無記憶性 (指数分布の)
無記憶性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/01/13 06:16 UTC 版)
幾何分布の重要な性質として、無記憶性と呼ばれるものがある。幾何分布では、いかなる成功確率 p に対しても ∀ n , k ∈ N , P ( X > n + k ∣ X > n ) = P ( X > k ) {\displaystyle \forall n,k\in \mathbb {N} ,\ \ \ P(X>n+k\mid X>n)=P(X>k)} なる等式が成り立つ。これはコイントスを例にすると、コイントスを繰り返して少なくとも n 回表が出なかったという情報が与えられたときに、表が出るまでに投げる回数が n + k を超える条件付き確率は、情報が与えられない場合の確率(すなわち、今すべてを忘れて改めてコイントスを開始して、表が出るまでに投げる回数が k 回を超える確率)に等しいという意味である。 各種のギャンブルにおいて負けが続くと、しばしば「運がたまっている」とか「そろそろ勝ちが巡ってくる」といった考えに陥りがちである。しかし、試行の独立性を仮定する限りにおいては、この考えは誤謬であり、負けが続いているという情報は未来の確率に何の影響も与えないということが、無記憶性からいえる。 この逆、すなわち無記憶性を持つ離散型確率分布が幾何分布のみであることも、比較的容易に示される。
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