおいしさなのです。

デザートはなんと「熊笹のシャーベット」です。

ほのかに草の香りがする爽やかなデザートでした。

駒ヶ岳温泉は乳頭温泉の有名旅館「鶴の湯温泉」の姉妹館なのですが、夕食後は鶴の湯温泉まで送迎サービスがあり、日帰り入浴客がいない時間帯に1時間ほど鶴の湯のお風呂を楽しむことができます。送迎・入浴含め無料で行っているサービスで、本当にありがたいことだなと思います。

朝食は、焼き鮭や納豆などのおかずと主に、あきたこまちがたっぷり食べられるメニューです。

卵は、地鶏の生卵なのですが、前日の夕食時に生卵が食べられるかどうか聞いてくれます。私は卵かけご飯が好きでいつも生卵をいただいているので、食べられないと答えた場合はどうなるのか不明ですが、いろいろと気遣ってくれるすばらしい宿だと思います。

第1位 4.5点:北海道 豊富温泉 川島旅館

【部屋】★★★★4【風呂】★★★☆4.5
【夕食】★★★★★5
【朝食】★★★★★5
【サービス】★★★☆4.5【コスパ】★★★★4

2023年に1人で泊まった宿でコスパ最強だった宿第1位は、北海道は豊富温泉の川島旅館を選出しました。

以前から気になっていた宿でしたが、北海道の中でもアクセスが良いとは言いがたいエリアということもあって、2023年に初めて宿泊が叶いました。

道外から向かう場合は新千歳空港、もしくは稚内空港発着便を利用することになるかと思います。空港からは鉄道で豊富駅を目指し、駅から宿の送迎(宿泊3日前までに要予約)か路線バス。あるいは札幌から高速バスで直接豊富温泉に向かう路線も利用可能です。どちらにしろ札幌から5時間はかかりますが……。豊富温泉までのアクセスはこちらのページがわかりやすいです。

2食付きの宿泊料金は12760円から。1人泊専用のシングルルームがあるため、土曜日や連休でも1人で泊まれる宿です。

宿泊した日の旅のきろくをnoteに公開しています。

【2食付き12,760円~】初めての宿泊で連泊したけれど食事もお湯もすばらしかった!

宿泊したのは1人泊専用の洋室シングルルーム。

客室はフローリングで自宅のようにくつろげます。コンパクトな部屋ですがテレビ、エアコン、湯わかしポット、冷蔵庫などはしっかりと揃っていますし、デスクに座ってPC作業も可能、Wi-Fiも利用可能です。

トイレ・洗面所は共同ですが、水回りは新しく清潔でした。

共有部分にはくつろげるリビングのようなスペースや、廊下には漫画や書籍などの蔵書もあり、部屋に持ち込んで読むこともできます。

連泊しても退屈することはなさそうです。

浴室は、露天風呂付きの大浴場が2ヶ所あり、時間帯で男女が交換となります。この浴室がすばらしかったです……!

内湯に2つの浴槽と露天風呂に1つ浴槽があり、内湯の1つと露天風呂は加温されていますが、内湯の浴槽のうちの1つは35度のぬる湯の源泉がそのままかけ流されているのです。

35度のぬる湯と加温浴槽の交互浴は永遠に浸かっていられそうな気持ち良さ。

豊富温泉は石油の試掘中に天然ガスと共に湧出したという温泉で、泉質は「含よう素ーナトリウムー塩化物温泉」で油分を多く含みます。個性の強いお湯ですが浴感は優しく、長湯しても疲れませんでした。

アトピーなど皮膚病に効果が高いとされているそうですが、湯上がりは何もつけなくても肌がしっとりする美肌の湯です。

ちなみに大浴場のほかに有料の貸切露天風呂もあるとのこと。今回は連泊して2日目の日中もたっぷりと湯浴みを楽しめたので、貸切露天風呂は利用しなくても十分満足できました。

食事は朝夕共に館内のレストランでいただきます。
豊富温泉の食事プランは複数あり、まず標準プランが「バターづくしプラン」と「フルコース」の2種類。それから標準プランより品数少なめの「ビジネスプラン」と、野菜中心で2泊3日の滞在前提で提供される「デトックスプラン」などがあります。

なかなか来れない場所ということもあり、私は今回2泊して1日目は「フルコース」を、2日目は「バターづくし」の料理を楽しみました。2食付きの最低料金としている12760円は「ビジネスプラン」の料金なのですが、この後ご紹介する料理は標準プランの料理であることをご承知おきください。ちなみに標準プランの場合は2食付きで2万円を若干超えるぐらいの宿泊料金となりますが、2日間共にお値段以上のすばらしい内容の食事でした。

お酒の種類も魅力的で、ペアリングワインやクラフトビールもあり、これは絶対頼みたいなと。

このほかにも、グラスでいただけるワインの種類も多く、1合オーダー可能な日本酒もいくつかあって選ぶのに迷うほど。

洋風のコース料理なのでまずはクラフトビールを注文しました。
帆立・サーモン・甘えび・あぶらがれい・ハマチのお刺身5種盛り合わせがいきなりおいしい。

 

 

「豊富バターのアヒージョ」は、海老や帆立などの魚介を、豊富町の牛乳を使ったバターでアヒージョにしたもの。パンがおいしい!と思ったら町内で評判のベーカリーのパンだそう。ビールも一気に飲み干してしまいました。

この後は気になっていた「ワインペアリング」で白ワインと赤ワインをいただきつつ「トマトとリーフレタスのシーザーサラダ」「本まぐろのムニエル」を。

肉料理はジビエで「豊富産エゾ鹿肉の炙り 山わさびソース添え」を。

デザートは「チョコトリュフバタージェラート」で、この日は「フルコースディナー」だったのですが、かなりバターづくしな感じでした。しかし、どれもあっさりとした味わいでサラッといただけるのがすごいなと。

2日目の夕食は「バターづくし」のメニューで。

お花のモチーフの素敵なグリーンのお皿にのせられたカルパッチョを食べ終わったら……熊が現れてびっくり!
この茶色い毛並みは……さては北海道のヒグマだな?と思ったら、ポルトガルの食器だそうです。器にもこだわりが感じられますね。

この日は「道産牛の炙り」に利尻昆布バター添えられていたり。

「トリュフバターときのこのミルクパスタ」など、前日よりもさらにたっぷりのバターが使われた料理を堪能しました。メニューの名前だけ見るとかなりこってりしたメニューに思えますが、実際はバターそのものが軽い味わいなので、脂っこさなどはまったく感じなかったです。

デザートは「豊富産生クリームをたっぷり使った湯あがり温泉プリン」をコーヒーと共に。

全メニューをご紹介したわけではありませんので、参考に2日間のお品書きを載せておきます。

品数も多く、バラエティに富んでいてすばらしい夕食でした。

そしてそして……朝食もすごいのです。豆腐中心のあっさりお出汁の鍋に日替わりのおかず6種。ご飯は玄米と白米から選択可能で、味噌汁も具だくさんでおいしい。

すべて味も良く、ここまででもかなり満足度の高い朝食なのですがさらに……焼き立てパンと、6種のフレーバーバターを自由にいただけるのです。

パンに塗っていただくのはもちろん、味噌や鮭ぶし、山わさびなどのフレーバーバターはご飯にのせてもおいしい!

食事も湯もすばらしくて、遠いけれどまた必ず連泊して泊まりたい!と思い、豊富温泉川島旅館を2023年コスパ最強の温泉宿1位に選出しました。

以上、2023年のコスパ重視ランキングでした!

惜しくも選に漏れた「次点の宿」10軒のまとめ記事も公開中

そして、惜しくも選にもれた「2食付き2万円以下で1人で泊まれるコスパ最強の次点の宿」についてもnoteに公開しています。

10位以内は、これまで何度もご紹介している当ブログ内では常連の宿が多くなってしまった(コスパ最強すぎるので何度も泊まりに行ってしまうからなのですが……)ので、次点の宿のほうがフレッシュな顔ぶれではあります。
メンバーシップ会員向けの記事となっていますが、記事単体でも購入可能ですので気になる方はこちらもご覧ください。

記事単体での販売価格は1000円ですが、年内いっぱい、2024年12月31日まではタイムセールで600円で販売中です。

来年はこのまとめ記事も、もっと早いタイミングで公開したいですね……。

関連記事:年別の泊まってよかった温泉宿まとめ

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2020年10月に著書が発売となりました。
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一人で泊まれるおすすめの温泉宿もたくさん紹介しています。