すしなどの食材として人気があるウニを、クローバーなど陸上のマメ科植物を餌にして育てる技術を九州大と宮城大が共同開発し、特許出願した。天然では難しい高品質な通年生産が可能で事業化を目指している。
天然ウニの餌となるコンブは春夏によく生えるが、秋冬は減少するためウニが身痩せし、売り物にならない。コンブが豊富な北海道などでは、冷凍して秋冬に与える養殖を行い対処しているが、他の地域では難しい。クローバーは季節を問わず簡単に栽培でき安価。関東以北の代表種であるキタムラサキウニに2カ月間与えると、味に関わるアミノ酸や脂肪酸の量がコンブなどで育ったときと同等で、商品価値を左右する食用部の色はより鮮やかだった。
全国の海岸では近年、大量発生したウニが海藻を食べ尽くす磯焼けが頻発。餌不足でウニの品質が下がる問題が起きているが、この対策にも応用可能という。