ABOUT
工業製品ではない、
本物の味を自分たちの手で伝える。
それが私たちの目指すゴール
OUR BEER
東京を愛し、伝統を大切に
私たちは、東京・天王洲で誇りを持って東京産のビールをつくり続けています。大量生産や流通の拡大と引き換えに多くの企業が失ったもの。それを取り返すべく、自然な原料のみを使い、職人による伝統的な製法で丁寧に手づくりしています。規模を追うためのボトル詰めも極力せず、生産量を限定しながら、本当のMADE IN TOKYOと呼べるクラフトビールを醸造しています。
良いものを良い状態で
流通過程での商品劣化を防ぐために栄養豊富な酵母を濾過したビールがある一方で、私たちは発酵食品の恵みを最大限に生かし、全てのビールを無濾過にこだわっています。その品質を保つため、醸造タンクからケグ(樽)に詰められた新鮮なビールは必要な分だけ醸造所の冷蔵庫から自社店舗に届けられ、ブルワー自ら店舗で品質管理を行っています。
ビールを楽しむライフスタイルを提案
より多くの人にクラフトビールの魅力を知ってもらうため、定番ビールはドリンカビリティ(飲みやすさ)を重視しつつ、ブルワー全員でアイディアを出して個性的なビールの開発も行っています。つくったビールは最大限楽しんでもらうために、様々なコンセプトのお店を創り、食事やサービスとともに楽しむライフスタイルを提案しています。
WHAT IS CRAFT BEER
メソポタミアや古代エジプトの時代から数千年もの歴史を持つビール。ビタミンやミネラルなど栄養分を多く含むため、古くには薬として用いられたこともある貴重な飲み物でしたが、産業革命から始まる技術の発達で大量生産と長期保存が可能になると広く世界に浸透してきました。けれども私たちは何か大事なものを失いかけているのでは・・ 大量生産・大量消費の社会に疑問を持った人たちにより欧米では1980年代から数多くのマイクロブルワリー(小規模醸造所)が誕生し、伝統的な手づくりビールの価値が見直されてきました。
日本では、1870年(明治3年)に横浜の醸造所で初めてつくられて以来、明治中期には100以上もの醸造所でビールがづくりが行われていましたが、戦争を経て大会社に集約されると製造免許という規制により新規参入は不可能に近く、限られた大手製品しか選択肢がない状態が長く続きました。しかし1994年の規制緩和で免許取得に必要な製造量が大幅に下げられ、翌年から多くのマイクロブルワリーが生まれて「地ビールブーム」が始まりました。
一時は300を超えた醸造所も、品質のばらつきや高価格といった問題からブームが下火になると同時に200軒を下回るまで減少しました。生き残った醸造所たちがその魅力を発信し続け、また新たなつくり手も現れるなか、高品質なビールに対する理解が進み、2000年代後半から「クラフトビールブーム」として新しい動きが始まりました。つくり手のストーリーやこだわりが共感を呼ぶ時代のなか、クラフトビールは新しいビールの楽しみ方として定着しつつあります。より自然なつくり方への回帰と品質へのこだわりから始まったクラフトビールは、個性や創造性の発揮という新しい時代を迎えながら着実に文化として育っているのです。
BREWING PROCESS
1.精麦
大麦を水に浸して発芽させ、麦芽(モルト)をつくります。乾燥させると色が緑から黄金色に変わり、それがビールの色に。コーヒーのように強く焙煎すれば濃色のビールができます。
2.糖化
粉砕した麦芽を一定の温度で煮ることによって麦のでんぷんが麦芽中の酵素の働きで糖に変わり、甘い「麦汁」ができます。ここでの温度管理によって、ビールの個性が変わります。
3.煮沸
麦汁を濾過してから煮沸して糖分を調整しつつ、ホップを加えることでビール独特の香りと苦味をつけます。ホップの花言葉は「不公平」。ホップはビールの味わいと香りを左右するだけではなく、とてもデリケートな麦汁に雑菌が繁殖するのを防ぐ役割も担っています。
4.発酵
冷やした麦汁に酵母を入れて発酵させます。発酵とはつまり、酵母が糖分を分解してアルコールと二酸化炭素にするプロセスのこと。酵母は、職人が世界中のビール酵母の中からタイソンズアンドカンパニーらしいビールの味を目指し、こだわりをもって選んでいます。
5.貯酒と二次発酵
こうしてできた「若ビール」はまだ味が粗いため、数週間寝かせます。そうすると熟成がすすみ、美味しいビールのできあがり。ビールが子供から大人になる瞬間です。
6.そして
必要な分を濾過することなくケグ(樽)に詰めます。手を加えずに、生きた酵母が入った栄養たっぷりのビールを新鮮なままで。これが本当の生ビールです。
OUR BREWER
阿部 和永
ブルーマスター
1997年のブルワリー立ち上げ時、社内公募に手を挙げてビールづくりの道に入り、1年間サンフランシスコから招いた技術者から醸造技術を学びながら、本物の味を追い求めてきました。現在は醸造責任者として、定番ビールのクオリティチェックとパイロットブルワリーでの実験的なビールの醸造を行っています。
ビールの醸造工程は多くの部分を酵母という微生物に委ねているので、酵母の活動しやすい環境をいかにつくり、管理していくかがブルワーの腕の見せ所。私たちがつくるビールでクラフトビールファンに喜んでもらうのはもちろん、初めてクラフトビールを飲む人の入り口になれば嬉しく思います。
今後も定番ビールは更なる品質の安定、シーズナルビールは独創的なビールから、古典的なビールの再現など、マイクロブルワリーだからこそできることに積極的にチャレンジしていきたいです。
小澤 暢人
ブルワー
元々は料理人。“クラフト”という部分では共通する職種でフランス料理をはじめ様々な国の、様々なスタイルの料理に触れてきました。また職業柄、お酒にも多く接してきました。その中でも元々ビールが好きだったこともありクラフトビールの奥深さ・多様性に魅了され、料理人としての本質なのか次第にビールの造り手側に興味が向いていました。
料理人としてビアバーで働いていた時、クラフトビールに接する機会は更に増え、遂には自身がブルワーとしてビールを造りたいと想い始めます。そのビアバーでも自社のブルワリーがありビールを造る部署もあったのですが、店舗異動などのタイミングもあり実現は難しい状況でした。
そんな中ブルワーの募集はしていなかったものの、行動せずにはいられずにT.Y.HARBORの求人に応募してみました。ブルワーとして働きたい旨を面接でお話しさせて頂いたのですが定員の都合もありすぐには働くことはできませんでした。1年弱ホールスタッフとして働き、念願叶って現在はブルワーとして働かせて頂いています。
大谷 翼
ブルワー
ある1本の出会いが、クラフトビールラバーへと誘なう道でした。モダンなラベルに惹かれ、ジャケ買いしたBREWDOG PUNK IPA。「こんなにも暴力的に五感を刺激するのか」と、驚嘆したのを今でも鮮明に覚えています。その美しさに蝕まれるよう、徐々にゆっくりと、私はクラフトビールへと溺れていったのです。
以前はバーマン及びミクソロジストをしておりました。多種多様のお酒や素材を混ぜる合わせることに邁進しておりましたが、心の奥底ではクラフトビールを造りたいという思いが日に日に強くなっていく実感があったのです。そんな中、ご縁に恵まれT.Y.HARBOR Breweryに入社いたしました。
まだまだ業界の若輩者ではありますが、ブルワリーでの仕事や様々な情報から学び、早く一人前のブルワーになりたいと強く思っております。クラフトビールは楽しい飲みものです。初めて飲む方にもビール好きにも喜んでもらえるようなビールを造り、元気に笑顔になってもらいたいと思います。その為にブルワーになりました!
今後の展望としては個人的な嗜好ではありますが、香りや味わいが華やかな美しいビールが好みという事もあり、そういった印象のスタイルを体現できるよう邁進いたします。また、ミクソロジストをしていた経験から、抽象的に色を重ねるような表現には長けているという自負があり、殊更ビールにおいては斬新な商品も創れるのではないかとも考えています。この道の先が愉しみで仕方ありません。
松村 拓也
ブルワー
料理人として約10年働いたのち、語学留学のためオーストラリアへ渡りました。
そこで出会ったピンクグレープフルーツを使用したビールが衝撃的に美味しかったのを鮮明に覚えています。
そこからクラフトビールにはまり、現地のブルワリーを多々訪れ、さまざまなビールに出会ううちに自分でビールを造りたいという気持ちが大きくなりブルワーに転向。
帰国後は青森のブルワリーで醸造の技術を身につけ、東京に帰ってきました。今までの経験を活かした自分のビールが東京でどのように評価されるのか楽しみです。
奥村 千佳
アシスタント
前職でバーテンダーとして酒好きのお客様と接するうちに、ビールの魅力に引き込まれて入社しました。担当業務は、受注/出荷対応、ビールの在庫管理、レギュラービールの醸造補助、シーズナルビールの提案/醸造など。
ビールは手元ですぐに調整できるカクテルと違い、仕込んだ後に結果が見えるのは数週間後。その間の変化も想定して仕込まなければいけません。また、ただ材料を合わせるだけではなく、酵母という生き物が相手なので同じように仕込んでも全く同じように仕上げるのは至難の技。頭の中にある味をどのように組み立てれば実際のビールに仕上がるか模索するのは楽しくもあり、難しいところ。ビールは知れば知るほど奥深さを感じます。
今後は、定番ビールはより洗練された仕上がりを追求しながら世の中があっと驚くビールも世の中に送り届けていきたいです。飲んだことのない人や飲みなれていない人の興味をそそり、一口だけでも飲んでみたいというきっかけを与えられたらなと思っています。