中国で違法ワクチン200万本 母娘が無許可で仕入れ転売 100億円荒稼ぎ

 【北京=矢板明夫】中国で適切な温度で管理されていなかったインフルエンザや水痘などのワクチン約200万本が全国各地で違法に販売され、多くが学校や病院などで子供などに投与されたことが判明した。幼い子供を持つ保護者の間で不安が広がっている。

 中国メディアによれば、違法ワクチンの販売は山東省の元病院勤務の女と、医学関連の学校を卒業したその娘が主導した。2010年ごろから医薬品会社から使用期限が近いワクチンを安く仕入れ、インターネットなどを使って各地の業者に転売した。ワクチンは一般企業が製造した正規品だが、低温保管などの規定を守っていなかった。

 2人は薬品を取り扱う営業許可を得ておらず、15年までの5年余で5億7000万元(約99億円)相当を24の省・自治区・直轄市の業者に売っていたという。

 中国の医療問題専門家によれば、低温保存されていないワクチンを接種すれば、期待される病気予防の効果がないどころか、副作用の恐れもあるという。

会員限定記事

会員サービス詳細