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広島県内バス、PASPY終了に伴いICOCA導入 定期券の案内も

広島交通、JRバス中国、広島バスの3社は、広島県内の路線バスにおいて、2025年3月30日より、交通系ICカード「ICOCA」を導入する。

これまで広島県内のバス路線では、地域独自のICカード「PASPY」が広く利用されてきた。しかし、サービス提供元のパスピーが2025年3月29日をもってサービスを終了することに伴い、各社は新たなICカードとしてICOCAを採用する。

ICOCAは、JR西日本が発行する交通系ICカード。広島交通ではSuicaやPASMOなど、他の交通系ICカードも利用可能だが、路線バス運賃の最大10%割引(10円単位)が適用されるのはICOCAのみとなる。なお、JRバス中国に関しては広島~呉線や広島空港リムジンバスなど一部路線で定率割引が対象外となるため、運賃割引が適用されない区間がある。

乗車時と降車時にICカードリーダーにICOCAをタッチする

今回のICOCA導入は、広島交通、JRバス中国、広島バスの全路線が対象となる。サービス開始に伴い、各社はICOCAの販売窓口を設ける。広島交通は本社や各営業所、JRバス中国は広島駅新幹線口バスきっぷうりばや広島支店など、広島バスは本社や大州営業所などでICOCAを販売する。また、JRバス中国のみバス車内でも2,000円分チャージされた(デポジット500円含む)ICOCAを販売予定。

同時にICOCA定期券も販売する。広島交通の路線バスでは、バスICOCA定期券の開始にあわせて、片道定期券、通勤通学定期券を廃止する。また、紙台紙による定期券発行も終了となる。高速バスの定期券については、広島~福山線(ローズライナー)、広島~びんご府中線(リードライナー)、広島~尾道・因島線(フラワーライナー) 、広島~世羅・甲奴線(ピースライナー)の4路線は紙台紙による定期券を継続する。

広島バスでは、定期券の運用方法を区間式から金額式に変更する。金額式定期券は、発券した定期券の片道運賃以内であれば、広島バスの全路線で利用できる。紙の定期券は廃止となり、バスICOCA定期券に移行する。

JRバス中国は、雲芸南線など一部のぞく広島県内路線で「WESTERポイント(Rチャージ専用)サービス」を導入し、月間のバス利用額が3,000円を超えた分について5%をポイント還元する予定。貯まったポイントはICOCAへチャージして運賃支払いなどに活用可能となる。

そのほか、各社ではICOCAのチャージ残高を利用した、定期券区間外への乗り越しや、他の交通機関への乗車にも対応。さらに、療育手帳、身体障害者手帳、保健福祉手帳を持つ人を対象とした割引ICOCAも発売する。割引ICOCAは、運賃が半額になるICカード。有効期限は発売日から2年間とする。

なお、スマートフォンやパソコンを通じて定期券を購入・更新できる「ICOCA Web定期券システム」も順次導入される予定で、利用開始時期は決まり次第発表される。

ICOCAカード、ICOCA定期券は、2025年3月30日から利用可能となる。広島交通では3月中旬頃、JRバス中国や広島バスは3月上旬より事前販売を行なうと発表している。事前販売期間中に購入したICOCA定期券は、利用開始日まではチャージ残高による運賃支払いのみ可能となる。

なお、PASPYのサービス終了に伴い、無記名PASPYおよび記名PASPY(割引PASPY含む)は2024年6月1日から、払い戻しを行なっている。手数料は不要で、払い戻し時にはデポジット(500円)も返金する。PASPY定期券はカード回収を伴う場合のみ無手数料で対応する。払い戻し受付は2027年3月31日までを予定している。