BCGで新型コロナ予防説「根拠なし」 WHO表明

BCGワクチンを接種し、6週間経過した赤ちゃんの上腕(結核予防会提供)
BCGワクチンを接種し、6週間経過した赤ちゃんの上腕(結核予防会提供)

 世界保健機関(WHO)は12日付の報告で、乳幼児向けの結核予防のBCGワクチンが新型コロナウイルス感染を防ぐ可能性があるとの説について「根拠はない」として、使用を「推奨しない」と言明した。

 WHOは、本来の目的以外に使われると供給不足を招き「乳幼児がワクチンを受けられなくなり、結核の発症や死者が増える可能性がある」と懸念。一方で、二つの臨床試験が進行中で結果が判明し次第、BCGワクチンが新型コロナウイルスにも効くのかどうかWHOとして判断するとしている。

 WHOによると、結核は2018年に最も死者数が多かった感染症で、約1千万人が発症し、約150万人が死亡した。

 BCGワクチンの新型コロナウイルスへの有効性については、日本ワクチン学会も今月、「現時点では否定も肯定も、もちろん推奨もされない」とする声明を発表。日本結核・非結核性抗酸菌症学会も「高齢者や免疫力の乏しい人に接種することで、重篤な副作用が生じる事例がある」と警告していた。(共同)

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